お祈りメールに返信するべきか|就活マナー・返信方法

ビジネスマナー

そもそもお祈りメールって何?

就職活動を行っていると「お祈りメール」という言葉を耳にしませんか。お祈りメールとは、書類選考や面接を受けた企業から、メールで送られてくる不採用通知の俗称です。末尾に「益々のご活躍をお祈りいたします」などで締められていることが多いため、このように呼ばれています。他にも祈りメールやお祈りなどとも言われます。あなたはお祈りメールが送られてきた際に、返信すべきか悩んだことはありませんか。

今回は就活マナーとともに、お祈りメールは返信すべきなのか、どのような書き方が正しいのかなどをご紹介します。

お祈りメールの意図とは

近年ではインターネットを使って採用活動が行われることが増えており、 合否をメールで知らせることも珍しくありません。不採用通知の場合には末尾に「ますますのご活躍をお祈り申し上げます」「今後のご健闘をお祈りいたします」などと表記されることが多いため、「お祈りメール」と呼ぶようになったと言われています。

お祈りメールの内容は「慎重に検討したものの」「今後の活躍を」と締めくくられることが多く、不採用となった就活生の気持ちを考慮した内容にも見えます。しかし、不採用の理由について具体的に記されていることは少ないと言われています。低姿勢な内容ではありますが、テンプレート的な内容で就活生に対する誠実さが感じられないと不快感を覚える人もいます。

お祈りメールはいつ届くのか

お祈りメールは、おおよそ選考日から1、2週間以内に通知されることが多いです。しかし、就活面接においては、採用選考を申し込んだ就活生全員が必ずしも連絡をもらえるとは限りません。

特に、数百人規模の応募がある場合は、全ての人に結果の通知を行っていない企業も最近は増えており、このことは「サイレントお祈り」と呼ばれています。サイレントお祈りが増えている理由としては、人件費の削減や不採用者からのクレームを避けるためと言われています。

お祈りメールのテンプレート

お祈りメールは、企業側がたくさんの就活生に送信するメールです。お祈りメールの特徴は、テンプレート的な文章の構成になっているところです。

<お祈りメールのテンプレート>
〇次選考結果について

○○大学 △△様
株式会社◇◇ 人事部の××と申します。
この度は、弊社の選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。
慎重に検討させていただいたところ、誠に残念ではございますが、今回は採用を見合わせることになりました。

ご希望に添えることができず大変恐縮ですが、なにとぞご理解いただきますようお願いいたします。

多数の企業の中から当社に応募いただいたことに感謝するとともに、△△様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

お祈りメールの構成

お祈りメールのテンプレートから、以下のような構成が分かります。

①企業に応募したこと、面接に参加したことへの感謝を示す内容
②選考の結果、採用を見合わせることになったことを示す内容
③不採用に対するお詫び、それへの理解を求める内容
④今後の活躍を期待するといった、いわゆるお祈りメールの典型的な一文で締める

このように、お祈りメールは事務的な文章構成になっています。

インターンシップのお祈りメール

お祈りメールの例文

まずは、インターンシップの選考でのお祈りメールの例文を見てみましょう。

○○大学 △△様

この度は弊社のインターンシップにご応募いただき、 誠にありがとうございました。
慎重に選考を進めた結果、誠に残念ながら今回はご期待に添いかねる結果となりました。

弊社にご関心をお寄せいただいたにも関わらず不本意な結果となり、大変恐縮ではございますが、 何卒ご了承いただければ幸いです。

多数の企業の中から弊社を選び、ご応募頂きましたことを深謝するとともに、○○様の今後一層のご活躍をお祈りいたします。

株式会社 ×× 採用担当

数百人に一斉送信している

インターンのお祈りメールに返信するべきか、迷う人が多いようですが返信する必要はないでしょう。インターンの選考は非常に倍率が高く、お祈りメールも何百人と一斉送信しています。それに対する返信をしたところで、人事側が見ている可能性はとても低いですし、本選考にも影響はないでしょう。

書類選考に対するお祈りメール

次は、一番多く送られてくるであろう書類選考のお祈りメールの例文です。

○○ 様

この度は弊社にご応募頂き、誠にありがとうございました。

ご応募職種にて慎重に検討させて頂きましたが、残念ながら、今回は貴意に沿うことができない結果となりました。
何卒、ご了承頂きたく、よろしくお願い申し上げます。

末筆ではございますが、〇〇様のご健勝と今後のご活躍をお祈り申し上げます。

株式会社 ×× 採用担当

面接のお祈りメール

続いて、面接のお祈りメールの例文です。一度、就活生と採用担当者が対面しているということもあり、来社のお礼を含む丁寧な文になっています。

○○ 様

お世話になっております。株式会社○○ 採用担当の××です。

先日はお忙しい中、面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。

さて選考の結果、誠に遺憾ではございますが、次の選考にお進みいただくことを見合わせることとなりました。悪しからずご了承下さい。

○○様の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。

株式会社×× 採用担当

最終選考のお祈りメール

最後に、最終選考のお祈りメールの例文です。一次や二次面接のお祈りメールより、気遣いのされた言葉や内容になっています。

○○ 様

先日は当社の最終面接にお越しいただきましてありがとうございました。

慎重に選考を進めた結果、誠に残念ながら、今回は○○様のご期待に添いかねる結果となりましたので、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

ご足労いただきながら、不本意な結果となり、大変恐縮ではございますが、何卒ご了承いただければ幸いです。

末筆ながら、○○様の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。

株式会社 ×× 採用担当

お祈りメールは返信すべき?

