出棺とは?!
出棺とは具体的にどういう意味があり、まず何と読むのでしょうか。
出棺の読み方
出棺はシュッカンと読みます。
出棺の意味
出棺とは、お葬式の時に亡くなった方の棺を家から送り出すことです。葬儀や告別式のあと霊柩車(寝台車)に乗せて火葬場に運びます。一般的に、出棺の際、霊柩車には喪主または遺族1〜2人が同乗します。葬儀社に人数をあらかじめ伝えておく必要があります。
出棺の時間
出棺は葬儀や告別式の後に親族や会葬者による最後の別れの儀があります。棺を近親者や友人で祭壇んから下ろし、頭が北を向くようにします。そして、出棺まえに祭壇に飾られていた生花を棺の中に飾る別れ花をして棺のふたを閉めてから行われます。
出棺のときのマナーと注意点
出棺の際のマナーや注意点を服装や持ちものなどの点から紹介します。
服装
出棺は外で行われることが多いので、冬の寒い時期などは喪服の上にコートを羽織ることがあります。出棺を待つ間はコートなどで寒さをしのいでいても良いのですが、出棺の際にはコートなどを脱ぐのがマナーです。また、出棺の際に雨が降っていたら傘をささなければなりません。傘の色はなるべく地味な黒やコンを選びましょう。
持ち物
特にこれといった必要なものはありませんが、寒い季節ならコートなどの防寒着、雨ならば紺や黒などの地味な色の傘を用意しておくと良いです。出棺は外で行われることが多いので、雨が降っている場合は自分自身が濡れるのを防ぐのも大切ですが、棺が濡れるのを防ぐことも忘れないようにしましょう。
花
出棺の前に近親者の別れの儀として、棺の中に花を飾る別れ花を行います。故人との最後の対面です。個人との縁が深い順に別れ花を入れて遺体のまわりを華やかに飾ります。この時、花と一緒に故人の愛用の品を棺に入れます。火葬した時に一緒に燃えるように燃えやすいものだけを入れましょう。
生ものや金属、ガラスや分厚い本なども控えましょう。
釘打ち
出棺を行うまえに「釘打ち」という儀を行う場合があります。これは棺の蓋を釘でとめる作業です。関係性が深い遺族から順に釘を打ちます。最近ではこの釘打ちをしないことが増えており、蓋を閉める時に一緒に手を添えるなどのみ行うこともあります。
子・孫
一般的に子や孫も出棺に立会います。また、子や孫が挨拶をしなければならない場合もあります。また、小さいお子様が出棺に立ち会われる場合には、そのときの状況を説明したりどのくらいの時間がかかるのかを説明したりしてなるべく静かに、騒がないようにしておくと良いでしょう。うるさくし始めるまえに話しておくとより子供も分かってくれるでしょう。
場面別の出棺の挨拶ってどんなこと言うの?
葬儀の場、また出棺の際はさまざまな場面で挨拶が必要になります。挨拶は亡くなった方との続柄によって変わります。亡くなった方が親の場合、祖父母の場合など、続柄と場面によっての一般的な挨拶の文例をご紹介します。また、亡くなった方の名前は「##」と表します。挨拶の長さの分量としては原稿用紙2枚程度です。
自宅
主に葬儀や告別式の案内をすると良いでしょう。例えば、「明日の告別式は午後1時を予定しております。ご都合がよろしければお見送りいただければと存じます。」などです。葬儀または告別式の時間を伝えます。簡単に亡くなられた方との生前のエピソードを交えるとより良いです。
葬儀・告別式後
出棺の直前である葬儀・告別式の最後に会葬者の方々への感謝をこめて挨拶をする文例です。生前のエピソードや今後の残された者たちの思いなどを交えて挨拶すると良いでしょう。
喪主の挨拶
「本日は、お忙しい中、##の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。このように大勢の方々にお見送りいただき、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。遺された私どもは未熟者ではございますが、今後とも故人同様、ご指摘ご鞭撻のほどを賜りますようお願いいたしまして、わたくしの挨拶にかえさせていただきます。」
「本日はご多用のところ、ご会葬いただき誠にありがとうございました。生前からご親交いただきました皆様方にお見送りいただき、故人もさぞ喜んでいることと思います。ここに生前のご厚誼に対し、厚くお礼申し上げます。これからはわたくし供一同、故人の遺志を継ぎ、一掃の頑張りをいたすつもりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。」
親族代表の挨拶
「親族を代表いたしまして、皆さまにひとことご挨拶申し上げます。本日は、ご多用にも関わらず、ご会葬・ご焼香を賜り、おかげさまをもちまして、葬儀・告別式も滞りなくすみまして、これより出棺の運びとなりました。生前はひとかたならぬご厚誼にあずかり、またここにお見送りいただきまして故人もさぞ皆さまのご厚誼に感謝していることと存じます。
