エレベーターのマナー
エレベーターは、駅やデパート・会社といった私たちの生活のすぐそばにあります。ですので、毎日エレベーターに乗るという方も多いのではないでしょうか。
そんな身近な存在であるエレベーターですが、実はビジネスにおいてエレベーターに関する細かいマナーがあることをご存知でしょうか。
「たかがエレベーターマナー」「されどエレベーターマナー」です。正しいマナーを知っているのと知らないのでは、社会人として大きな差になります。
ここではエレベーターに乗る前から降りた後まで、細かいマナーを紹介していきます。
エレベーターに乗る前のマナー2つ
ではまず、乗る前のマナーから見ていきましょう。
「乗る前なんかボタン押して待ってるだけでしょ?」と思うでしょう。そのとおりですが、待っているだけの時間にも、実は常識的なマナーがあります。
エレベーターに乗る前のマナー1:降りる人が優先
エレベーターは、電車と同じで降りる人が優先です。当然とも言えますが、乗りたい人が先に乗ってしまうと、降りる人がスムーズに降りられなくなってしまいます。
どんなに急いでいても、扉が開いた瞬間に押しのけて乗ることはマナー違反です。トラブルのもとになってしまいますので、絶対にやめましょう。
エレベーターに乗る前のマナー2:エレベーターを待つ時は扉の正面に立たない
エレベーターは降りる人が優先ですので、扉が開いてすぐに降りやすいように扉の正面には立たないようにしましょう。
降りる人も、扉が開いた瞬間、目の前に立っている人がいたら少し怖いですし、驚いてしまいます。左右どちらかによけておくといいでしょう。
エレベーターに乗ってからのマナー7つ
続いては、エレベーターに乗ってからのマナーを見ていきましょう。
「乗ってる間はゆったり過ごせるから安心だな」と思うでしょうが、果たしてそうでしょうか。エレベーターに乗ってからのほうが、実は重要なマナーがあります。
エレベーターに乗ってからのマナー1:目上の人から順に乗る場合と目下の者が先に乗る場合がある
まずはエレベーターに乗る順番のマナーです。状況によって2パターンあるので、注意しましょう。
1つ目は、中に人が乗っていない場合です。中に人が乗っていない場合は目下の者が先に乗ります。そして、「開」ボタンを押し、目上の人が乗り終えるのを確認したら「閉」ボタンを押し、ドアを閉めます。
エレベーターに乗ってからのマナー2:すでにエレベーターに他の方が乗っている場合
エレベーターに乗る順番のマナー2つ目は、中に人が乗っている場合です。中に人が乗っている場合は目下の者が外側の上下ボタンを押し、目上の人が先に乗ってから目下の者が乗ります。
乗る順番は意外と重要なので、覚えておきましょう。
エレベーターに乗ってからのマナー3:エレベーターが閉まらないようにする
エレベーターに乗る際は、自分が先に乗る場合でも、目上の人が先に乗る場合でも、誰かが扉に挟まらないようにしましょう。上司であれば100歩譲って許してもらえても、来客者の場合、取り返しのつかないことになりかねません。「恥をかかされた!」と怒ってしまうでしょう。
そのようなことにならないためにも、乗り終わることを確認するまではしっかりとボタンを押しておきましょう。
エレベーターに乗ってからのマナー4:エレベーターの操作は目下の者が行う
お客様や上司にエレベーターの操作をさせてはいけません。操作は、必ず一番目下の者が行うのがマナーです。
日本人は、その空間での序列を瞬時に判断する能力に優れていると言われています。常に気を使うのは疲れるものですが、慣れることで自然とできるようになるでしょう。
エレベーターに乗ってからのマナー5:エレベーターにも上座や下座がある
会議や会合、接待などの場面での上座下座は、入り口から一番遠い、部屋の奥が上座です。ちなみに結婚式の披露宴では、新郎新婦の高砂のお席の前で、司会から遠い側が上座のお席になります。
ではエレベーターの中の上座はどこでしょうか。ボタンの操作は一番目下が行うと言いましたので、ボタン前は下座ですね。乗る順番は目上の人から乗るので、奥が上座というのもわかるでしょう。
ここで覚えておきたい言葉があります。上座下座を考える時に基本となる、「左上右下」という言葉です。これは、部屋を上から見たときに、左奥が上座になるという意味です。つまりエレベーターの上座は、左奥となります。
エレベーターに乗ってからのマナー6:エレベーター内では携帯電話やスマホは触らない