いくつか、お祈りメールの例文をご紹介しましたが、実際にお祈りメールが届いたら返信はすべきなのでしょうか。ここからは、就活マナーとともに、お祈りメールの返信の有無と返信の仕方についてご紹介します。

返信が必要なとき

返信が必要な場合は以下のとおりです。

①担当者にお世話になったとき
遅刻をしてしまったり、必要書類を忘れてしまったりした場合など、担当者に迷惑をかけたときやお世話になったり、親切にしてもらって個別にお礼が言いたい場合は、返信メールを送りましょう。このような場合、お祈りメールの件名は「ありがとうございました。○○大学の○○です」などのように、本文を見なくても内容がわかる件名にしましょう。

②最終面接で不採用になったとき
最終面接で不採用になり、お祈りメールをもらった場合も、返信した方がいいでしょう。最終面接を経たということは、何度も会社に足を運び採用担当者と顔見知りになっている可能性があります。もし、内定者が内定を断ったり、内定取り消しになったりした場合、逆転して内定となる可能性がありますので、返信のメールを出しておいた方が有利です。

返信が不要なとき

返信が不要なときは、エントリーシートや一次選考で不採用になったときです。先述したように、応募者が比較的多い段階の選考では企業はメールを一斉に配信していることもあり、個別にメールを送信しているわけではありません。そのような事情から、返信をしても企業側に読んでもらえる可能性は低いですので、お祈りメールへの返信に対して頭を悩ませる必要もないでしょう。

しかし例外的に、メールをくれた相手や内容によって自分が返信したくなるメールであれば、自分の気持ちや感謝を素直に伝えるために返信してもよいでしょう。

就活メールのマナー

お祈りメールに返信するとしても、どのようなメールの書き方が正しいのかわからない人も多いでしょう。ここでは、メールのマナーや失礼にならない返信の仕方のポイントをご紹介します。

就活メールの返信のポイント

①件名は簡潔にする
メールの本文に記した内容を簡潔にまとめ、所属と氏名を書きましょう。また、件名に何も書かずに送ることがないようにしましょう。

②誰に宛てたメールなのかわかるように、書き出しに記す
例えば、「株式会社○○ △部 ◇◇様」というように書きます。会社名を略して書くことはマナー違反です。また、個人名がわからないときは、「採用担当ご担当者様」と書きましょう。

③必ず自己紹介をいれる
宛名を書いたあとは、大学名と氏名を記入しましょう。

④適度に改行をする
メールを返信した相手が読みやすいように、一行は30~35文字程度にしておくとよいでしょう。

⑤メール本文の最後に署名を忘れない
大学名(学部学科)、学年、氏名、携帯電話の番号、パソコンと携帯のメールアドレスを書きましょう。署名は、企業側が連絡を取る際に参考にする部分ですので、書き忘れのないようにしましょう。

お祈りメールの返信の仕方

就活メールのマナーを確認したところで、ここからはお祈りメールの返信の仕方についてご紹介します。正しい返信の方法を知り、企業側に良い印象を与えられるようにしましょう。

返信はメール?手紙?

お祈りメールに対する返信はメールより手紙の方が良いのでしょうか。相手がメールで連絡をしているなら、メールで返信をすれば十分でしょう。一般的にはお祈りメールには返信をしないのが普通なので、手紙で返信をしたら大袈裟すぎると思われてしまうでしょう。また、手紙でお祈りが来た場合もメールの返信で問題はありません。お祈りに返信をしても、内定のチャンスが生まれるケースは極稀であるためです。

お祈りメールを返信するときの件名

お祈りメールに返信するときの件名は、送られてきたお祈りメールの件名をそのまま使ってしまってもかまいません。または「選考結果の通知ありがとうございます。」や「お時間いただきありがとうございました。」など、あまりこだわらなくてよいでしょう。

お祈りメールの返信例文集

お祈りメールの返信は、あまり考え過ぎすにシンプルにまとめるとよいでしょう。いくつか例文をご紹介します。まず、お祈りメールの返信の例文をつかって返信のポイントから見ていきましょう。

