勝ち組とは
勝ち組には主な意味が二つある
『勝ち組』を調べてみると、主に二つの意味がある様です。
・第二次世界大戦を日本の勝利と信じているグループ
・社会での競争に勝って成功し、意気が高い側(の人や会社)
戦後日本が勝っていると信じている人達のことも『勝ち組』と表現するということは、今回初めて知りました。ポジティブに物事を捉えている視点や考え方そのものが、どことなく今の『勝ち組』という意味合いに重なりますね。言うまでもなく今回、この記事でメインとなるのは、後者の『勝ち組』の方です。
エリートは勝ち組なのか
『勝ち組』と似た表現に『エリート』というものがありますが、両者の中に違いはあるのでしょうか。結論から言うと、「『勝ち組』と言う括りの中に『エリート』も含まれる」ということが出来ます。
そもそも『エリート』というのは『精鋭』、『選ばれた者』という意味で使われる言葉であり表現です。会話で使う場合には、そこから転じて、『優秀で収入や生活にも恵まれた人物像』を思い描くときや表現するときに使う言葉となっていますね。
この『エリート像』というのが『勝ち組』の意味する『勝ち』の要素を多く持ち合わせています。両者の言葉の意味合いは『非常に良く似た表現である』といえるでしょう。
資本主義社会の生み出した比較的新しい価値観
一般的になった方の『勝ち組』という表現方法は比較的最近の使われ方です。前述したように、本来の『負けたことを認めずに勝ったと信じ込むこと』から転じて、字面を“都合よく”“安直に”判断したのが、今使われている『勝ち組』という表現です。使われ方は比較的偏っていて、『お金持ち』『一般的に言われる幸せを手にしている姿』『優れた容姿』などを持ち合わせた人達に向けて、畏敬や尊敬の念を込めて使う場合が多い様です。
勝ち組の年収
勝ち組の年収は幾らから?
さて、ここでは『年収』という部分に着眼点を置いて『勝ち組』を見ていきましょう。ここで『年収』を引き合いに出すのは、筆者が『年収至上主義』であるとかそういうことではなく、単純に「数字としての評価が明瞭で定量的に判断が出来るから」です。要は、「目で見て、耳で聞いて分かりやすい判断基準だから」という理由で『年収』で考えて行きます。
さて、一般的に歳代で万円ほどの年収であれば平均的といわれています。仮に、世の中の3割が『勝ち組』残りが『負け組』と考えた場合、平均年収と割合から『勝ち組』と言われる人達の大よその『年収ライン』が見えてくるのです。厚生労働省の発表に寄れば、生涯の年収のピークは50代で、530万円程度(年度により誤差あり)となっています。推定ではありますが、ここから『勝ち組』の年収を計算してみましょう。
前述したように全体の3割程度が『勝ち組』であると想定した場合、ピーク時の年収を『600万円以上』とすれば、『勝ち組』に入ることが出来そうですね。これに伴い、ピーク時にこの年収を見込める『職業』や『業界』を選択していくのは、生活する手段を考える上では良策と考えられます。
年収だけで勝ち組かは決まらない
『年収』は『勝ち組』か否かを判断するのに大きな指標であるのは間違いないですが、それだけでは『勝ち組』と決まるわけではありません。
世の中には『年収』がいわゆる『高所得者』=『勝ち組』の金額に到達している人でも、心が荒んでいる人や、体を壊してしまう人が大勢いるのです。果たして、そのような人たちは幾ら『年収』が高いとしても『勝ち組』と言えるのでしょうか。
かつての勝ち組の定義からすれば、それでも勝ち組といえたでしょう。しかし昨今は収入に限らない人生の選択をする人も増えています。物差しが多様化され、判断基準が増えた今、単なるお金持ちに対し手の評価は以前ほど高いものではありません。
プア充は勝ち組ではないか
昨今、年収が高くなくてもプライベートな時間を充実させたライフスタイルを過ごしている人々が増えています。『プア充』と呼ばれる人達です。『プア充』にはある一定の定義がある様です。簡単に紹介します。
年収は300万程度。それ以上は稼がない
>ローンを組んで、家や自動車を買うな
>仕事にやりがいを求めてはならない!
>お金が無くても「待つ」ことで快楽は味わえる!
>プア充になるための3つのポイント
・外食をしない
・規則正しい生活
・ストレスをためない
>貯金が無くても子供をつくるべき!
>まずは相手に迷惑をかけるべき
>働きすぎてはいけない!
>地方に住まない! 都会に住む!
