初盆の香典マナー|香典袋の注意点・金額・渡すタイミングなど

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初盆の香典袋とは?

お盆は地域によってしきたりや風習が異なります。まず初盆とは、「四十九日の法要を済ませた後に訪れる最初のお盆」のことを言います。初盆または、新盆(にいぼん)とも呼ばれています。

地方によってお盆の時期は異なりますが、一般的には8月13日~16日です。6月25日までに亡くなった人の場合、初盆は今年の夏ということになります。26日以降になると、来年の8月に初盆となります。なお、旧暦の場合は7月15日前後に初盆を行います。

毎年、お盆の時期は亡くなった故人や先祖を迎えますが、初盆だけは僧侶を招いて法要を行います。初盆には、親族だけではなく故人とお付き合いがあった人や会社関係者、友人や知人も参列をします。

初盆以降の法要は、一回忌、三回忌、七回忌などは故人の命日に行います。初盆の香典袋は、通常と異なることが多々あるので下記でご紹介いたします。

四十九日とは?

四十九日とは、故人が亡くなり来世までの行き先を決めるための重要な時期です。亡くなった故人の成仏を祈り極楽浄土に行けるように法要を行います。亡くなった日から7日毎に法要を行います。これは、7日毎にエンマ大王に裁判で故人が裁かれるという考えから来ています。

なお、神式では、五十日祭という考え方があり儀式を行うことによって故人は氏神へと旅立つと考えられています。

初盆とは?

故人が四十九日を過ぎて最初に迎えるお盆のことです。お盆には先祖や故人が家に帰ってくると考えられており、一般的には自宅で先祖や故人を迎えるべくお供え物や提灯を準備します。

初盆には、僧侶や親族そして故人が生前親交のあった人々を招いて法要を行います。

各地のお盆時期とは?

お盆は地域によって日が異なります。現在では、7割以上が8月15日前後にお盆を迎えますが一部ではまだ旧暦でのお盆をしています。そのため、初盆を迎えるにあたって各地のお盆の時期を確認しておくと良いです。

下記が各地のお盆の時期です。
・関東地区 7月13日~15日
・沖縄や奄美大島の一部 8月20日前後
・南関東地区と西日本全般 8月13日~16日
・その他の地区 8月1日

関西地区や北陸地区の初盆の香典袋とは?

関西地区や北陸地区では、香典に黄白の水引を使います。結び目は、結切りや鮑結びとなります。これは、京都の公家社会からの名残で深い悲しみを表す黒を避けて、黄色を使うようになったためであると言われています。

それ以外の地区の初盆の香典袋とは?

関西地区や北陸地区以外では、一般的に初盆の香典袋は、水引に使用するのは双銀・藍銀、もしくは黄銀となり、結び目は関西地区や北陸地区と同じで結切り・鮑結びとなります。

地域によって香典袋が異なるので注意して香典袋を用意しましょう。

初盆の香典袋の表書きの書き方は?

初盆の香典袋の表書きは、「御佛前」か「御仏前」と記入をします。薄墨は使用せずに、必ず濃い墨で記入しましょう。

「御供物料」とは、お供えの品物の代わりに現金を包むことを意味しています。「御供物料」を、「御佛前」「御仏前」の代わりとして使用しても、別に用意しても問題はありません。

香典袋の表書きの名前部分の記入方法とは?

初盆の香典袋の表書きの名前の部分の書き方は本人と代理人では異なります。本人がそのまま香典袋を出す場合はそのまま、自身の名前を記入すれば良いです。

妻が代理で香典袋を出す場合は、夫の名前の左下に小さく「内」と記入をします。なお、受付名簿に記入する際にも香典袋の表書き同様に夫の名前の左下に小さく「内」と記入します。

夫婦で出席する場合は、香典袋の中央に夫の名前を書き、左下に妻の名前を書きます。複数人で香典袋を用意する場合、2名の場合は中央部分に2人の名前を記入します。3名の場合は中央に1人記入し、両サイドに1人ずつ記入をします。香典袋は、3名までとなります。

なお、上司と一緒に香典袋を用意する場合は、上司の名前は右側に記入をします。会社名義で香典袋を用意する場合、会社名を右側に記入し代表者の名前を記入します。部署やグループで香典袋を用意する場合、右側に会社名を記入し中央に〇〇一同と記入をします。一同と記入するのは、人数が数名におよぶ場合です。

裏書き

香典袋の中包みの裏側に名前と住所を記入します。正式には筆が良いですが、ペンでの記入でも問題はありません。

香典袋の金額を記入する箇所には諸説ありますが、金額を中包みの表紙に記入する場合は、中央に記入します。裏側に記入する場合は、右側に金額を記入し、左側に住所と名前を記入します。

中袋の記入方法とは?

