個性的な人の特徴|個性的の意味・個性心理学と個性学とは?

ビジネスマナー

個性って何だろう

世の中には「個性」という言葉があふれています。いわく、あの人は個性的な人だ、個性的なファッション、個性を大切にする、などといろいろなところで「個性」という言葉が使われています。

このようによく使われている「個性」ですが、ふりかえってみると誰でも「個性」とは何かについて考える機会はあまりないのではないでしょうか。そこで、ここでは「個性」について、いろいろな観点から考えてみたいと思います。

でも「個性」について考えようと思っても、手がかりすら思いつかないのが、普通でしょう。頭の中で「個性」について考えをめぐらせていても、よいアイデアは浮かばないので、まず、性格診断の世界では「個性」について、どのように考えているのかをご紹介します。

個性的な人

例えば、エニグラ性格診断では、個性的な人について、自分自身をユニークな人間であると思うことでアイデンティティを感じるタイプだとしています。

個性的な人は、感情が動く感覚を求め、感動、悲劇、喜怒哀楽、芸術などに関心を持つ傾向が強いといわれています。反面、暗く沈うつな感覚も嫌いではありません。感情の浮き沈みに、生きているという実感を感じるからです。

想像力や連想力が豊かであることが特徴で、よく空想の世界に耽ることがあります。自分の心に浮かんだものに対してはエネルギッシュになり、芸術面で成功を納める人が多いようです。

このタイプの性格の人が抱える欠点は、現状に満足できず、いつも自分には何かが欠けているという思い込んで、終わりがない努力を続けることです。

個性に関する名言

昔から個性に関する名言を、各界の有名人がたくさん残しています。その世界で、高い地位にまで上り詰めた有名人が残している個性に関する名言には、個性の本質をついた言葉があるようです。次にご紹介する個性に関する名言をもとに、個性とは何かを考えてみてください。

個性は変人、常識は凡人

この名言は、コメディアンの志村けんの言葉です。個性がある人のことを、他人は変人と呼ぶこともあるので、変人と言われても、めげずに個性を大事にせよ、という意味でしょうか。

お笑いという、個性が大事な世界で成功した志村けんの言葉ですから、彼独自の個性についての考え方が、この名言に現れています。

個性は変えるものではなく、磨くもの

この名言は、「個性は、変えるものではなく、磨くものだ。その磨かれた個性が、魅力になるんだよ。そして、この魅力が自信になる。」というリチャード・H・モリタの言葉から取られたものです。

我々は、今の自分にないものを求めるあまり、自分を変えれば、自分が魅力的になると思いこんでいることがあります。

今の自分を否定することをベースにせずに、「今の自分を肯定する」ことが重要だと思います。そのことを、この名言は力説しています。

自分が個性と思っているものを全て捨ててみろ、 それでも残ったものが個性である

この名言は、自分が安易に個性だと思っている程度のものは、個性といえるほどのものではなく、それらを捨てて、それでも残ったものが個性に値するものだという意味でしょう。

安易に個性という言葉が使われている現代に対する警句になっています。

個性的の意味

個性的ということばの辞書的な定義では、人や物が、他と比較して異なる個性をもっているさま、独特であるさま、と定義されています。

また、別の定義では、個性とは個別性を有することで,個別性とは他と比較して異なる外見的・内面的な特徴を備えてこと、と定義しています。

個性という言葉は名詞ですが,個性的になると、ナ形容詞として扱われています。つまり、個性的な人、個性的な考え方、のような使い方が多いということでしょうか。

個性心理学を知っていますか?

個性心理学とは、人間の性格を12匹の動物のキャラクターに当てはめ、さらに動物キャラクターを60に分類して細分化して、人間の性格を誰にでも分かりやすく説明したものです。

個性心理学では、表面上の現象を検証するだけではなく、人間の性格を長年にわたって観察した結果、一定の法則がある統計的な見方からキャラクターを決めています。

個性心理学で人間の性格に当てはめている動物は、「猿」「チータ」「黒ひょう」「ライオン」「虎」「たぬき」「子守熊」「ゾウ」「ひつじ」「ペガサス」「狼」「こじか」の12種類です。

この12という数字にも意味があります。私たちの周りには、12ヶ月や、十二支、1ダースのように12という数字が、宇宙の法則として存在しているのです。

個性心理学では、12分類に着目して、イメージ心理学を取り入れて動物キャラクターを当てはめ、さらに12分類の動物キャラクターを60キャラクターへと進化させています。

その結果、人間の個性と動物をイメージで結びつけることができ、現代版の四柱推命動物バージョンといえる個性心理学ができあがりました。

個性学

個性学では、一人ひとりに生まれ持って備わっている『特性・能力』を客観的に理解するために確立された実践学です。

個性学では「個性」を、先天的+後天的要素で構成されたものだと定義しています。先天的要素とは、天分であり、一生涯変化しないものです。一方、後天的要素とは、環境、生き方、教育、経験、努力などで変化する性質です。