遺されたわたくしどもにも、今後とも変わりなくご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、わたくしの挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。」
喪主代行の挨拶
「ご会葬の皆さま、本日はお忙しい中を##葬儀、ならびに告別式にご会葬いただき、ご焼香を賜りましてありがとうございました。本来なら喪主の**からご挨拶申し上げるところでございますが、ただいま悲しみのあまり体調を崩しておりますので、故人の$$(故人との続柄)でありますわたくしが代わりまして挨拶申し上げます。
故人の生前はひとかたならぬご厚誼にあずかり、深く感謝いたしております。また、遺族に対しましても、今まで以上のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、わたくしの挨拶とさせていただきます。」
火葬場
出棺され、霊柩車で運ばれた棺桶は火葬をされますが、火葬は予約制であり、はじめに火葬許可証が必要になります。大半の葬儀社は手続きをして準備をしてくれているのですが、稀にそれぞれが自身で手続きをしなければならない場合やオプションになっている場合があるのであらかじめ葬儀社に確認しておくと良いでしょう。
出棺され火葬をし、骨上げを終えた後、喪主は解散する合図として挨拶をしなければなりません。例としては「皆さん、本日は長時間にわたりご参列いただき、誠にありがとうございます。本日はこれにて失礼させていただきます。どうか皆さまお気をつけてお帰りください。ありがとうございました。」です。
出棺の流れって?!
出棺の具体的な流れを見ていきましょう。
喪主挨拶
出棺前である葬儀・告別式の最後に喪主が挨拶をし、終了したら祭壇から棺を下ろして最後の別れの儀をします。その後、別れ花という花で棺を装飾する儀を行ったら、出棺となります。出棺して火葬場に搬送されたら火葬され、骨上げをして解散します。葬儀・告別式の最後の挨拶の例は上に記載しています。
クラクション
一般的に、出棺の際、霊柩車が出発する時にクラクションを鳴らします。これは遺族や参列者のお別れや亡くなられた方の旅立ちの合図です。人によってはうるさいと感じる人もいるでしょう。また、葬儀社によっては鳴らさない場合もあります。出棺の際のクラクションに対して疑問を抱く人も少なくないでしょうが、宗教的な意味はありません。
出棺のあれこれ
出棺の際、棺は遺族、親族、親しかった友人などの手で霊柩車まで運びます。司式者である僧侶が先頭にたち、喪主が位牌を持ち、喪主に続く人が遺影を持って、棺を先導します。霊柩車までたどり着いて乗せ終わったら遺族の代表が出棺の見送りをしてくださった参列者に対して出棺の挨拶をする場合があります。
また、見送るひとたちは棺を運ぶ霊柩車が見えなくなるまで合掌か黙礼をして見送ります。しっかりと自分の目で見えなくなるまではきちんと見送り、見えなくなった後もその場の人同士で大声で話したり笑い合ったりすることはマナー違反です。
出棺時には遺族が行わなければならないことが増えるのでなるべく棺から離れないようにしなければなりません。葬儀社の方の指示に従って素早く行動することが式をスムーズに進めることにもつながります。
お葬式に関わるお金って?
お葬式で必要なお金を参列する側、される側に分けて見ていきましょう。
遺族(開く側)
お葬式を開くにあたって必要なお金が3つあります。それは葬儀一式と寺院費用と飲食接待費用です。しかし、葬儀には支出だけでなく収入もあります。もっとも主要なのは会葬してくださる方や、会葬しないが人づてに渡していただく、香典です。その他に、もし保険契約をしていた場合にはその支払いを受けることもできます。
それ以外にも、健康保険組合で加入者が亡くなった時に支給することになっている、総裁補助金・埋葬費なども収入として入ってきます。このように収入もあるので葬儀の費用を考える際は支出と収入の差し引きで考えます。
参列者
お葬式や告別式に参列する際には香典としてお金をつつまなければなりません。金額は故人との関係性や立場によって変わりますが、近年の相場としては故人が友人の場合で少なくとも5000円ほどつつむのがよいとされています。
例えば、両親の場合は5万から10万円、親しい友人の場合は1万円、仕事関係の方の場合や故人よりも自分自身が高い位置にいる場合は1万円ほどです。もし、以前に相手から香典をいただいたことがある場合はその金額を目安にしましょう。金額をただ多くするのではなく、故人との関係性を重視して考えましょう。
知ってて得する葬儀参列の豆知識!!
