「スーツのパンツ」適切な丈・アイロンがけ・ダブルとシングルの違い

ビジネスマナー

スーツの傷みが激しい人の特徴は?

スーツを着る仕事は、世の中にたくさん存在します。しかし、みんながみんなスーツがすぐに傷んでしまう人ばかりではないと思います。では、どのような人のスーツの傷みが激しいのでしょうか。その特徴としては、以下のようなことが考えられます。

激しく動き回ることが多い

自転車での移動や外で歩き回ったり、大きなカバンを持ち歩いたりする営業の方等、本人が気をつけてはいても、どこかに引っ掛けて穴があいてしまったり、しゃがんだ時に破れてしまったりと、どうしても傷みやすい状況になりがちです。

特にメンテナンスをしていない

普段からスーツのメンテナンス、つまりお手入れをあまりしていないと、毛並が乱れ、毛玉やテカリの原因となってしまいがちです。ブラシなどを使用することで、繊維の流れを整えて、毛玉やテカリを防ぐだけでなく、清潔な状態を保つことでカビや虫食いを防ぐこともできます。

毎日同じものを使用している

スーツは休ませることによって、シワが復元する性質があります。しかし、毎日使用していれば、だんだんとシワがとれにくくなり、最後はシワだらけのスーツになってしまいます。結果、スーツが痛んでしまう可能性が高くなります。

ポケットにものを入れ過ぎている

ポケットに財布や携帯などを常に入れていると、型くずれしやすくなり、スーツが早く傷む原因となります。特にジャケットの内ポケットやパンツのポケットは、物を多く入れることが想定されていません。スーツの寿命を考えれば、入れ過ぎは注意が必要です。

クリーニングに出し過ぎている

汗をかいたり、タバコや食べ物の匂いがつくと、クリーニングに出したくなりますが、出し過ぎると必要な油分が落ちてしまい、くたびれた感じに見えてしまいます。生地も選択によって傷みます。1シーズン1回出すくらいがちょうど良いでしょう。

スーツのパンツのみが傷んでしまったらどうすれば良い?

上着だけをジャケットとして使用する

スーツは上下セットで販売していることが多く、パンツのみを購入しようとした場合、全く同じものを購入するのは難しいです。そのため、用途を変えて使用することが考えられます。ビジネス以外のカジュアルな感じで、上着をジャケットとして使用することも1つの方法です。その際にボタンをカジュアルなものや金銀に変えて、ブレザーのようにして使用しても良いと思います。ただし、これは紺や黒でストライプ等の柄がついていないものだけです。ストライプ柄等、ビジネス色の強いものはカジュアルとしての使用は避けた方がよいかもしれません。

諦めて下取りに出す

大手スーツ販売店では、使用しなくなったスーツを下取りに出すことによって、割引券等のクーポンと交換してくれるサービスを行っているところがあります。穴があいたり破れてたり、他店舗で購入したものでも下取りしてくれることも多いので、まずは店舗で確認してみましょう。ただし、多くのクーポンが購入を前提にしており、さらに○○円以上の商品限定などの条件が付いている場合がありますので、注意してください。いずれにしても新しいスーツを購入する場合は、有効な活用法といえるでしょう。

最初からツーパンツスーツを選ぶ

ツーパンツスーツとは、スペアパンツとの2本セットで販売しているスーツです。基本的にパンツはジャケットよりも傷みやすいので、パンツを2本にすることで、ジャケットとパンツの寿命を揃えることができ、ジャケットがまだ着れるのに、パンツだけが傷んで、スーツ全体として使用できなくなることを避けることができます。使用する上で注意しなくてはいけないのは、クリーニングの回数がジャケットとパンツで違ってしまうと、上下で色が変わってしまう可能性があります。スペアパンツも含め、ジャケットとクリーニングの回数はできるだけ合わせるようにしましょう。

スーツの裾について

スーツ選びで、パンツの裾の長さを合わせることは非常に大切です。適切な長さになっていなければ、見た目も悪く、ビジネスなどで相手に与える印象も変わってしまいます。
スーツでは、パンツの裾の長さにも種類があり、シングルやダブル、裾幅の違いによって、分けることが多いです。まずはどんな種類があるのかを知り、自分のパンツの適切な長さを調整しましょう。

スーツのシングルとダブルの違いについて

スーツの種類として、大きく分類してシングルとダブルがあります。この2つの違いは何でしょうか。簡単に言うと、違うのはボタンの配列です。シングルスーツは、ボタン配列が1列で、ビジネスでもフォーマルでも使用される定番の形です。ダブルスーツがボタン配列が2列で、サイコロのようにボタンが6コついています。一般的にダブルスーツはシングルスーツよりも体を大きく見せることができるため、しっかりとした印象を見せるために着るのもオススメです。経営者などの偉い人が着たり、童顔の人が年齢を高めに見せる時にも使用されます。

パンツの長さの種類は?

