督促の意味
「督促(とくそく)」とは、以下の2つのような意味があります。
1)促すこと。仕事の完了や借金の支払いなどを済ませること。
2)租税が納期期限までに納付されない場合に、納付を催促する行い。差し押さえの前提要件。
約束事に関して、きちんと進んでいない場合、その物事を行うように促すのが「督促」の意味です。金銭関係での未払いについて使われることが多い単語です。相手に強く促す行いを「督促する」という形で使用します。
督促状の書き方や注意点
督促状とは、簡単に言うと、督促するための書状のことです。つまり、支払や提出を催促するための書面です。請求に対して、一定期間(納期)を過ぎても未払いや未提出の場合、それらを促すために、督促状を出します。それでもなお支払われない場合は、督促状を発行します。
催促しても未払い未提出の場合は、法的な手続きを取ることもできます。督促状は強制力が強いため、初めて促す場合には発行できません。催促状を出して、2度目以降に督促状を送ることができます。目安の期間は、催促状に記載した締切を1週間以上過ぎても、相手から何の連絡もない場合です。
ここで、督促状の書き方や注意点を色々なケース別にみていきます。
メール
ビジネスなどにおいては、メールはなくてはならないツールのひとつです。メールには件名がありますので、件名に関して失礼のないように、しかし一目で相手にわかるような件名をつけてください。督促状で一番重要なのは、提出日です。先方から連絡を受けたときに、どの督促状のことなのか分かりやすくしておくと便利でしょう。それでは、メールを使用して督促状を送る際の、文例を以下に紹介いたします。
件名:【重要】請求書の入金の件、ご確認お願いいたします。
○○株式会社○○部 ○○様
△△株式会社営業部の△△△と申します。
大変お世話になっております。
先日の請求番号○○の件のご入金が、いまだ確認が取れないでおります。
お忙しいところ、大変申し訳ないのですが、
○月○日までにご入金をお願いいたします。
また、ご入金の際はご連絡をいただきますよう、お願いいたします。
なお、本メールと行き違いでご入金をいただいておりました際には
ご容赦くださいませ。
取り急ぎ、ご連絡まで。
△△株式会社営業部△△△
ハガキ
相手が会社の場合、会社名を宛先にするのが基本となります。担当者とその上役が分かっているときは、その方々を明記してください。督促状の最初に記載しましょう。メールと同じように、一番大切なのは、提出日ですので、分かりやすく明記します。通常、督促状を送る相手は、今後も取引の続く相手のはずですので、あまり角の立たない表題にするとよいでしょう。「督促状」と明記するのは、避けたほうがよいでしょう。
○○株式○○部○○様
20○○年○月○日
株式会社△△ 上役の捺印・担当者の捺印
報告書ご提出のお願い
拝啓
この度は○○について、いまだ確認が取れずにおります。
今一度ご確認いただき、至急ご提出していただけますでしょうか。
何かしらの手違いとはおもいますが、よろしくお願いいたします。
本状との行き違いの際には何卒ご容赦くださいませ。
手数料
請求書などに「督促手数料」を記載されているのを見たことがあるでしょうか。支払期限までに入金が確認できない場合、未払い料金に対する支払督促の費用として、督促手数料を請求することができます。その上で、支払期限までに入金が確認できない場合は、契約解除や法での処理を行うことができます。
○○料金を支払い期日を経過してお支払いただく場合には、支払期日から経過した日数に応じて、1日あたり○.○○○%の割合で算定した手数料をいただくことがありますので、ご了承ください。
内容証明
内容証明とは、正式には「内容証明郵便」という文書の略称です。相手に届られる文書の内容について、郵便局がその謄本(原本の写し)を保管するので、法的な手続きを行うときに、「この書面に書かれた内容が、間違いなく相手に渡された内容である」と証明することができます。なお文書は書留郵便で送ることにより、確実に先方に届けることができます。
<内容証明を使用できる例>
・債権
・クーリングオフ
・賃貸借契約の解除
・売買契約の解除
督促の手続きの方法
支払督促は、課したり建て替えたりしたお金や家賃、賃金などを相手方が支払わない場合に、申立人側の申し立てのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が相手方に支払を命じる略式の手続きです。紛争の対象となっている金額に関わりなく、金銭の支払いを求める場合に利用することができます。支払督促には以下のような特徴があります。
・裁判所に出向く必要はない
・裁判所に納める手数料が、訴訟の半分になる
・申立人の申し立てのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が金銭の支払を命じる
・「仮執行宣言付支払督促」により強制執行を申し立てることができる
支払督促の手続きの流れをみていきましょう。申立人は、申請書に必要事項を記入することから開始します。次に、手数料と相手方に書類を送るための郵便切手を添えて、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に直接または郵送で提出します。
申立人が法人の場合は、「登記事項証明書」が1通必要になりますので、あらかじめ用意しておく必要があります。支払督促の申立書は、簡易裁判所に備え付けてあります。また、裁判所のホームページからもダウンロードすることができます。
督促との違い
「督促」、「催促」、「催告」、どれも似たような単語ですが、どのような違いがあるのでしょうか。以下で違いについて述べます。
催促
「催促」の意味は、「物事うぃ早くするように促す」という意味です。「督促」も同じ意味を持っていますが、より強制力をもっているときには「督促」を使用します。「督促」を使用する際には、法律や行政が絡んだ催促のことを表しています。
催告
督促状と似た書類に「催告書」という書類があります。内容は督促状と同じく、未払いや未提出の書類を催促すつものですが、催告状の方が、より強い催促の意味が含まれています。督促状は催促のまだまだ序盤の段階で、督促状を無視し続けると催告状が届く、というイメージです。催告書は内容証明郵便で送られることが多い書類です。
督促状が届いた場合の対処法
それでは、実際に督促状が届いた場合の対処法を解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
督促状が届いたら、まずはきちんと期限内に支払うことが第一です。督促状は請求書にも近い意味合いがあります。つまり、督促状に記載されている期限内に指定の金額を支払えば、問題はありません。そうは言っても、支払が滞る、口座に残高が残らないというときには、「ただちに支払えるだけのお金を持っていない」ということも十分考えられるでしょう。このような督促状はまだ初期段階の優しい文面です。
その場合、記載されている連絡先に「○○の理由で支払えません」と真摯に連絡しましょう。相手の対処法を仰ぐことで、場合によっては分割支払いや支払期限の猶予を提案してくれることもあります。何事にも早く対応してください。
督促状は催促の初期段階
いかがでしたでしょうか。督促状とは、未払いや滞納での初期段階のお知らせだということを理解していただけましたでしょうか。督促状が届いた際には、真摯に対応することにより、大きな問題には発展することはそうありませんので、迅速に対応してください。万が一、借金などにより支払が困難な場合は、借金を整理する、債務整理という方法もあるので、一度検討してみてください。