雇用保険被保険者転勤届の基本知識6つ|転勤として認められないケース

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雇用保険とは

雇用保険とは、労働者が失業した場合や雇用の継続が困難になった場合に生活や雇用の安定を図るために必要な給付を行うことで、さまざまな給付制度があります。失業した際に一定期間給付金を受け取ることができる「基本手当(失業給付)」がよく知られています。

しかし、それだけの社会保険制度ではなく、育児や介護などの理由で休業しなければならない場合も一定の要件のもと給付を受けることができ、定年再雇用などで賃金が減った場合などにも継続して就労できるように給付を受けることができる制度です。

被保険者が得られる給付

雇用保険の保険給付は、求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の4つの制度に分けられます。

「求職者給付」とは、被保険者が離職して失業状態にある場合に、失業者の生活の安定を図るとともに、求職活動を容易にすることを目的として支給する生活費を補填するための給付です。「就職促進給付」とは、失業者が再就職するのを援助・促進することを目的とする給付です。

「教育訓練給付」とは、働く人の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職促進を目的とする給付です。「雇用継続給付」とは、働く人の職業生活の円滑な継続を援助・促進することを目的とする給付です。

雇用保険被保険者転勤届の基本知識6つ

同じ会社であっても、別の事業所に「転勤」になった場合、保険は事業所単位で登録されているため、雇用保険と社会保険の手続きが必要になります。雇用保険の手続きとしては、事業主が「雇用保険被保険者転勤届」を提出しなければなりません。

ここでは転勤時の「雇用保険被保険者転勤届」に関する手続き方法をご紹介します。
雇用保険においての転勤とは、「勤務地が変更となる異動のうち、引っ越しを伴うもの」で、引っ越しをしない出張や一時的な駐在、工事現場などでの期間が限定される業務の場合は転勤扱いにはなりません。

ただし、1つの事業が複数に分断される場合や、事業の譲渡などによって新しい事業主との雇用契約が結ばれるケースでは転勤として扱うことができます。
このように、転勤といっても事業内容によっては転勤になるケース・ならないケースがありますので、転勤として扱われるのかをハローワークに事前確認することが必要です。

雇用保険被保険者転勤届の基本知識1:提出様式

雇用保険被保険者転勤届はハローワークのウェブサイトでダウンロードすることができます。転勤届は白紙に倍率100%で印刷することなどが指定されており、印刷が不鮮明な場合などは受理されないこともありますので注意が必要です。

雇用保険被保険者転勤届の基本知識2:提出先

「雇用保険被保険者転勤届」の提出先は被保険者の転勤先の事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)になります。ハローワークの受付時間は月曜日~金曜日(年末年始・祝日を除く)の8時30分~17時15分です。

雇用保険被保険者転勤届の基本知識3:申請方法

「雇用保険被保険者転勤届」の申請は直接ハローワークの窓口に提出する以外に、インターネット上で電子申請による申請もできます。ハローワークが遠くて提出が困難である場合や、一度に多くの従業員が転勤することになった場合は電子申請を利用するなど、ご都合にあった方法で申請してください。

雇用保険被保険者転勤届の基本知識4:提出期限

「雇用保険被保険者転勤届」は転勤の事実が発生した翌日から10日以内に提出しなければいけません。期限がありますので、必要書類とハローワークの受付時間も確認し、スムーズな手続きができるよう準備しましょう。

雇用保険被保険者転勤届の基本知識5:必要書類

ハローワークへの申請の際、雇用保険被保険者転勤届以外にも、以下の書類を添付することを求められる場合があります。書類に不備があれば手続きができない場合もありますので、気をつけましょう。

転勤の事実を証明する書類

転勤の事実を証明できる書類は原則として不要となっています。しかし、転勤かどうかを精査する必要がある場合には、異動辞令書類や賃金台帳、労働者名簿(出勤簿)などの提出を求められる場合があります。

被保険者資格喪失届・氏名変更届

転勤前事業所に交付されている被保険者資格喪失届・氏名変更届の添付がが必要になります。

転勤の場合、被保険者資格は所属する適用事業所番号が変わるだけで、資格の喪失ではないため記載などは不要になります。

組織図等または事業分割の契約書

転勤前後の事業所が同一の事業主の事業所であるか精査する必要がある場合、以下を添付することを求められます。転勤を証明する書類として「当該企業の組織図など」「事業の分割や事業の譲渡等があるときにはその契約書など」が必要になります。

雇用保険被保険者転勤届の基本知識6:電子申請も可能

転勤届をハローワークの窓口で提出する以外にも、電子申請を利用する方法があります。オンラインで行政サービスを行うポータルサイト「e-Gov(イーガブ)」の電子申請システムを利用して、インターネット上で手続きを行います。

その場合、事前にID、パスワード、電子証明書を取得しておく必要があります。厚生労働省の「雇用保険関係手続き電子申請のご案内」から、申請時に表示される様式にしたがって必要事項を記入していきます。添付書類が電子ファイルで準備できない場合は、郵送も可能です。

システムは基本的に365日24時間運営されており、登録さえしておけば今後も利用できるので作業効率を高めることができます。

転勤として認められないケース2つ

転勤として認められないケース1:土木業などの長期工事

事業の性質上、有期の工事に従事するような場合のある土木業・建築業においては、2ヵ月ないし3ヶ月以上の長期工事に従事する場合であっても転勤と認められないこともあります。転勤か駐在かの判断が難しい場合はハローワークに問い合わせが必要です。

転勤として認められないケース2:船員の陸上勤務

船の上で働く船員が同一事業所内で、陸上での勤務に変わる場合は転勤扱いにはなりません。この場合は、船員として働く事業所における被保険者資格喪失届と、陸上で働く事業所での被保険者資格取得届を提出することになります。

雇用保険者転勤届の提出を正しく行おう

ここまで、雇用保険被保険者転勤届について紹介してきました。これらは、従業員が転勤する可能性のある会社にとって必要不可欠な手続きです。

提出期限があり、転勤を確認するための添付書類が必要になることもあるため、直前になって準備しようとすると間に合わない可能性があります。転勤かどうか判断が難しい場合は、ハローワークに問い合わせるなどして、転勤届の提出を正しく行いましょう。

また、現在ではインターネットでの電子申請もできるので、自社に合った申請方法を選択し、提出をしましょう。

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