「粗供養」とは?西日本・東日本で違うの?
粗供養という言葉を用いられるのは主に西日本で、読み方は(そくよう)です。粗供養とは、葬儀や法要・法事で参列・供養いただいた方に贈るささやかな御礼という意味です。
西日本と関西・四国・中国地方・九州の一部でもお葬式や法要・法事の返礼の品全般に対して「粗供養」という言葉で使われていますが、要約するとお葬式の粗供養は「香典返し」で、法要・法事のお返しは「引き出物」です。
お葬式が終わると、「四十九日法要」があります。その後「一周忌法要」「三周忌法要」と言われる、通称「法事」が行われます。この際に供養に来る方々は基本的に、身内・親族なので、来る人数も最初からわかるので、粗供養「引き出物」は人数分(各家庭分)用意すると良いだけです。
しかし、法事とはいえ、基本的に「御霊前」「御仏前」としてお金を包んできますので、その半分に値するくらいの品は準備しておかなくてはいけません。
粗供養での人気・おすすめの品物
粗供養は地域性や予算によって、何を選ぶか迷ってしまいがちです。そこで、どんな地域でも通用するおすすめの粗供養をご紹介しますので、参考にして下さい。
和菓子は生菓子を避けましょう
和菓子と言えどもおせんべいから、お饅頭まで色んな種類があります。しかし、生菓子となるとお茶請けには良いのですが、粗供養としてお渡しするには日持ちがしないので、生菓子を避けた菓子折りを選ぶようにしましょう。
■梅林堂「 銘菓撰 4号・詰め合わせ」法事向き
法事向けの和菓子の詰め合わせも商品としてあります。和菓子の焼き菓子とそれなりに日持ちのするおまんじゅうなどの詰め合わせです。これだけ種類があれば受け取った相手にも、粗供養でお礼の気持ちが伝わるでしょう。
絶賛されましたので自分でも今度賞味してみようと思っています。
■京都祇園萩月 祇園セット(28袋入)おかき詰め合わせ
粗供養の品に若菓子の菓子折りを包むのはよくあることです。しかし、和菓子でも「おかき」など米菓子なら良いのですが、生菓子は日持ちもせずあんこに対しての好みは割れますので、せいぜいどら焼き程度にしておきましょう。
和菓子の詰め合わせも、低価なものから、それなりの値段のものまでありますので、和菓子を一つ粗供養として持って帰ってもらうよりも、2,000円~3,000円のものと、タオルなど2種類お渡しするのも良いでしょう。
洋菓子はシンプルなものを選びましょう
洋菓子はだいたい誰でも好んで食べれるお菓子です。ですが、ドライフルーツが入っているものなどは嫌いな方も少なくありません。ですので、マドレーヌや固すぎないクッキーなどシンプルなものを選ぶようにしましょう。
■「ア・ラ・カンパーニュ」 焼き菓子 詰め合わせ(クッキー系)
洋菓子の菓子折りといえばクッキーなどの焼き菓子です。粗供養として洋菓子の菓子折りをお返しするのであれば、固すぎない焼き菓子をチョイスしましょう。粗供養をお持ち帰りになる方にはご年配の方も多いので、若い人の感覚だけでなく歯ざわりの良いものを粗供養として準備することがおすすめです。
ゼリーと焼き菓子のセットなので間違いはないですね。箱も豪華な感じなので特別感もあります。
■四季の 菓子 詰め合わせ(マドレーヌ系)
粗供養として洋菓子の菓子折りをお返しするのであれば、おすすめは「マドレーヌ系」の洋菓子です。クッキーも良いのですが安いクッキーだとご高齢の方には固くて食べにくいものもあります。万人受けを考えると、洋菓子ならばマドレーヌ系の固くない焼き菓子が心遣いも行き届いていると言えるでしょう。
季節のギフトと書いてあるが、中身の明細が良く分からなかった。味はそこそこ喜んでいただきました。
商品券
商品券も粗供養では定番になってきました。しかし、その商品券が使える場所という問題が出てきます。そこで、大切なことは「全国で使える」という点です。そういった点を踏まえた商品券をご紹介します。
■「ビール共通券」が一番無難
こちらのビール券はビール券 商品券633ml瓶ビール2本×10枚で8,000円程度の商品ですが、香典返しとしての粗供養ならば「ビール券633ml瓶ビール2本」を2枚分で十分です。粗供養にビール券をと考えているのであれば、4枚分+菓子折りなど本来8,000円分も贈る必要はありません。