といったようなものです。
極力無駄な出費を避けながら、労働時間を決めた働き方にしてプライベートな時間を充実させるというライフスタイルを選択していますね。この様な『プア充』達は、『高年収』ではなくとも人生を充実さており、十二分に幸せで満足のいく生活を手に入れている様です。
この『プア充』も『勝ち組』の一つと考えてもいいかもしれません。
勝ち組企業
勝ち組企業5社
●ソニー
日本のものつくりを牽引してきた企業です。日本国内では家電製品やゲームなどのイメージが多いでしょう。
CMOSイメージセンサと呼ばれる、スマートフォンなどに用いられる半導体関連の技術なども高く世界で市場を取れる技術を有しています。
その他、グループ子会社を通じて銀行業・生命保険業・損害保険業・不動産業・放送業・出版業・アニメーション制作事業・介護事業・教育事業などを手がけています。
2014年度の連結子会社数は1240社、日立製作所を200社以上を上回り日本1位を保持しています。また、広告宣伝費は4,444億円でトヨタ自動車を上回りこちらも日本1位です。社名でもある「ソニー」が世界屈指のブランド力を持つことでも知られ、「100-top Most Powerful Brands 2016」と「Top 100 Brand LoveList 2016[9]」において、日系企業で1位(世界ランキングではそれぞれ27位、9位)を獲得しています。
また、アメリカの就職先ランキングである「50 companies business students dream of working for(2015)」に日系企業として唯一ランクイン(24位)したことでも知られる、世界的な優良企業です。
平均年収は800万円後半程度前後です。
●三菱商事
日本の五大商社の一つとして知られている三菱商事ですが国内初の株式会社の流れを汲んでいるといわれる歴史のある企業です。毎年の就職ランキングでも人気が高く、年収も高い優良企業の一つといえます。
国内外のネットワークを通じて、エネルギー、金属、機械、化学品、生活産業関連の多種多様な商品の売買や製造、資源開発、インフラ関連事業、金融事業を行うほか、新エネルギー・環境分野等における新しいビジネスモデルや新技術の事業化、総合商社の持つ機能を活かした各種サービスの提供など、広範な分野で多角的に事業を展開しています。
平均年収は1300万円を超えており、『高給=勝ち組』という認識を持つ人には、相当な『勝ち組』企業といえます。
●トヨタ自動車
『世界のトヨタ』とも言われる、超優良企業です。単一メーカーとしては日本最大で、世界各地に拠点を有していると同時に、トヨタグループの中核を占めています。2016年3月期連結売上高28.4兆円は日本国内首位です。傘下に同じ自動車会社であるダイハツ工業株式会社と日野自動車株式会社が存在し、富士重工業(スバル)の株式も相当数保有し筆頭株主となっています。
年収は800万円を超えています。
●楽天
今や国内最大級のECサイトとして名高い『楽天市場』を運営している企業です。創業当時と今では営業利益をEC事業が占める割合に大きな変化があります。現在はグループ営業利益の過半数をオンライン株式販売やクレジットカード等の金利・手数料収入で稼ぐオンライン金融事業者でもあります。その他、各種のオンライン事業を手掛けています。
インターネットショッピングモール「楽天市場」や総合旅行サイト「楽天トラベル」、ポータルサイト「インフォシーク」の運営その他ECサイトの運営を行っています。
楽天の平均年収は650万円前後です。年収の水準はそれ程高くないのですが、これには理由があり、社内の評価制度がしっかりと機能しているのです。従って、若くしても高年収を実現する人もいます。
そういう意味では、『勝ち組』になるべくして入社するような意識の高い方向けの企業であり、真に『勝ち組企業』であるということが言えます。
●Google
『ググる』という言葉で知らない人がいないといえる世界有数の企業です。検索エンジンやクラウドコンピューティング、ソフトウェア、オンライン広告といったインターネット関連のサービスと製品を提供している多国籍の企業です。傘下にYouTubeや有力なベンチャー企業を多数保有しています。
気になる年収ですが1100万円前後です。また、年収の幅が外資系企業ならではで相当広く600万円代から2000万円の中盤までの範囲に広がっています。
福利厚生も非常に魅力的な企業で、日本の風土ではあり得ない社風も手伝って日本国内からも憧れの目を向けられる企業といえます。
企業PRや広報の仕事は勝ち組?
