結婚式の装花の種類
結婚式は、人生最大で最高のイベントです。そんな晴れの門出をよりハッピーに、華やかに彩ってくれるのが美しく個性豊かな花たちでしょう。結婚式場のいたるところに溢れる花々ですが、まずはどんなところに配置されているのかを見てみましょう。
高砂花
「高砂(たかさご)」は、新郎新婦が着座するメインテーブルです。「高砂や この浦船に帆を上げて」の謡曲でも知られる高砂は、江戸時代より能楽の演目として知られる縁起の良い名称で、土地によっては新郎新婦のメインテーブルをこう呼ぶ風習があります。
高砂は「相生(あいおい)」とも呼ばれ、結婚式場の名称などにも使われています。常緑樹である松は、古来より長寿の象徴として尊ばれている木で、さらにひとつ根から2本の幹が伸びる「相生の松」を夫婦円満の「相老い」に掛けて、夫婦愛と長寿を祝うという結婚式に相応しい名前です。
結婚披露宴では、新郎新婦はほとんどメインテーブルに座りっぱなしで、ゲストが記念写真を撮りにやってきますので、できれば華やかに飾りたいもの。テーブルの全面を、明るくカラフルな色遣いでまとめましょう。
ゲストテーブル
ゲストテーブルは、結婚式のあと披露宴に招かれたゲストのためのテーブルです。「松・竹・梅」など、縁起の良い名前が付けられていることもあります。会場にって長いテーブルと丸いテーブルに分かれますので、テーブルの形によっても花の飾り方が違います。
ゲストテーブルの花を選ぶ際は、メインテーブルの花との統一感を持たせつつ、食器やお料理などといった他のテーブルアイテムと喧嘩しないチョイスが理想的と言えるでしょう。まずテーブル全体のテーマを決め、テイストやトーンを合わせて素敵に演出したいところです。
エントランス
エントランスに飾る受付装花は「ウェルカムフラワー」と呼ばれ、会場を訪れたゲストを一番にお迎えする花々です。
結婚式場によっては、エントランスやお手洗いといったパブリックスペースに花を必要としないところもありますが、ゲストが最初に目にする花は結婚式や披露宴の印象を決定づけるアイテムです。
予算にある程度の余裕があってオリジナリティを大切にしたいなら、新郎新婦のおもてなしの心をロマンチックに演出してみてはいかがでしょうか。
結婚式のブーケ
結婚式に欠かせないウエディングブーケは、花嫁の幸せを象徴するアイテムです。ブーケのデザインには主に以下のタイプがあります。
・クラッチ型
花をギュッと束ねて、茎の部分を持つタイプ。キュートでお色直しにもピッタリです。
・ラウンド型
とても愛らしい、半円形の丸い花束です。クラッチと並んで花の種類を選びません。
・キャスケード型
「小滝」という意味をもつ定番デザインで、流れるようなシルエットが持ち味です。
・クレッセント型
キャスケードの変形で、三日月のような緩やかなカーブがエレガントです。
・ハンギング
バッグブーケとも呼ばれるひも付きのブーケ。キャンドルサービスの時も両手が使えるので、お色直しに向いています。
両親へ贈る花
結婚式場の演出によっては、披露宴の最後で両親に花束を贈るシーンが見られます。母の日の花としておなじみのカーネーションやバラの花束など、新郎新婦の感謝の気持ちが込められた花々です。
ケーキなど
結婚式披露宴や二次会のシンボルとも言うべきウエディングケーキも、美しい花で飾ることができます。ケーキのデザイン自体をシンプルに抑え、花でアクセントを付けたケーキは見た目も清楚で洗練されたイメージです。
アメ細工やマジパンなどの食材が花のモチーフになったものや、生花を使ってゴージャスに仕上げたケーキが人気です。
結婚式の花を選ぶポイント
結婚式の花を選ぶポイントには、花の種類の他に色や花言葉、ドレスとの相性などさまざまです。「あなたを愛しています」という花言葉を持つバラの花は、華やかさと愛らしさを併せ持つ結婚式の定番でしょう。