個性学では、個性には内面と外面あり、個性には二面性があると考えています。ここで、内面は、自分の価値観に基づいて意思を決定する働きをするもので、最終的な意思決定を行うときに、大きな影響をおよぼす部分です。そして、外面は、人の行動特性から第一印象を決めるもので、意思を行動に移すときに、大きく影響を及ぼす部分と考えられています。

人が自分の性格に二面性を感じたり、初対面の人に感じた第一印象と、長く付き合った後の印象が変わるのは、人の内面と外面の違いによるものです。

個性学の利点

インターネットは人々から空間と時間の違いをなくし、グローバル社会は国境を無意味にして、働く意思や能力があれば、どこの国でも働けるようになりました。

このようなインターネット社会では、互いを理解し、コミュニケーションをスムーズに行うために個性学は、多くの国の人々がともに手を取り合って目標を達成することに、大きく寄与することになります。

個性の礼賛の結果

ひところ個性がやたらと礼賛された時期がありました。個性的であることは、かけがえのないことである、という観念を、誰もが礼賛していました。

その結果、起こったことは、「自分らしさ」ということを、「人と違うこと」と錯覚して、単に自分は人と違っていれば、個性があると思い込んでいる若者が増えてしまったことです。

しかし現実の社会では、若者の個性が重視されることは少なく、実際に与えられる仕事は殆どが、没個性的な仕事しかないのが現実なのです。

使えない個性

実社会では、他人と違っているだけでは無意味で、自分が個性だと思っていても、使えない個性に社会は何の価値も与えてくれないのが現実です。

社会や他人から求められるていない意味の無い個性など、いくら個性的であっても、仕事上で役に立つことはなく、当人の自意識ばかり肥大化させる、無用の長物に成り果ててしまったのです。

ビジネスの世界でも、プライベートの世界でも、個性が無条件に礼賛されることはあり得ないのです。現実に重用されているのは、社会で使える個性、社会が欲しい個性であって、「使えない個性」「欲しくない個性」は、本人がいくら個性的だと自負していても、社会の現場では、役に立たないのが現実ではないでしょうか。

人気にならない限りは、特別なオンリーワンはない

大ヒットしたSMAPの『世界にひとつだけの花』の歌詞をもとに、個性について考えてみましょう。
 
この『世界にひとつだけの花』の歌詞のなかでは、「人気にならなくても特別なオンリーワン」が重要だと手放しで礼賛されています。この歌が大ヒットしたのは2003年ごろの世の中では、個性を礼賛する雰囲気が蔓延していた時代だったのです。

しかし、この歌に励まされて現実の社会に出て行った若者が体験したのは、歌詞とは正反対の厳しい現実だったのです。

現実の社会では、人気まで上りつめた「エリート個性」だけが、特別な意味のある「オンリーワン」として認められる社会なのです。現実の社会では、「使える個性」だけが価値を認められる市場競争が繰り広げられているのです。
 
このため、現実の仕事の現場では、没個性といわざるを得ないテンプレートに自分自身の感情を適合させなければならない職場や職種ばかりなのです。
 
市場価値のある「花屋で売られる花」になるためには、人目につくほどに個性的でありすぎてはいけないのが現実なのです。むしろ、ある程度は没個性的で、テンプレートからはみ出しすぎない花でなければ、市場価値が認められない事情があります。

誰にでも分かりやすく、選ばれやすい花だけが、選別されるのが現実の市場で、売り物にならないような、価値の無い個性を持った花は、市場では買い手がつくことはないのが普通です。
 
そんな、普通の花では満足できず、どうしてもオンリーワンの個性を持ちたいのなら、数え切れないほどのライバルを蹴落として、人気の個性を目指すしか方法はありません。このとき、反対に自分自身がライバルに蹴落とされるリスクがあることを忘れてはいけません。

その世界では有数にまで上りつめた、たとえばフィギュアスケート界の浅田真央さんのような人の影には、競争に敗れたたくさんの敗者が、くやしい気持ちをガマンしているはずです。

特別なオンリーワンに到達した人間の影には、競争に敗れて消えていった敗者がいるという現実を忘れることはできないのです。私達がテレビで何気なく眺めているオンリーワンのスター達の影には、多数の敗者が隠れています。

SMAPのようにジャニーズを目指しながらも願いがかなわなっかた人には、『世界にひとつだけの花』の歌詞は、どのように響くのでしょうか。

『世界にひとつだけの花』の歌詞の世界とは対照的な、容赦ない競争社会で働くしかないのが現実の社会であるという、世の中の見かたがあるということにも留意してほしいと思います。

タイトルとURLをコピーしました