香典袋の中袋には、必ず包んだ金額を記入します。では、中袋の金額の記入の仕方を紹介しましょう。

市販されている香典袋の中には、金額を記入する欄が印刷されているものもあります。この場合は、そこに金額を記入すれば良いです。また、記入欄ない場合は、横書きで記入しても問題はありません。

香典袋に使用する数字は一般的な数字の書き方とは異なります。下記で数字の書き方をご案内いたします。

1-壱
2-弐
3-参
4-一般的には使用しません。
5-伍
6-六
7-七もしくは、漆
8-八
9-一般的には使用をしません。
10-拾
100-百
1000-仟もしくは、阡
10000-萬

実際の記入例

5000円-金伍阡圓となり、10000円-金壱萬圓、30000円-金参萬圓となります。

香典袋の包み方

一般的に香典袋を持参する場合、袱紗(ふくさ)に包んで持参をします。袱紗の色は、黒もしくは紫もしくは、グレーのものとなります。どうしても袱紗がない場合は、派手でない地味目の色のハンカチで代用をすると良いです。くれぐれも、香典袋そのままを持参するのはマナー違反となるのでご注意ください。

熨斗袋へのお金の入れ方

熨斗袋にお金を入れる場合は、新札を使用しません。新札を使用する場合は、折り目を入れてから熨斗袋に包みます。

お札の枚数は、「4」「9」を避けるようにします。これは「4→死」「9→苦」を連想させるためお札の枚数としては相応しくありません。

そして、お札の表側(人物の顔が載っている面)を上にして袋に納めます。お札の入れ方には諸説あるのであまり気にする必要はありませんが、お札の枚数が2枚以上になる場合は、お札の向きをそろえて包みましょう。

相手別初盆の香典の相場

初盆の香典の相場は、故人との縁に合わせて金額がことなります。初盆の際の法要に会食があるのかどうかによって香典の金額を決めると良いです。会食に出席する場合は、お食事代も含めた香典料となるように金額決めましょう。

会食がある場合は、一般的に3000~10000円前後香典に上乗せして、キリの良い金額になるように包みます。

下記では、故人との関係別の香典相場をご案内いたします。

初盆の香典料(両親の場合)

両親(父親、母親、義理の父親、義理の母親)の初盆の香典料の相場は、30代で10000~50000円、40代~50代で10000~100000円となります。

初盆の香典料(祖父母の場合)

祖父母の初盆の香典料の相場は、30代~40代で3000円~30000円、50代で5000円~30000円となります。

初盆の香典料(おじおばの場合)

叔父、叔母、伯父、伯母の初盆の香典料も相場は、30代で5000円~20000円、40代で5000円~30000円、50代で5000円~50000円となります。

初盆の香典料(兄弟の場合)

兄弟、姉妹、義理の兄弟、義理の姉妹の初盆の香典料の相場は、30代で10000円~30000円、40代~50代で10000円~50000円となります。

初盆の香典料(子供の場合)

結婚して独立をしている息子、娘の初盆の香典料の相場は、40代~50代で10000円以上となります。

初盆の香典料(身内の場合)

従兄弟、従姉妹や甥、姪など親戚身内の初盆の香典料の相場は、30代~40代で3,000円~10,000円、50代で3,000円~30,000円となります。

初盆の香典料(近所の場合)

ご近所さんの初盆の香典料の相場は、30代で2000円~5000円、40代で2000円~10000円、50代で3000円以上となります。

一般的には、親族以外で一周忌法要後の法事に参列することはあります。上記の相場は、法事の案内状を受け取るような間柄だった場合の相場例です。

初盆の香典料(友人の場合)

友人の初盆の香典料の相場金額は、20代3000円~5000円、30代3000円~10000円、40代~50代で5000円~10000円となります。

初盆の香典料(職場の場合)

職場や会社関係で、数人でお香典を包む場合はキリのよい数字になるように金額をまとめます。

職場の上司の初盆の香典料の場合30代で1000~5000円、40代~50代で1000~10000円となります。

職場の同僚の場合、30代で1000円~5000円、40代で3000円~5000円、50代で3000円~10000円となります。

また、まれに会社名で香典を包む場合があります。これは、故人が会社への貢献度が高かった場合や元経営者や元役員だった場合、仕事中の事故による死亡の場合などがあります。
この際の香典の相場金額は10000円~100000円となります。

初盆に参列するときの服装は?

