結婚式に参列する際に着るスーツベストの選び方
結婚式に招待された場合は、スーツやベストを着用します。ベストは、スーツスタイルでのコーディネートの幅を広げることが出来るアイテムです。しかし、結婚式では、どんな色のスーツベストを着ようか、夏の結婚式では暑いからベストは着用しなくても問題ないのかなど、ベストの着こなしで悩まれる人も多いのではないでしょうか。
結婚式は、一生の思い出となる大きなイベントとなります。友人や親族の晴れ舞台で恥をかくことがないように、結婚式での服装のマナーを知っておくことが大切です。今回は、スーツベストの色の選び方や、正しい着こなし方をご紹介します。
夏の結婚式ではベストを着用すべき?スーツのジャケットを脱いでも良い?
「夏の結婚式にベストは暑苦しいのでは?」と思われる人もいます。結婚式の服装マナーとしてはスーツにベストを着用するのは正しいのでしょうか。
結婚式の場合、シャツはもともと下着であったことに由来し、ベスト着用が正式となっています。結婚式でベストを着ていないのにも関わらず、スーツの上着を脱ぐことはマナー違反になりますので注意しましょう。
ベストはもともと上着とされているため、ベストを着用していれば上着のジャケットを脱いでもマナー違反にはなりません。暑い夏にこそ、ベストは着用しましょう。
夏用のベストも販売しています。ベストを着用するのは暑いと思われる人は、夏用と冬用と使い分けると良いでしょう。
ベストの色はどんな色がOK?
結婚式で着用するベストの色については、この色のベストを着用しないといけないという厳格なマナーはありません。ベストの着こなしに慣れていない人は、ジャケット、パンツ、ベストと合わせて着用できるスリーピーススーツを購入しましょう。しかし、全身黒一色となるようなコーディネートはお葬式を連想させるので避けましょう。
主役となる新郎・新婦よりも目立たないベストの色・柄であれば基本的にはどのようなベストでも大丈夫です。自分のお気に入りのベストや着こなしで参列しましょう。白やシルバーのスーツベストは新郎と被る場合があるので、事前に確認しておきましょう。
色違いのベストは適切?組み合わせのコツ
スーツとベストの色違いの着用は結婚式では適切でしょうか。色違いのベストを着用したい場合、どのような組み合わせにすれば良いのでしょうか。
スーツとベストの色違いは、オッドベストと呼び、上級者向けのコーディネートです。オッドベストをする場合は、必ずスーツとパンツの色は合わせておきましょう。結婚式に参列するにしては、カジュアルに見えてしまいます。
色の組み合わせとしては、スーツが黒でベストがグレー等同系色で揃えるのが基本です。同系色といっても、同じグレーで少しだけ濃淡が異なるものという些細な色の違いだけでは、ちぐはぐに見えてしまうので格好悪くなります。また、明暗が極端でコントラストが強い組み合わせは、結婚式で目立ちすぎてしまうのであまり好ましくありません。
色だけではなく、柄違いのコーディネートもあります。スーツを無地にして、ベストを格子柄にする等です。どちらも柄にしてしまうと、少し派手になりすぎる可能性もあるので注意しましょう。
黒
スリーピースのブラックスーツを購入した場合、黒いベストがセットで付いてきます。結婚式で黒いスーツベストを着用しても構わないのでしょうか。
結婚式で黒いスーツに黒いベストはマナー違反にはなりません。しかし、どうしても黒の割合が多くなり、お祝いの場であるのにも関わらず、お葬式のような暗い印象になってしまいます。
黒いベストを着用する場合には、ネクタイやハンカチーフをシルバーや黄色等の明るい色にしましょう。ネクタイを蝶ネクタイにしてみたり、柄をドット柄のようなポップな柄にするのも良いでしょう。小物を明るい色や柄にするだけでパッと華やかな印象になります。
しかし、ポップな柄といっても、アニマル柄はNGです。殺生を連想させてしまうので、結婚式では避けましょう。
