【1月時候の挨拶例文あり】手紙を書いてみませんか?
手紙の良いところとは、何でしょうか。それはやはり、気持ちが伝わることではないでしょうか。お礼をするときや、お祝いをするとき、案内状を出すとき、いずれにしても、相手のことを想い、封筒や便箋を選び、筆を取り、時間をかけて心を込めて書くことで、内容だけではなく、「想い」も一緒に届けることができます。
また、手紙は送った後も、何度も読み返すことができ、いつまでも保管しておくことができます。そうであれば、より一層、丁寧に書こうと心掛けます。そして、丁寧に書かれた手紙は、受け取る側を嬉しい気持ちにもさせてくれるでしょう。
昨今は、もっぱらメールが主流になっていますが、大事な要件こそ、メールで済まさずに、ぜひ、手書きの手紙を送ってみるのはいかがでしょうか。1月に手紙を出す際に使える、時候の挨拶例文を紹介します。
1月の時候の挨拶の種類と意味
手紙では、いきなり本題を書き始めるのではなく、「時候の挨拶」を用います。時候の挨拶とは、季節や天候の移り変わりを表す言葉のことであり、それを用いることにより、同時に相手の健康を気遣うことができます。
俳句などで、季節を表す「季語」が存在しますが、手紙にも、季節ごとに挨拶がある程度決まっています。1月ならではの行事や、1月の寒さを感じさせる語が存在します。また、1月でも、時期によって用いるべき語、そうでない語があります。正しい時候の挨拶を用い、季節を感じられる手紙を書いてみましょう。
結び・締め
結び・締めは、手紙の最後を締めくくる言葉を指します。
親しい人への手紙なら、相手の幸せや健康を願う言葉を添えます。1月ならば、新しい1年の幸福を祈ったり、寒さによる風邪を気遣います。1月のビジネスシーンならば、会社の繁栄や活躍を願う言葉を添えます。
最後に、相手のことを思い、心を込めて締めくくることで、読み手にとって気持ちよく読み終えられ、良い印象の手紙になります。結び・締めに使える1月の時候の挨拶は、以下のものがあります。
「厳しい寒さが続きますが、風邪など引かれませんようお気をつけください。」
「幸せに満ちた1年となりますよう、お祈り申し上げます。」
「雪の舞う季節ですが、足元にはお気をつけください。」
中旬
年賀状は、通常松飾りのある間に出します。地域によって多少の違いはありますが、おおよそ1月7日までといえるでしょう。1月中旬に出す手紙には、そんな正月が終わったことを意味する「松飾りも取れ」などといった言葉を用いると良いでしょう。まさに、1月の時候の挨拶だからこそ用いることができる、言葉でしょう。
1月中旬に使える時候の挨拶は、以下のものがあります。
「松も明け、寒さがますます厳しくなってまいりました。」
「松の内を過ぎ、寒さも本格的になってきました。」
暖冬
暖冬とは、1月やそれ以降の冬で、平年よりも気温の高い冬のことを指しますが、その言葉をあえて用いて、相手の健康などを願うという時候の挨拶があります。暖冬という季語を使った1月の時候の挨拶は、以下のものがあります。
「今年は例年にない暖冬とは言いますが、お風邪など引かれませんようご自愛ください。」
「今年は例年にない暖冬とのこと、いかがお過ごしでしょうか?」
「今年は暖冬ではありますが、風邪には十分お気をつけください。」
「暖冬とはいえ、やはり寒さは厳しいです。」
の候
「○○のように、季節も移り変わってまいりましたが」という意味です。
候の前には、1月の季語をつけます。続けて相手の安否を問うのがマナーとなっています。とてもかしこまった言い方なので、ビジネスや目上の方への手紙に用いると良いでしょう。1月の時候の挨拶としては、以下のようなものがあります。
新春の候
初春の候
酷冬の候
厳冬の候
寒冷の候
寒冷の候
寒風の候
大寒の候
小寒の候
甚寒の候
頌春の候
初旬
1月の初旬といえば、お正月明けを指します。書き出しには自分の体感した1月の行事のことをしたためる、という時候の挨拶があります。結びには相手の健康や幸せを願う文を書くと良いでしょう。
1月初旬に使用できる時候の挨拶は、以下のものがあります。
「松も明け、正月気分がすっかりぬけました。」
「寒い日が続きますが、風邪などお引きになられないようお気をつけください。」
初春
「初春の候」とは、元日から1月中旬までを指します。一般的には、旧暦の表現に合わせ、現在のお正月辺りを意味することが多いです。年賀状や、年賀状を出すには少し遅くなったときの時候の挨拶に用いると良いでしょう。
初春という1月の季語を用いた時候の挨拶は、以下のようなものがあります。
「初春の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「初春の候」
「初春のみぎり」
拝啓
「拝啓」と「敬具」は頭語と結語といい、セットで用いらなければならない語です。拝啓の後には、「1月の季語」「の候」を続けましょう。
「拝啓 新春の候 みなさまにおかれましては、お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。」
文末に「敬具」とつけます。
新春
新年を指す季語です。地域によって多少の誤差はありますが、松の内の期間までは用いることができます。新春という1月の季語を用いる時候の挨拶は、以下のようなものがあります。
「拝啓 新春の候 みなさまにおかれましては、お元気にお過ごしのこととお慶び申し上げます。」
「新春を迎え、ご家族で賑やかなお正月をお過ごしかと存じます。」