ご参考までに商品を載せてあります。ビール券を選ぶ際に注意したいのは「ビール共通券」かどうかです。共通券ならどのビールでも購入できますし、お店によってはどのアルコールもOKだったり、商品券代わりに使えるお店もあるので「ビール共通券」と書いてあるものを選びましょう。
画像は「祝い熨斗」ですが、葬儀の粗供養の場合は「藍銀と銀」「黄色と白」「黒と白」の結び切りだけの封筒に入れて入れます。法要・法事の場合は「藍銀と銀」「白と黒」ですが、地域によって違うことがあるので気を付けましょう。
価格優先でこの商品を選んだが結局封筒もすべてついていたので結果的に格安で手に入った。担当者の対応が速く、ビール券も新品でお中元として使用させていただきました
■全国共通 お食事券 「ジェフ グルメカード」なら家族で使える
香典返しとしての粗供養であれば2枚1,000円分~3枚1,500円分のグルメカードを包むと良いでしょう。しかし、グルメカードは気の利いた粗供養ですが金額がハッキリ分かってしまうところが難点です。
法要・法事などの粗供養として、(グルメカード2,000円分)+(品物または菓子折り)と2種類用意するとやんわりと金額が目立つことを抑えてくれます。
ノープロブレム!以前にも飲食店で使ったことがありますし、今回も問題ありませんでした。
カタログギフトは落ち着きのあるものを
カタログギフトには色んな種類があります。粗供養は基本的に弔事においてお渡しするものなので、表紙が華やかなカタログギフトは避けて、シンプルであったり、法要向けのものを選ぶようにしましょう。
■舞心カタログギフト・4000円コース「千草」 法事向け
四十九日法要などの粗供養に丁度良いカタログギフトが、この「舞心の千草」です。価格も4,000円と手ごろですし、中の商品内容も760点と抱負なので4,000円とは思えないカタログギフトです。
法要・法事にちょうど良い表紙になっています。本来なら、カタログギフトは一回忌など親戚が多く集まる法要・法事はこれがピークであると思われるときに粗供養としてお渡しした方がスマートですが、四十九日というのはあっという間ですので考える余裕がない場合はとても助かる商品です。
■CONCENT カタログギフト・麗(うらら) 七宝(しちほう) 一品で十分な粗供養に
喪が明ける大切な一回忌にとても合っている粗供養がこちらのカタログギフトです。カタログギフト+菓子折りや品物を考えているのであれば、このカタログギフトにはセットでお米が付いてくるので、このカタログギフト1つで十分です。
セット内容は、「ダイヤモンド褒賞特別栽培コシヒカリ新潟県 桑原健太郎 作(約2合)」×1と「ダイヤモンド褒賞特別栽培ミルキークイーン岐阜県 和仁松男 作(約2合)×1」の2種類のお米です。お米を貰って迷惑な人はいない上に、カタログギフトもあり、風呂敷包みになっているのでとても見栄えもよい粗供養になるでしょう。
粗供養での値段の相場
粗供養とは故人を偲んで参って下さった方へのほんの気持ちのお返しです。先にも記したように、香典に対する粗供養は「香典返し」ということになります。香典の場合は一般の会葬者の方々へ1,500円程度の品物を粗供養としてお渡ししますが、地域や家族関係などで変わってくるのは、法事・法要因の際の粗供養です。
四十九日法要・一回忌・三回忌・七回忌など、地域によっては十回忌・十三回忌と行う所もあります。この時、法事に招いた身内は基本的に「御仏前」「御霊前」などお金を包んで来ます。
その金額を見越して、包んで頂いた金額の半額分の粗供養を用意します。損得関係なく、45日法要や一回忌はみなさんそれなりに包んでくるのが当たり前なので5,000円~10,000円程度の粗供養を用意しておきましょう。
粗供養の予算の出し方
香典返しのように、法事にも香典(御霊前・御仏前)を持参するのが通例です。地域では、別に「ろうそく代」として2,000円~5,000円程度を別途白い封筒に入れて施主に渡すところもあります。
半返しの粗供養と考えていてはいけないのが、法要・法事です。法要・法事には「御接待」があります。内容は「御食事代」+「飲み物代」です。食事は仕出し業者に発注する際に金額のコースが決まっていたり、田舎の方だと1人4,000円程度のをなどと大体の金額で発注できます。そして、飲み物代が一人2,000円程度と考えるのが妥当です。
