所定労働時間とは|所定労働時間が短い会社で働くメリットとデメリット2つ

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所定労働時間とは?

所定労働時間とは、各会社で決められている始業時間〜終業時間までの時間から、休憩時間を引いた時間のことです。たとえば、始業時間が9:00からで終業時間が18:00、休憩時間が1時間の場合は、所定労働時間は8時間となります。

所定労働時間は、会社が独自で決められますが、法定労働時間内で決めることが法律で定められています。法定労働時間とは、労働基準法で定められている労働時間の限度です。 原則として1日8時間、1週間で40時間です。シフト制など労働時間が変則的な場合は、週40時間を超えないこととされています。

時間外労働時間との違い

所定労働時間が会社で一日に働く必要のある時間に対して、時間外労働時間は、所定労働時間を超えた時間です。会社によっては、残業、超過勤務と呼ばれていることもあります。 たとえば、所定労働時間が8時間で休憩が1時間の場合、9:00〜19:00まで働いた時の時間外労働時間は1時間になります。

時間外労働時間の中でも、労働基準法で定められている法定労働時間を超えて働いた場合は、賃金が1.25倍に割り増しされます。

雇用形態で変わる所定労働時間4つ

雇用形態で変わる所定労働時間1:正社員

正社員の場合の所定労働時間は、就業規則に記されている所定労働時間を、フルタイムで働きます。正社員とは、会社に直接雇用されている場合を指します。育児時短勤務や介護時短勤務などの特別な場合をのぞいて、基本的には個人で所定労働時間が変わることはありません。

正社員の所定労働時間はフルタイムなので、有給休暇を使った場合は1日分のフルタイムの時間で計算されます。

雇用形態で変わる所定労働時間2:パート

パートの場合の所定労働時間は、一般的に正社員よりも短く設定されています。ただし、法定労働時間を超えなければ、正社員と同じようにフルタイムで働くことも可能です。

パートは毎週同じ曜日、決まった時間に働く主婦の方を指すことが多いですが、パートと呼ぶための条件などに、特に決まりはありません。

パートが有給休暇を使った場合は、会社にもよりますがその曜日の所定労働時間分で計算されることが多いので、正社員と曜日によって金額に差が出ることがあります。

雇用形態で変わる所定労働時間3:アルバイト

アルバイトの場合の所定労働時間は、パートと同じように正社員より短く設定されていることが多いです。アルバイトとパートは、パートタイム労働者として労働基準法では同じとされているので、呼び分けに明確な差はありません。

多くの会社では、主婦やフリーターなど長期で働く人ををパート、学生など短期で働く人をバイトと線引きをしています。

有給休暇を使う場合も、基本はパートと同じですが、学生など曜日によって所定労働時間に差があると、有給休暇を使った曜日によって給料にかなり差が出ることがあります。

雇用形態で変わる所定労働時間4:業務委託

業務委託の場合は、会社で定められている所定労働時間は適用されません。業務委託契約とは、会社と従業員で結ぶ雇用契約とは違い、事業者同士の契約とみなされるので労働基準法の適用外です。

業務委託は、ある特定の仕事を遂行することを条件に結ばれるので、時間ではなく仕事の進捗で労働時間が決まります。よって、所定労働時間、休憩時間などは設定されておらず、法定労働時間の制限もありません。

所定労働時間が短い会社で働くメリット2つ

所定労働時間が短い会社で働くメリットは、プライベートの時間が増えること、時給が高いことの2つです。労働時間が8時間の場合は、休憩時間は最低1時間と労働基準法で決められています。しかし勤務時間が6時間以上8時間未満の場合には、必要な休憩時間は45分間で済みます。

