お盆のお供えにのしは必要か
お盆というとお墓参りというイメージを持っている人は多いでしょう。お盆は、ご先祖様の霊がお家に帰ってくる期間で、お家でも提灯を下げたり、仏壇にお供えしたり、お墓を綺麗にして花を飾ったりします。
このお盆の期間にお仏壇のあるお家に伺うときに「お供え」をもっていきますが、このお供えにはのしは必要なのでしょうか。ここでは、お盆のお供えにのしが必要か、またその種類などについてみていきます。
お盆のお供えにはのしは必要
まず、お盆のお供えにのしは必要です。お供え物の場合、「結び切り」を用います。のしにはさまざまな種類がありますが、のし紙の水引きと呼ばれる部分を黒白にするか、黄白にするか、まさかの紅白にするかで迷う方がいらっしゃるとおもいます。
お盆のお供えの場合は、のしの色は関東では黒白の水引き、関西では黄白の水引きが選ばれることが多いです。
【お盆のお供えに使うのし】
・関東:黒白の水引き
・関西:黄白の水引き
お盆のお供えののし紙の種類
お盆のお供えののしの表書きは以下のようなものを書きます。
1.「御供」 お盆ののし紙の種類としては、一般的には表書きに「御供」と書きます。この場合に、表書きを薄墨で書く人もいらっしゃいます。薄墨は香典などの場合に使われますが、悲しみの涙によって墨が薄くなったという意味で使われています。
ただし、お盆のお供えの表書きの「御供」は普通の濃さでOKです。また、のしは誰からのお供えかわかるよう、外側につけましょう。
2.その他 「御供」と同じように表書きを「御仏前」とする場合があります。また、「御霊前」という表書きにする場合もありますが、これは神前またはキリスト教の場合です。
のし袋の種類
お盆のお供えとしてお金を包む場合には、のし袋に入れてお供えします。大きく分けると、封筒タイプのものと多当紙タイプのものになりますが、多当紙タイプのものについては、上から下に折り重ねるように包みます。また、水引きの色は包む金額によっては双銀(すべて銀色)にします。藍白、黄白よりも双銀はより高い位置づけになります。
のしの書き方
のしの表書きには、「御供」や「御仏前」などを書きますが、その下にフルネーム(氏名)を記名します。このとき、4名までは連名で書くことができます。もし、5名以上の場合は、「○○一同」というように書きます。また、会社などの場合は、目上の人の名前を右から順に書いていきます。
無地のし
自分の実家などの近しい関係の場合は、「無地のし」といい、のしに何も書かないで渡す簡略化したものにすることがあります。お供えする場合は、宗派であったり、地域によるしきたりがあるため、一概に簡略化してよいとは言い切れませんが、そのような形をとる方もいます。もし、無地のしにしたい場合は、一度ご家族へ確認してから持参すると良いでしょう。
お盆のお供えののしは結び切り
お盆のお供えに使うのしは、一度きりであるようにとの願いから結び切りの水引きを使います。またのしあわびがないタイプのものを選びます。正確にはのしとは、水引きの右上にある熨斗アワビのことを指しますが、ここではお供えにつける懸け紙のことをのしと言わせていただきます。
もし、お店などで「のしはいかがなさいますか」と聞かれて、お盆用だから熨斗あわびがいらないから「のしはいりません」と答えると、懸け紙自体をない状態にされる可能性があります。お盆用のお供えでしたら、お店の方に「お盆用のお供えです」と伝えると、熨斗アワビのない結び切りの水引きの懸け紙をつけてくれるでしょう。
お盆のお供えの料理
お盆はあの世からご先祖様が我が家に帰ってくるときです。一般的には8月13日~16日までのお盆期間に亡き人の魂をお客様としてもてなすことになり、これが「お盆の供養」といわれます。この供養として、お供えの料理を作る場合があります。ここでは、お盆のお供えにおすすめの料理をいくつかご紹介します。
お供えまんじゅう
お供えにおまんじゅうを作るお家も多いでしょう。ここでは、お供えにぴったりのお饅頭レシピをご紹介します。
作り方としては、材料が上新粉一袋、40度くらいのぬるま湯250cc、つぶあん(まるめたもの)20個を用意します。ボウルに上新粉を入れ、お湯を少しずつ注いでいき、まとめていきます。最終的には耳たぶの堅さになるくらいまでです。あまり一度にお湯を入れるとベチャベチャになったりするので、すこしずつ入れるのがコツです。
その後、小さなお団子にして沸騰したたっぷりのお湯に入れていきます。大体8分ほどゆで、ぷっかりとお団子が浮き上がってきたらザルにとります。アツアツですが、ビニール手袋などで広げて、餡子玉を包みます。
薯蕷饅頭