■粗供養品=(御接待の予算)ー(御食事代+飲み物代)
ということになります。まずは、粗供養品含む「御接待」の予算をいくら組むかを決め、御食事の金額を決めたところで、だいたいの粗供養品の予算を出して注文しましょう。
粗供養「香典返し」の場合・一般参列者と身内(親類)
香典返し(当日返し)としての粗供養は、基本的に葬儀屋さんがカタログを見せてくれるので、遺族がその中から妥当な金額の品物を粗供養として決めることがほとんどです。基本的に「消え物」を用意するのがマナーですので、よくある香典返しは次のとおりです。
■ビール券
■乾物(海苔・干し椎茸(どんこ)・昆布)
■日本茶(茶葉詰め合わせ)
■タオル
などです。どれも1,500円以内が通常ですが、親戚の場合は違います。親戚は葬儀が終わった後、火葬場近くのセレモニーホールで会食をしたり、自宅で七日法要と会食をすることがあります。また、親戚は万単位で香典を包んで来るので、一般の方とは別に「引き出物」として粗供養を用意しておきます。
葬儀の粗供養「香典返し」に安定したおすすめの品
こちらは「八女茶の里」仏事・香典返し専用ギフトで中は「煎茶」が二種類となっています。こちらは香典返しとしては、金額的にも立派な2,160円となっています。
しかし、最近ではこういった2,000円を超える香典返しは少なく、少しでも香典を葬儀代の足しにするために、粗供養としての香典返しは1,000円程度にとどまっています。
お葬式となると、参列者がどれくらい訪れるか予測がつかないので、家族葬・密葬でない限り最低100個からと、多く準備しておきます。香典返しとしての粗供養に関しては、地元の業者にお任せする方が良いでしょう。
訃報を後から聞いて訪れる人がいることも多いので、そういう時のためにネットで10セット~20セット粗供養を準備しておくという方法もあります。また、想像していたよりも多く香典を包んで下さった一般の参列者に後日改めてこう言った粗供養を持って挨拶に行くという心遣いもあります。
親戚の場合はどんな粗供養を準備したらいい?
葬式において、親戚・身内は決まって10,000円以上包んできます。基本的に、親戚は故人が火葬されている間に共に待っていたり、お骨を家に持ち帰ってもう一度、お寺さんにお経をあげてもらうときも立ち合います。
ですので、粗供養は香典返し含め別途「引き出物」を用意します。最近では不織布の大袋に、香典返しと引き出物と、お葬式の最後に配る「菓子かご」のお菓子などを入れておきます。大袋は各家庭一つ用意します。内容は同じでも世帯主の名前を書いた目印をつけておくことがマナーです。
粗供養として、香典返し(一般の方に配ったものと同じ物)と、引き出物を入れる訳ですが香典で頂いた金額の半分の値段になるくらいの物は入れておくのがマナーです。葬式当日の引き出物として選ばれやすいのが5,000円前後の加工食品です。
葬儀当日の粗供養「引き出物」としてマストなもの①加工食品
味膳の舞(包装・掛け紙・印字無料) 香典返し・引き出物・法事・法要・年忌法要・年回忌 ・初盆・志・粗供養として人気のギフトセットになっています。
こういった加工食品や、調味料の詰め合わせは消え物ですし、貰って迷惑になるどころか助かる物でもあります。葬式当日の粗供養としての引き出物には、カタログギフトよりもしっかりと品物でお返しする方が良いでしょう。
カタログギフトを粗供養として贈るのは、法事・法要の時がベストです。また、お菓子の詰め合わせ(菓子折り)でも構いませんが、万人受けするものを選ぶことが大切です。お葬式ですので、こだわったブランドやメーカーの物を粗供養として選ぶ必要はありません。
葬儀当日の粗供養「引き出物」としてマストなもの②洗剤セット
ナノ洗浄洗剤ギフト(CSK-50N)満中陰志香典返し・年忌法要お返し・仏事用・法事お供え物・引き出物・即日返し・一周忌・三回忌・七回忌・粗供養におすすめの洗剤セットです。
持って帰るには重さがあるものですが、基本的に葬儀の後も一緒に残る親戚は車で来ていることがほとんどですので、もし「持って帰るのが大変だから、お宅で使って」と言って下さるような方がいれば、宅配便などで送ってあげましょう。
その際には一筆書いて送ることが大切です。また、洗剤セットもそうですが、入浴剤セットも定番です。ただ、最近は粉の入浴剤を使えないお風呂もありますので注意したいところです。