知っていると便利な豆知識をご紹介します。これを機に知識として覚えておきましょう。
訃報を受けてから
まず、訃報をうけ、故人のもとへ伺った際に対面を勧められる場合があります。そういった場合、どうしてもという理由がない限りはお受けするのがマナーです。もしも、何らかの事情がある場合は遺族に理由をきちんと述べてから丁寧にお断りしましょう。
対面方法は、故人の枕元に正座をして両手をついて一礼し、遺族が白布をとったらそのまま対面し、故人に再び一礼して合掌をします。そして、遺族にも一礼をして下がります。服装は喪服ではなく平服を身につけるのが良いのですが、アクセサリーや派手な化粧を控えて地味な格好で伺いましょう。また、香典や供物は葬儀の時などに持って行きましょう。
葬儀や告別式に出席できない場合
なんらかの事情があり葬儀や告別式に出席できない場合は遺族に弔電をうち、お悔やみの気持ちを伝えましょう。弔電は原則として喪主にあててうちますが、万が一喪主の名前がわからないときは、ご遺族様あてにしてもいいです。弔電は、NTTで115番に電話をして申し込めば早急に配達されます。郵便局の窓口でも申し込みは可能です。
供物を贈る時は?
供物は宗教によって贈るものが異なるので注意しなければなりません。神式では線香類は使いません。キリスト教式では白い花を使った供花だけを贈ります。
宗教 | 供物 |
---|---|
仏式 | 線香、抹香、生花、干菓子、果物・缶詰の盛りかご |
神式 | 酒 |
キリスト教式 | 供花 |
香典の表書きって?
香典の表書きは宗教によって異なります。一般的に御霊前はどのような宗教でも使えるので相手の宗教がわからない場合は御霊前と書くのがいいです。御仏前は49日以降に使うものなので間違わないように注意しましょう。もし浄土真宗ならば、亡くなった直後から御仏前を使っても大丈夫です。
書き方は、内袋の表に金額を書いて裏に住所と氏名を書く。連名の場合は目上の人が右側に来るように書きましょう。4人以上で贈る場合は代表者の名前に「他一同」と書き、中に全員の姓名を記した紙を同封します。
お焼香のやり方は?!
仏式の通夜や葬儀ではお焼香が行われます。僧侶の読経に並んで儀式の中心になるのものであり、霊前を清め、敬虔な心で亡くなった人の冥福を祈るという意味が込められています。お焼香には座って行う座礼と斎場などで立って行う立礼で行うことが多いです。会場に十分な広さがなかったり、参列者が多い場合には自分の席で行う回し焼香の場合もあります。
お焼香の順番は喪主をはじめとする遺族が終わってから会葬者となります。順番が来たら祭壇の方へ歩き僧侶と遺族に一礼してから遺影に向かって一例したあとにお焼香をします。線香での焼香の場合、線香を右手に持ってロウソクの炎に近づけて線香に火をつけ、炎が出たら手で仰ぐか線香を軽くふって消します。絶対に息をふきかけて消してはいけません。
その後、静かに香炉に立てて合掌します。
最後の別れを清く美しく!!
「命あるものいつかは滅びる」というセリフを耳にすることも少なくないでしょう。人間には1人に1つの命が与えられています。滅びるということは言いかえると死ぬと言うことです。人間にとって生死というものは自分自身だけでなく遺された周りの人々にも深い悲しみを与えるものです。
日本では亡くなられた方とのお別れのために葬儀・告別式を行います。静かにたんたんと行われ、出棺のさいの大きなクラクションをききながら火葬場へ運ぶ霊柩車を見送ります。そういった別れの儀を清らかに、そして美しく行うためにも基本的な挨拶やマナーを身につけておきましょう。
特にこの記事でメインに紹介している出棺のときは別れというものを感じます。だからこそ、出棺のことをよく知っておきましょう。