地域によって多少異なりますが、一般的には喪服や黒の服装を選ぶと良いです。

夏場は、男性は半そでのシャツに黒いズボンを合わせると良いです。女性は、喪服や黒のワンピースが無難です。特に気を付けるべきことは、シャツを着用する場合は襟付きの者を選ぶこと、ジーパンはNGであることです。

初盆に盆棚のお供えは?

初盆の際、盆棚のお供えには五供と呼ばれるものが必要です。五供は、香(線香)、灯燭(ろうそく)、花(お盆の時期の花、もしくは故人が好きだった花)・浄水(水)・飲食(果物や故人が好きだった食べ物)をお供えします。

故人が食べられるよう五供は封を開けてお供えをします。お供えの相場は、5000円~10000円前後となります。

初盆の法要のお布施金額は?

初盆を迎えるにあたってお寺に連絡を取り、法事予約を行います。この際の、初盆のお布施金額の相場は、3万円~5万円となります。

その他にも、お車代や御膳代が必要となります。なお、僧侶が会食を行う場合はお布施とお車代のみをお渡しします。また、お布施を僧侶に渡す際は必ずお盆に載せてお渡しするのが礼儀となりますのでご注意ください。

初盆のお返しとは?

初盆でいただいたお香典のお返しとして香典返しや返礼品を送ることがあります。

初盆の法要に出席した後に会食でおもてなしを行い、引き出物をお持ち帰りいただく場合や、初盆の法要に欠席されお香典のみ頂戴した場合にお礼状をそえて香典返しや返礼品を送ります。

引き出物の場合

引き出物は、法要に参列された方へのお返しの一部です。なお、法要で会食を行う場合は、これも香典のお返しの一部となります。

引き出物の熨斗の水引は、黒白もしくは双銀の結び切りとなります。引き出物としてお渡しされるものは、石鹸やタオルなどの生活において実用的な品が多いです。また、遠方からの方には重いものやかさばるものは避けます。

熨斗の表書きは、「粗供養」、「志」と記入します。初盆の引き出物の相場価格は、2000円~5000円となります。

法事の後の会食を設けない場合は、詰め折りの料理やお酒の小壜を引き出物と一緒に渡します。

返礼品の場合

初盆の法要にお香典を送っていただいた方々へ送る香典返しのことを言います。この場合の熨斗の水引も黒白もしくは、双銀の結び切りとなります。熨斗の表書きは、こちらも引き出物と同様に、「粗供養」「志」と記入をします。

品物として選ばれるのは、洗剤や石鹸などの生活実用品で日持ちをするものが良いです。最近では、カタログギフトを選ばれるケースもあります。

返礼品の相場価格は、2000円~10000円前後となります。

初盆の香典を渡すタイミングとは?

初盆の香典を渡すタイミングは、受付で芳名帳を記入した際に渡すのが一般的となります。しかし、受付がない場合もあります。この場合は、礼拝の時にご霊前に供えます。

また、直接遺族に香典を手渡ししてもマナー違反となります。お渡しする際は、袱紗から香典を出し、香典の文字が正面にくるように持ち渡します。

初盆に参列できなかった場合、香典を郵送されることもあります。この場合は、お詫びの文を添えて香典を送りましょう。初盆を前に届くように郵送を行います。時期としては、初盆を迎える一週間前が理想的です。

神式の初盆の香典マナー

神式には、仏教と異なり初盆の風習はありません。しかし、神式の家でも初盆を行う家が多いです。神式だからといって特別な式次第を行うわけではなく、祭事祭壇やお供え物を神式にします。

神式の香典には、宗教に関係なく使用できる「御霊前」と記入します。「御玉串料」、「御榊料」と記入しても大丈夫です。また、香典袋には、仏教で使用する蓮の葉がないものを選ぶと良いです。

初盆は親族にとっても重要行事

初盆には、身内や故人が生前親しい人々を招いて法要を行います。初盆に招待をされた際は、失礼のないように故人の宗教や住んでいる地区のお盆の時期を調べておくと良いでしょう。

初盆は、遺族にとってとても大事な行事です。香典袋のルールや香典の相場金額を法要に参列される際の参考にしていただけると何よりです。

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