スーツのボタンマナー|留め方/2つ/3つ・外れた時の縫い方

ビジネスマナー

スーツのボタンの留め方とマナーを知っていますか?

スーツを知ることは大人の男の第一歩と言えます。スーツにはポケットやボタン、着こなしなどにさまざまなルールやマナーがあり、知らない人は無意識に恥をかいていることでしょう。ここではそれらのスーツの常識をご紹介しますので、ぜひ明日から、または今から実践してかっこよくスマートにスーツを着こなしてみてください。

捨てボタンとは?

社会人になりスーツを買いに行く機会が増えれば、店員さんから聞いたり、またはスーツに関しての最低限のマナーを調べたことのある人は、「捨てボタン」や「アンダーボタン」という言葉をご存知でしょう。捨てボタンやアンダーボタンとは、スーツのジャケットの一番下のボタンを指します。

スーツを着る上で最低限知っておきたいことは、このアンダーボタンを留めずに外しておくということです。なぜならこのボタンは本来飾りとして付いているため、着用時には捨てボタンの名のとおり、無いものとして扱うのが正解だからです。留めないことでスーツの美しいシルエットが守られ、シワにならずピシッと着ることできます。

ボタンの数はデザインにより異なりますが、留めるボタンは基本的には決まっています。留めるボタンと留めないボタンを、ボタンの数ごとに確認していきましょう。

2つボタンの場合

ボタンが少ないことで襟のVゾーンが深くなり、スッキリとした印象の2つボタンスーツです。このスーツの場合、捨てボタンは留めずに上段のボタンのみを留めます。

3つボタンの場合

通常の3つボタンの場合は捨てボタンのみ留めず、上から2つ目までを留めます。ラペル(下襟)の部分にボタンがあり、見えているボタンは2つだけれど実はボタンは3つというスーツを「3つボタン段返り」と呼び、この場合は真ん中のみを留めます。

5つボタンの場合

5つボタンの場合でも一番下は留めないことが鉄則です。スーツを紳士らしく着こなすコツは、とにかくスーツの形を守りシワが出ないように着ることです。5つボタンはボタンの数が多いので、自分の体形に合わせて一番上のボタンを留めるか留めないかを決めましょう。

ベストを着るときのボタンマナーについて

スーツのジャケットのボタンについてご紹介しましたが、3ピーススーツ(ベスト、ジャケット、スラックス)の場合、ベストのボタンの留め方で迷ってしまう方も多いでしょう。ベストは基本的にアンダーボタン以外を留めるのが正しいとされています。ベストの上にスーツのジャケットを着用する場合は、ジャケットのボタンは留めずに全て開けておくのが正解です。

また、抜け感を演出するためにわざと一番上のボタンを留めない着こなしをする方もいます。スーツのボタンのルールやマナーを知り理解した上で、慣れてきたらそのような遊び心も入れられるようになれば、ますます楽しく愛着を持ってスーツを着用できるでしょう。

着席時のスーツマナーについて

これまでご紹介してきたのは全て立っている時のボタンマナーです。座っている時にボタンを留めているとスーツが上に上がってきてしまいシワができ、とても不格好になります。そのため着席時にさりげなく留めていたボタンを外し、すっきりとしたシルエットを作ることが大事です。あからさまに外すのではなく、ボタンを見ることなく片手でササッと外しましょう。

会議や打ち合わせ、接待が終わり立つ時には、再度さりげなくボタンを留めます。慣れないうちは苦戦しますが、慣れてくるとボタンの位置も大体わかるようになります。考えなくても自然と手がボタンに伸び、開け閉めがラクにできるようになります。スマートにできればとても格好よく見えますので、ぜひ家で練習しましょう。

急に外れてしまったときのボタンの縫い方と動画を紹介!

何度も着用していたら、よほど仕立てのいいスーツやシャツではない限りボタンの糸が緩んできてしまうのは仕方のないことです。前日の夜や朝の着用前にボタンの糸の緩みに気付くことができればいいですが、忙しい時にはあまり気にかけないので気が付きにくく、出先で突然外れてしまった、ということもあるでしょう。

焦って簡単に縫ってしまえばスーツやシャツに余計な穴を増やすこととなりますし、すぐに糸が緩み、かがんだ拍子に外れしまうなんてことも起こり得ます。そんなことにならないよう、男性であってもボタンの縫い方を覚えておいて損はありません。

針と糸は100円ショップにも売っていますし、コンビニにもソーイングセットを置いているところはたくさんあります。縫い方も覚えてしまえば簡単です。

次では、2つ穴ボタンと4つ穴ボタンの縫い付け方をそれぞれご紹介します。

2つ穴ボタンの縫い付け方

穴が2つしかない分手順もシンプルな2つ穴ボタンの縫い付けです。動画でのポイントは、以下のとおりです。

1.最初の玉結びが表面に出るようにする

2.布とボタンの間に布2枚分のゆとりを持たせる

3.ゆとりの高さ分糸をぐるぐる巻き付け、根元で一本結びする

動画での縫い方は穴に糸を通した後に布をすくっていてしっかりボタンが固定されるので、緩みの心配が少ないです。

4穴ボタンの縫い方

4つ穴ボタンの動画でも、やはり玉結びが表面に出るようにしています。また、右側2つの穴に糸を通したら布をすくい、今度は左側2つの穴に糸を通して布をすくっていて、縫い付ける回数が多くなるので強度も4つ穴ボタンの方が強いと言えます。2つ穴ボタンに比べると手順が増えて複雑ですが、一度覚えてしまえば簡単にできます。

