仕事中の事故対応について|労災保険と自賠責保険について5つ

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仕事中の交通事故の対応

仕事中に交通事故にあって、どうしたら良いかわからないという事がないように、普段から交通事故の対応の仕方を頭に入れておくと良いでしょう。仕事中に交通事故にあったらまずは、警察に連絡しましょう。警察を待っている間に会社に事故の報告をするようにします。

加害者が警察に連絡する

交通事故にあったら、まず必ずしなければならないのは、加害者が警察へ連絡をするという事です。これは義務ですので、軽微な事故でも怠らないようにしましょう。連絡しないと、「報告義務違反」になってしまいます。そればかりか、保険を請求する際に必要な「交通事故証明」を発行して貰えません。

加害者になってしまったら、速やかに警察に連絡しましょう。加害者が電話できない状態の場合などは、被害者が警察に連絡しましょう。

できるだけそのままにしておく

事故現場は、できるだけそのままにしておきましょう。二重事故を防ぐために発煙筒を焚いたり、三角表示板を立てて後続車に事故の発生を知らせるようにしましょう。

事故の状況をスマートフォンのカメラ機能などを使って、事故現場と車がぶつかってしまっている状態の部分など細かく写真を撮っておくと説明がスムーズに行えます。事故車を動かさなければならない現場なら、より丁寧に事故車の位置等現状を写真に撮っておきましょう。

労災保険とは

仕事中の交通事故には、労災保険を使う事ができます。労災保険とは、業務中に起こった事故により怪我をしてしまった、障害を負ってしまった、または亡くなってしまった、業務が原因の病気になってしまった、などの場合に労働者本人や遺族に保険金が支給される、保険給付と労働福祉事業制度のある保険の事です。

ここでは、労災保険の保険給付金や労災保険の加入条件、労災保険の加入対象についてご説明します。

1:労災の保険給付金

業務中に怪我をした、亡くなってしまった、通勤中怪我をした、業務が原因の病気で仕事を休業しなければならなくなった場合に支払われる給付金の事です。療養給付保証、休業給付保証、障害補償給付、遺族補償給付その他葬祭料などが申請手続きをすると給付されます。

休業給付保証は、休業して4日目から受ける事ができます。1日の労働賃金の6割に休業特別支給金2割が支給されますので給料の8割が支給される事になります。

2:労災保険の加入条件

労災保険の加入条件は、事業主に雇用されている労働者であるという事が条件です。というのも、労災保険は個人で加入する保険ではなく、雇用している事業主が加入する義務のある保険だからです。労災保険は、雇用保険と共に「労働保険」という名称で取り扱われている公的保険です。

労災保険は、一人でも雇用した事業主が雇用者との「保険関係成立届」を所轄の労働基準監督署か公共職業安定所に届けます。(公共職業安定所は届のみ)

3:労災保険の加入対象

労災保険の加入対象は、正社員、パート、アルバイト、日雇いなど雇用形態は関係なく、その事業所で雇用されて働いている全ての労働者が加入対象になります。それでは、事業所では雇用されていない派遣労働者は労災保険の加入対象から外れているのかというと、そんな事はありません。

派遣元の派遣会社が、労災保険に加入して労働者を労災に加入させているので、派遣労働者も労災の加入対象になっています。

自賠責保険とは

自賠責保険とは「自動車損害賠償保障法」により原付バイクを含む全ての自動車が入らなければならない「強制保険」です。仕事中に交通事故にあった場合でも、自賠責保険を使う事ができます。

ただ、労災保険と自賠責保険の両方を使う事はできませんので、事故の状態や怪我の状態をみて補償される内容を比較検討して、労災保険か自賠責保険のどちらが自分の状態にあっているのか選ぶ必要があります。

1:自賠責保険の補償限度額

自賠責保険の補償限度額は、被害者1名につき傷害事故なら120万円、(入院や通院の場合1日4,200円)亡くなった事故は、最高3,000万円、後遺障害の場合は、75万円~最高3,000万円です。