薯蕷饅頭は、上新粉に長芋が入っているためしっとり、もっちりした食感です。
材料は、長芋、砂糖、水、上新粉、卵白、などで、お好みの餡(ほか飾り用、黒ゴマ、栗の甘露煮など)を用意します。
作り方としては、長芋の皮をむいてすりおろして砂糖、水を加え、そこに上新粉を混ぜます。別ボウルに卵白を泡立て、砂糖を加えメレンゲにします。上記をさっくりと混ぜ、紙カップを敷いた型に生地を3分の1ほど入れて餡を入れて中に残りの生地を入れて、蒸し器で蒸します。最後に飾り用のゴマや栗をのせます。
お盆のお供えのお金の目安
お盆のお供えとして、果物やお菓子など物をお供えする場合もありますが、最近ではお金をお供えとして持っていくことがあります。お金をお供えするときの金額の相場は、以下のようになります。
・初盆:1万円
・それ以降:2~3万円
また、お金を入れる袋の表書きは「御仏前」「御供物料」などにして仏壇に御供します。お金をお供えとするのは、たいてい初盆の場合で、それ以外はお菓子などの物である場合が多いです。
ただし、地域によってお金を常にお供えにするところもあるでしょうし、もし一人暮らしのお宅などの場合は食べ物ばかり貰っても困るでしょうから、それぞれのケースに合わせたものをお供えにすると良いでしょう。
お盆のお供えにおすすめのもの
お盆というと、先祖や亡くなった方が俗世に帰ってくる期間で、このお盆に欠かせないものがお墓や仏壇を綺麗にしてお供え物をお供えすることです。では、このお盆のお供え物として持っていくものは、どのようなものが良いのでしょうか。ここでは、お盆のお供えとしておすすめのものをいくつかご紹介します。
お菓子
まず、お盆のお供えものとして最もポピュラーなものがお菓子です。一昔前までは、水菓子や羊羹などが一般的でしたが、時代が変わり多種多様なお菓子があるようになったため、選ぶ際にも迷います。
お供えものとして送るお菓子は、基本的には日持ちするものを選ぶことが基本です。また、金額としては、大体3,000円~5,000円程度のものを持参するのが一般的です。お盆は毎年のものですので、お供えものはあまり無理のない金額で贈るようにしましょう。
おすすめのお供えもののお菓子
では、実際にお盆のお供えものとして持参するのにおすすめのお菓子をご紹介します。
1.水ようかん
何といっても、日持ちする点が良いです。お盆が終わってからでも消費期限が十分あります。夏にぴったりの納涼を感じさせてくれる、涼し気なゼリー、水羊羹の詰め合わせです。消費期限も45日以上のものになっていますので、お盆のお供えものとしてもぴったりです。
落ち着いた方、目上の方に贈り物をしたい時に夏はゼリーやようかんなど。フルーツゼリーも同時に購入したのですが、こちらは落ち着いた方への贈りものにぴったりだと思いました。
2.クッキー
クッキーのような焼き菓子は、保存も効く上に容量もたくさんあるため、お盆のお供えものとしておすすめです。一口サイズのクッキーの詰め合わせで、口当たりの良い軽い口当たりのクッキーです。芦屋に本店を置くアンリ・シャルパンティエのクッキーの詰め合わせですので、美味しく召し上がっていただけ、お盆のお供えものにぴったりです。
実家に里帰りしていたお礼に購入しました。口の肥えた辛口の妹もこれはかわいくておいしかった。とのコメント。確かにちょっとをいろいろ楽しみたい女子にはとっても受ける商品です。また購入します。今度は自分用に。
3.果物;その1
お盆のお供えものとして、お菓子のほかにもご先祖様が好きだった果物などを贈っても良いでしょう。ただし、果物といってもあまり傷みにくいミカン、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類やリンゴ、パイナップルなどの詰め合わせがおすすめです。特に詰め合わせである必要はありませんが、籠に入った果物の詰め合わせだと、豪華に見える上に仏壇で映えます。
季節のくだものを詰め込んだギフトセットです。中身は季節によって異なりますが、旬のフルーツを3種以上詰め合わせているので彩りも良いです。また各種のしもご用意しております。
4.果物;その2
季節のくだものを詰め込んだギフトセットです。見栄えも良く、お供え用に最適なフルーツ盛り合わせです。
母の法事にお供えしました。お寺に期日通り届いていました。立派なメロンが入っていました。母はメロンが好物でしたが命日が冬なのでメロン探しは大変です。九州の甘い小さなみかんが二つ関東ではなかなか手に入りません。お花も白の菊を入れて頂き細やかな気配りに感謝しております。
野菜
