「栄転」とはどんな状況での移動?
支点がたくさんあるような大きな会社では、「栄転」という言葉を聞くことが多々あります。日常で「栄転」という言葉を聞かないのは、ビジネスシーンで使う言葉だからです。
「栄転」とは、ある社員の職務や職場環境がこれまでよりも良い位置に移るという意味です。ニュアンス的には昇給するイメージがありますが、あくまでも、勤務する職場や部署がこれまでより良い場所に変わったり、担当の仕事や肩書がこれまでより昇格するということです。
基本的に「栄転する」という言葉を使うのは、転勤が含まれていることが主で、同じ社内での部署の異動では「栄転」という言葉はほぼ使われません。
転勤を含む「栄転」が決まると、それが上司であれ部下であれ、栄転祝いをすることがほとんどです。ただ、転勤を含んでいるのでそれが「栄転」なのか「左遷」なのか見極めなければならず、やみくもに栄転祝いと決めつけてはいけません。
栄転祝いのプレゼントで注意するべき点は?NGなものはある?
栄転祝いは、基本的に栄転が決まってから1週間以内には手配しておきましょう。もし、栄転の送別会をするのであれば、そのときに渡すと良いでしょう。
ただ、栄転なのか左遷なのか分からない場合は、餞別という形を取り、これまでお世話になった意味も含めて「御礼」という表書きにして渡します。本来、上司に金銭をプレゼントするのはタブーですが、この場合は仕方がありません。
栄転と決まっているのであれば、記念になる物をプレゼントしたり、送別会で花束を渡したりして見送ります。
ただ、相手が上司である場合は贈る品物に注意が必要です。また、栄転するのが同期や部下の場合は、相手が独身であればファミリー向けの物を贈ったりしないように、また引っ越しで邪魔にならない物を贈るように注意しましょう。
上司に送ってはいけない物とその理由
日本人は、忌み言葉に注意したり、数字から良くないことを連想させたりするように、上司にプレゼントする物にも、良くない連想をさせるからと避けるべき物がいくつかあります。
栄転だけに限らず、上司にプレゼントや贈り物をする機会は何かしらあります。そのためにも、上司に送ってはいけない物のマナーは知っておきましょう。
靴・靴下
靴や靴下などの履物には「踏みつける」という意味が含まれます。上司に贈るということは、「上司を踏みつけて超えてやる」という意味になり、上司の栄転を否定する意味になります。
しかし、最近ではブランド物の靴下であれば、上司に「深い意味はありませんよ」とお断りしてプレゼントすることも問題ない風習になって来ています。
ベルト
栄転祝いに上司にベルトを贈る意味は、ベルトがズボンの腹を締める物であるということにあります。上司の栄転祝いでベルトを贈るということは「もっと気を引き締めろ」という意味になってしまいます。同僚や後輩に贈るのであれば問題ありません。
筆記用具(万年筆・ボールペン)
万年筆やボールペンなどの筆記用具には、「書く」「学ぶ」という連想がされるので、「もっと精進しなさい」という意味になります。よくプレゼントに選ばれがちですが、実は上から目線な意味が含まれています。
しかし、最近ではネーム入りのグッズが流行っています。ネーム入りの万年筆やボールペンなら、上司が栄転であれば「これを使うたびに私達を思い出して下さい」とメッセージカードを添えて渡すと良いでしょう。ただし、栄転なのか左遷なのか分からないときは、ベルトなどと同じく避けましょう。
現金・商品券
現金や金券を上司に贈ることは、「どうぞ自分で選んでください」と雑な意味になってしまうので、基本的にNGです。しかし、必要のない物を贈ってしまって相手が密かに邪魔だなと思われるよりは、栄転祝いの場合は「御礼」という形で集めた寸志を祝い熨斗の封筒に入れて渡しても大丈夫です。
また、海外に栄転になる場合は物を贈るよりも「必要な物を用意するために使って下さい」と現金を渡すのも大丈夫です。ただ、金券は買い物できる百貨店やネットショップが決まってしまうので控えましょう。
また、栄転祝いで送迎会をするのであれば、現金を渡すのは格好が良くありませんので、送迎会をする暇がない場合などに贈ると良いでしょう。そして、現金を包む場合の基本として、四・六・九の数字にならないようにお金を包みます。
栄転祝い・相手との関係性と贈り物の相場
栄転祝いを渡すパターンは2つあります。1つは、プライベートでプレゼントする場合、そしてもう1つはチームや部署でお金を出し合ってプレゼントする場合です。前者は、本当に仲が良い相手で、なおかつ送別会をしない場合によくあるパターンです。両者を踏まえて、栄転祝いのプレゼントの相場をご紹介します。
■良い相手の栄転祝いで私的に渡す場合の相場:3,000円~10,000円
■社内やチーム・部署内で栄転祝いのお金を出し合う場合:10,000円~30,000円(花束込み)
■取引先の担当の方の栄転祝いのお金を出し合う場合:20,000~30,000円(花束込み)
※ここで注意したいことは、大企業の場合は会費制の就任式がある場合があります。そのような場合は、会費の中に栄転祝いの記念品などの分担金込みですので、特別に栄転祝いを用意することはありません。
上司への贈り物の定番ってあるの?
