移転のお知らせの内容例・書き方のポイント|メール/ハガキ

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移転のお知らせの内容例

会社や事務所の所在地が変わった場合、移転のお知らせを出すことが必要になります。新しい住所や連絡先に加え、いつ引っ越しをして、いつから営業を始めるのかも、お知らせしておかなくてはなりません。移転のお知らせにおける最もフォーマルな書き方は、下記のようになります。挨拶、移転の理由、日付、決意、締めの挨拶の順番です。

基本的な書き方

拝啓
時下ますますご清祥のことと、お喜び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび弊社では従来の社屋が手狭となったため、本社を移転、業務開始の運びとなりました。
新社屋では、○○月○○日より営業を開始いたします。
これを機に社員一同、心を新たにし、より一層皆様のご期待に沿う所存でございます。
何卒、お引立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 
まずは略儀ながら、書中をもってご挨拶を申し上げます。
敬具

本社の移転の場合

本社が移転する場合、かなり大きな規模の引っ越しとなることが予想されます。そのため、移転のお知らせを出す相手も非常に広い範囲となることが一般的です。

まず相手となるのは、本社そのものと仕事の関係がある取引先の全てが該当します。取引先は各部署ごとに変わりますから、それらの情報をそれぞれの担当者から引き上げておく必要があります。

それでも、部署で関わる全ての取引先を把握していれば良いですが、中には担当者だけが情報を持っている取引先や関係者もあるでしょう。そうした場合でも、移転のお知らせについて、全社で取りまとめて出すのか、それとも、個人ごとに付き合いのある相手に対して移転のお知らせを出してもらうのか、その線引などを決めておく必要があります。

支社や営業所がある場合

本社以外に、複数の支社や営業所を持っている場合、本社とは直接的な取引がない相手であっても、事業所ごとに移転のお知らせを送ってもらうのがマナーといえます。その場合も、本社の方でひな形などの定型書式や情報を用意しておき、それを転送してもらう形にする方が、末端での混乱や間違いを抑止できるのでおすすめです。

このように本社が移転する場合、移転のお知らせを出す範囲が非常に広くなります。移転する前から入念に準備をして、社内の各所や支社、営業所などと密な連携をしておく必要があると言えるでしょう。

事務所の移転の場合

本社と比べて、個々の事務所の場合、移転のお知らせを出す範囲が普段から自分たちの関わっている人に限定されるので、比較的事務作業が簡単になります。

その代わり、より厳密にお知らせをしておかないと「聞いてないよ」ということにもなりかねません。一般の顧客やユーザーに対しても確実に移転のお知らせを届けることが必要ですので、例えば、チラシや張り紙を使ったアナログな方法も考えておく必要があります。

移転のお知らせの書き方のポイント

移転のお知らせにはいくつかの方法がありますが、ここでは、それぞれの送り方のポイントをご紹介します。

移転のお知らせはいつ出す?

会社や事務所の移転は、多くの取引先に対応を余儀なくさせることになります。そのため、できるだけ早く移転のお知らせを送らなければなりません。一般的には、遅くとも移転の一ヶ月前には、正式な案内をしておく方が良いでしょう。

ただし、会社や事務所の移転は、通常かなり長い期間をかけて実施されます。ですから、そうした話が出た時点で、さわりとして伝えておき、正式に決まった時点で、その内容も伝えるという方法が仕事をしていく上ではスムーズです。

最終的に正式な移転のお知らせを出すのは遅くとも一ヶ月前ですので、移転のお知らせの情報自体はそれより早く伝えておくようにします。

お知らせの送り方は?

移転のお知らせについて、取引先の中でも相手の社長さん宛に送るものについては、二つ折りのカードを封筒に入れた形で送るのがマナーです。それ以外については、挨拶状を郵送で送る、ハガキで送る、FAXで送る、メールで送る、チラシとして配る、張り紙で掲示しておく、などが考えられます。

どの手段を取るかは、取引先との関係や、ロケーションなどを元にして決めます。例えば、仕事をいただく立場の取引先へは封書で送る、事務などの実務的な相手であればFAXで送る、普段からメールでやり取りしている相手にはメールで送る、などです。

いずれの方法で移転のお知らせを送るにしても、ただ単に情報を送るだけではなく、その前後に電話や挨拶などでフォローを入れておきましょう。

移転のお知らせをメールで送る場合

普段からメールでやり取りをしている相手であれば、移転のお知らせをメールで送っても問題となることは無いでしょう。メールはハガキや封書に比べて堅苦しくない反面、手軽な印象も与えてしまいがちですので、普段からの感謝を込めた内容で送ります。

具体的には、お世話になっている事に対するお礼、移転に関する情報、最後に、あらためて締めの挨拶を入れ、「今後もよろしくお願いします」という気持ちを伝えましょう。さらに、移転先の住所がどこかを示すために地図情報を加えておくと、さらに親切な移転のお知らせとなります。

地図は画像を添付したり、メールに埋め込む方法もありますが、GoogleMapなどのオンラインマップのURLを入れておく方法ですと、スマートフォンで見た場合、実際に訪問する時に便利ですのでおすすめです。

メールで送る「移転のお知らせ」の文面例

件名「事務所移転のお知らせ」
本文:
〇〇株式会社
総務部 〇〇様

いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇でございます。
この度、弊社の事務所を下記に移転することになりました。
メールにて恐縮ではございますが、略儀ながらご報告をさせて頂きます。