事故により神経系統や精神、胸腹部臓器に重大な障害を残してしまい介護が必要になってしまった場合被害者1名につき常に介護が必要な常時介護で最高4,000万円、ときおり介護が必要な随時介護で最高3,000万円です。

2:自賠責保険の補償対象

仕事中の事故で自賠責保険を選んだ場合の補償ができる補償対象は、傷害による損害、治療関係費、文書料、休業損害、後遺障害による損害、逸疾利益、亡くなった事による損害、葬祭費、亡くなるまでの傷害による損害、慰謝料などです。

以上が、自賠責保険の補償対象になります。ただし、被害者の過失から起きた事故の場合は「無責事故」という事になり自賠責保険の補償対象から外れます。

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仕事中の交通事故で労災が使えない場合

仕事中の交通事故で労災が使えない場合があります。例えば、仕事中にもかかわらず、営業車で遊技場に寄っていた帰りだったり、通勤に使っているルートをそれて、お店に寄った先での交通事故などは、労災認定がおりず労災保険が使えません。

労災は必ず業務に関わる事故でなければならないので普段から仕事中の行動に注意しましょう。仕事中にトイレに寄るのは生理現象なのでその帰りの交通事故は労災として認められます。

1:健康保険を使うことも可

仕事中の事故で私的な行動のため、労災が認められないような交通事故の場合は、健康保険を使う事ができます。交通事故だと自由診療になってしまうと思いがちですが、健康保険を使う事ができますので病院でその旨をしっかりと伝えましょう。

たまに、健康保険は使えないという病院がありますが、それは病院の勘違いです。厚労省からも交通事故による傷病も健康保険が使えるという通達が出ています。

高額医療費は免除になる

健康保険には、ひと月の医療費が高額になってしまう場合、高額医療費支給申請書を提出すれば支払いの後で自己負担限度額が戻ってくる「高額療養費」という制度があります。

あらかじめ高額になる事が分かっている場合は、「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に健康保険証と共に提出しておけば、自己負担限度額までの請求に変わります。

健康保険を使う手続き

交通事故の被害者になって健康保険を使う場合は、手続きが必要です。加入している健保に直ぐに連絡を入れて「第三者行為による傷病届」をなるべく早く提出します。

「第三者行為による傷病届」は、交通事故だけではなく、第三者によって負わされた怪我などにも適用されます。この手続きを取る事で、加害者が支払わなければならない治療費を健保が立て替えてくれます。立て替えた治療費は、後日加害者に請求されます。

2:軽傷なら自賠責保険で

仕事中の交通事故で、相手に軽傷を負わせてしまった場合は、傷害が120万円まで補償できる自賠責保険を使いましょう。軽傷の場合は、仕事を長く休む必要がないため自賠責保険で十分補えるので、自賠責保険を使うようにしましょう。

加害者の加入保険を把握する

交通事故にあった場合は、加害者が自賠責保険の他に任意保険に入っているかどうかで補償金額が違います。仕事中の事故の場合、損害が出ているので損害賠償を加害者に請求する事ができますが、加害者が任意保険に入っていないと損害賠償金を受け取る事が難しくなってしまいます。

加害者が、自賠責保険だけではなく損害賠償を払う事ができる任意保険に入っているかどうか加害者に確認しておきましょう。

仕事中の事故への対応を事前に考えておけばあわてずに済む

仕事中の事故への対応を知っておくと、いざという時に冷静に対応する事ができます。パニックになって事故現場の保存を忘れてしまうなどという失敗をしないで済みます。

仕事中の交通事故ですと、労災保険が使えますが業務内容に関係のない私的な行動での交通事故では労災保険が使えないので、業務中は私的な行動は慎むようにしましょう。自分にとってどの保険を利用した方が良いのか、保険の補償の内容をしっかりと検討しましょう。

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