所定労働時間が短いと、労働時間だけでなく休憩時間も短くなるので、拘束時間がかなり短縮されます。よって、退社後の時間も増え、時給換算すると金額が高くなります。

所定労働時間が短い会社で働くメリット1:プライベートの時間が増える

所定労働時間が短いと、同じ出勤時間の場合、退社後のプライベートの時間が増えます。所定労働時間が8時間と7時間では定時が1時間15分も違います。

プライベートの時間が毎日1時間増えれば、それだけ色々なことができてリフレッシュもできます。また、資格の勉強や異業種交流、副業など仕事以外でさまざまなことにチャレンジできる機会も増えます。

会社側も、所定労働時間を短くしてプライベートの時間が増えることにより、仕事へのモチベーションアップや効率アップに繋がることを期待しています。

所定労働時間が短い会社で働くメリット2:時給が高い

年間休日日数が同じで給料も同額の場合、時給換算すると労働時間が短い分高くなります。8時間勤務と7時間勤務の1時間の差でも、時給はかなり変わってきます。

たとえば、月給30万円で出勤日が21日の場合の時給は、8時間勤務では1785円、7時間勤務は2040円です。1時間あたり255円の差が出ます。

所定労働時間が短い会社で働くデメリット2つ

所定労働時間が短い会社で働くデメリット1:年間休日数が少ない

所定労働時間が短いと、出勤日数を増やしても法定労働時間を超えないため、年間休日が少なくなることがあります。たとえば週6で働いたとしても、平日1日7時間に土曜日が5時間など多少時間を調整をすれば、週40時間を超えないので休みが週1でも大丈夫になります。

最低年間休日数で考えると、8時間勤務の場合は105日、7時間勤務の場合は72日とかなり差が出ます。

会社側が年間休日数を減らすために1日の労働時間を短くしている場合があるので、所定労働時間が短いことのが、必ずしも従業員のためとは限りません。

所定労働時間が短い会社で働くデメリット2:残業代が割り増しにならない

所定労働時間が短いと、残業しても法定労働時間を超えないことがあるので、残業代が1.25倍に割り増しにならない可能性があります。割り増し賃金の義務が発生するのは、労働時間が1日8時間以上か週40時間を超える時のみです。

たとえば、所定労働時間が1日7時間で週40時間を超えない場合は、1時間残業をしてもその分の割り増し賃金は法的には必要ありません。

ただ、会社の就業規則によっては、法定労働時間内であっても所定労働時間を超えた時は、割り増し賃金が支払われることもあります。

所定労働時間を知る方法

所定労働時間を知るためには、労働条件通知書か雇用契約書を確認します。この2つの違いは、会社から従業員に通知する義務の有無です。労働条件通知書は通知が義務付けられています。

なかには、労働条件通知書兼雇用契約書という2種類の書類が一緒になっている場合もあります。労働条件通知書に記載しなければならない事項は、雇用契約書でも記載するため、雇用契約書の書式に労働条件通知書の内容を盛り込んだものを使うことがあります。

所定労働時間を知る方法1:労働条件通知書

労働条件通知書とは、労働条件をまとめた書類です。労働基準法15条で、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定められています。

労働条件には、定時が決まっている場合は始業時刻と終業時刻が記載されているので、ここで自分の所定労働時間を知ることができます。シフト制などで時間が決まっていない場合は、労働時間のルールが記載されています。

所定労働時間を知る方法2:雇用契約書

雇用契約書とは、会社と従業員が合意のうえ契約したことを証明する、雇用契約の内容を記載した書類です。雇用契約の内容は、労働条件通知書と同じように、給与や労働条件などが記載されています。

ただし、雇用契約書は労働条件通知書と違い、必ず作成しなければいけない義務はないので、無い場合は労働条件通知書を確認しましょう。

所定労働時間について理解しよう

近年、働き方改革で所定労働時間を短く設定する企業も増えてきてきます。所定労働時間は一見、短いほうが良いように感じますが、メリットもデメリットもあります。

所定労働時間を含め、多様な働き方の中から、自分のライフスタイルに合う働き方を探しましょう。

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