結婚式招待状の返信マナーとは?<基本編>
社会人になると、同僚や学生時代の友人から「結婚します」という報告を聞く機会が多くなり、その際必ず結婚式の招待状が届きます。初めてだと、貰った招待状はどのように返信すれば良いのか分からなくて、急いで調べたことはありませんか。
初めて招待状を貰った方にもわかりやすいように、返信する際の細かいマナーを紹介します。
宛名は「行」から「様」に書き直す
届いた結婚式の招待状には、必ず返信ハガキが一緒に同封されています。このハガキの宛名面には、既に差出人の名前や住所が印刷されていますが、ここでも消さなければいけない箇所があります。
差出人の名前欄には、「○○ ○○行」と印刷されていますが、この「行」を「様」に書き換えましょう。ボールペン、または万年筆を使って「行」の部分に二重線をして、その横や下に「様」と書き足します。
「慶んで出席させていただきます」と書き足す
次に裏面です。出席する場合は、出席という文字を囲むように丸をしましょう。欠席の文字には、定規を使って二重線で綺麗に消します。また、それだけではマナー的にはよくありません。丸で囲んだ「出席」という文字の手前には「慶んで」、後には「させていただきます」と書き加えましょう。
「御」「芳」は消しましょう
結婚式の招待状には、「御住所」や「御芳名」と印刷されていますが、ここも忘れずに消しましょう。先ほどと同じく二重線で「御」と「芳」を消します。
より丁寧な消し方として「寿消し」という書き方があります。先ほど二重線で消していた文字を、寿という漢字で消すやり方です。祝福の気持ちがより伝わる丁寧な方法です。
既に切手は貼られているのでそのまま投函
結婚式招待状の返信ハガキには、招待側の方が既に切手を貼ってくれているので、こちらが新たに用意する必要はありません。珍しいケースではありますが、万が一、相手が貼り忘れて切手が貼られていなかった場合は、62円の慶事用切手をそっと用意してあげましょう。
1週間以内に返信するのがマナー
招待状を受け取ってからは、できるだけ早く返信してあげましょう。多くの場合は、結婚式の2ヵ月前頃から招待状が届き、その返信期限が1ヵ月後までとなることが一般的です。1ヵ月間の返信期限を設けてくれてはいますが、出席すると分かっている場合は1週間以内に返信するようにしましょう。
ゲストの出欠が分からなければ、結婚式で用意する引き出物や料理の数、席次を決めることができません。新郎新婦に早めに伝えてあげると準備もはかどるので助かります。
招待状の返信に添えるメッセージ例文
基本的なメッセージ文例
・ご結婚おめでとうございます。慶んで出席させていただきます。当日楽しみにしております。
・ご結婚おめでとうございます。ご招待ありがとうございます。末永いお幸せをお祈り申し上げます。
・このたびは誠におめでとうございます。お二人の晴れの門出に立ち合わせていただくことを大変うれしく(光栄に)おもっております。夫婦揃って出席させていただきます。
くだけた言い方のメッセージ文例
・○○ちゃん結婚おめでとう。今から当日がとても楽しみです。○○ちゃんのウェディングドレス姿が早く見たいな。
・ご結婚おめでとうございます。いよいよ結婚式までもうすぐだね。準備が大変だろうけど身体には気をつけてね。
・結婚おめでとう。二人で温かい幸せな家庭を築いていってください。二人の晴れ姿を見るのがとっても楽しみです。
結婚式招待状を返信するときの注意点
句読点はつけない
お祝いの場である文書の中では「、」「。」のような句読点はつけないようにしましょう。「幸せが途切れる・終わる」という意味から、結婚式のようなお祝いの文面を送るときには句読点をつけることはマナー違反となります。招待状の返信ハガキにも、うっかり書いてしまわないように気をつけましょう。
相手が不快になるような過度なイラストは避ける
結婚式招待状の返信ハガキに、色んなイラストを書いて飾るのがとても流行っています。絵が得意だったら、お祝いの気持ちも込めてはりっきって書きたくなります。しかし、イラストは相手によって受け取り方が違ってくる場合があるので注意しましょう。
まずは目上の方には当然ながら、ハガキをデコレーションするようなことはNGです。では、相手が友人や同僚の場合はどうなのでしょうか。
大半は、華やかな返信ハガキを見て喜ばれることが多いですが、中には招待状や返信ハガキなどの結婚式のペーパ-アイテムを手作りしているカップルもいます。ペーパーアイテムは、後に思い出のグッズとして残るため、手作りがこだわっていればいるほど、その完成されたアイテムに何か付け加えられるのが不快に感じる考え方の人もいます。
招待された方は、相手との関係性・想いを察してあげることも大事なマナーです。
絵やシールで祝福の気持ちを表現
返信ハガキの余白に小さめでかわいいイラストを書くのもおすすめです。ワンポイントなら邪魔にもなりませんし、控えめな絵であればペーパーアイテムのこだわりが強いカップルに対しての配慮も伺えます。
絵やイラストが苦手な方におすすめしたいのが、お祝いムードのあるデザインのシールやマスキングテープです。文房具店に行くと、結婚式モチーフのシールや飾りアイテムがたくさん売られています。天使や教会のシール、ハート柄のテープなどは、簡単に可愛くデコレーションできるおすすめのアイテムです。
結婚式を欠席する場合の書き方は?