最近どんなシーンのプレゼントでもTOP10入りしているのが、「ネーム入りグッズ」です。ワインに日本酒、USBやボールペン、日常使いの食器などなどたくさんの種類の商品がネーム入りできるようになりました。
栄転する上司や同僚・部下の好みのものにネームを入れて贈ることができます。しかもネーム入りグッズの良いところは、栄転祝いで上司に贈ってはいけないとされている万年筆やベルトも、ネームを入れて世界に一つだけのプレゼントにしてしまえることです。
いくらタブーと言われる物をネーム入りにしたからと言って、栄転祝いに贈る場合はメッセージカードなどに一筆添えると良いでしょう。漢字で入れるかローマ字で入れるかは自由です。
ただ、上司の栄転祝いでもう一つ気を付けたいことは、下の名前だけ入れることです。上司の下の名前を呼び捨てにしているように思われるので、しっかりフルネームで入れましょう。
栄転祝いにオススメな贈り物【セレクト10】
栄転祝いを選びにいきなり百貨店などに行ったり、ネットで探したりしていたら商品がたくさんあって迷ってしまいます。そこで、効率のいいプレゼントの選び方は、だいたい何を贈るか決めて、予算内で探すということです。
栄転祝いに何を贈るか前もって決めていれば、次はどんな色や雰囲気の物を予算内でセレクトするかなので、忙しい中で贈り物選びをするには、前もって何をプレゼントするか決めてから選びに行きましょう。
また、ネットで購入する場合や、ネーム入りにする場合は、手元に届くまでタイムラグがあるので、その日数も計算して栄転される日や、送別会に間に合うように注文しましょう。
栄転祝いでよく選ばれるプレゼントをご紹介します。贈る物の中にはタブーな色も存在しているので、参考にして下さい。
カタログギフト
栄転祝いには大概転勤が伴います。そこで活躍してくれるのがカタログギフトです。特に、栄転か左遷か分からないときには持って来いなチョイスです。もし、栄転なのか左遷なのか分からない状況であれば、一番無難なプレゼントでしょう。
カタログギフトはコンパクトなので、送別会の帰りにも邪魔な荷物になりません。しかも、最近では品物のカタログギフトの中に、和牛や特選果物、有名なスイーツも載せられています。その他にも、体験型ギフトもあるので、温泉やマッサージ・エステなど、「疲れを癒して下さい」というメッセージを込めて贈ることもできます。
また、栄転祝いのプレゼントとして高額な物を贈られてしまったら、恐縮してしまうものですが、カタログギフトならば金額が分からないので相手の気持ち的な負担を減らせます。
ハンカチ
送別会の花束代も含めたら、意外と贈り物に予算がないという場合に丁度いいプレゼントがハンカチです。ブランド物でもハンカチならそんなに高額にはならないので、予算があまりない場合におすすめです。
ハンカチを贈る際に気を付けたいことは2つあります。1つ目は、それなりのブランド名がある物、もしくはネーム入りにすることです。たとえ安価なブランドでもないよりはマシです。その辺りで急きょ用意した感を出さないように気を付けましょう。
2つ目は、栄転祝いだけでなく人にハンカチを贈る場合全般に言えることですが、「白いハンカチ」はタブーだということです。白いハンカチは、亡くなった方のご遺体の顔にかけるので、縁起がよくありません。ビジネスシーンで使える多少柄の入ったものにしたら良いでしょう。
お酒(日本酒・焼酎)
お酒はもともと縁起の良い贈り物です。家を建てる際の上棟式や結婚式、お祭りなどなど、「祝い酒」という言葉があるように縁起の良い場にふさわしい贈り物です。
他の人の贈り物とかぶるのでは、と気にすることがないということも良い面です。お酒好きな相手だと、何本もらっても嬉しい贈り物になります。日本酒にしろ焼酎にしろ、珍しい銘柄を選んだり、お祝い気分ある名前のお酒にしたりと嗜好をこらしましょう。
呑み比べセットで贈るよりも、一升びんで贈る方が「一升」を「一生」にかけて「一生良いことが続きますように」という意味で縁起が良いです。
ワイン
お祝いのプレゼントに人気なワインですが、もちろん栄転祝いでもチョイスされるくらい人気です。相手がお酒好きな人なら特に喜んでくれるでしょう。帰ってから、栄転することを噛みしめながら呑んでもらえます。
また、最近ではお祝い用のワインにと金箔入りのものもありますし、ワインには造られた年というものをネックに選べるという利点があります。贈る相手が会社に入社した年のワインを贈ったり、贈る相手の生まれた年のワインを贈るのも素敵です。
