業界別クールビズのネクタイのマナー
2005年当時に小泉内閣の小池百合子環境大臣が音頭をとって始まった「クールビズ」は、現在しっかりと日本の社会に定着しつつあります。2011年からは「スーパークールビズ」として、アロハシャツ・スニーカーの着用およびTPOに応じればTシャツ・ジーンズの着用も可能とする運動が始まっています。
そんなクールビズですが、マナーも存在するのです。涼しいからといって、いつでもどこでもクールビズ・ノーネクタイにすれば、悪い印象を与えてしまうことがあります。
まずは、クールビズがNGな業界があるのかについてご紹介します。
営業
クールビスといっても、場合によっては好ましくない状況というものがあります。その筆頭にあげられるのが営業職でしょう。特に新規顧客への初対面などで、クールビズ、ノーネクタイといった格好はNGです。いくら真夏であったとしても、相手への誠意を最大限に示すということが求められます。顧客によっては、クールビズの恰好を見ただけで、自社への敬意がないと判断するでしょう。
このため、気心が知れた顧客や、相手の許可を取っている場合などを除いて、クールビズ、ノーネクタイは控えた方が良いでしょう。
エグゼクティブ
企業などの上級管理職であるエグゼクティブでは、クールビズ、ノーネクタイが好まれないと言われます。なぜなら、エグゼクティブではスーツを着こなすことがビジネススキルのひとつと見なされているからです。ネクタイやスーツの選び方ひとつに、人柄とセンスが表れると考えていることに加え、このようなファッションについて精通していることが教養として求められます。
一方、スティーブ・ジョブスやフェイスブックを起業したザッカーバーグのように、堅苦しい服装が嫌いで、無駄な行為と考えている人々もいますので、一概には言えません。社風や雰囲気を見て、クールビズやノーネクタイというスタイルが適しているか考えましょう。
ネクタイ業界
当然ながら、ネクタイ業界では、クールビズ・ノーネクタイはあまり好まれません。2010年には、「日本ネクタイ組合連合会」よりクールビズ廃止について要望が出ているほどです。
現在は、やや穏やかになっていると見られますが、やはりクールビズ・ノーネクタイというのは、この業界の方から見ると良い印象を持たないということは、間違いありません。
クールビズでネクタイだけ外してOKな場面
クールビズとは、通常のビジネススタイルからジャケットとネクタイを除いたものと定義されています。したがって、クールビズが奨励されている会社ならば、ネクタイを外していても、なんの問題もありません。
ただ、大切な会議やプレゼンテーションなどでは、必要に応じて、ネクタイ・ジャケットの着用が暗黙のルールで要求されることもあるでしょう。自社の場合では、どのような慣例になっているかを確認しておきましょう。
また、相手先の会社を訪問する場合では、相手先の会社がクールビズ・ノーネクタイを奨励していれば問題がないことが多いです。しかし、人によってどう捉えられるか分かりませんから、ケースバイケースと言えるでしょう。
クールビズでもネクタイが必要な場面
先ほど営業の例を上げましたが、新規顧客の獲得のために飛び込みで営業する場合などは、最低でも、クールビズにネクタイが必要な場面です。営業は常に相手あっての仕事ですので、相手からどう見られるのかを最優先に考えなくてはいけません。
基本的に迷ったならば、社外の人と会うときにはスーツ・ネクタイを着用する方が無難です。また、就職活動においても、「クールビスでかまいません」と事前に説明はされることがありますが、スーツ・ネクタイ着用が無難です。面接などに行ったら、周りにクールビズの人がおらず浮いてしまったという失敗談なども聞かれます。
クールビズでネクタイを外した時に第一ボタンは開けてOK?
ネクタイをしない場合、第一ボタンをどうすべきかは迷うところです。それによって印象がかなり変わります。しかし、クールビズはそもそも涼しくすごすためのものなので、ノーネクタイなのに中途半端に第一ボタンを閉じているのは逆におかしいです。大多数の方は、クールビズの場合、第一ボタンは開けて仕事をしています。
しかし、第一ボタンを開けることにより、襟元がだらしなくなるのは好ましくありません。この場合、ボタンダウンのシャツを選ぶと襟元が崩れないのでおすすめです。
クールビズ用おすすめネクタイ
色
クールビズですから、やはり爽やかに、涼しげなものがよいでしょう。基本的に色に決まりはなく、好みで選んでもかまいませんが、爽やかなものがおすすめです。また、クールビズようにはシルクネクタイなど清涼感があるものを選ぶのも良いでしょう。
ワンタッチ
来客と対応が多いが、普段はノーネクタイと言う場合はワンタッチのネクタイなどもおすすめです。ワンタッチのネクタイは着けるのが簡単というだけでなく、首回りがないので暑さも感じにくいことから、クールビズに最適なネクタイとなります。ひとつ持っておくと便利です。
クールビズでも使えるネクタイピン
クールビスだとあっさりとした印象になりやすいということも事実です。クールビズでは普通ネクタイはしないので、ネクタイピンが活躍するシーンは多くはありません。しかし、ネクタイを着用する場合には、ネクタイピンを使うことでお洒落になります。
クールビズでネクタイ着用時のシャツは?
ビジネスシーンでは、真夏の炎天下でもシャツを着ないというわけにはいきません。ここでは、クールビズでネクタイ着用時におすすめのシャツをご紹介します。
長袖
クールビズでは長袖はあまり着ませんが、営業の人など顧客に会う場合などはジャケットを用意しておき、いつでも外出できるように着ている場合もあるでしょう。
暑い時期に長袖はさらにつらいので、せめて通気性がよく、吸湿性が高い素材を選びましょう。ご紹介した商品は、クールマックスという素材です。汗もすぐに乾くので、快適な着心地を保ってくれます。
また、ご紹介したようなボタンダウンのシャツがクールビズではおすすめです。第一ボタンをはずしたときに、どうしてもだらしなくなりがちですが、ボタンダウンでは襟元がしっかりとするのでおすすめです。
半袖
クールビスでは半袖がほとんどです。この場合、肌触りがよいコットンシャツが良いでしょう。適度な光沢感もありおすすめです。
リネンのシャツも通気性が高く、涼しく過ごすことができることから人気が高く、また、汗をかくので自宅の洗濯機で洗えて、なおかつ形状記憶してくれるシャツなので、便利です。
ネクタイをする場合には、同じくボタンダウンのタイプがおすすめとなります。
クールビズでネクタイの代わりに使えるアイテム
クールビズでネクタイの代わりに仕えるアイテムといえば、やはりループタイでしょう。もともと、ループタイはネクタイの代用品として使われてきましたので、ごく自然な選択です。クールビズだと首元や胸元がなんとなくさびしいという場合には、ループタイを用いるとお洒落なアクセントになるでしょう。
ただし、あまりにカジュアルすぎるものを選ぶと、だらしのない感じになるので気を付けましょう。
クールビズで爽やかに!
日本の社会に定着したクールビズですが、スーツとネクタイのように伝統的なマナーが優先されるべき場面もあります。クールビズを奨励している会社は多いですが、営業や就職活動などシチュエーションに応じて対応しましょう。
また、各メーカーからクールビズに対応したシャツなどが販売されています。機能性シャツと呼ばれるような通気性、吸湿性が高い素材のシャツもあるので、利用してみてください。そして、クールビズで首元や胸元が寂しいという方はループタイを試してみてはいかがでしょうか。
クールビズで爽やかに夏を乗り切りましょう。