一周忌のお布施の目安・封筒の表書き・その他の費用|お車代

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一周忌の意味

「一周忌」という言葉は、社会人であれば誰もが耳にしたことのある言葉でしょう。故人が亡くなって1年目に行う法要で、家族だけではなく、故人と縁の深かった友人なども一周忌の法要に出席するのが一般的とされています。一周忌では、僧侶を招き読経をあげてもらいます。僧侶に渡すお布施について説明する前に、まずは一周忌そのものについて、説明いたします。

故人が亡くなってちょうど1年目の命日

重要な法要のひとつである一周忌とは、故人が亡くなってからちょうど1年目の命日のことを意味しています。故人が亡くなってから行われる1年目ということで、大切にされている行事です。一周忌には、家族や親戚の他にも、故人と親交の深かった友人や知人を招いて法要が行われます。その際には、僧侶を招き、読経をあげてもらうことが一般的です。

僧侶の読経のあとには、焼香が行われ、最後にお斎と呼ばれる食事がふるまわれます。一周忌の法要は、故人が亡くなってちょうど1年目にあたる命日に行われることが理想とされていますが、実際には参列者の都合などにより、最近では命日のある週末に行われることも多くなってきました。一周忌の法要は、命日より早めの日に行うのが、慣ましとされています。

一周忌までは喪中となっていましたら、一周忌をもって喪が明けることになります。喪中のお正月には、正月行事は控えるようにしましょう。

一周忌の法要

通夜や葬儀では、親族以外の友人知人や近所の方などにも参列してもらうことが多いでしょう。しかし一周忌では、基本的には家族や親戚のみで執り行われるのが基本となります。故人と縁の深かった友人や知人が一周忌にも招かれることがありますので、その際には都合がつく限り、参列しましょう。

一周忌では、僧侶にお願いをして読経をあげてもらいます。その後、参列者全員が焼香を行い、法要後には食事がふるまわれるのが、一周忌の法要の一般的な流れとなります。葬儀と同じように、地域によって一周忌のやり方には、多少の違いがあります。一周忌の流れについては、地域の進め方を参考に行ってください。

一周忌の法要の場所は、お寺で行われる場合もあれば、自宅で行われる場合もあります。いずれにしても事前に準備が必要となります。一周忌の日程を整えた後には、会場の確保や参列者への連絡など、準備を進めていきましょう。

お布施とは何か

一周忌には僧侶を招き、読経をあげてもらうことが一般的となっています。その感謝の気持ちを込めて、僧侶にはお布施を渡すことがマナーです。ここでは、お布施とは一体どのようなものなのかについて、詳しく説明いたします。

お布施の意味

まずはお布施の意味から説明していきます。お布施の「布施」とは、仏教の六波羅蜜という修行法のひとつを指します。六波羅蜜とは、6つの徳目の総称で、徳目とされる6項目を実践することで、煩悩が消えて悟りの世界に到達することができるというお釈迦様の教えのことです。六波羅蜜の6項目とは、布施、持戒、精進、忍辱、禅定、智慧です。布施とは、人に施しを与えることを意味しています。

六波羅蜜は、僧侶だけの修行法というわけではありません。すべての人々にとって、六波羅蜜の6項目は大切な教訓だと言われています。六波羅蜜の「布施」にはさらに、財施、法施、無畏施という3種類の意味があります。法要の際に、僧侶に渡しているお布施は、財施、法施、無畏施と呼ばれているお布施の中でも、財施にあたるものでしょう。

法要の後で僧侶に渡す御礼

一周忌などの法要の後に、僧侶に対してお布施を渡すことが一般的なマナーとなっていますが、このお布施は、目の前の僧侶にお金をあげているわけではありません。お布施は、僧侶ではなくご本尊に捧げるものとなります。

お寺側は、人々から受け取ったお布施で、ご本尊をお守りしている寺院を維持し、法務を行うことができています。また、お布施には、ご本尊を守るために活動しているお寺の住職やその家族の生活を助ける役目も果たすという意味が含まれています。法要の後に感謝の気持ちを込めて渡しているお布施には、間接的ではありますが、ご本尊を守るために使用されていると考えてよいでしょう。

一周忌のお布施の相場

お布施の本来の概念を考えると、一周忌の法要で渡すお布施に、相場が明確に決まっているわけではありません。しかし、いざお布施を準備するとなると一体いくら包むべきなのか検討もつかない、という方もいらっしゃるでしょう。そのような方のために、一周忌のお布施の相場について紹介いたします。

30000円から50000円

一周忌は、故人が亡くなってから満1年の祥月命日に行われる、仏式の法要のことです。一周忌の法要では、僧侶を招き読経をあげてもらう必要があります。その僧侶に対して、感謝の気持ちを込めてお布施を渡すことがマナーとなっています。

一周忌のお布施には、金額が決められているわけではありません。しかし、一般的には一周忌の法要で僧侶に渡すお布施の相場は、3万円から5万円が多いでしょう。菩薩寺の場合には、親戚や近所の方にお布施の相場について聞いてみるのも良いでしょう。また、お布施の目安が全くわからない場合には、直接お寺に問い合わせてみるという方法もあります。

葬儀から付き合いのあるお寺であれば、紹介をしてもらった葬儀社に相談してみると、お布施の相場について教えてくれる場合もあります。お寺に問い合わせる場合には、「みなさんはいくら蔵包まれていますか」と聞いてみると、快く教えてくれるでしょう。

