購入方法別の中古車購入の流れと注意点
若者の車離れが話題になってから数年たちますが、その理由の一つに経済的な側面があります。車を所有したいけど維持費や駐車場代、ましてや車自体の価格が高いため、なかなか手が出せないというのが実情です。
そこで中古車という選択肢があるのですが、昔から中古車は故障したときに困るから絶対に購入しないという考え方と、車は道具としての消耗品だから中古車で十分という考え方に分かれます。
今の日本では中古車イコールポンコツということはなく、新車と比べて何の遜色もない程度の良いものから、2~3万キロ走行のこれからという車や、それこそ実用でガンガン走り倒せるような車まで、あらゆる媒体から検索ができて購入できる状態にあります。では、どのようにして中古車を購入するのか、流れと注意点も含めてみていきましょう。
近場
以前は中古車を購入、もしくは探しているときには近くの中古車屋さんに足を運んで、現車を見ながら検討するという流れが当たり前でした。その後中古車専門の雑誌が発刊され、首都圏や地方都市の中古車販売店が写真と価格とある程度のスペックを載せて、それを足掛かりに中古屋さんに現車を見に行くという流れに変わってきました。
さらに、ここ近年では、インターネットの普及により、またスマホの普及によりいつどこにいても全国の中古車販売店が抱えている中古車を、検索できるようになりました。これによって近くの中古車屋、遠くの中古車屋という境がなくり、実際の購入は中古車販売店と自宅との距離よりも、車そのものの価値観で決められています。
とは言っても購入時の煩雑な流れや、購入後のメンテナンスなどを考えると、購入する中古車屋さんは近いに越したことはありません。
県外
中古車を購入する際に、現在もすでに車を所有している場合には、県外であってもフットワーク軽く現車を見に行くことができます。県外の中古車屋さんに現車を見に行く流れとしては、まずはネットでほしい車を検索し、その車のあらゆる角度から写された写真を確認し、スペックを読み込み、気に入った車であれば、まだ売れていないかを電話にて確認しましょう。
そしていざ出かけていくときには、近くの中古車屋さんもリサーチし何軒か回れるようなスケジュールを組みます。国道沿いや県道沿いの中古車販売店は、何軒か集まっていることがほとんどです。せっかくですから、複数を見て回れるといいです。
遠方
前述しましたが、インターネットの普及により県外や遠方の中古販売店から車を購入するケースが増えてきています。しかし県外程度でしたら半日もあれば数件の中古車販売店を見て回れますが、遠方ともなるとそうはいきません。
購入までの流れはインターネットで入念な下調べをして、複数の候補の中から絞り込んでほぼこの車を購入しようとまで決めてから、現車を見に行くことになります。現在でも車を所有しているのであれば、下取り査定も含めてその車で出かけていくことになります。
遠方の場合には、何度も足を運ぶことが難しいため、気に入ればそのまま契約という流れになることもありますので、それにともなった準備もしていきましょう。何が必要かは中古車販売店に問い合わせをします。ただし、遠くまで行ったからその車を購入しなければならないわけではありませんので、現車を前にあくまでも冷静に判断してください。
ネット
インターネット時代の象徴として、なんと中古車をネットの検索だけで購入することができます。物理的にはどのような商品でもネットで購入できますが、中古車をとなると少し勇気がいります。
ネットの検索でほしい車種を探すまでは一緒ですが、注意点としてはその中古車販売店の公式ホームページを隅から隅までチェックをし、そして口コミなどもすべて読んでみましょう。仕事の雑な中古車販売店だと、こういうところにも出てきます。ネットチェックで、問題なければ第一関門は突破です。
最後に、中古車販売店に電話をし、担当者にあらゆる質問をしてみます。そこで嫌がらずに納得のいく答えをもらえれば、後々の故障やメンテナンスの際にも安心でしょう。そして購入までの流れの中で、常にその担当者に対応してもらうのがベストです。
中古車購入の手続きの流れとポイント
お気に入りの中古車が見つかって、現車を見て試乗もして、購入の意思が決まればいよいよ契約から納車までの流れとなります。中古車販売店の担当者が流れを説明してくれますし、必要書類のリストを提示してくれて、それに沿って進めていくことになりますから特に心配することはありませんが、基本の流れとポイントだけは押さえておきましょう。
契約の流れ
契約とは双方の条件に基づいて法的に決めごとをすることです。その流れとして、双方の条件とは、中古車販売店側であれば当該中古車を公開し、付帯整備条件などを明確にし、諸費用を含めた金額を決定し提示することになります。購入者側はその条件に同意し、書類を含めて所在を明らかにし、支払方法と支払期日を約束します。
中古車販売店の担当者かから、自動車購入申込書を提示されますのでここに必要事項を記入し、署名捺印したところで契約締結となります。中古車購入に限らず、契約以降は片方の理由による解約はできません。どうしてもということであれば、ペナルティーが発生します。
