一周忌とは
一周忌には、お供え物や香典を持参して、法要に参加するのが一般的とされています。一周忌の法要は、四十九日の法要の次に重要な法要で、故人が亡くなった、一年目の祥月命日に行われます。故人が亡くなってから、ちょうど1年目にあたる日に、一周忌の法要ができることが理想ですが、出席者の都合などから、近い土日に法要が行われることが多いでしょう。
一周忌のお供え物と選ぶ時の注意点
一周忌の法要には、お供え物や香典などを持参することがマナーとなっています。基本的には、お供え物か香典かどちらを選択するかは、どちらでも構いません。一周忌のお供え物で配慮することは、受け取る側の都合や手間を考えることです。では、一周忌のお供え物には、どのような物を用意したらよいのでしょうか。お供え物の品物ごとに詳しく説明いたします。
花
亡くなった月日が経ってから送る花の場合は、お供え物として花を受け取る、ご家族の心情を察して、真っ白な花よりも、少し明るめの色の花を贈るのがよいでしょう。故人が女性であれば、優しいピンク系の花、男性であれば、淡い紫系の花、子供であるならばベイビーカラーの花がよいでしょう。
一周忌に送るお供え物に花を贈る場合、個人であれば1万円まで、法人であれば2万円までの花を贈るのが一般的とされています。花の大きさや価格よりも、お供え物にメッセージやお手紙を添えて送るなど、相手の気持ちを察することが大切です。また、一周忌のお供え物として花を贈る際には、アレンジされた花を用意するとよいでしょう。花束であれば、受け取り側は花瓶を用意しければならなくなり、手間がかかります。
お菓子
一周忌のお供えにお菓子を選ばれる方は、多くいらっしゃるのではないのでしょうか。お供え物に渡す品物のマナーとして、日持ちするものというマナーがあります。お供え物を仏前に、何日もお供えしておく場合もありますので、日持ちのするものでなければいけません。
また、地域にもよりますが、一周忌の法要の後には、お供え物を出席者で分け合って持ち帰る場合もあります。そのような場合に備えて、一周忌のお供え物にお菓子を贈る場合は、小包装のものを選びましょう。お菓子は、基本的には故人の好きだったものや、喜んでもらえそうな物を贈ると、大変喜ばれます。
お菓子のお供え物の相場は、法要の後の食事の有無によっても変わりますが、大体5千円から1万円ぐらいまでが一般的でしょう。
果物
一周忌のお供え物と聞いて、「果物」とイメージする方も多いのではないでしょうか。果物は、お供え物の代表的な贈り物です。現在では、すでにお店でお供え物用に、果物がセットになって売っているところが多くあります。青果店だけでなく、現在はスーパーなどでも手に入れることができますので、お供え物に果物を贈る際には、ぜひ見に行ってみてください。
ちなみに、一周忌のお供えに贈られる果物は、バナナ、リンゴ、ぶどう、オレンジなどが定番となっています。特に形の丸いものは、お供え物として最適とされていますが、季節によっては傷みが心配されますで、注意しましょう。自宅用のお供えもの用の果物であれば、市販のもので十分手に入れることができます。
酒
一周忌のお供えものに、お酒を選ばれる方もいらっしゃるでしょう。お酒をお供え物に選ぶ際には、故人がお酒を飲む人であったか、また故人の家族がお酒を飲むかどうか、ということを考えて送るようにしましょう。故人が好きなお酒の銘柄などがあれば、その銘柄のお酒をお供え物にすると、家族に喜ばれる場合もあります。
飲み物
法要に参加した方全員が飲むことのできる、お茶やジュースなどはお供え物として、喜ばれるものでしょう。しかし、一般的には、一周忌の法要が終わった後には、お供え物をばらして、法要の出席者に配ります。その際に、お茶やジュースなど、あまり重たいものは持ち帰りにくいので、避けた方がよいでしょう。故人の好きな銘柄の飲み物があれば、それをお供え物として送るのは、大変喜ばれるでしょう。
お供え物に巻くのし
一周忌の法要に持参するお供え物には、「のし」を巻いて贈ることが一般的とされています。お供え物に使用する「のし」の注意点を以下で説明いたします。
