可処分時間とは
可処分時間とは、”自分の裁量で自由に使える時間のこと”です。人の生活において、1日のうちにはいろいろなことをやらなければいけません。食事をしたり、身支度を整えたり、仕事をしたり、掃除をしたり、勉強をしたり、友達と遊んだり、子供がいれば子供の面倒をみたりする必要もあります。私達が持つ1日24時間のうちで、絶対にやらなければいけないこと(※身支度、食事、仕事、家事、睡眠など生活維持に必要な時間)を差し引いた後に残る、自由に使える時間が可処分時間です。私達はその可処分時間を使って、友達と会ったり、テレビを見たり、ゲームをやったり、自分の趣味に没頭したり、自己学習の勉強をしたりします。可処分時間が多い程、自分が自由に使える時間が増え、人生の満足度が高まることは言うまでもありません。
日本人の可処分時間は?
総務省調べによる「社会生活基本調査」です。この調査によれば、日本人にとっての可処分時間は1週間に男性で106.73時間、女性で105.50時間です。平日に限定すると、男性で13,57時間、女性であれば13.8時間です。つまり平均的な日本人は1日に2.6時間の可処分時間があるという事になります。
この空いている2.6時間の余暇時間に、日本人は何をしているのでしょうか。1日の余暇時間の中で、パソコンに向かっているという人がおよそ8500万人存在します。漫画を読む、ゲーム機に向かってゲームをしているのがもっぱらだ、という人は少数です。つまり、余暇時間を最も長くすごすパソコンというメディアの上で、いかに戦っていくか、という問題が、現在のエンターテインメント産業には課せられているといえます。
可処分時間の定義
可処分時間」の読み方は”かしょぶんじかん”です。
「可処分時間」とは、広義では”消費者が自由に使える時間”、狭義では”消費者がアプリやメディアをはじめとするIT関連サービスを利用する時間”といった意味があります。
可処分時間の計算式
可処分時間の計算式は、次のように考えられます。
1日24時間−(固定費時間+変動費時間)=可処分時間
1日は24時間で、そこから「自由にならない必ず発生する固定的な時間」と「日々変動するが自由にならない時間」を差し引いた残りが可処分な時間です。具体的な例を列挙すると以下のとおりです。
○固定費時間
睡眠、身じたくや化粧、食事、通勤時間、会社の勤務時間、日々の買い物、家事などです。
○変動費時間
子育て、家族のためのレジャーや娯楽などです。ここでは、家族のための時間は自分自身のプライベートで自由自在になる時間とは切り離して考えます。
もちろん、これは曜日によって、また終日か週末かによっても大きく違います。ただし基本的な考え方は同じです。私たちのライフスタイルはますます多忙を極める傾向にあり、自由に使える可処分時間はますます減少しているように感じています。
もうひとつの可処分時間の定義
可処分所得と同じように考えると、可処分時間は次のように定義することもできます。
※可処分時間=消費性向時間+貯蓄性向時間
消費性向の可処分時間とは、後から収入アップに好影響を及ぼすことのない時間の使い方です。これに対して、貯蓄性向の可処分時間とは後から収入アップに繋がる可能性の高い時間の使い方です。具体的な例は以下のとおりです。
○消費性向
娯楽(スマホ時間、テレビ、映画、食事、ショッピング、読書)、レジャー(旅行、観劇、コンサート)など
○貯蓄性向
読書、投資、エキササイズ、資格取得、学習、執筆、個人出版、セミナー、人的交流、知識の整理など
市場における可処分時間の奪い合い
昔はテレビが可処分時間のほとんどを占めていました。夜に家で何をしてるかと言えば、家族みんなでテレビを見ていたことでしょう。だからこそ、テレビの話っていうのはどこでも共通の話題となり得たんですよね。ただ、今テレビが共通の話題になるってことは、ありえません。少なくとも僕は全然見てないし、まわりとそういう話をすることもないですね。今は可処分時間の使い方が、本当にバラバラになってきました。例えば同じようにスマホでゲームをやってるって言っても、そのタイトルがまず違うし、SNSやってるって言っても、ツイッターだったりインスタグラムだったりします。みんなの選択肢が飛躍的に増えました。
ちょっと空いた時間(可処分時間)の奪い合い
可処分時間の奪い合いっていうのは、すなわち隙間時間の奪い合いのことです。スマホが世に浸透するにつれ、みんな隙間時間の使い方が上手くなりました。なぜなら手の中のパソコン(スマートフォン)があるからです。細切れの時間にSNSを見たり、ちょっとゲームをする人は本当に多いでしょう。ちょっと時間が空けばすかさずスマホを見るのが、もう癖になっている人も多いでしょう。隙間時間が10秒でも見ています。各企業がこの時間を奪いに来ています。つまりテレビの競合はスマホであり、SNSであり、Kindle Unlimitedなわけです。同じように時間を取っていくもの全てがライバル同士なのです。
可処分時間を増やすには
可処分所得を増やすには、可処分時間をいかにうまく使うかです。可処分時間をコントロールできなければ、当然のことながら結果はついてきません。結果を出すためには、欲しい結果から逆算して毎日の時間をどう使えばいいかを考えていく必要があります。たとえば、打率3割を目指すのであれば打率3割を目指すのであれば、まずは打席に立つことが必要です。その上でコンスタントにヒットを打つためにトレーニングをしながら、試行錯誤していくことになります。3打席で1回ヒット打ったとしても、10回打席に入って3回ヒットを打てるとは限りません。でも、100回打席に入って33回ヒットを打てるようになったとしたら、それは質が伴ってきたとか、型ができてきたと考えることができるかもしれません。
こういう状態を作り出すために自分の可処分時間をどう使っていくか、これは自分との勝負です。1日に3回打席に立つ人と、1週間に1回しか打席に立たない人ではどちらの方が早く成長するかは考えるまでもないです。量をこなしているのにうまくいかないと思っても、それは量がまだまだ足りないのかもしれないし、量を質に転換できていないのかもしれません。大切なのは、試行錯誤の中から何が足りないかを見つけることです。それがわかれば、補い、改善していくことができますからね。
時間の上手な使い方のポイント
○自分が本当は何に時間を使っているのかを把握する
○欲しい結果から逆算して時間の使い方を考える
○可処分時間をコントロールしなければ可処分所得は増えない
○可処分時間を意識して結果につながる行動をとる
○時間の使い方にムラをつくらない
「言うは易く行なうは難し」なんて言いますが、良い知らせもあります。時間を意識しながら量をこなし続ければ、質に転換できて結果につながるということは、多くの人が証明してくれていることでもあるのです。うまくいっている人を見習うのが成功の近道です。可処分時間を意識して行動量を増やしていきましょう。
可処分時間を意識してみよう
いかがでしたか。
社会人になると、平日ではなかなか自由に使える時間がありませんよね。現在では、可処分時間の使い道は、テレビからインターネットへ変わりつつあります。家族の時間は十分にとれていますか?また、趣味の時間はしっかりと取れていますか?自分の可処分時間をどのようにすごしているのか振り返ってみてください。スキマ時間などを上手に利用して可処分時間の増加を意識しながら生活できるようになりましょう。