また、贈り物用としてチョイスして売られているワインやシャンパンには、グラスとセットになっているものもあるので選びやすいでしょう。
万年筆
万年筆は上司に贈ることはタブーなアイテムですが、ビジネスマンならば良い物を1本持っておきたいところです。特に栄転で肩書が上がるのであれば、それとともに立派な万年筆を贈るのは良いことです。
ただやはり上司に贈るのは控えましょう。もし、上司の栄転で立派な万年筆を贈る場合は、「万年筆を使うたびに私たちを思い出して下さい」など一筆添えて他意がないことを伝えましょう。
また、気を付けたいことは、万年筆は下記心地も重要です。こればかりはネットで購入せずに、文具店で書き心地を確かめた上で購入しましょう。万年筆はその名のとおり一生使える物なので、書き心地は大切です。
ボールペン(ボールペン・シャープペンセット)
万年筆と違って、さすがに栄転祝いでボールペンを上司に贈るのは控えた方が良いです。しかし、同僚や後輩なら問題ありません。ボールペン1本だけだと味気ないと思うのであれば、ボールペン&シャープペンのセットにすると良いでしょう。
ただ、栄転祝いでボールペンを贈る場合は、相手が今まで使っていた物より高級な物を贈ることが大切です。また、昇進するとサインをすることも増えます。なので、ボールペンの替えの芯が手に入りやすい物を選びましょう。
ボールペンは箱が小さく、邪魔にはなりませんがサプライズ感がありません。ボールペンにする場合は、ネーム入りにすると特に喜ばれるでしょう。
名刺ケース
栄転して昇進すると当然肩書が変わります。ということは、名刺も新しくなるので、名刺ケースを新調する人も多いです。そこで栄転祝いのプレゼントとして名刺ケースを贈ることも多いです。
名刺ケースも最近では種類がたくさんありますが、栄転祝いということであれば、相手がそれまで使っていた名刺ケースよりも高級な物をプレゼントしましょう。相手が、男性か女性かで色選びにも気を使うことが大切です。
男性の場合ならば、落ち着いたダーク系の色が良いでしょう。女性の場合が一番悩むところですが、相手が日頃どんな色の持ち物を多く持っているかを考えて色を選んだり、華やかだけれど派手にならないパステルカラーが良いでしょう。
お財布
ビジネスだけでなく、人は環境の変化でお財布を変えたりすることがあります。そこで、栄転祝いにお財布を贈るというケースもあります。栄転は昇進ですので、これから上司としておごったりと人前でお財布を出す機会が増えます。その点を考えて、少し高級なお財布を贈ることをオススメします。
男性の場合は、ポケットに入れやすい二つ折りのお財布をチョイスしましょう。女性はお財布には好みがあるので、メインの財布になるような物を贈るのは本来避けた方が良いです。
最初からブランドの財布を使っている女性にお財布を贈る場合は、小銭入れにすると良いでしょう。特に、カード類がたくさん入る小銭入れだと、メインの財布と使い分けることができるので邪魔にはならないでしょう。
ネーム入りギフト
栄転祝いやビジネス関係のプレゼント以外にも人気の「ネーム入りグッズ」は、悩んだ時の定番です。先にも書きましたが、名字だけだと同じ苗字がいる場合が多いのでフルネームか下の名前を入れましょう。
ただ、上司の場合は下の名前だけというのは失礼になるので避けましょう。贈る物によって、入る文字数や名前が入れれる幅が違います。贈る物次第で感じにするかローマ字にするか決めましょう。
最近では、USBメモリーやボールペン・万年筆に名前を入れることも多いですが、名前入りラベルと言ってワインやシャンパン、日本酒・焼酎のラベルに名前やメッセージを入れれるので、注文してから届くまで余裕があるのであればこちらもオススメです。
フラワーギフト・お花
お祝いには贈り物だけでなく花束が定番ですが、送別会やお別れのときにプレゼントと一緒に渡すのが定例です。しかし、最近では贈り物と花束を兼ねたフラワーギフトも人気が出てきています。
枯れないので自宅に飾れるブリザードフラワーも人気ですが、栄転祝いなどのお祝いとなれば胡蝶蘭が定番です。鉢植えの胡蝶蘭には、「幸せを運んで来てくれて根付く」という意味があるので、お祝いにピッタリです。しかし、持って帰ることを考えると大変なので相手の状況を考えましょう。
また、鉢植えのもの自体が「根付く」という意味を持っているので縁起が良いのですが、鉢は割れないものを選ぶことが基本です。観葉植物やフラワーアレンジメントされた物も水やりが大変でないので人気です。
栄転祝いの送別会・案内状を出すべき?