表書き
一周忌のお供え物に使用するのしの表書きは、のしの上、中央に「御供」、また「御供物」と記載するのが一般的となっています。水引の下の部分には、お供え物を贈る方の名前を記載します。施主がお供え物を贈った場合であれば、水引の上には「御供」、下には「○○家」となります。
表書きを書く文字は、一周忌のお供え物場合、普通の墨で書くのが一般的とされています。四十九日までは、表書きは薄墨で書くことがマナーななっていますが、四十九日を過ぎた後の法要には、普通の色の墨で書きます。間違わないように注意しましょう。
水引
一周忌の法要に持参するお供え物ののしで、注意しなければならないもう一つの点は、水引の色です。一般的に、一周忌のお供えに使用するのしの水引の色は、双銀の結び切です。この水引の色は、地域によって異なり、関西地域の場合では、一周忌のお供え物ののしには黄色の結び切が使用されます。地域性がありますので、一周忌の法要に出席する際には、事前に確認するようにしましょう。
お供え物の相場
お供え物を贈るときに、たくさんあるお供え物の品の中で、どれを贈ればよいのか、またお供え物には、どれほどの値段で贈るべきか、戸惑ってしまいます。ここでは、お供え物の相場を、関係別にみていきます。
親族
一周忌のお供え物や、香典の金額は、故人のとのお付き合いの深さや、縁の深さによって異なります。また、一周忌の法要のあとの会食の有無によっても異なります。親族の場合は、一周忌の法要に出席した後の会食にも招かれる場合が多いでしょう。この場合では、2万円ほどまでが相場となります。また、夫婦で出席する場合は、3万円ほどまでが相場でしょう。
孫
孫でお供え物を贈る場合、「孫一同」としてお金を集めてお供え物をする場合があります。相場は、孫の人数によっても異なっていますが、1人3千円ほどが相場だと言えます。何人かでまとまってお供えをすることで、1人でお供えするよりも高価な品物を贈ることができるでしょう。一周忌の法要の場合は、お供え物だけでなく、供花などをお供えするのもよいでしょう。表書きは「孫一同」とします。
友人
お供え物の金額は、故人との付き合いの深さによって異なります。お香典とは別にお供え物を贈る場合、お供え物の相場は3千から2万円ほどでしょう。お供え物として花を贈るばあい、お供えする花の相場は、5千円から3万円程度ですので、故人の付き合いの深さに合ったお供えを贈るのがよいでしょう。
一周忌のお金を渡す時の書き方とお札の入れ方
一周忌の法要では、お供え物だけではなく、お香典も持参する場合があります。お香典を渡す場合、香典袋はどのように書けばよいのでしょうか。また、お札の正しい入れ方とはどのようなものなのでしょうか。以下で紹介いたします。
表書き
香典を持参する際に使用する香典袋は、水引が黒白、双銀などの結び切の不祝儀袋を使用するのがマナーとなっています。一周忌では、故人は仏になっているという考えから、「御仏前」「御佛前」「御供物料」「御香料」などの表書きを使用します。これらを直接、のし袋に書き込みます。
墨の色は、葬儀のときには薄墨を使用しましたが、一周忌の香典袋には黒い墨で書きます。香典袋の下段に、自分の名前を記入しますが、そのときに使用する墨の色は、黒となります。
氏名
氏名は、香典袋の水引の下段に記入します。親戚が多くいる場合もありますので、必ずフルネームで記入するようにしましょう。夫婦で法要に出席する場合も、名前は夫の名前だけで構いません。ただし、妻側の親戚や交流があった友人などの場合は、夫の名前の横に、妻の名前を記載するようにしましょう。
マナーを守り、正しい一周忌のお供え物を!
いかがでしたでしょうか。一周忌に持参するお供え物には、細かく注意点があります。一周忌の法要に出席する際には、どのお供え物を贈ろうかと迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。お供え物のマナーや注意点を守り、故人を偲ぶお供え物を贈るようにしましょう。