「幸いです」の意味/言い換え/敬語表現・ビジネスメールの文例

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「幸いです」の意味は?

「幸いです」は「幸せ」を意味する「幸い(さいわい)」に、丁寧語表現の「です」が付いた言葉です。そのため「幸いです」の意味は「幸せ」の言葉としての意味の影響を受けていますが、「幸せ」にはなくて「幸いです」にあるニュアンスがあります。それでは「幸いです」の意味をご紹介します。

「幸せ」の意味

「幸せ」の言葉としての意味は、「良い巡り合わせ」であり、「巡り合わせ」というのは「偶然」を意味します。自らが故意的に作り出したものではなく、他者の働きがけもあって、偶々ということです。

すなわち「幸せ」=「偶然にも訪れた良いこと」であり、当たり前のように存在するものではないということです。英語では「happy」などの言葉で「幸せ」を表現しますが、「幸せ」の感情は「嬉しい・楽しい」といった心が明るくて豊かな感覚と結びつくものがあります。

「幸いです」の意味

「幸いです」には、「幸せとおもいます」「嬉しくおもいます」の意味があります。どちらの意味も「幸せ」の言葉としての意味が関係しており、ほぼそのままの意味だと考えて問題ないでしょう。しかしながら、ニュアンスが少し異なります。

「幸いです」は「相手が何かをしてくれることで、幸せ・嬉しいと思う」ことを表します。「幸せ」の言葉は独り言としても使用できますが、一方の「幸せです」は、他者に向けて使用する言葉です。そのため、相手の言動や心持ちによって、「幸せ」なことが起きるというニュアンスになります。

また「幸いです」には「助かります」の意味合いが込められることもあります。特にビジネスシーンでは「助かります」の意味合いが含まれることが多いです。「相手が何かをしてくれることで幸せ・嬉しいと思う」=「相手が何かをしてくれることでこちらが助かる」と連想し、そのことから「助かります」の意味合いでも「幸いです」が使用されます。

「幸いです」を言い換えるとしたら?

「幸いです」を言い換えると、どんな言葉になるのでしょうか。文の流れ的に、または個人的な言いやすさ的に「幸いです」が言いにくい時には「幸いです」の言い換えを使用すると良いでしょう。それでは「幸いです」の言い換えをご紹介します。

助かります

「幸いです」の言葉を使用して、相手に何かを頼む時には「〜していただけると幸いです」などの文になります。「それをしてくれると嬉しく思う」の意味合いになり、それは「それをしてくれると助かる」の意味合いとも言えます。そのことから「幸いです」の言い換えの1つとして、「助かります」が挙げられています。

幸甚です

「幸甚(こうじん)」は、普段からあまり聞き慣れないと言う人が多い言葉ですが、「幸いです」の類語および言い換えとして使用できます。「幸せが甚だしい」と書く「幸甚」の意味は、「とてもありがたい・とても嬉しい・何より幸せ」であり、「幸せが甚だしい」という成り立ちそのままの意味です。

ビジネスで使える「幸いです」の敬語表現!

「幸いです」を敬語として使用する時には、「存じます」を付けることが多くなります。

幸いに存じます

「存じます」は「おもいます」の謙譲語なので、「幸いに存じます」=「幸せにおもいます(嬉しくおもいます)」の意味になります。また「そうしてもらえると助かる」といったニュアンスが含まれています。

幸いと存じます

「幸いと存じます」という使い方は、ビジネスシーンにおいて実用的ではありませんが「に」ではなく「と」が用いられた言い方がされることもあります。

「〜と」には、格助詞と接続詞の意味がありますが、「幸い」に付く言葉なので、接続詞として考えることにします。接続詞の意味には「〜に続いて他のこともある」があり、「幸せ」という気持ちの存在に加えて「存ずる(思う)」という感情の動きがあることが示されているとも言えます。しかし「幸いと存じます」という言い方はあまり使用されません。

「幸いです」の用例をご紹介!

「幸いです」の言葉を、実際にいろんな場面で使用する時の用例をご紹介します。

お口に合えば幸いです

「お口に合えば」というのは、味の好みを表します。すなわち「あなたの味の好みに合えば嬉しい」という意味を持つ用例になります。

回答していただけると幸いです

この文には「そうしてくれると助かる」の意味合いが込められています。例えば、会社側からお客様側にアンケートをするとします。アンケートへの参加は任意ですが、会社のためにもお客様の声を聞きたいなどの時には、回答してくれると良き情報になります。

そういった状況での「回答していただけると幸いです」は「答えてくれると嬉しい」の意味になり、加えて「答えてくれると会社のためになる(助かる)」のニュアンスがあります。

ご確認していただけると幸いに存じます

この用例は、相手に「確認してくれると良いな(嬉しい・助かる)と思う何かを提示した時」になります。「ご確認していただけると幸いに存じます」=「確認してくれると助かる」の意味合いがあり「確認してほしい」気持ちを伝えている状況です。

何かを確認してもらう状況では「幸せ」の感情よりも「嬉しい」や「助かる」の思いが生じる方が多いでしょう。「確認してくれると嬉しく思う」=「確認してくれると助かる」のニュアンスで使用します。

「幸いです」の文例について!

現代では、メールツールが一般的になっていますが、手紙といったように、手で書く文字もあります。ビジネスシーンでは、メールも手紙も使うことがあるため、ビジネスメールまたは、手紙で「幸いです」を使用する時の文例をご紹介します。

ビジネスメール

ビジネスメールには、上司など社内の目上の人に送信する場合と、お客様など社外の目上の人に送信する場合があります。いずれにしても敬語の使い方や「幸いです」の使い方には変わりがなく、「幸いに存じます」の言い方がよく用いられています。

何かを確認してほしい時は、用例でお伝えした「ご確認いただけると幸いに存じます」も用いると良いでしょう。この文の前には「メールを」など、何を確認するのかを表す言葉が付きます。

何か質問をしたことに対して、可能であれば返答してほしい場合には「回答していただけると幸いです」を用いることができます。この文もこれまでにお伝えしましたが、「どうしても回答してくれないと困る」内容ではない時に限り、使用できる文になります。

手紙

手紙での「幸いです」の使い方は、ビジネスメールでの使い方と大差ありません。基本的には、同じだと考えて問題ないでしょう。「幸いです」の言葉を使用したビジネス上の手紙は、お客様や取引先など社外の人に宛てることが多いとされます。

文例としては「キャンペーンのご案内になります。内容をご確認していただけると幸いに存じます。」を挙げますが、キャンペーンは会社側からの勧めであり、お客様側が必要としているか否かは分かりません。しかし、会社側としてはキャンペーンに興味を持ってほしいため、この文では「キャンペーン内容を確認してくれると嬉しく思う」ことを伝えています。

正しい意味で「幸いです」を使おう!

「幸いです」の意味や使い方に関して、ご理解いただけましたか。基本的には「幸せと思うこと」や「嬉しいと思うこと」を意味する言葉ですが、多く「〜をしてくれると」に続いて用いられてることから「助かります」の意味合いも込められる言葉として扱われています。

「絶対にそうしてほしい」ではなくて「絶対ではないけども、こちらとしてはそうしてくれると嬉しい・助かる」内容を伝える時に、「幸いです」の言葉を使用することができます。正しい時に用いることを意識して、適切に使用しましょう。

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