お盆のお供えとして、野菜をお供えする場合があります。特にきゅうりやナスなどですが、きゅうりやナスに割りばしを通して馬や牛の形を作ります。きゅうりの馬は、その馬に乗って急いで戻り、ナスの牛はその牛に乗ってゆっくりと帰るとされています。
また、お惣菜をお供えものとすることもあります。特に夏野菜を使ったものが多く、かぼちゃを炊いたものやヘチマ料理などです。
お盆のお供えのいろいろ
お盆のお供えとして、お菓子や果物などの品物やお花、お金などをご紹介しましたが、他にはどのようなものをお供えとして準備するのでしょうか。一般的なお盆のお供えとしては、以下のようなものがあります。
・そうめん
・もち
・団子
・ほおずき
・マコモ
これらのものは、その地方によって違いますので、周囲の方や親戚の方に一度聞いておくと良いでしょう。
お供え物を仏前に置くときの向き
お供え物を持参して、仏壇に置く場合にのしの向きはどちらに向けるのが正しいのでしょうか。仏様にお供えすることから、仏様から見て名前が読めるよう置くように考える人も多いでしょうが、実は反対でこちらから見て名前がきちんと読めるように置きます。
お供え物は、仏様に「どうぞお召し上がりください」とお供えするものですが、仏様も「ありがとう、皆さんで召し上がってください」という気持ちでいるとされるので、お参りする側にきちんと読めるようにして仏壇にお供え物を置きます。
お盆のお供えにおすすめの花
お盆のお供えの花としては、とげのある花や香りの強い花、毒花、つる性の花はふさわしくありません。そのため、バラやユリなどはお盆のお供えの花としては避けた方が良いでしょう。
ただし、故人が好きだったという花であれば、家族に相談した上でお供えしても良いこともありますので、その場合は事前に断ってから買うようにしましょう。ここでは、お盆にお供えする花についての注意点とおすすめの花をご紹介します。
お盆にお供えする花
お盆にお供えする花としては、花の数は3、5、7本のいずれかに揃えることが一般的です。慶事は奇数が良いとされることに加え、あまり多いとお墓に供えきれなくなってしまうからです。
また、花束は左右対で用意して、神事に用いられる榊のひし形と同じく整えてお供えするようにしましょう。お盆にお花をお供えする時期としては、地域によって異なります。通常は8月13日~16日ですが、7月13日~16日や旧暦のお盆である7月15日に行うところもあります。花を贈る場合は、それぞれのお盆時期を確認してから贈るようにしましょう。
初盆とその後
初盆の場合は、花の色は白で統一します。2年目以降は色のある花を合わせます。
お盆のお供えとしておすすめの花
お供え用の花としては、白や黄色、紫がメインのものになります。また、差し色としてピンクや赤を入れると全体が締まります。
1.菊
お盆の定番のお花です。菊は邪気を払うとされ、花びらが散らず長持ちすることから仏花として古くから使われてきました。また、菊は高貴、清浄といった花言葉を持っており、白には誠実などの色ごとの花言葉があり、お盆のお供えの花としておすすめの花です。
2.キンセンカ
キンセンカの花言葉は「別れの悲しみ」です。濃い赤や黄色、オレンジなどの暖色系の花でおお振りのため、見た目的にもボリュームのある花になります。
3.スターチス
スターチスは、「途絶えぬ記憶」「変わらぬ心」という花言葉を持ち、花が長持ちで花びらも散らず仏花としてよく使われます。
4.アイリス
アイリスの花言葉は、「あなたを大切にします」「良い便り」です。垂れ下がった大きめの花ですので、華やかで花束をゴージャスにしてくれます。
5.カーネーション
母の日に贈る花としてポピュラーなカーネーションも仏花によく使われます。花言葉は、「尊敬」「わたしは愛情に生きている」というもので、白いカーネーションが仏花によく使われます。
お盆のお供えもののお供えの仕方
お盆には、お供えものとしてお菓子や果物など多数親戚や知人などからいただきますが、仏壇にお供えする場合には、気を付けなければならないことがあります。例えば、包装紙に包まれたものをそのままお供えするというのでは、ご先祖様はどうやってそれをいただけるでしょうか。お供えものを仏壇にお供えする際のポイントを以下にまとめましたのでご参照ください。
1.お菓子など箱入りのもの
水羊羹やゼリーなどは箱から出してそのままお供えすることができます。また、クッキーやせんべいなどは小袋にしてすぐに食べられる状態にしてお供えします。
2.果物
果物をお供えする場合には、ぶどうなどは洗ってから小鉢に入れてお供えします。りんごやなしの場合は皮をむいて食べられるようにしてお供えします。
3.そうめん