タイトなシルエットのウエディングドレスには、グリーンをふんだんに取り入れたブーケや、清楚でスタイリッシュなカラーの花がよく似合います。花言葉は「華麗なる美」です。
かつての結婚式では純白のブーケが人気でしたが、バリエーションも豊富になった現在では花嫁さんの好みで自由に選ばれるのが一般的です。しかし不吉な印象の黒や、嫉妬の色と言われる黄色などは、今もおめでたい結婚式のブーケとしては相応しくないとの見方もあります。
イメージカラーは
結婚式や披露宴会場のテーマカラーを決めてイメージを統一することで、独自の世界観を演出することができます。一般的なのはピンクやブルーといった可愛らしく爽やかな印象の色や、グリーンを多く取り入れたナチュラルなコーディネート。白を基調とした高級感のあるコーディネートは、やはり相変わらずの人気ぶりです。
旬の花
今ではハウス栽培でほぼ1年中手に入る生花ですが、実は季節ごとに旬があります。上手く取り入れて、四季を演出してみるのもおすすめです。
・バラ
バラの旬は春(5~6月)と秋(9~10月)の2回。豊富なカラーバリエーションと品種の中から選べるのも魅力です。
・芍薬(しゃくやく)
バラに引けを取らないゴージャスな花。春から初夏(4月~6月)に見ごろを迎える花で、「恥じらい」「謙遜」という花言葉も結婚式に相応しいでしょう。
・ユリ
純白のカサブランカや、香り高くピンク色が鮮やかなオリエンタル・ハイブリッドなど。初夏から真夏(5月~8月)の花です。
・アジサイ
「絆・家族のだんらん」という花言葉をもつアジサイは、ジューンブライドの定番です。
・ひまわり
夏を思わせる陽気なひまわりは、4~8月が旬。一足先に初夏を感じてもらいたい梅雨時におすすめです。
会場に合うか
和室と洋室、ホテルウエディングと結婚式場など、会場によって似合う花が違います。式場と提携している花屋さんなら問題ありませんが、外部の花屋さんに依頼する場合は式場の雰囲気を伝えてアレンジしてもらう必要があります。事前に会場の写真を撮って持ち込むのがおすすめです。
食事に合うか
花はあくまでも脇役としてテーブルを飾るもの。お料理をはじめとするテーブル全体のコーディネートを考えた選択が大切です。おもてなしの心がこもった料理を楽しんでいただくためにも、ゲストテーブルにはカサブランカ系のような香りの強い花はおすすめできません。
装花の価格相場
結婚式の費用の中でも、特に予算を圧迫するのが花嫁さんにウエディングドレスとお花だといいます。一般的な予算の平均として、新郎新婦のメインテーブルに使う花代が5万円、ゲストテーブルが1卓4名につき5~6千円という統計もあります。チャペルでの挙式の場合、さらに平均で3~4万円が花代として加算されます。
また、新郎新婦の過半数が披露宴のあとゲストにおみやげとして生花を持ち帰っていただきたいと望むことから、お花代にギフト用のパッケージ代が加算されるケースも少なくありません。
節約のポイント
何かとコストのかかる結婚式用の花ですが、それだけに節約できるポイントも多いと言えます。おめでたいイベントで細かいことを言いたくないのが人情ですが、式場で出される見積額はじっくりチェックしましょう。式場と提携の花屋さんは割高になる傾向があり、有料でも持ち込みの方がお得になる場合もあります。
見栄のする珍しい花は高価なことが多いので、低価格で手に入る旬の花を上手に活用するなど、花の品種にこだわらないこともコストダウンの秘訣です。
結婚式を花で飾る
そろそろ結婚式を考えているという方も、まだ妄想の段階を脱していないという方も、ご自身の結婚式を飾る花について考えてみませんか。近年はブーケを押し花にして記念に残せるサービスもありますので、積極的に利用したいところです。喜びの日の思い出がいつまでも色あせることなく、花々の美しさとともに記憶に蘇りますように。