“何”を持って『勝ち組』とするか、この様な話をするときには、必ずこの”何”という部分にフォーカスしなければ、答えは得られません。
『企業PR』や『広報』といった仕事は、名誉ややりがいは多く得られる仕事ですが、やり取りする人は多く、多様なスキルや能力が求められるので、いわゆる激務になりがちです。それ故に、『年収』という視点からは他業種よりも若干上乗せされている様ですが、実はそれほど変わりはございません。
『勝ち組』という考え方に、『年収』や『ライフワークバランス』などの概念や基準は各々あるとは思いますが、この『企業PR』や『広報』といった仕事はその二つのどちらもそれほど満たすような仕事とはいえないでしょう。
ただ、やりがいや、会社への貢献度、職場の同僚からの信頼や尊敬は得られることも多く、その意味では『価値のある仕事』とは言えます。余談ですが、広報では以下のような能力が求められます。
情報収集力&事務処理能力
社内広報についても、社外広報についても、情報収集力が重要になるのはご紹介していた通りです。自社、同業界について必要な情報を見逃さないようにしなければなりません。また、集めた情報を正確にまとめる事務処理能力も大切です。
コミュニケーション力&ビジネスマナー
情報を集める上で必要になるのが、このコミュニケーション力やビジネスマナーです。また、多様なステークホルダーとの良好な関係構築のためにも、この2つの力は重要になります。
表現力&デザイン力
プレスリリースや社内報の作成など、情報を集めるだけでなくアウトプットもするのが広報担当の仕事です。文字や言葉にして伝える力や、絵や図を見やすくデザインする能力も、広報担当に就く場合は備えておいて損はありません。
スケジュール管理能力&注意力
取材対応も広報担当の仕事ですから社内の人、社外の人のスケジュールを調整・管理する能力も広報担当には必要です。また、取材から記事になる際にその内容に目を通し、不適切な表現がないか、まだ社外に出してはならない情報が含まれていないかに目を光らせる注意力も重要です。
勝ち組の職業
芸能人
いわずと知れていますが『芸能人』は『勝ち組』の職業といえますよね。細かく分類してしまうと長くなってしまうので少々割愛しますが、『モデル』『俳優』を始め『お笑い芸人』や『コメンテータ』等、高年収で人生そのものも充実している方多くいます。
スポーツ選手
スポーツ選手も当然ながら『勝ち組』といえる職業でしょう。最近だとWBCで盛り上がりを見せていた『野球選手』を始め、『サッカー選手』や『テニス選手』など、高額の『年俸』や『スポンサー料』を得ているスポーツ選手が多数いる職業です。
政治家
苦労も多く激務な方も多い『政治家』ですが、『名誉』と『収入』を加味すれば間違いなく『勝ち組』と言えますね。
起業家
『勝ち組』と言われる職業の中でも恐らく資産を最も残せる職業なのではないでしょうか。
投資家
企業かと同じく、多くの資産を残せる職業です。
貴族・王族
ネタではない、生まれながらに将来を約束された人達です。
本当の勝ち組とは
勝ち負けよりも、自分の幸せを追求すべき
皆さん、この記事を読んでいただいてありがとうございました。如何でしたでしょうか。『勝ち組』の価値観や言葉の使い方に納得いく方、納得いかない方いらっしゃったかと思います。実際、『勝ち組』『負け組』というのは自分自身や他人が決めた物差しの中での話でしかございません。
どんなに世間から『勝ち組』ともてはやされていても、反対に、どんなに世間から『負け組』と貶されていても、自分自身が人生や今の自分に『誇りを持てるか、堂々と生きているという自負があるか』の方が重要なポイントです。
自分の幸せを追求してきた人々の容姿や表情は輝いていますし、若々しく見えます。最近は金銭的な成功や名誉の部分の成功よりも心の成功について言及する話や意見、書物なども良く見受けられます。
そのようなことから総合的に判断すると、『自分のやりたいことを実行し、自ら成功を掴んで幸せな人』を真の『勝ち組』と表現できると言いきれます。
本当の意味での勝ち組になろう
結局、人生は他人と自分の評価が組み合わさって決まるもので、本当の勝ち組というのは、他者からの厚い評価と自分自身に持てる自身のバランスが取れた人のことを言うのではないでしょうか。そう考えれば数字や多数の評価だけで決められるモノが『勝ち組』なのではなくもっと大きな視点で見据えた、総合的な判断を持ってして『勝ち組』となるのでしょう。人生が続く限り、誰にも本当の『勝ち組』になるチャンスは平等に訪れるものです。そのチャンスをつかみ、努力を重ねることで、どんな人も『勝ち組』になれることでしょう。
さて、あなたは『勝ち組』ですか?