配管工の仕事内容と給料|仕事の大変さ・仕事時間と仕事量は?

ビジネスマナー

配管工の仕事内容

ガスや水道などの配管を組み立てる

配管工は、主に建築物における給水管・排水管・ガス管や、空調設備・衛生設備などの配管をすることが仕事です。

配管の材料はあらかじめ工場で製造されたものを使うため、現場で何かをつくるといったことはありません。ですが、直線の管だけではなく、中継する部分やさまざまな角度で曲げることもあるため、中を流れる水やガスが漏れないように定められた施工をしなければなりません。そのため、一定の技術が必要とされます。

とくにこれらの配管は、建築物が仕上がった際に隠れる位置に設置されることがほとんどですので、狭い場所での作業となることがほとんどです。

そのため、配管工にはある程度の器用さも求められます。

洗面台やエアコンなどの機器を取り付ける

配管工は配管ばかりをするイメージがありますが、実は洗面化粧台やトイレなどの衛生機器や、エアコンの室内外機などの空調機器の取り付けも行います。

これらはそのまま仕上がりになるものであるうえ、鏡がついていたり陶器などでできていたりして割れやすいものも多いため、慎重な取り扱いが求められます。

また、最近では輸入された機器を取り付けたりすることもあるため、施工説明書や取扱説明書が英語で苦労するといったこともあります。

機器は配管の接続や取付けばかりでなく、がたつきがないように水平・垂直を調整するなど細かい仕事が意外と多いのです。

修理などのメンテナンスを行う

配管工はつくるだけが仕事ではなく、メンテナンスや修理も行います。たとえば「蛇口から水が出てこない」、「排水が詰まった」などです。

これらの仕事は呼ばれたらすぐに対応することが求められるため、相応の経験や技能が必要とされます。

特に、長期の休み(ゴールデンウィークやお盆、正月等)でこういうことが起こった場合には顧客も困るため、このような事態に備える体制を作っておく会社もあります。

配管を任されるのは経験を積んでから

配管作業は少しでもずれが生じると漏れなどの大事故につながる非常に繊細なものです。

取り付け後にパイプ内の物質が漏れるようなことがあっては決してなりません。そのため、配管工は細心の注意を払って作業に徹しています。

技術と経験が必要となるため、配管作業はある程度のベテランが担当することになります。この際、新人の配管工は補助的な作業を担当しながら、先輩の動きを見て学んでいきます。

その一方で掘削や埋め込みなどは新人、ベテラン問わず、全作業員で行っていきます。こういった側面から考えると新人とベテランの役割がはっきりした職業であるといえるでしょう。

頭脳的な側面も

配管工の仕事は、肉体労働というイメージがあるかもしれません。

たしかに掘削作業や配管後の埋め込み作業は並大抵の体力ではできない仕事です。

ですが、その一方で配管作業は頭を使って考えることも多いのです。複雑な形状の配管を収まりよく取り付けるためには、事前の準備だけではなく、現場での判断も大いに必要とされます。

このように配管工は体力や腕力が必要なのはもちろんですが、頭脳派の側面もあるのです。

配管工の扱う配管、はたとえば水道管の場合、鋳鉄製のものが多く、1本の長さが4~5m、重さ80〜100kg程度のものが主体になります。したがって、これらの運搬にはダンプトラックや重機と人力の併用で運搬することになります。

また、掘削も建設機械で広い範囲を賄い、細かな部分や機械の入れない箇所などを人の手で掘っていきます。

このように、配管作業に機械の力は必須であるため、必要な免許を順次取得していくことになるでしょう。

仕事は大変?

