苦情対応する際にとっておくべき記録
苦情対応は仕事をしていれば必ずと言っていいほど経験することになる対応の1つです。苦情対応の際にはメモをとることが多いでしょう。この際に何を書き残し、記録を取るのかということに迷ってしまい相手の苦情を的確に聞き取れず、余計に状況が悪くなるということがあります。このことにより、お客様との対話も上手く行かなくなりますし、社内での情報共有の際にも苦情の内容が把握できず情報共有が遅れたり、改善に繋げることが出来なかったりすることもあります。このようなことがないようにここでは対応をスムーズに進めるために必要な記録方法を確認しておきましょう。
気をつけること
苦情対応の際に大切なことはまず、相手の話を謙虚に聞くということです。ここで気をつけなければならないのは記録を取ることに集中してしまわないようにすることです。ここで、もしも手元に集中してしまうあまりに、相槌も打たずに謝罪の言葉もしない状況が発生してしまうと、相手が更に怒りをおぼえ、より問題を深刻化させてしまう場合があります。苦情を話す相手はまず、前提として怒っていることがほとんどです。その怒りを表面的に出していなかったとしても、苦情を言う時は誰しも勇気もいりますし、相手にその内容を伝えるために必死になっています。その時に、対応者のマナーが悪ければ更に怒りを買うこともあるのです。対面の時は、相手の目をみて謝罪をし、記録を取るということもできます。しかし、電話の際は表情も見えませんし、謝罪の言葉があっても気持ちが伝わらないなど、様々な問題が発生します。まずは相手の聞き手になることが大切であり、自分本意な言動には気をつけるようにしたほうが良いでしょう。
記録のとり方
苦情対応の際の記録のとり方は会社によって形式も異なりますが、主に3つのポイントがあります。まず第一に、相手の苦情内容をまとめるということです。相手の名前や住所電話番号等についても記録に残します。相手がどのような事を苦情としているのかということについてできるだけわかりやすく書いていきます。
第二に事実確認を行います。本当にそのような事があったのかということについて従業者含めての事実確認を行います。社内共有にも必要な部分になるのでここも担当者はもちろんですが、従業員全員で確認を行って下さい。第三に対応状況についてまとめます。時間やその対応時のことについて出来る限り詳しく、分かりやすく書きます。対応にかかった時間が長ければ、それは今後仮にも似たような苦情対応をする際にも注意しなければならない内容として社内で把握する必要があります。重要なのは後から読み返した時に、内容がはあくできるような記録を残すということです。
苦情対応で使える例文
例えば苦情対応で使われる基本的な例文としては以下のような形式のものがあげられます。
電話やメール、手紙の苦情対応方法
電話
基本的に電話では顔が見えないということもあり、相手の感情がわかりにくい場合があります。また、顔が見えないために相手に怒りをより露わにして電話をかけてくる場合もあります。両者とも対応が難しいですが、電話の場合はまずは話を聞いた上で「大変申しわけございません」と謝罪を述べ、詳しい事情について話をきいていく必要があります。顔が見えないだけに表情を声色にできるだけ表現して対応しなければなりません。相づちは「はい」とはっきり声に出し、相手の話していることを復唱するなどしてきいているということを相手に伝えるようにする対応方法だと相手も誠意を感じ、より話しやすくなります。
メール
メールの対応は文字だけのやりとりになります。感情が伝わりにくく、場合によっては炎上するという特徴があります。メールの対応は送るのも手軽なため、早急な返信が求められます。メールの内容はネット上で公開されることもあり、会社の評価を左右してしまうこともあります。対応の際にはメールだけのやりとりにせず、電話での確認をとったり、直接面会するなどして相手との直接のコミュニケーションを心がけることが大切です。
手紙
手紙のような文章で対応する場合は、上の引用の内容のように、形式に従って書面を書く場合が多いです。相手へ誠意が伝わるよう、言葉選びを慎重に行いましょう。
苦情対応の基本と応用
苦情対応の基本
苦情がくる原因として、まず、製品不良が考えられます。製品不良は約束不履行や納期の遅れなども入ります。折り返しメールの連絡や電話の連絡をすることを伝えておきながら、何も連絡をしなかった場合などもこれに該当します。次に接客態度です。レジ担当者がお釣りを雑に渡したり、礼儀に反した言動をしたことにより苦情の連絡が入ることがあります。また、社内ルールの押しつけも苦情の原因になります。
会社ではこのような決まりになっているという説明では納得しない場合も多いので、経緯説明や理由付けをした上で対応することがもとめられます。また、勘違いや不注意による苦情もあるでしょう。社内の伝達ミスも去さることながら、顧客側の勘違いや不注意ということもあります。お釣りを返してもらっていない、荷物をわたされていないという苦情の後、折り返し連絡がきて、顧客側の勘違いや不注意によるものだったということもあります。さまざまな苦情のパターンがありますが、基本対応は同じです。謝罪とそれに対する改善点の提案をするというながれになります。言葉の選び方1つでも苦情対応の質は変わってきます。苦情対応は初期対応で決まると言われています。初期の迅速な情報伝達と適切な対応がなされていないと苦情がトラブルを招くこともあります。また、基本として、声のトーンや言葉の選び方は慎重に行う必要があります。もしも、自分では対応が難しい場合には折り返し連絡する旨を伝え、連絡先と名前をきいて対応するのが基本です。
苦情対応の応用(心構え)
苦情対応をしていると同じような苦情が入ってくることもあります。そのために慣れがしょうじてしまい、苦情を軽視して、対応がおろそかになる場合があります。自分は会社の看板なのだという自覚をもつことが重要です。また、苦情の問い合わせでは相手に感情を当てられ、自分自身のコントロールができなくなるひともいます。苦情対応では個人の意見を持ち込む場面ではないということを理解する必要があります。自分の感情をコントロールし、まずは相手のことを優先する対応が会社では求められています。
「誰が担当者なのか」という事が苦情の問い合わせの時に問題になることがあります。しかし、これは見当外れな問題です。大切なのは同じ苦情が来ないよう、改善努力をすることであり、「誰がやったのか」ということが先ではないのです。また、「自分は担当者ではないからわからない」とやった人を探すために時間がかかり、問題をたらい回しにしてしまっては対応がさらに遅れてしまいます。まずは原因を追求して、適切な対応をするようにしましょう。苦情は誰かの問題ではなく会社の問題です。
自分は関係ないと他人事に思わずに、情報を共有して適切かつ迅速な対応を行い改善策を考える必要があります。また、苦情対応の際には安易で消極的な判断を下してしまう場合もあります。これは会社に入りたての社員が状況を把握することが出来ず、自分本意な言動をしてしまい起こってしまうことが多いようです。どの社員が苦情をうけても担当できるように事前に対応マニュアルを準備しておくことや、苦情の例についてまとめたものを共有しておくと良いでしょう。
その際には細かい用語についてもわかりやすく記載することや、研修を開いて全員が同じ認識で対応ができるようにする必要もあります。いずれにしても、自分は関係ないと考えたり、逆に自分本意な言動をとって独断行動をしたりすることは苦情対応では気をつけなければならない考え方です。より良い顧客サービスのために社内でできる苦情対応についてもう一度検討してみると良いでしょう。
苦情に臆する事なく
いかがでしょうか?
苦情対策の基本から応用まで話していきました。
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。