そうめんや乾麺などはゆでてから、おつゆにつけた状態でお供えします。箸もつけましょう。 いただいたお供え物は、そのままではなくちょっと手を加えて、ご先祖様が食べやすい状態にしてお供えします。また、お供えしたものはそのまま放置せずに、必ず下げることを忘れずに行いましょう。
お供えの基本の五供
お盆にお供えするものの基本は五供(ごく)といわれます。この五供とは、以下を意味します。
1.香(こう)
香とは悟りの世界へ至るための修行を意味します。ご先祖様に香りを感じてもらうため、線香をあげますが、これが香にあたります。なお、香を消す場合には口で消さずに、手か火消し用うちわで消すようにしましょう。
2.花
仏様の世界をさらに高めるためにお花をお供えします。故人の好きだった花をお供えしたり、また庭の花や野の花など故人に喜んでもらえるものをお供えしましょう。また、お花は飾って終わりではなく、必ず水を取り替えて綺麗な状態を保つようにしましょう。
3.灯燭(とうしょく)
灯燭とはともしびのことを意味します。仏前を照らし、その明るさが仏様の知恵の象徴を表しているといわれます。また、線香をつけるためにも必要です。こちらも消すときは、線香と同じく、口で消さず手でうちわのように消すようにします。人間の息は不浄であるとされ、仏様に失礼だとされています。
4.浄水(じょうすい)
清い水をお供えすることにより、お参りする人の心をあらうという意味があります。毎日新鮮なお水をお供えしましょう。
5.飲食(おんじき)
家族が毎日食べるものと同じものを、家族が食事する前にお供えするのが仏前です。また、故人の命日にお供えするものを霊供膳(りょうぐぜん)といいます。霊供膳は、精進料理ですので魚や肉などは避けましょう。また、お供えしてそのまま放置せず、必ず下げるようにしましょう。
新盆を迎える場合のお供え
故人が亡くなり、初めてのお盆を新盆(または初盆)といいます。新盆の法要を行うためには、いつもと違うお供えが必要になります。新盆には新盆提灯をお供えします。お盆提灯は絵柄が入ったものを飾りますが、新盆では白い提灯を飾ります。
新盆提灯は一つのみで良く、身内が用意します。そして、新盆が終わったら自宅の庭でお焚き上げし処分するか、菩提樹で処分します。最近では、最初にちょっとだけお焚き上げして後はごみとして処分することが増えています。
新盆見舞いのお返し
新盆見舞いに出席してもらった方には返礼品を渡します。返礼品としては、タオルやお茶、石鹸などが一般的です。あまり重いものは避けて、のしには結び切りのものを選び、「志」「粗供養」といった表書きにします。
お盆のお供えのお返し
お盆にお供えをいただいた場合に、お返しは必要なのでしょうか。その地域によっても違いますが、一般的にはお供えをいただいた場合はお返しはした方が良いです。ただし、相手がお返しの負担がないように少額のお供え(千円程度)を贈ってくださった場合は、特にお返しをする必要はありません。その場合は、電話などでお礼の気持ちを伝えるのみで良いでしょう。
お盆のお供えのお返しの時期
お盆のお供えをいただいた場合に、お返しをするときには、お盆が終わってからでも良いですが、遅くとも2週間以内に送りましょう。また、お返しには品物とお礼状をつけて送るようにしましょう。
お盆のお供えのお返しの相場
お盆のお供えをいただいた場合のお返しの相場は、大体いただいた品物の3割~半額程度です。気持ちだけいただくということで、いただいた物と同じくらいの品物をお返しする人もいますが、これはかえって失礼になってしまいます。相手からもらったものと同じかまたはそれ以上のものを返すことは失礼になるため、やめておいた方が良いでしょう。
お盆のお供えのお返しを送る場合ののしとしては、前述にもありますように、表書きに「志」「粗供養」とします。お返しの金額については、地域差や風習もありますのでできれば周りの方に確認しておくと良いです。
お盆のお供えはマナーを守って贈りましょう
いかがでしたか。お盆のお供えにはのしをつけること、また水引きには白黒か黄白が良いことがわかりました。また、お盆のお供えにはお菓子や果物のような品物や、最近では御供料としてお金を贈る場合もあることもわかっていただけたでしょう。
また、亡くなった方の後するの新盆の際には、白い提灯をあげることや、参列してお供えをもらった方に返礼品を渡すなど、お盆のマナーがいろいろとあることもわかりました。
お盆は、亡くなった方やご先祖様が俗世に帰る期間とされています。故人やご先祖様への懐かしい気持ちや安らかにという思いやりをもって、お供え物を贈るようにしましょう。なお、ここにご紹介した内容は、一般的なものですので、地域による風習などある場合には、そちらを優先させるようにすると良いです。