「懇願」の意味を3つの類義語と3つの文例で理解して上手に使い分ける

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「懇願」の意味

「懇願」と書いて「こんがん」と読みます。意味は「必死にお願いすること、心から頼むこと」です。

「懇願」の「懇」は、「ねんごろ」ともいい、「心をこめて」「熱心に」の他に「親しくする」という意味もあります。

「懇願」の「願」は、「祈願」「願うこと」「目標が達成できるように求めること」「望み欲すること」を意味します。

「懇願」の類義語3選

「懇願」には類義語がいくつかあります。「懇願」と類義語は意味がほぼ似ていますが、詳しく調べてみると、意味やニュアンスの違いが見られます。

「懇願」の言葉を使うときに、少し違和感があったり、もっと相応しい言葉の方がしっくりと来そうな場合は、類義語を試してみましょう。

「懇請」「嘆願」「哀願」の3つの類義語をご紹介します。微妙な意味の違いを理解して、その時々で使い分けられるようになりましょう。

「懇願」の類義語1:懇請

「懇請」と書いて「こんせい」と読みます。意味は「ひたすら頼むこと」「心を込めて頼むこと」です。「懇請」の「請」は、「頼むこと」「願うこと」「請うこと」を意味します。

「懇請」は「懇願」と極めて似た表現です。「懇願」はどちらかというと「願う」というニュアンスで、「懇請」は「相手に請う」という意味合いで使われます。

「懇願」の類義語2:嘆願

「嘆願」と書いて「たんがん」と読みます。意味は「詳しく事情を伝えて、熱心に頼むこと」です。「嘆願」の「嘆」は、「嘆く」「ため息をつく」の他に「感心する」の意味があります。

「嘆願」は、「嘆願書」として、一般的によく用いられています。意味は、「事情を詳しく説明して、お願いする文書」です。

「懇願」の類義語3:哀願

「哀願」は「あいがん」と読みます。意味は「相手の同情心に訴えて、ひたすら頼むこと」です。「哀願」の「哀」は、「哀れ」「悲しむ」「痛ましい」の意味があります。

「哀願」は、「懇願」や「懇請」「嘆願」の中で、最も悲壮感が漂う言葉です。相手にすがり、泣き落としするような意味合いを持ちます。

「哀願」は相手の感情に働きかけるため、「嘆願」のように理性的に事情を説明するのとは、込められた意味が大きく違います。

「懇願」を使いたいシーンと文例3つ

「懇願」の意味と、類義語との微妙な意味やニュアンスの違いを、理解していただけましたか。

「懇願」は、日常ではあまり頻繁には用いられません。「どうかお願いします」という切実な状況のときにだけ使います。多くは必死にお願いする行動を説明するときに、「懇願する」「懇願した」のように言います。

実際には、どのようなシーンで「懇願」は使われるのでしょうか。「懇願」を使う3つのシーンと、文例を順に見ていきましょう。

「懇願」を使いたいシーン1:立場が上の人へのお願い

立場が上の人へのお願いは、気を使います。あからさまに懇願するのは、失礼に当たるのではと躊躇してしまいがちです。しかし、やんわりお願いしてしまうと熱意が伝わらず、聞き流されてしまうこともあるでしょう。

「懇願します」や「懇願申し上げます」の言葉を使うことで、恐縮した気持ちや熱心な思いを伝えることができます。目上の人への「懇願」は、使い過ぎるとくどい印象を与えてしまうので、注意も必要です。

「懇願」使った文例1:

目上の相手に「懇願」するときに、以下の文例のように使いましょう。

「この度はお食事会ご招待いただき、ありがとうございます。誠に残念ですが、当日は親族の法要と重なるため、欠席させていただきます。心よりお詫び申し上げます。どうか、今後ともこれまでと変わらぬご指導のほど、懇願いたします。

この例では、「誘いには応じられませんが、これからも今まで同様良くしてください」という強い思いが込められています。

「懇願」を使いたいシーン2:周囲の人に助けを求める

周囲の人に本気で助けてもらいたいときには、必死の形相で「懇願」してみましょう。普通の表情で「お願いします」と言うだけではインパクトに欠け、「できたら助けてほしい」という軽めの依頼に捉えられてしまいます。