エレベーターのような狭い密室空間で、携帯電話やスマホでの通話は他の人の迷惑になります。電波も悪いことが多いですし、電話がかかってきても後でかけ直しましょう。
さらに、エレベーターや電車などの他人と至近距離になる空間では、携帯電話やスマホから発する電波が心臓ペースメーカーをつけている人などに悪影響を及ぼす場合があります。
本当にスマホ操作が必要かどうかを先確認して、エレベーターに乗っている間は、スマホが気になっても我慢するようにしましょう。
エレベーターに乗ってからのマナー7:エレベーター内では会話もNG
「エレベーターピッチ」という言葉を聞いたことがありますか。これは、エレベーターの中のような数秒の間に相手の心を掴む会話術で、アメリカで発祥し日本でも注目されているビジネス手法です。
しかし日本のマナーでは、実際にエレベーターの中で「エレベーターピッチ」をしてはいけません。「エレベーターのような狭い空間ではお静かに」というのがマナーですので、心を掴みたい相手とエレベーターで出会っても挨拶程度にとどめ、エレベーターを降りてから会話するようにしましょう。
エレベーターから降りる際のマナー6つ
では最後に、エレベーターから降りる際のマナーを確認しましょう。やっと降りられます。
「降りるときなんて普通に降りればいいでしょ」と思うでしょう。しかしここでもやはり細かく見ている上司やお客様もいらっしゃるので、マナーをしっかりと押さえておきましょう。
エレベーターから降りる際のマナー1:目上の人から降りる
エレベーターに乗る際は目下の者が先に乗りましたが、降りる際は逆です。目下の者が中でボタンを押し、目上の人が先に降ります。
しかし混雑している場合に、目下の者が先に降りる必要がある場合は、「お先に失礼します。」と声をかけて先に降りましょう。
エレベーターから降りる際のマナー2:違う階で降りる場合には声をかける
自分がボタンの操作をしている、していないに関わらず、目下の者が違う階で降りる際には「失礼いたします。」などの声かけをしましょう。
降りた後は、扉が閉まるまでお辞儀をすると、なお良い印象です。
エレベーターから降りる際のマナー3:来客の見送りはエレベーターまで
お客様をお見送りする際は、エレベーターの中まで同行する必要はありません。エレベーターの前までお見送りをすれば十分です。
部屋からはお客様から先に出ていただき、エレベーターホールまで誘導しましょう。
エレベーターから降りる際のマナー4:2人以上いる場合には目下が先にエレベーターのボタンを押しにいく
お客様をお見送りする際、エレベーターホールで長い間お待たせするのは失礼ですし、会話も続きません。見送る人間が二人以上いる場合は目下の者が先にエレベーターのボタンを押しに行き、エレベーターが来たら上下ボタンを押して待ちましょう。
これでお客様を待たせることなくスムーズにエレベーターに乗せることができます。
エレベーターから降りる際のマナー5:扉が閉まるまで丁寧にお辞儀をする
お客様がエレベーターに乗り終えたら、「本日はありがとうございました」と言葉を添えて、扉を閉めましょう。この時、扉が閉まるまで丁寧にお辞儀をしましょう。
複数の動作を同時に行うと急いでいるように見えますので、お礼を言う、「開」ボタンから手を離す、丁寧にお辞儀をする、とひとつひとつ丁寧に行いましょう。
なんらかの理由で閉じた扉が急に開くこともあります。すぐに悪口を言うなどせず、最後まで気を抜かないようにしましょう。
エレベーターから降りる際のマナー6:誰かに操作してもらった場合にはお礼を
ビジネスのシーンだけでなく、日常生活でも、エレベーターを降りる際に誰かにボタンの操作をしてもらった場合には忘れずお礼を言いましょう。マナー以前に、感謝の気持ちを持つことは人間として大切なことです。
ここで印象がいい言葉は、「すみません」よりも「ありがとうございます」です。言われたくてやっているわけではなくても、言われると気持ちのいい言葉です。
エレベーターのマナーについて理解を深めよう!
いかがでしたでしょうか。エレベーターに関してのマナー、知っているようで知らないこともあったのではないでしょうか。
最初にもお伝えしましたが、「たかがエレベーターマナー」「されどエレベーターマナー」です。短い時間ですが正しいマナーで、お互いに気持ちよく過ごせるようにしていきましょう。