一周忌でお布施以外に必要な費用

一周忌では、お布施だけではなく、さまざまな費用がかかってきます。僧侶を自宅に招くのであれば、お車代が必要になります。お車代の相場は5千円から1万円ほどで、別途渡す必要があります。

また、僧侶が法要の後の食事に出席しない場合には、お布施とは別に食事代という形で、5千円から1万円ほどの御膳料を用意しておきましょう。法要の後に行われる食事は、法要が行われる場所によって異なります。お寺で法要と食事を行う場合には、お寺の社務所に仕出し料理を依頼することができますので、事前に確認してみてください。

自宅や貸式場で法要を行う場合には、仕出し弁当や料理を用意したり、自ら料理をふるまうこともあります。どちらにせよ、準備が必要となりますので、事前に確認するようにしましょう。

お布施の封筒の表書き

では実際に、お布施を渡すときには、お布施はどのようにして僧侶に渡すのが正しい渡し方なのでしょうか。お金をそのまま裸にして渡すことは、誰でも失礼だとわかりますが、封筒に入れて渡す正しい渡し方とはどのようなものなのでしょうか。お布施の封筒の表書きについて、以下で詳しく説明いたします。

お布施

お布施を渡す際に包む袋には、2種類に分けられます。まずは、奉書紙にお布施を包む方法です。半紙でお札を包み、中包みがある場合には中包みを用意します。お札の入った中包みを上包みで包みましょう。または、中袋にお札を入れ、奉書紙で包みましょう。上包みは、慶事の折り方と同じで上側の折り返しに下側を被せます。奉書紙で包む方法が、お布施の包み方で最も丁寧な方法とされています。

奉書紙がない場合には、市販の白の封筒でも大丈夫です。ただ白の封筒といっても、郵便番号欄が記載されていない無地の封筒を選ぶようにしましょう。市販の封筒では、すでに表書きが印刷されている封筒も売っています。その場合には、中袋は特に必要ありませんので、中袋に入れずにお札を中に入れましょう。封筒の裏面には、住所と金額を記載するのを忘れないようにしてください。

御布施

お布施の表書きには、一般的には「御布施」や「お布施」と書きます。または、何も書かずに空白の状態でも結構です。お布施を包む際の表書きには、薄墨を使用するのではなく、普通の墨で書くのがマナーとなっています。

お布施の中袋の裏面には、自分の住所、氏名を左側に記載するようにしましょう。中袋の裏面の右側または中心には、お布施の金額を記します。金額を記載するときには、漢数字の旧字体を使用することが、より丁寧なマナーとなっています。5万円であれば伍萬圓、10万円であれば壱拾萬圓というふうに記載をします。中袋に記載するのを忘れる方が多いので、注意するようにしましょう。

御経料

御経料とは、仏教において、通夜や葬儀、法事法要の際に、僧侶にお経をあげてもらったことに対する謝礼を意味するものとなっています。謝礼の表書きとして用いられる場合もありますが、「御経料」という言葉を使用せず、「御布施」という表書きを使用する方がよいと言われています。

御経料という言葉自体に違和感を覚える、僧侶の方も少なくないと言われています。御経料という言葉では、お経を読んだ労働に対する対価のような印象があるといいます。それに対して、御布施には見返りを求めない寄付の意味があります。よって、御経料という表書きを使用するよりも、御布施という表書きを使用する方が好ましいでしょう。

施主の姓または氏名

お布施を入れた奉書紙や封筒の表には、「お布施」や「御布施」と記入し、その下には一周忌を執り行う施主の名前を記載します。故人の名前を書くのではなく、法要を執り行う施主の名前を記入するので、注意するようにしましょう。○○家など省略することなく、フルネームで記入するのが正しいマナーとなっています。

お布施の渡し方

お布施を僧侶に渡す際の、正しい渡し方とはどのようなものなのでしょうか。お布施の渡し方について、以下で詳しく紹介いたします。

盆にのせる

お布施は直接手渡しすることは、マナー違反となっています。お布施はお盆に乗せて渡す方法が、最も丁寧な作法として一般化しています。正式には、切手盆や祝儀盆と呼ばれる黒いお盆を使用します。

お盆が用意できない場合には、ふくさでも代用が可能です。包み方は弔辞の包み方で、ダイヤの形になるようにふくさを広げ、中央の右側に封筒を置きましょう。右、下、上、左の順に包むようにします。僧侶にお布施を渡す際には、ふくさを開きふくさからお布施を取り出し、ふくさの上にお布施を乗せて僧侶に渡すようにしましょう。

挨拶

お布施を渡す際には、無言のままお布施を差し出すのではなく、ひとことを添えて渡すと、より丁寧な渡し方となります。お布施を渡す際に添える言葉は、「本日はどうもありがとうございました。些少ですが、どうぞお納めくださいませ。」などの簡単なひとことで構いません。

一周忌についてのマナーを学ぼう!

いかがでしたでしょうか。一周忌には、家族や親戚だけではなく、故人と深い縁であった友人や知人を招いて、法要を行います。また、僧侶を招き読経をあげてもらうことが一般的で、その僧侶に対してお布施を渡すことがマナーとなっています。相手に失礼のないように、一周忌やお布施についてのマナーを学び、気持ちの良いふるまいができるようにしておきましょう。

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