新住所
株式会社〇〇
〒000−0000 東京都〇〇区1−2−3 〇〇ビル〇〇階
(最寄り駅:〇〇から徒歩〇分)
新電話:00-0000-0000
新FAX番号:00-0000-0000
移転日:〇〇年〇月〇日
※◯月◯日は移転作業のため、誠に勝手ながら休業とさせて頂きます。
 営業開始日は、翌〇月〇日からとなります)
地図URL:

これを機に、社員一同さらに努力いたす所存ですので、
移転後も変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、お近くに起こしの際は、ぜひお立ち寄りください。

(署名欄)

移転のお知らせをハガキで送る場合

普段からメールでやり取りをしている相手でない場合、ハガキで移転のお知らせを送るのがフォーマルです。

ハガキはスペースが決まっているので、あらかじめ文書としての形式が決まっています。そのため、テンプレートのような形式で作成すると、失礼のない、まとまりの良い内容となるのです。

主な情報は移転先の情報になりますので、案内の前書きについてはできるだけ短くしておきましょう。前書きは、拝啓〜敬具で締め、最後の署名欄は会社の代表者の氏名となります。

ハガキはメールと違って、簡単に送り直しや確認のための返送ができません。営業の開始日など入れ忘れやすい情報を落とさないよう、移転のお知らせを送る前に事前に十分な確認が必要です。

ハガキで送る「移転のお知らせ」の文面例

拝啓 
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、下記の住所へ事務所を移転することになりましたのでお知らせいたします。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
敬具

新住所
〒000−0000 東京都〇〇区1−2−3 〇〇ビル〇〇階
(最寄り駅:〇〇から徒歩〇分)
新電話:00-0000-0000
新FAX番号:00-0000-0000
【地図】
移転日:〇〇年〇月〇日
※◯月◯日は移転作業のため、誠に勝手ながら休業とさせて頂きます。
 営業開始日は、翌〇月〇日からとなります)

株式会社〇〇
代表取締役 〇〇〇〇

移転のお知らせをチラシで配る場合

地域密着で商売をしていて、直接的な顧客が一般市民である場合は、移転のお知らせをチラシの形で配ることも必要になります。これまでの顧客はもちろん、新しい顧客の掘り起こし、特に移転先の地域で、見込み客に情報を届けるために必要です。

チラシは比較的スペースを潤沢に使えますので、挨拶文や地図情報のほか、どんなサービスを展開しているかの説明や、サービスを受けるキッカケになるような導線を置いておくとよいでしょう。店舗であれば開店サービスなど。条件に「チラシ持参」を付けることも有効です。

チラシで配る「移転のお知らせ」の文面例

店舗移転のお知らせ
いつも〇〇(店舗名)をご利用いただき、誠にありがとうございます。

この度、当店は下記住所へ移転し、〇月〇日から営業をすることとなりました。
つきましては、開店セールとして、〇月〇日から3日間、〇〇を100円引きでご提供いたしますので、ぜひご来店を下さいますよう、よろしくお願いいたします。
(ご来店の折はこのチラシをご持参ください)

住所
〒000−0000 東京都〇〇区1−2−3
電話:00-0000-0000
【地図】
営業時間:00:00~00:00
定休日:○曜日

(他PR情報)

移転のお知らせを張り紙でする場合

事前にどれだけ移転のお知らせを流しても、それに気づかずに古い住所に来てしまう人がいます。特に一般人をユーザーにしているサービス業や店舗の場合は、そうしたケースが多いでしょう。

そのような時に備え、前に事務所があった場所に「移転しました」という案内を張っておくといいです。また、移転した先でも「移転してきました」という掲示を出しておくと、近隣に対するアピールになります。業態によっては検討しましょう。

張り紙で見せる場合、メールやハガキのような挨拶文は不要ですが、今までそこでお世話になった事に関する言葉は入れておくことをおすすめします。間違って古い場所に来た人に向けては新しい場所の地図を大きく見せると親切です。入れる情報については、少し離れた距離からでも読めるように、大きい文字で書いておくといいでしょう。

移転のお知らせの張り方のポイント

「移転のお知らせ」の張り紙は、移転前の事務所のドアや壁に直接貼ったり、共有部分の掲示板など、目立つ所に貼るようにします。

張り紙は、移転する前には「移転します」という告知の形で貼っておき、移転した後は「移転しました」という書き方に変えて差し替えます。

事前に貼る場合、その時期はメールやハガキで案内を送るのと同じく、遅くとも一ヶ月前までに行いましょう。事後に貼り出すものは、建物のオーナーや次に入る入居者の状況も見ながらですが、できるだけ長く貼り出しておけると間違って来た人を漏らすことがありません。

張り紙で見せる「移転のお知らせ」の文面例

店舗移転のご案内
◯◯(店舗名)は下記に移転いたしました。
新しい店舗にて皆様のご来店をお待ちしております。

住所
〒000−0000 東京都〇〇区1−2−3
電話:00-0000-0000
【地図】
営業時間:00:00~00:00
定休日:○曜日

移転のお知らせは確実に早めに

会社や事務所の移転が決まったとき、移転のお知らせを出すことは重要なことです。移転の前後はするべき事が多いので、忘れてしまったり、大事なことを書き漏らすことは避けなくてはなりません。

そのためには伝えるべき情報を確認しつつ、できるだけ早めに準備を行うことが大切です。

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