ですが、「懇願」のような相手にすがる必死の頼み込みは、何度もするものではありません。またかと思われて、本当に助けてほしいときに、助けてくれなくなる恐れがあります。

「懇願」使った文例2:

以下の文例は、周囲に助けを求めて「懇願」するシーンです。

「Aさんは大好きなアーティストの引退コンサートのチケットを手に入れましたが、外せない重要な仕事と重なってしまいました。

今回のコンサートを逃したら、一生後悔してしまいます。どうしてもコンサートに行きたいため、上司や同僚に訳を話し、休みを取れるように助けてほしいと懇願しました。

無理を承知で、頭を下げて必死にお願いする様子が伝わってきます。

「懇願」を使いたいシーン3:強く改善を求める

仕事やさまざまな組織、人間関係などで何らかの問題があり、解決が望めないときは、どのうようにしたら良いでしょうか。

自分の力で容易に変えられないときは、相手に対して働きかける必要があります。今の状況を打破して、どうにか改善したいという強い意志があるときは、「懇願」の出番です。

「できたら変わってほしい」という消極的な態度では効果がありません。改善したいという強い熱意で「懇願」し、強く改善を求めましょう。

「懇願」使った文例3:

以下の文例では、今の状況に不満があり、改善を求める様子を見てみましょう。

「小遣いが少ないと不満を抱いている夫は、妻に小遣いアップをお願いしました。ですが妻は、直ぐに却下してしまいます。

夫は、消費税が上がり、昼食代も高くなるから、今の小遣いでは賄えないと訴えます。お酒を我慢して控えるから、何とか2千円上げてほしいと、妻に懇願しました。

このように、改善を求めるには切実な状況を訴える必要があります。

「懇願」のその他の類義語3選

「懇願」の類義語をもう少し見ていきましょう。「要求」「徴用」「接収」の類義語についてご紹介します。この3つの類義語は、どれも「当然のこととして求める」という、強制的なニュアンスを持つ言葉です。

「懇願」の類義語1:要求

「要求」は「ようきゅう」と読みます。意味は「相手に当然の権利として強く求めること」「必要とすること」です。

「要求」の「要」は、「かなめ」とも読み、「最も大切な部分」「必要なこと」の意味があります。「求」は、「求めること」「ほしいと願うこと」を意味します。

「懇願」は「願うこと」、「要求」は「求めること」がベースになっており、「懇願」の方は必死さの意味も込められています。

「懇願」の類義語2:徴用

「徴用」は「ちょうよう」と読みます。意味は「強制的に物品を取り立てて使うこと」の他に「戦時などで国が強制的に国民を動員して、業務に従事させること」です。

「徴用」の「徴」は、「取り立てること」や「前兆」「しるし」「召し出す」を意味します。「用」は、「用事」「働き」「作用」「必要なこと」「用いる」などの意味があります。

「懇願」と違い「徴用」は、戦時や、物品の取り立てなど、普段使いはあまりできない言葉です。

「懇願」の類義語3:接収

「接収」は「せっしゅう」と読みます。意味は「国家などの権力を持つ機関が、国民の所有物を取り上げること」です。

「接収」の「接」は、「接する」「人と会う」「つなぐ」「受け取る」の意味があります。「収」は、「収める」「まとめる」などの意味を持ちます。

「接収」も「徴用」のように、日常ではあまり使われない言葉です。

「懇願」の正しい使い方を理解して上手に使い分ける

「懇願」を使うシーンや、正しい使い方は理解していただけけましたか。

懇願は相手にとってインパクトがあります。実際に自分が懇願する場合は、ここぞというときにだけ使いましょう。自分に懇願されたときは、情にほだされず、冷静に見極めて対処する心の強さが必要です。

人が必死に頼み込んでいる姿を説明するときは、懇願や懇願の類義語など、相応しい言葉を選んで上手に使い分けましょう。

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