ロジハラとは
近年の人権意識の高まりにより、セクハラやパワハラなどの各種のハラスメントについての理解が広まっています。
そのような中、「ロジハラ」という言葉も見聞きするようになりました。ここではまず、ロジハラの意味について簡単に確認しておきましょう。
正論を言うことで相手を困らせたり不利な状況に追い込もうとするハラスメント(嫌がらせ)のことをロジカル・ハラスメント、略して「ロジハラ」と呼びます。
ロジハラの問題点
明らかに悪意を持ってロジハラをしているにも関わらず、あくまで正論を言っているというカモフラージュをすることができるため、ロジハラを受けている人はそれに堂々と抗することが難しいというのがロジハラの大きな問題点です。
また、真面目で優しい性格の人であればあるほど、ロジハラを受ければ「自分が悪かったからしょうがない」と自罰的に考えて自分で責めてしまい、ハラスメントを受けていると自覚することができません。
ロジハラをする人の特徴5つ
以上では、最近新しく登場したハラスメントの種類のひとつである「ロジハラ」の基本情報について確認してきました。
では、いったいどのような人がこのようなロジハラをするのでしょうか。ここからは、ロジハラをする人によく見られる特徴を5つピックアップしてご紹介していきます。
ロジハラをする人の心理について理解する手掛かりとなるので、ぜひご覧ください。
ロジハラをする人の特徴1:プライドが高い
ロジハラをする人の特徴としてまず挙げられるのが、プライドが高いということです。プライドが高く見栄っ張りな人は、正しいことをしたいという正義感からではなく、自分の虚栄心を見たし、相手を見下すための手段として正論をふりかざします。
相手より少しでも劣勢に立つのが許せず、常に相手よりも優位でいたいという歪んだプライドの高さが、ロジハラの原因となっているのでしょう。
ロジハラをする人の特徴2:話し合いを勝負だと思っている
話し合いを勝負だと勘違いしてしまっているというのも、ロジハラをする人によく見られる特徴のひとつとして挙げられるでしょう。
ロジハラをする人は、話し合いによってお互いに理解し合い、それを通じて問題を解決しようとするのではなく、相手を打ち負かしていびつな優越感に浸ろうとします。
話し合いの目的を相互理解ではなく、勝ち負けに置いてしまっているからこそ、正論をふりかざして相手を言い負かそうとするのでしょう。
ロジハラをする人の特徴3:共感能力が低い
ロジハラをする人の特徴のひとつとして、共感能力が低いとういことも含まれるでしょう。
共感能力が低い人は、自分がされたら嫌なことは他人にしてはいけないという考えが理解できず、また自分の言動によって相手がどのような気持ちになるのかを理解できません。
だからこそ、相手の気持ちをおもんばかることなく、一方的に正論を押し通してしまいます。
ロジハラをする人の特徴4:コンプレックスが強い
コンプレックスが強いというのも、ロジハラをする人ならではの特徴のひとつとして挙げられます。
自分に強いコンプレックスを抱いている人は、正論を振りかざすことで相手に優位に立ち、一時的にでもよいので満足感や優越感を得たいと考えています。
つまり、正論によって相手を言い負かすことは、コンプレックスを解消できないがゆえの代償行為だとも言えるでしょう。
ロジハラをする人の特徴5:自分が正義だと思い込んでいる
ロジハラをする人の特徴のひとつとして挙げられるのが、自分こそが正義であると思い込んでいるということです。
自分は絶対的に正しく他人は間違っていると盲目的に思い込んでいるがゆえに、自分の意見を理屈でもって一方的に押し付けてしまいます。
このような人は、議論や会話をすることができません。議論や会話という形をとっていても、それはあくまで一方的な自己主張でしかないのがロジハラをする人ならではの特徴です。
ロジハラが発生しやすい状況3つ
以上では、ロジハラをする人の特徴について簡単に解説してきました。プライベートでも仕事場においても常にロジハラをする人もいれば、特定の状況においてのみロジハラをするという人も存在します。
では、後者の場合、具体的にどのような状況でロジハラをしてしまうのでしょうか。ここからは、ロジハラが発生しやすい状況を3パターンに分けてご紹介していきます。
ロジハラが発生しやすい状況1:部下がミスを犯したとき
ロジハラが発生しやすい状況としてまず考えられるのが、部下がミスを犯した時です。
誰しも多少なりともミスをするものですが、上司と部下という力関係が存在すると、それを利用して正論を振りかざし、理屈でもって部下を精神的に追い詰めようとする上司も少なくありません。
このような上司は共感能力や思いやりがなく、また上司という立場を利用して、日々のストレスを解消すべくロジハラをしている節があります。
ロジハラが発生しやすい状況2:ミーティングなど報告の場面
ミーティングなどの報告の場も、ロジハラが発生しやすい状況のひとつとして挙げられるでしょう。
複数の人が集まるミーティングなどの場では、感情的に怒ったり八つ当たりをすると周囲の人からハラスメント行為であると指摘され、とがめられてしまう可能性があるため、あからさまなハラスメントは控え、ロジハラという形で特定の人物を攻撃します。
ロジハラが発生しやすい状況3:議論をする場面
ロジハラが発生しやすい状況のひとつに、議論をする場面も含まれるでしょう。議論をする場面では、議論の体を装い、些細な言葉尻を捉えたり相手の言ったことを曲解しては、それを執拗に責めたてて揚げ足を取る人もいます。
そもそも、ロジハラをする人は、はなからまっとうな議論をすることを目的にしていません。相手に執拗に攻撃する口実を得たいがために、「議論」という形をとってロジハラを行います。
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ロジハラを防ぐ方法
ロジハラは、一見すると正しいことを述べているように見えますが、実際には理屈っぽく「正論」や自分の考えを押し付けているだけであり、ハラスメントに他なりません。
部下をもつ上司や生徒をもつ教員など、人よりも立場が上である程度の権力を持っている人は、ロジハラをしないように気を付けたいものでしょう。
ここからはロジハラを防ぐ方法をご紹介していきますので、ぜひご参考ください。
自分が絶対に正しいと思わない
ロジハラを防ぐためにまず重要なのが、自分が絶対に正しいと思わないということです。自分が正しいと思い込んでしまえば、相手の考えを聞くこともせず、一方的に自分の信じる「正論」を振りかざして相手を追い詰めてしまいかねません。
謙虚な姿勢を持ち続けることこそ、ロジハラを防ぐために必要だと言えるでしょう。
正しいと思うことこそ言い方に気をつける
正しいと思うことこそ、それを相手に伝える時には言い方に気を付けるというのも、ロジハラを防ぐために必要です。
いくら正論であっても、威圧的で上から目線で相手に押し付けては、それを相手に理解してもらうことはできません。
相手に受け入れてもらえるような優しい言い方で伝えるということも、ロジハラを防ぐために気を付けたいポイントです。
相手の気持ちを考える
ロジハラを防ぐためには、何よりもまず相手の気持ちを考えましょう。自分の言葉によって相手がどのような気持ちになるのか、常に想像力を働かせ、また相手の立場に立って物事を考えることも大切です。
正しさに固執せず相手を尊重しよう
今回は最近話題の「ロジハラ」について特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。正論を人に押し付けたところで事態は改善しませんし、「正しい」「正論である」と自分が考えているものは、実は独りよがりな考えであることも少なくありません。
正しさに固執せず、思いやりの気持ちをもって相手に接するようにすれば、ロジハラを防ぐことができるでしょう。