ネイビー
最近流行となっているのがネイビーのコーディネートです。ネイビーのベストはダークスーツに該当し、結婚式で着用することができます。暗い色味のネイビーカラーは、着る人を大人っぽく、落ち着いた印象にしてくれます。明るい色味のネイビーカラーは、爽やかで、華やかな印象を与えます。
冠婚葬祭に使用する黒の礼服はビジネスには使用できませんが、ネイビーのスーツであれば、ビジネスにも使用できます。外国ではビジネススーツはネイビーやグレーが一般的となっています。結婚式のみならず、ビジネスシーンにも利用できる汎用性の高いネイビーのスーツベスト、是非一着購入されてみてはどうでしょうか。
グレー
グレーのベストは、ベストの色で一番お勧めの色です。同じグレーのスーツに合うのは勿論の事、黒やネイビーのスーツに合わせると一気に明るい印象に変えてくれます。どんなスーツにも合うので一着あると非常に便利です。
同じグレーのベストでも、朝~昼に開かれる結婚式に参列する場合は、明るいグレーのベストがより好ましいです。夕方~夜にかけての結婚式に参列する場合は、暗いグレーのベストが向いています。
わざわざ夜の参列だからといって、ダークグレーのベストを購入する必要はありません。もしグレーのベストを2着所持しているのであれば、参列する時間によって使い分けてみてはどうでしょうか。
ベストのボタンの留め方
実は、結婚式のベストのボタンの留め方にはマナーがあります。着こなしのマナーとして、ベストの一番下のボタンは留めない事とされています。このマナーを「アンボタンマナー」といいます。この習慣は、19世紀の初めから受け継がれています。
基本的にはベストの場合はスーツと異なり、1番下のボタンを留めないように作られているわけではありません。しかし、ベストによっては、一番下のボタンを留めることができない仕様になっていたり、留めるとシワが入ってしまうベストもあります。
ベストのボタンの数は、4つボタン、6つボタンのものとありますが、結婚式に着用する時には、どちらのベストを着用しても構いません。結婚式だからといって、全てのボタンを留めてしまうとマナー違反となり、恥をかいてしまいますので注意しましょう。
結婚式でスーツベストのみを着るのはあり?
結婚式でスーツベストのみの着用はマナー違反にならないのでしょうか。ベストを着ていれば、上着を脱いでいてもマナー違反とはなりません。
しかし、新郎がジャケットを着ている場合は、参列者も同様にジャケットを着ておくのが無難です。結婚式の二次会などでは、新郎もベストのみのスタイルであることが多いので、その際にはベストのみの着用でも問題ありません。
ベストのみになるのであれば、シャツのマナーにも注意しましょう。ビジネス用のシャツや、肌が露出してしまうような半袖のシャツはNGです。シャツは、スーツのジャケットから袖をのぞかせることで、ドレスアップする役割も果たしています。そのため、ドレスアップしなければならない結婚式に、半袖シャツは相応しくありません。
ベストを正しく着こなして結婚式でもセンス良く
ベストはフォーマルなコーディネートをするためにはかかせないアイテムです。ベストを着る事で、スタイルが良く見えます。夏の暑い日であれば、ベストを着ておけば、ジャケットを脱いで涼んでもマナー違反とはなりませんし、寒い冬の日は防寒としても役立ってくれます。室内の温度差が激しい時にも、簡単に温度調節をすることができます。
実際に会場についてから慌てることのないように、事前に服装の準備やチェックを怠らないようにしましょう。ベストは、自分の身体に合ったサイズのものを選び、出発前までには汚れやシワがないかを確認しておきましょう。一番下のボタンは開けておくのも忘れないようにします。
ベストの色や柄は派手すぎなければ、決まりは特にありません。大切な友人・親族の結婚式には、自分らしいおしゃれな着こなしをしてお祝いしましょう。