ボタン以外のスーツマナーについて

シャツや靴下などにもマナーがあり、スーツはトータルでコーディネートする必要があります。だからこそ、コーディネートがバシッと決まったときはとてもおしゃれに見えます。

それぞれの役割や見え方を知り買う時に失敗しないようにしましょう。シャツを買う時にも、ネクタイを買う時にも、手持ちのスーツを思い浮かべたり事前にスーツの写真に撮っておくと小物の買い物がしやすいのでおすすめです。

スーツに合わせるシャツの選び方

カラーはホワイトか薄い水色(サックスブルー)が清潔感があり無難です。派手な柄ものはビジネスシーンには合いません。無地か細いストライプまでにしましょう。袖はカフスがスーツの袖口から1cm前後出る長さが正しい着方なので、シャツを買う際はジャケットの袖の長さも知っておくことが大切です。

スーツの下に着用するシャツは本来は下着の役割です。スーツを汗や汚れから守るために着るので、直接スーツに肌が触れてしまう半袖のシャツは避けましょう。また、襟にボタンが付いている「ボタンダウン」と呼ばれるシャツは、カジュアルな印象でビジネスシーンには向いていません。もし持っているならば着るのはプライベートだけにしましょう。

ネクタイでバランスを調整しよう

ネクタイ一つで同じスーツでも印象がガラリと変化します。ネクタイの基本はネクタイの幅をスーツの下襟の幅に合わせ、結んだ時の長さはベルトに少しかかる長さに調整することです。色はネイビー、チャコールグレーが無難です。気合を入れたい時や、やる気を見せたい時、少し派手にしたい時は落ち着いたエンジ色も良いでしょう。ブラックはビジネスシーンにはNGです。

柄物を合わせたい時はスーツの色や柄と合わせる必要があります。ネクタイだけ浮いてしまうことがないようにしましょう。おすすめの柄はレジメンタルストライプ柄、小紋柄、小さめのドット柄です。動物柄やあからさまにブランドロゴが入ったものはプライベートのみにしましょう。

スーツが濃いめのストライプやチェック柄ならネクタイは無地か薄めの柄にして全体のバランスを取りましょう。

フラップは出す?出さない?

「フラップ」とは、スーツのポケットに付いているフタのような布のことです。フラップは日本では「雨蓋」と呼ばれ、外にいるときに雨やほこりなどからポケットを守る役割を果たします。つまり、屋内では内側に、外に出るときには傘のようにポケットに被せます。ボタン同様、スマートにさりげなく動作できると恰好よく決まります。

ポケットにはなるべく物を入れないようにしましょう。ついつい携帯などを入れたくなりますが、何度も出し入れをしているうちに生地が引っ張られ、型崩れの原因となります。スーツはリラックスした普段着とは異なります。せっかくの計算された綺麗なシルエットが崩れないようにしっかりと形を守りましょう。

靴下は長めが基本

スーツを着用する際、合わせる靴下を迷う人は少なくないでしょう。何色が良いか、どんな柄が良いか、長さはどのくらいか、などなど、迷うポイントは多いです。基本的にスーツに合わせる靴下の色はブラックかダークネイビーです。主張しすぎず、スーツと馴染むようなカラーです。

白ソックスや派手な遊び心満点の柄物は、よほどのスーツ上級者ではない限り避けるのが無難です。ブランドロゴも避け柄物であれば小紋柄を選びましょう。

ズボンは座ったときに裾が5~10cm上がってしまうので、上がったときにスネが見えないくらいの丈が良いです。35~50cmのものがおすすめです。靴下は穴が開くまで履くという人も少なくないでしょう。

脇役ないがしろにしてしまいがちですが、靴下がスーツに合っていないと悪目立ちします。自分の手持ちのスーツと合っている色や、自分の脚の長さに合う靴下を慎重に選ぶことが大切です。

スーツを愛しスーツに愛されよう!

上記以外にもベルトと靴の色を合わせることもポイントです。統一感が出て一気にあか抜けた印象を与えてくれるでしょう。そして、始めにボタンの数によってどこを留めるかをご紹介しましたが、共通は一番下は必ず留めないことです。留めないことで、シワにならずに長く綺麗に着用することができます。

いくら高いスーツを買っても着こなし方や手入れの方法を知っていなければすぐに形は崩れ、スーツの崇高さを守れません。スーツは男性を強く・優しく・紳士に見せ、華やかに飾ってくれます。スーツ姿の男性が好きという女性が多いのもそのためでしょう。ビジネスシーンでもプライベートシーンでも、スーツは男性のとっておきの勝負服です。

スーツを知れば知るほど奥が深く魅力的なものだと感じます。スーツが似合う男性になるためにしっかり愛着を持ち、ブラッシングなどもしてスーツが持つ能力を十分に発揮させることができるようにしましょう。

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