栄転祝いの送別会だけでなく、会社関係の送別会での案内状には3つのポイントがあります。
①送別会を知らせる
送別会の内容や主催者、日時と場所、そして会費など必要な情報をしっかりと参加者に知らせることが大切です。
②招待する
主役を招待するだけでなく、取引先の方など「招待」される方の参加費は無料が基本です。
③出欠の確認
最終的な参加者人数は把握しなくては料理や座席のセットができませんのでしかりと人数を把握しておくことが大切です。
主役の方や、取引先の方で「ご招待」するという形をとる人には案内状を出しましょう。主役に出欠確認の返信ハガキなどは必要ありませんが、その他の招待者には出欠確認が必要です。
同じ部署内などで行われる場合は、回覧を回して出欠確認をとるだけでも大丈夫です。日時・場所・会費はしっかりと明記しておきましょう。
お祝いの品や花束を渡すタイミングは?
送別会の流れとして、最初に幹事が「開会の言葉」を述べます。次に、出席者の中で地位の高い人に「栄転者への一言」を述べてもらい、幹事や仲の良い方などから「乾杯の音頭」を取ってもらいます。
最初の流れはこのような形が一般的です。乾杯の後は、食事や歓談を楽しんでもらいます。そろそろ宴たけなわという時間になったら、幹事や進行役が声掛けをして「栄転する本人の挨拶」に移ります。
挨拶が終わったところで、タイミング良く「それでは〇〇さんに、私たちより花束と記念品の贈呈です」という形で、プレゼントを渡す声掛けをします。
誰かが司会者となってくれる場合は、司会進行に基づいて花束と記念品の贈呈のアナウンスをかけてもらいましょう。あくまでも、花束と記念品の贈呈は、栄転する本人の挨拶が終わった直後がベストタイミングです。
栄転のお祝いメッセージの例文
栄転の花束や記念品とは別に、手紙やメッセージカードを贈る場合もよくあります。お世話になった方、仲良くしてくれた方への感謝の気持ちを素直に綴れば良いのですが、やはり社会人として、書き出しなど基本は押さえておきたいところです。
手紙やメッセージカードの例をご紹介します。例は社交的な文ですので、実際に書くときは例文の中に思い出の話などを1つでも織り交ぜると、心がこもった文章になり受け取る相手も大切に持っていてくれるでしょう。
一つ注意したいことは、文章の中に「忌み言葉」を使わないことです。「辞める・去る・去年・散る・詰まる・枯れる」などは忌み言葉としてめでたいメッセージにはふさわしくないので、使わないように言葉や、選ぶ漢字には注意しましょう。
その場で渡す「手紙」の例
拝啓 □□の候、山田様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度は、課長へのご昇進、誠におめでとうございます。また、山田様にはこれまで公私にわたりご厚誼を賜り、あらためて厚く御礼申し上げます。
(「さて、」などの言葉を挟み、1つ思い出のエピソードを入れる)
今後はさらに激務となるでしょうけれど、何卒お身体をご自愛下さり、ご活躍されますよう、心からお祈り申し上げます。
略式ながら、書中にてお祝いを申し上げます。 敬具
喜ばれる「メッセージカード」の例
山田さん
この度は、部長へのご昇進誠におめでとうこざいます。
山田さんが栄転により他県へ行ってしまうのは寂しいですが、これからますます活躍の場を広くされることを嬉しく思います。
これまで、公私ともにたくさんのアドバイスを頂いたことを忘れません。
(思い出を短く書く)
おかげで、私も社会人として人として成長する糧をたくさん得ました。本当に感謝しています。
これからは、ますます多忙になると思いますが、どうかお身体には気を付けて頑張って下さい。応援しています。 田中より