結婚式招待状の、返信ハガキの表面や裏面の基本的な書き方は、結婚式に出席する場合のマナーと同じで構いません。その他の細かいマナーについて紹介します。
まずは「欠席」という文字を丸で囲み、文字の手前には「残念ながら」、後には「させていただきます」を書き足しましょう。
結婚式を欠席する場合の、返信ハガキのメッセージ文例を表にしたものがこちらです。
相手との関係性 | メッセージ文例 |
---|---|
友人や親しい人物 | ご結婚おめでとうございます。ご招待ありがとうございます。○○さんの結婚式、楽しみにしていたのですがどうしても都合がつかず、とても残念です。また近い内にご飯でも行きましょう! |
上司や同僚・親戚 | ご結婚おめでとうございます。お招きいただきありがとうございます。残念ではございますが、やむをえない事情により欠席させていだきます。お二人の幸せを心よりお祈り申し上げます。 |
*備考* | ①句読点はつけない ②出産や入学、出張などの理由は明記してOK ③弔事の事情は「やむをえない事情により」という表現で言葉を濁す |
届いてからすぐに返信するのはダメ
結婚式を何らかの理由で欠席する場合、返信ハガキをすぐに投函することは避けましょう。先ほどは「1週間以内にすぐに返信を」とお伝えしましたが、欠席する場合は別マナーとなります。届いてからすぐに欠席しますという返事をしてしまうと、「初めから出席する気がないのかも」と招待する側に受け取られる可能性があります。
極端に遅いのもいけませんが、相手の気持ちも考えると1週間経ってから返信する方が無難です。
結婚式の招待状をメールで断る場合
メールだけの返事はNG
結婚式の招待状を受け取ったのに、その返事をメールだけで済ませるのは非常識でマナー的によくありません。どうしても忙しくてハガキの返事を書く時間が取れない、という場合は、先に電話やメールで断りを入れましょう。
メールの内容ですが、次の項目は最低でも入れましょう。
・お祝いの言葉と招待してくれたことへの感謝の言葉
・欠席になる理由
・先にメールでの返事になり、申し訳ないという内容
・二人の幸せを願う言葉
1週間前後を期限として、先にメールや電話でこの旨を伝えましょう。その後、落ち着いてからでいいので返信ハガキには結婚式を欠席するという内容をきちんと記入し、投函しましょう。もちろん、遅くとも1ヵ月以内には必ず返信しましょう。
きちんとしたマナーを身につけてお祝いしましょう!
いかがでしたか。結婚式に初めて招待された方でも、わかりやすく感じていただけるようにマナーを紹介してきました。返信ハガキひとつでも、これだけ細かいマナーがあれば慣れていないとなかなか覚えられない方もいるでしょう。
しかし、結婚式は新郎新婦にとって人生で一番の門出です。二人のこれからを祝福してあげるためにも、招待された方は結婚式でのあらゆるマナーをしっかりと身につけてお祝いしてあげましょう。