狭い場所での作業が多い

配管工が施工する給水管・排水管・ガス管などは、住宅の床下やビルなどの専用スペース(パイプシャフト、「PS」と表記される)に設置されますが、いずれもかなり狭い空間です。

これらの配管は生活や建物の機能のためにはなくてはならないものですが、有効に使える部屋の面積をより多く確保するため、どうしても狭い空間に入れられるものです。

そのため、建物内における配管作業は、狭い場所での作業となることがあります。

特に、増改築の場合や修理の場合などで、壁を取壊することができない場合には、より狭い空間で作業することになります。

狭い空間の中に材料を持ち込んで作業するのは、想像以上に大変なものです。

暑い寒いは当たり前

新築の場合は当然ですが、修理などであっても、配管のある床下やパイプシャフト内は冷暖房の効かない範囲なので、暑かったり寒かったりする環境の中での作業となることがほとんどです。

また、建物内ばかりではなく、道路から宅地内へ引き込んだり、さらにそこから建物内に引き込んだりするまでの配管は外での仕事となるため、夏は暑く冬は寒い中での作業となります。

このように暑くて寒い環境での作業は当たり前と覚悟しておく必要があります。

工期が詰まると大急ぎで施工することも

配管工事そのものは、工程の中でも序盤から中盤にかけて行います。

たとえば住宅の場合、床下の配管が完了してから大工が床下地工事をつくるような順序の工程となっているため、工期が厳しい工事の場合には大急ぎで施工しなければなりません。

また、洗面化粧台やトイレなどの設備機器の取付も行うことが多いのですが、これらはすべて仕上がって、引渡し前のハウスクリーニングの直前に取付けることが多く、必然的に造作工事や仕上げ工事のしわ寄せがくることが少なくありません。

まして、設備機器の取り付けは音も出なく夜もできる仕事なので、後回しにされることもあります。

頻繁に起こるわけではありませんが、このように工期が詰まっている中で大急ぎで施工する時は非常に体力を消耗します。

配管工の給料

配管工の給料ですが、高いわけでもないのですが安くもないのが実状です。一般的には、300万円台後半から400万円台前半というのが平均的な年収と考えられています。

当然、所有する資格や経験年数、技能のレベルなどによって左右されてきますが、学歴や資格を特段必要とせずにできる仕事の割には、比較的良い方ではないでしょうか。

厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査によると、配管工の平均年収は42歳で431万円ほどとなっています。

・平均年齢:42.1歳
・勤続年数:12.1年
・労働時間:181時間/月
・超過労働:15時間/月
・月額給与:324,700円
・年間賞与:419,700円
・平均年収:4,316,100円

出所:厚生労働省「平成27年 賃金構造基本統計調査」

給料は景気や公共事業に左右される

配管工の仕事は、水道管やガス管や空調設備の配管を施工する仕事なので、建物の新築や増改築の工事量に左右されます。

つまり、建築業界の景気や公共事業の量次第なのです。

当然ながら会社員なので、仕事がないから給料がなくなるというわけではありません。ですが、残業や休日出勤がまったくない期間が続いて手当を含む総収入が減ったり、ボーナスが減額やカットされたりといったことになる場合もあります。

配管工の仕事時間

勤務時間は規則的なことが多い

配管工の勤務時間ですが、現場に出て体を動かす作業が主体なので、規則的な勤務時間であることが多いです。

たとえると、7:30までに出社して現場に移動し、8:00くらいから作業を開始し、18:00前には現場から会社に戻って片づけや翌日の段取りをして帰る、といった感じです。

忙しいときであれば現場でもう1〜2時間程度残業したり、会社に戻ってから設計や見積り等の事務仕事をしたりということもありますが、2時間に一回程度の休憩とお昼は1時間程度の休み時間があるので、比較的規則正しい勤務時間の仕事といえるでしょう。

ただし、店舗関係の工事をやる場合には夜中にする場合もあります。

休みは多くはない

工程が詰まってくると休日出勤などでカバーすることも多いため、休日は多くはありません。

また、業界の慣行的に毎週土曜日休みのところは少なく、基本的に土曜日は第2・第4のみが休みというところが多いです。

ただし、盆やお正月は建築業界自体がしっかり休むので、これにならって多めにしっかりと休むことが多いようです。

そうは言っても、盆やお正月中でも水回りのトラブル対応で突発的に動かなければならないことも想定されるので、やはり休みは少なめの業界でしょう。

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