みんなで寄せ書きするときの例文
送別会や仲間の誰かを送り出すときと言えば、やっぱり「寄せ書き」です。これまでのお礼を皆で一言ずつ綴った寄せ書きは、貰った本人も何度も読み返してしまうほど嬉しい物になります。
そんな寄せ書きでも、これまでの感謝をただ「これまで有難うございました」と書くのではなく、何が有難かったのかも書くと、相手の心にも響きますし、寄せ書きの文にも心がこもります。
口下手な人でも、文章まで口下手ぶりを表さないように、感謝の言葉や激励の言葉を一文で済ませるのはやめましょう。寄せ書きで、寂しい一言にならないようにするために、例文をご紹介します。
色紙などの寄せ書きで寂しい一言にならない例文
「〇〇さん 3年間大変お世話になりました。〇〇さんのご活躍が風の噂で届くのを楽しみに、私も日々頑張っていきます。本当に有難うございました。」
「〇〇君なら絶対やれる!こっちにいた時と同じように元気いっぱいで頑張ってくれ。」
「〇〇へ、入社して以来助け合って来たお前が離れていくのは寂しいし心細いです。栄転おめでとう!俺も頑張って追い付くから待っててくれよな!」
「〇〇さん、僕が入社してからずっと色んなことを教えてくれて、本当に有難うございました。〇〇さんから教わったたくさんの事を、今度は僕が後輩に教えて行きます。」
「〇〇さん、栄転おめでとうございます。いつも会議で積極的な発言をされる〇〇さんを尊敬していました。昇進されたことを自分のことの様に嬉しく思います。」
「〇〇さんに職場のみんなから、心から有難うの言葉を贈ります。栄転本当におめでとうございます。これからのご活躍を心からお祈りしています。」
直接相手に向かってお祝いを述べるときの例
送別会の始めなどで、栄転する人へのスピーチを頼まれるということは、その相手と他の人よりも関わり合いが多かったと周囲に思われているからです。
あなたに栄転を祝って挨拶をしてもらうことで、栄転する相手も喜ぶだろうなと依頼されるのですから、堂々と、心から感謝と応援の気持ちを言葉にして贈りましょう。
相手が上司の場合は、まだお酒も入っていない状態では社交的な挨拶になってしまいがちです。それでも、「相手が同じオフィスからいなくなる寂しさ・栄転を祝う気持ち・これまでの感謝の気持ち」この3つを入れると形式ばった固い挨拶にならずに済みます。
挨拶は、何も暗記する必要はありません。緊張して、言葉に詰まってしまうくらいならカンペを読みながらでいいので、相手に伝わるように、ゆっくりハッキリと話しましょう。内容がどうこうよりも、緊張で早口になるとシラケてしまうので注意しましょう。
送別会の挨拶のスピーチ例①
〇〇部長、ご栄転大変おめでとうございます。〇〇部長からこれまでに教えていただいた多くのことは、社会人として、人として私たちの大切な財産です。
〇〇部長のお顔を毎日拝見できなくなると思うと寂しくなりますが、どうぞご自愛なさって、△支点でもますますご活躍ください。
営業部一同より、心からこれまでの感謝と御礼の気持ちを贈ります、本当に有難うございました。
送別会の挨拶のスピーチ例②
〇〇君、栄転本当におめでとうございます。〇〇君の頑張りが認められて、本当に嬉しいです。
ちょっと暴れん坊な〇〇君がいなくなると、職場内も静かになりそうでとても寂しいです。きっと、新天地でも暴れっぷりを発揮してくれると期待しています。
〇〇君に負けないように、私も後に続いて羽ばたいていけるように頑張ります。今後は、出張先で会うこともあると思います。その時は、また一緒に呑みに行きましょう。
送別会に参加できなかった人はどうやってお祝いを伝える?