何も、引き出物としての粗供養は1品で納めることはないので、迷うならば2品にして合計が5,000円以上になれば良いでしょう。
粗供養「四十九日法要」の場合
身内が亡くなって、最初の大きな法要・法事が四十九日の法要です。この時にお墓に納骨することがほとんどです。法事に来る親戚も決まっているので各家庭分の粗供養「引き出物」を準備しておきましょう。
参列する親戚は、四十九日法要には基本的に「御仏前」「御霊前」としてお金を包んで来るのが通例ですので、その半額くらいの粗供養は準備しておきましょう。お葬式と違って、法要・法事は落ち着いて改まって行うことができるので、法要・法事の粗供養からは「カタログギフト」を引き出物にしても良いでしょう。
ただ、一回忌も行い同じ親戚が同じように「御仏前」を包んでくるのであれば、一回忌に「カタログギフト」を渡す方が懸命です。「カタログギフト」を使うのはこれで最後の大きな法要・法事だな、というときに締めで使う方がスマートです。
四十九日法要の粗供養には何を返せばいい?
田舎の方では、夏なら「肌掛け・夏布団」冬なら「毛布・冬用敷きパッド」など、大きな物を1つ粗供養として、法事の帰りにお渡しすることもありますが、こういうチョイスは昭和の粗供養の選び方と言っても良いでしょう。
四十九日の粗供養は、先程書いたように一周忌(一回忌)以降にした方がよいので、四十九日法要の粗供養は、タオルセットや菓子折りなどと、2種類くらいを大袋に入れて準備しておくと良いでしょう。
粗供養の包装の仕方
粗供養という言い方は、主に西日本での言い方です。それと同じように、実は法要・法事での包装、特にのしや水引なども違ってきます。のしに書く表書きもそれぞれです。
どれが正しく、どれが間違いということはありませんので、分からない場合は基本的に葬儀屋さんに訪ねるのが一番です。地元を良く知っている人が葬儀をサポートして下さる場合がほとんどですので、分からない場合は調べるよりも聞く方が確実です。
粗供養を何で包むか、という包装紙ですが、粗供養として選んだ品物に専用の包装紙がある場合はそれでもかまいません。そうでない場合は、落ち着いたシックな色のもので、派手な柄でないものを選べば良いでしょう。
こういったことも、基本的に「法事用です」と言えば、お店側が判断して包装して下さるので特別なしきたりが無い限りおまかせしましょう。
包装紙の種類・包み方
上記に書いたように、包装紙の種類や包み方にはこれと言って決まり事はありません。あるとしたら、包装した上にかけるのしが、地方によって違う事くらいですので、包装紙で悩む必要はありません。
ただ、最近では供物としてお供えしておきながらも、法要・法事が終わった際はそのまま、粗供養として持ち帰っていただけるような品物も出てきましたので、ひとつ例を紹介します。
■そのままお持ち帰りいただける供物兼引出物
お葬式の際の菓子かご(籠盛り)の小型版です。こちらは中に、クッキー・ラスク・パイ・季節のパウンドケーキ・フルーツケーキ・マドレーヌなど30個は入った詰め合わせです。この30個入りは、「お供え用おかしのかごもり・大」で5,200円と法事の粗供養には丁度良い価格と内容になっています。
「これ一つでは、ちょっと」と考えるならば、お菓子20個入りのかごもり3,900円・15個入りかごもり2,700円もあるので、かごもり+別の粗供養を引き出物として持ち帰ってもらうということもできます。一応、一度お供えとして置くので「お仏前」という熨斗ですが、表書きは変更できるので、注文の際に伝えると良いでしょう。
熨斗の名入れをお願いしましたら薄墨で書かれており、お店の心遣いが感じられました。お仏壇に1対で飾ると華やかになりました。
粗供養の「のし」での注意点
粗供養での「のし」の注意点というタイトルですが、まずは分かり易く「のし」と書いただけで、実際は弔事(葬儀・法事・法要など)の際の贈り物にかける「のし」のような紙は「掛け紙」と言います。
「熨斗(のし)」とはあわびを薄く伸ばしたような「熨斗鮑」というもので、慶事の贈答に添える縁起物のことを指します。弔事の際に水引だけ印刷されているものは「掛け紙」ですので、ここからは「掛け紙」という言葉を使います。
「掛け紙」の表書きは東西で違う?