そして、この契約を結んでから納車までに双方必要書類をそろえて、手続きを進めていく流れになりますが、もちろん疑問点や不安なことなどは遠慮なく中古車販売店の担当者に聞いていきましょう。
車庫証明
車庫証明は車を購入するためには、必須になります。決まった書式の書類がありますので、駐車場の貸主が了解した内容を記載し、購入する車がサイズ的に問題なければ管轄の警察署に提出し許可をもらうという流れです。
この手続きの流れは難しいくはないので時間があれば誰でもできますが、中古車販売店の担当者に頼んでも費用は数千円です。最初の見積もりに盛り込んでおいて、最終金額の交渉時に実質的に費用だけカットしてもらえることが多いです。
保険
保険には自賠責保険と任意保険があります。自賠責保険は手続きの流れの中ではパッケージになっているようなもので、特に考えることはありません。稀に知り合いの保険屋さんから頼まれていたりした場合には、その保険屋さんを指定する旨を中古車販売店の担当者に商談の流れの中で伝えましょう。
任意保険も特に指定がなければ、中古車販売店の担当者はおすすめをしてきます。これは営業成績のポイントにもなるので当然でしょうが、今はネット関係の自動車保険も選択肢が増えてきていて、もちろん事故対応もきちんとしているので保険料などを考えると、下調べをして納車までに自らが申し込むほうが安く上がります。
任意保険に加入する際に気を付けることは、単純に価格だけではなくどのような保険内容にするかということです。事故歴がなく年齢も30代以上であれば対人・対物・搭乗者などの基本のもので年間保険料10000円台というものもあります。車両保険を加えたり、家族に免許取りたての10代・20代がいれば保険料は大きく上がります。
支払い
支払いの方法としては現金、振り込み、提携ローン、銀行のマイカーローンなどがあります。中古車で仮に価格が安くても、クレジットカード払いを受けている販売店はほとんど皆無です。
ではいつ支払いをするかというと、納車までの流れの中で契約の時には手付金が必要になってきます。これには金額の決まりはありませんが、一般的に高額商品の買い物ですので10万くらい用意しましょう。商談の流れで中古車販売店の担当者が即決を求めてくる場合には、10000円以下での手付金でも契約できることがあります。
残金に関しては登録手続きを進める前に半分くらい、納車の時点で残りすべての支払いというケースが一般的です。振り込む場合でもローンを組む場合でも、このタイミングで手続きが完了している必要があります。
ローン
実際にローンを組む場合には、その販売店の提携ローンが一般的です。金利は販売店によって違います。また、金利優遇キャンペーン期間などもありますので、商談の流れの中で確認しておきましょう。
場合によっては、住宅ローンを借りている銀行などでマイカーローンの金利優遇キャンペーンを行っている場合もありますので、そちらも確認してうえで決めましょう。
納車までの流れと日数の目安
中古車の納車までの流れは、新車と違い現車がそのお店にあるので比較的早くなることがあります。具体的な流れは、最終整備と内外装のクリーニング、同時並行で車庫証明や登録、保険加入手続きを進めて、納車日のすり合わせをします。
契約からおよそ2週間で納車になりますが、何かオプションをつけたり、最近増えているボディーコーティングを施すとプラス1週間くらいはかかります。また逆に祝日などのない週で曜日のタイミングが良ければ、1週間で納車になるケースもあります。
納車までの日数を左右する注意すべきポイント
車の購入を決めれば、すぐにでも欲しくなるのは誰でも同じです。納車までの一日一日の流れが長く感じます。そこでたとえ一日でも早く納車をしてもらうためにはどうしたらよいのでしょうか。
納車に時間がかかるのは手続き上の問題が大半ですので、商談中に必要書類の用意をしておくことによって、契約成立後すぐに担当者が登録手続きに動けるようにしておけば、比較的早めの納車を実現できるでしょう。中古車探しを始めると同時に、登録までの流れも掌握し、商談を進めてください。
車検の有無
購入する車の車検の有無によっても、納車までの流れが異なってきますので納車日も変わります。車検が残っていれば問題ないのですが、車検残が2~3か月の場合には新たに車検を取り直したほうが、先々いいのではという見方もあります。
軽の中古車を購入するときのポイント
中古車購入で軽自動車を候補に考えている場合には、新古車や登録済み未使用者なども考慮に入れてみましょう。新車と変わらない品質で、新車より2~3割安く購入することができます。ただし、色やグレードの選択肢は狭くなりますので、購入する車を選ぶ流れの中で比較してみましょう。
エコの時代だからこそ中古車という選択肢
エコカーブームで、新型の車はハイブリッドや新型ディーゼルなど燃料消費が少ないことを売りにしています。しかし市場にあふれている程度の良い中古車をそのままにしておいて、本当のエコはあり得ません。
住宅と同じように、中古に手を入れてメンテナンスをしながら使うことが、素敵なライフスタイルといえるでしょう。程度の良い中古車で、もっと充実したカーラーライフを目指してみましょう。