送別会とはいえ、皆が皆、出席できるとは限りません。家庭のある人、お酒の場に出席するのが苦手な人、それぞれの理由で欠席を選ぶこともあります。
しかし、栄転される上司・同僚・後輩のことを想えば、そのままサヨナラというのも寂しいものになってしまいます。欠席する場合は、せめて相手にお祝いのメールを送りましょう。
また、会場などセッティングがしっかりしている場合は、祝電を送るのもサプライズのひとつです。祝電の形にも最近ではノーマルな物からキャラクター物など、色々ありますので、せめてこだわりを入れて贈るのも良いでしょう。
特に祝電は、内容が形式ばって決まってきますので、祝電の見た目くらいは華やかにしましょう。祝電の一般的な内容と、メールでお祝いを送るときの例をご紹介します。
送別会のサプライズ「祝電」の例
■ご栄転の報に接し、心よりお喜び申し上げますとともに、新天地でのますますのご活躍をお祈り申し上げます。
■この度のご栄転心からお喜び申し上げます。今までの経験を元に、今後さらに素晴らしい手腕を発揮されることと期待しております。
相手のアドレスが分かればメールでもOK
件名:〇〇さん栄転おめでとう!
本文:〇〇さん
この度は、栄転本当におめでとうございます。私事で送別会に参加できないことを残念に思っています。
〇〇さんには、入社当初から本当にお世話になりました。社会人としてのイロハも知らない私に、丁寧に根気よくたくさんのことを教えて下さり、本当に感謝してもしきれません。とても素晴らしい〇〇さんという先輩がいてくれたおかげで、私も今では後輩を指導する立場にまで成長できました。
思い出がたくさんあり過ぎて、〇〇さんの居ないオフィスは寂しく感じそうです。でも、〇〇さんの昇進を心から喜んでいます。私も負けないように頑張ります。近くに来た際は、是非立ち寄って下さいね。また、一緒に呑みに行けることを願って。
これから更に忙しくなるでしょうけれど、お身体ご自愛ください。
栄転祝いにおすすめな花束
花束の中に、目立つ花を数本入れる場合は「割り切れる数」は縁起がよくないので、「割り切れない数」である奇数にしましょう。
栄転祝いの【セレクト10】でも書いたとおり、普通は花束と同時に栄転祝いのプレゼントを渡すのが一般的です。しかし、最近では花束自体をプレゼントにしてしまうことも増えてきました。
特に、女性が栄転する場合は何を贈ったらいいのか分からないので、ブリザードフラワーやフラワーアレンジメントなどを贈る事もあります。特に、キレイな器に飾られたブリザードフラワーは枯れずにずっと部屋などに飾っておけるので人気です。
ただ、やはり花束とプレゼントを切り離した方が豪華に見えるので、栄転祝いには良いでしょう。目立つ花の本数を奇数にするということを守って花束を作ってもらいましょう。
栄転祝いの贈り物「のし紙」はどう書いたらいい?
栄転祝いの贈り物は、基本的に「御栄転お祝」「御祝(栄転)」「御餞別(転勤)」と書いた熨斗になります。そこに昇進が伴っていても栄転されるのであれば、栄転お祝いとします。栄転という言葉の中には昇進も含まれています。
熨斗を包装紙の上にかけるか、下にかけるかという「外熨斗」または「内熨斗」かは、実は栄転祝いは地方によって違います。ラッピングして貰う際に店員さんに聞いて決めると良いでしょう。
ただ、リボンなどで外見も華やかにラッピングしたいのであれば、あえて内熨斗にしても大丈夫です。栄転祝いは、内々で行うことが多いので元々「内熨斗」にする場合も多いです。
熨斗に書く紋々は、筆書きが基本です。最近では筆書き調での印刷が多くなりましたが、濃い墨の色は「お慶び」を表現するものですので、できれば筆ペンなどでしっかりと太く書きましょう。
心から「頑張って」の気持ちを込めて送り出してあげましょう
栄転はお祝い事です。本人は転勤などでバタバタと大変になるので、周囲から感謝と激励と共に送り出されると、元気とやる気が出ます。
贈り物にもタブーやマナーはつきものですが、心から選んだ品ならば、きっと相手にもその気持ちが伝わります。できれば、寄せ書きやメッセージカードなど、読み返すと元気が出る物を添えて贈ると素敵です。
栄転する本人は、期待に胸膨らませると同時に、緊張やプレッシャーも感じているのが普通です。心から「君なら大丈夫」「ここから応援しているよ」という応援メッセージのこもったものを贈ると喜ばれるでしょう。