シーン別1月時候の挨拶例文
親しい友人に出す手紙、恩師など、目上の人に出す手紙、取引先や上司など、ビジネスシーンで出す手紙など、一言で手紙といっても、手紙を出すシーンはさまざまです。そこで、シーン別に使える1月の時候の挨拶を入れた例文を紹介します。
本題の前に用いる前文と、本題の後に用いる結びの文を、いくつか紹介しますので、ご自身が手紙を出すシーンによって、時候の挨拶を使い分けてみてください。
ビジネス
ビジネスシーンでは、相手側に失礼のないように気を配ることが大切です。新春の候初春の候酷冬の候厳冬の候寒風の候寒冷の候大寒の候あとに、
「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。」
「貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。」
「貴社ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。」
と続けます。結びは、
「本年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。」
「本年も、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。」
などがよいでしょう。
手紙
手紙では、時候の挨拶の後に相手の安否を尋ねる挨拶を書くと、手紙全体がすっきりとしてみえます。
1月は新年の挨拶として手紙を送ることが多いのでビジネスシーンでは、今年1年間の相手側の繁栄を願う一言がある良いです。親しい相手に送る場合は、1月は寒さ厳しいですので、体調を気遣う一言があると良いです。また、自らが体感した1月の行事について書くと、より一層季節感が出て良いでしょう。
「寒さ厳しき今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。」
「正月気分もすっかり抜け、ますます寒くなってまいりました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?」
お礼状
お礼状では、何に対してのお礼なのかを述べた後、相手の安否を気遣ったり、1月初旬であれば新年の挨拶や、今年の相手側の発展を願う一言を添えましょう。
「新春の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。いつも、何かとお心がけ下さり、ありがとうございます。」
「今年も幸多き年となりますよう、お祈り申し上げます。」
メール
メールでは、あまり堅苦しくならないよう、なおかつ1月の季節を感じることができる時候の挨拶を取り入れると良いでしょう。メールは手書きの温かさが感じられない分、相手の安否や健康を問う一言を添えるのを忘れないようにしましょう。
「毎日寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?」
「今年は、どんなお正月をお過ごしでしょうか?」
「明けましておめでとうございます。」
「昨年は大変お世話になりました。」
会社
会社への時候の挨拶は、1月の季語を用い、美しい文章になるように心掛けましょう。また、相手側の会社の繁栄を願う一言を加えることを忘れてはいけません。
「新春の候 貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
「新春を寿き、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。」
招待状
招待状に入れる時候の挨拶は、季節感が伝わる1月の季語があると良いでしょう。手紙全体も美しくまとまり、招待される側も、1月の季節を感じることができます。
「冬晴れの美しい空が気持ち良い季節となりました。」
「風花(冬にちらちらと舞う雪のこと)が美しく舞う季節となりました。」
「新春の光が差し込むのどかな季節となりました。」
案内
案内状に入れる時候の挨拶は、招待状同様、季節感が伝わる1月の季語があると良いでしょう。また、案内される側が気持ちよく読めるよう、相手の安否を気遣う一文を書き出しに入れるとなお良いです。
「お正月気分もすっかり抜けて、ますます寒くなってまいりました。」
「松もとれましたが、まだまだ寒い日が続きます。」
「みなさまにおかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
目上
目上の方への手紙には、1月上旬であれば、必ず新年の時候の挨拶を入れましょう。また、相手側の家族の健康まで気遣えると良いでしょう。
「謹んで新年のご挨拶を申し上げます。」
「厳しい寒さが続きますが、お変わりございませんか?」
「ご家族皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。」
「本年も幸多き一年となりますよう、お祈り申し上げます。」
1月時候の挨拶を楽しもう!
いかがでしたか。こうしてみると、1月だけでもたくさんの時候の挨拶の種類があることがわかります。同じ1月でも、お正月、1月中旬など、日にちによっても使用できる時候の挨拶が変わってくるので、注意して使い分けたいです。
これだけたくさんの時候の挨拶があると、手紙を出すのも楽しみになってきます。また、自分が受取手になったときにも、時候の挨拶文を読む楽しみが増えたのではないでしょうか。