ワンクッション

パンツの裾が靴の甲にしっかりあたり、若干たわむくらいの長さのことをいいます。裾丈が長いので、ワンタック、ツータックなど裾幅が太い場合や、シングルのパンツに利用することが多いです。イメージとして誠実な印象を与えることができます。

ハーフクッション

パンツの裾が靴の甲に少しあたる長さのことをいいます。裾の長さはノークッションとワンクッションの中間で、ノータック、ワンタックなど裾幅が標準的な場合に利用することが多いです。スーツで裾丈を短めにしたい場合や、ダブルのパンツはハーフクッションにすることが多いです。ハーフクッションの場合、裾上げをダブルにする場合もあります。ダブルで裾を留める場合に、糸で留める方がオシャレと言われることが多いですが、ボタンで留めるタイプの方が折り返し部分に溜まったほこり等を掃除しやすいという利点もあります。特にどちらがよいということはありませんので、最終的には自分の好みで決めるとよいでしょう。

ノークッション

パンツの裾が靴の甲にあたらない長さのことをいいます。ノータックで裾幅が細い場合に採用することが多いです。裾丈が短いため、座った時に靴下が見えてしまう可能性があります。また、ノークッションはオシャレな印象もあるかもしれませんが、カジュアルな印象が強いため、ビジネススーツでは避けたほうがよいでしょう。

適切な裾の長さの調整方法は?

靴底から裾までの高さで調整

パンツの裾の長さを調整するためには、まずウェストを腰の骨の上に合わせます。その上で靴底から裾までの高さで調整します。フィッティングルームで試着などをする場合も、面倒かもしれませんが、必ず靴を履いて調整することをオススメします。その際に、できるだけ普段使用している靴を履いて、合わせる方がよいでしょう。後から、長すぎたり短すぎたりというトラブルをさけることができます。

裾幅で調整

裾幅(パンツの太さ)によって、靴の甲に触れる裾の位置が変わるため、太さによって合わせる裾の長さも変わります。だいたい20~22cm程度が標準的な太さです。標準的な場合は、ワンクッションにすることが多いです。靴底から裾まで3~4cmの長さを目安にします。標準よりも細い場合は、パンツの裾が靴の甲の高い位置にあるため、短めのハーフクッションにすることが多いです。標準よりも太い場合は、パンツの裾が靴の甲の低い位置にあるため、ワンクッションか、もしくはワンクッションよりも少し長めの裾にすることが多いです。

スーツの正しいアイロンがけの仕方

スーツのアイロンがけで用意するもの

・あて布
スーツはそのままアイロンをかけてしまうとテカリが出たり、アイロンの跡が残ったりすることがあります。あて布として適当なものがない場合は、大きめの綿ハンカチでもOKです。

・スチーム(霧吹き)
軽く濡らした状態でアイロンをかけると、速くしっかりとアイロンがかかります。最近ではアイロンにスチーム機能が付いたものが多いですが、機能がついていない場合は霧吹きを使用します。

ジャケットのアイロンがけ

ジャケットのアイロンがけで注意すべきことは、温度です。素材によって適切な温度が違います。綿・麻は180~200℃、ナイロン・アクリルは110~130℃、ウールは140~160℃を目安にしましょう。設定温度を間違えると、生地を傷めたり、折り目がつきすぎたりするので注意してください。心配な方は最初は140~160℃で設定すれば無難です。

・袖
肩のラインを崩さないように、肩から袖にかけてあて布をして優しくかけましょう。左手でシワを伸ばしながらなでるようにかけていくことがポイントです。袖の外側にある縫い目に合わせて優しくプレスすることで、きれいな形を保つことができます。袖に腕の代わりとして、巻いたバスタオルを詰めてプレスすると立体感が損なわれません。

・後身頃
ジャケットをアイロン台の上に覆うようにして置き、上から下に中央から外側へ撫でるようにかけましょう。スーツの背中のシワは目立つし、シワがあることによって清潔感が損なわれます。自分で確認できない部分なので。しっかりとシワは直しましょう。

・脇
左右片面ずつ軽くかけていきましょう。脇の部分で生地が切り替わっている場合は、ジャケットをずらして、脇の形に沿ってかけましょう。パットが入っている場合は、アイロン台にスーツを着せるように置くとかけやすいです。

・前身頃
生地の流れに沿って全体的に軽くかけましょう。襟が折り返っているラペルといわれる部分もしっかりかけましょう。ラペルは折り目が強くつきすぎないように、裏から優しくかけましょう。

・襟
裏返してシワを伸ばしながらしっかりかけましょう。襟は首のラインに沿って縫い付けられているため、少しずつ手で平らに伸ばしながらかけましょう。かけ終わったら、襟を折り返してきれいな形に整えましょう。

パンツのアイロンがけ

パンツもあて布をしたり、スチームや霧吹きを使用し、折り目に注意しながらアイロンをかけましょう。

・腰から足部分
アイロン台に腰部分を乗せ、パンツの前側、後ろ側が同時にかからないように、片面ずつかけるようにしましょう。その際にポケットやファスナーに注意しましょう。腰から裾へアイロンをかける際に、折り目(センターライン)に注意しましょう。折り目通りにアイロンをかけないと、折り目が複数ついてしまい、形が崩れて見た目が悪くなってしまいます。

・裾
裾は動かないように押さえながら、股下あたりから一気にプレスしましょう。裾の端は内側からかけましょう。裾はあまり目がいかないと思われがちですが、シワがあれば見た目が悪くなり、相手に与える印象も変わってしまいます。裾の端まで最後まで丁寧にかけるようにしましょう。

ビジネスに見た目は重要!

スーツに関する知識の一部を紹介しました。まだまだ知っておくとよいことは他にもたくさんあると思います。スーツに関する知識を備えて、見た目から信頼されるビジネスマンを目指しましょう!

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