基本的な返信メールとポイント

<基本的な例文>
株式会社◯◯
△部 ××様

いつもお世話になっております。◯◯大学の△△です。
この度は、ご多忙の中、貴重な面接のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
選考結果につきましては、誠に残念ではありますが、謙虚に受け止め、引き続き就職活動に励んでいきたいと思います。

末筆ながら、貴社の益々のご発展と、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

(署名)

<ポイント>
①返信する相手の会社名、部署、名前を書く
②「お世話になっております」など、挨拶をして大学名と名前を書く
③選考をしてくれたことへのお礼を書く
④不採用結果への感想と、今後の就職活動への抱負を書く

いろいろな例文①

さまざまなお祈りメールの返信の例文をご紹介します。お祈りメールは基本、返信不要とされていますから、なぜ返信したのか理由を明記して、感謝の気持ちをきちんと伝えましょう。

株式会社○○ 採用担当者様

△月□日に、面接して頂いた××大学の○○と申します。
今回は、私のために心を尽くして貴重な時間を取って下さり、本当にありがとうございました。
私の力不足のため不採用となりましたが、今回の経験を活かして、今後も精一杯努力して行うと考えております。

迅速な面接結果のお知らせ、本当に感謝しております。
今後の貴社のご繁栄をお祈り申し上げております。

(署名)

いろいろな例文②

株式会社○○ 人事採用担当者様

△△大学の○○と申します。
先日は、お忙しいなか貴重な時間を割いていただき、本当にありがとうございました。
私の能力が至らないため、不採用の通知をいただく結果となってしまいましたが、◇◇様のご親切な対応と、貴社の活気にあふれる雰囲気を実感し、ますます入社したいという気持ちが高まりました。

今回の結果は残念なものとなりましたが、○○業界についてもさらに深く研究し、実力をつけるため、努力して参りたいと思います。

今回、◇◇様とお近づきになることができ、就職活動に対して前向きに取り組むことができるようになりました。
◇◇様と貴社のますますのご発展をお祈り申し上げております。

(署名)

いろいろな例文③

株式会社○○ 人事部 △△様

お世話になっております。××大学の○○と申します。
先日は、貴重な時間をいただき、誠にありがとうございました。

今回は、残念ながら不採用の通知をいただくこととなりましたが、△△様のお人柄の伝わるご親切な対応と、貴社のあたたかな職場の空気に触れたことで、私にとって、貴社がますます特別な存在に感じられるようになりました。

私の知識不足、また能力不足のため、このような結果をいただくこととなりましたが、貴社への思いは、他の志願者に劣ってはいなかったと自負しております。

今後もこの経験を活かし、貴社の業界で働くことができるよう、 研究と経験を積んでいく所存でございます。

今回、△△様と就職活動を通じて知り合うことができ、誠に嬉しく思います。
▽▽様と貴社のますますのご発展とご活躍をお祈り申し上げております。

(署名)

いろいろな例文④

この返信の例文は、不採用の理由を聞きたいときの書き方です。

株式会社◯◯ 採用ご担当者様

お世話になっております。○○大学の△△です。
先日はお忙しい中、選考の機会を設けていただきありがとうございました。
またご丁寧かつ迅速に選考結果もご連絡いただき、ありがとうございます。

今回は不採用という結果になりたいへん残念ですが、業界の動向や就職活動のアドバイスなどもしていただき、たいへん勉強になりました。
貴社から頂いたアドバイスを活かして、これからの就職活動も頑張りたいと思います。

また、今後の就職活動の参考にするため、差し支えなければ今回不採用となってしまった理由を教えていただけませんでしょうか。
大変恐縮ではございますが、よろしければご返信をいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

(署名)

そもそも不採用理由は問い合わせてよいのか

不採用理由を聞きたい場合の返信の仕方をご紹介しましたが、あまりおすすめはしません。不採用理由を聞いても、企業側は答えてくれない可能性が高いです。応募が少ない企業や選考の場合、不採用理由を教えてくれる企業もありますが、企業側に答える義務はないということを覚えておきましょう。

いろいろな例文⑤

○○株式会社 採用担当 △△様

おはようございます。先日選考でお世話になりました、◇◇大学の××です。
この度は、お忙しいなか貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。

選考結果につきましては誠に残念ではありますが、選考の機会、また面接のお時間をいただけただけでも、大変ありがたい事だと思っております。

貴社のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。

(署名)

失礼のないお祈りメールの返信をしよう

いかがでしたか。お祈りメールは、近年増加している不採用通知の形態です。就活をしているとお祈りメールを目にすることはよくあるでしょう。就活生の中には、お祈りメールの事務的な文面に対して不快感を覚える人もいます。また、不採用理由も分からずひどく落ち込んでしまう人もいるでしょう。

今回ご紹介したように、お祈りメールには基本的に返信する必要はありませんから、メールの内容をあまり重く受け止めないことをおすすめします。就活頑張ってください。

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