粗供養は「香典返し・当日返し・引き出物」と同じですので、掛け紙をかける必要があります。掛け紙の表書きですが、西日本の多くは「粗供養」と書きますが、東日本では「志」と書きます。
西日本・東日本共通している点は、「粗供養」「志」の他に、両者とも「御会葬御礼」と表書きに書くことも少なくないです。と、ここまでは葬儀に関する掛け紙の表書きですが、法要に関しても西日本と東日本では差があります。
四十九日法要での表書きは、西日本の場合「満中陰志」と書くことがほとんどですが、東日本ではほぼ「志」で地域によっては「忌明志」と書くこともあります。
水引の色の使い分けはどうしたらいい?
四十九日、または四十九日法要が済んでからの法要・法事の水引は「黄色と白」「藍色と銀」「黒と白」の結び切りを使います。表書きは「粗供養」や「志」としますが、掛け紙の下には喪家にあたる家や、施主の「苗字(姓)」だけを入れるのが一般的です。
一周忌・三周忌などを「年忌法要」と言いますが、年忌法要以降の水引の色は「藍色と銀」「黒と白」いずれかの結び切りを使うことが基本ですが、実際のところ宗派や地域によって異なることもあるので、葬儀会社や近所の年配の方に確認すると良いでしょう。
関西地方は地域性を確認してみましょう
これまで粗供養は、喪家や施主側が準備して参列下さった方にお渡ししていましたが、関西地方では、地域によって逆になることがあります。
各法要に参列する参列者が、参列者の件数分の品を「粗供養品」として持ち寄る、という習慣がある地域があります。通常の粗供養とは逆になりますので、関西地方での法要・法事に参列する際には一度確認してみましょう。
薄墨を使うべき?「墨と薄墨の由縁」
薄墨は本来、香典に使います。昔は、硯(すずり)に水を入れて墨をすって作っていました。そこで「急な訃報でしっかりと墨をする時間がなかった」「硯に涙が落ちて濃い墨ができなかった」などとの悲しみの表現として、葬儀の際には香典に薄墨を使うことが良しとされていました。
現代では、筆ペンが当たり前なので薄墨を使う機会がなくなりましたが、薄墨の筆ペンも売っています。しきたりとして、香典は薄墨で書くと考えている方もいるので、できるだけ香典は薄墨で書く方が良いでしょう。
普通の墨がいけないという訳ではありません。ただ、サインペンなどで香典袋に名前を書いたりするのは失礼にあたります。筆に慣れていなくて字が下手でも問題はありません。筆で書くというマナーだけは守りましょう。
薄墨を使う最近の傾向
最近では、「控え目に」という意味で「黄色に白」の水引の掛け紙に「御供物」と書いてお仏壇にお供えしたり、粗供養に関しても「御粗供養」「志」などを薄墨で書くこともあります。
「大したものではありませんが、御収め下さい」という控え目な日本人らしい考え方から、こういう場合にも薄墨を使う方もいます。薄墨を使うということは、要は「心境の表れ」と考えても良いでしょう。
故人の代りに心を込めて御礼をしましょう
香典返し・志など、人が亡くなったら葬儀・法要(法事)とさまざまな場面で粗供養品を用意することになります。中には香典から元を取ろうとケチっているのが丸分かりな場合もありますが、粗供養は故人に成り代わって感謝の気持ちをお渡しするということです。
あまり深く考えすぎても大変ですし、だからと言って何でも良いわけでもありません。選ぶのが大変ならば葬儀屋やセレモニーの方に相談することが一番です。
しかし、自分たちでちゃんとしたいという方は、ぜひこの記事を参考にして下さい。粗供養を用意したら、掛け紙は100円ショップにも売っていますし、志などのスタンプも売っているので、手間でなければ法要・法事のものは喪家で準備するのも良いでしょう。