嫌いな同僚との上手な付き合い方|嫌いな同僚に結婚式に誘われたら?

ビジネスマナー

多くの方に嫌いな同僚がいます

お勤めすることになったら、「上司が苦手」「先輩が苦手」「取引先が苦手」これらは必ず起こりうる事態です。そして、これから出会う誰かが嫌いな同僚になることもありえます。同世代でジェネレーションギャップはゼロなのですが、馬が合わないばかりでなく、次第に嫌いな同僚へと変貌していきます。

言葉遣いや態度が目について、嫌いな同僚だなと思うこともあるでしょう。また、どういうわけかこちらに敵意を抱いて、小さな嫌がらせを繰り返してくる同僚もいるでしょう。筆者の場合、それは、誰しも大なり小なり経験がある中学高校時代にあった教室での嫌な出来事を思い出させてしまい、子供の世界も大人の世界も大差ないことにウンザリしてしまったことがあります。

嫌いな同僚が周りに一人も存在しないだなんて夢のような出来事です。ただ、頭に小鳥をいっぱい持つことは諦めなければなりません。どんな職場でも同世代が一定数集まれば、どこかで軋轢が生じます。残念ながら人間関係の不和から逃れられる方法は皆無なのでしょう。天災のように、発生するものだという気構えが必要です。

では、職場に嫌いな同僚がいる場合、どのように接すればよいか。嫌いな同僚に対して自分の気持ちをどうセルフコントロールしていくかを考えていきます。

どうして「嫌いな同僚」なのですか?

嫌いな同僚といいますが、どうして嫌いなのでしょう。理由は様々でしょう。「声が異様に小さい」「自慢話をする」「愚痴ばかり聞かせてくる」「仕事を押し付ける」「借りたものを返さない」「毒舌が過ぎる」など、数え上げればきりがないのですが、それぞれに共通しているのは、あなたを軽んじるから嫌いなのではないでしょうか。

例えば、「あの人は自慢話をして玉に瑕だけど、他人のことも認めて大らかな人」は嫌いな同僚になりません。「引っ込み思案で声も小さく、コミュニケーションをとる際にすこしイライラしてしまうけれど、相手のことを思いやる優しい人」のことを嫌いな同僚と思う人もいません。せいぜい困った人レベルでしょう。見下されると誰だって傷つきます。それに上司や先輩からだったらまだしも、同世代の人間から軽んじられると憤慨し、口もききたくなくなります。

嫌いな同僚に対して、出来るなら処置は早めにしましょう。

嫌いな同僚ができてしまうと大変です。仕事が楽しくありません。人によっては頭の中が、仕事前も仕事中も仕事が終わった後も、ずっとその嫌いな同僚でいっぱいになるでしょう。頭の中が嫌いな同僚の悪口だらけになる前に、手を打てる方は早めに先延ばしせず打ちましょう。なるべくご自身の傷も相手との溝も浅い方がよいです。
 
しっかりと嫌いな同僚に対して「あなたに悪意はないかもしれないけれど、そのような態度は傷つくし正直戸惑っている。今後言動には気を付けてほしい。」という旨を毅然としてお伝えください。直接言いにくいなら、メールでも問題ないと思います。そして「もしかしたら、私も無意識のうちにあなたを傷つける言葉を発していたかもしれない。なら許してほしい」というのも忘れずに付け加えることをおすすめします。

相手を責めてばかりの姿勢より、公平性を持っている姿勢を嫌いな同僚にアピールしましょう。実は話してみると、相手もあなたを軽んじるつもりはなかった、ほんの誤解だった、ちょっとした行き違いだった、ということ結構多くあります。

早めの処置が出来なかった場合

嫌いな同僚に対して、早めの処置や対策が出来ない方もいらっしゃるでしょう。それは決して、悪いことでも恥ずかしいことでもありません。相手の無礼な行動に面食らったり、相手と正面からぶつかることが慣れていない方にとっては、ご自身の気持ちを伝えることはとても大きなハードルです。

そして対処法が遅くなってからでも、嫌いな同僚に屈する必要はありません。対処法が遅くなったからこそ、あなたにとって有利に運ぶ可能性もあります。人は見ていないようで見ています。あなたが嫌いな同僚に対して我慢を重ねている長い間に、ほかの人も何かしら感じることが出てくるはずです。あなたの悩みに共感してくれる人が必ず一人います。まずはあなたの味方を見つけてください。

それは嫌いな同僚へ仕返ししたり、陰口を言い合う相手ではありません。共感してくれる人を見つけましょう。これだけで全く職場環境が変わります。先輩や同期をランチや夕食に1対1でお誘いして、嫌いな同僚のことを相談しましょう。

相談の仕方

その際、絶対守らねばならないのは嫌いな同僚の陰口や愚痴にならないように感情を抑えることです。そして「もしかしたら、自分が何か気に障ることをしたのかもしれない」という謙虚な姿勢を持ちましょう。自分が嫌いな同僚のこういう言動に困っている、どうかご助言を願えないだろうかと教えを乞う気持ちで冷静に話すことが大事です。間違っても嫌いな同僚の人格否定・批判の言葉を並べてはいけません。そうすると、聞き手は、表面はうなずいていても、あなたを白い目で見始める可能性があります。最悪の場合、あなたの味方でなく嫌いな同僚の肩を持つことも考えられます。

相談後は、相手に感謝の気持ちを必ず述べるようにし、二度三度この話はもうしない、と伝えてください。そうすることで、その人はあなたの味方になります。また、聞き手を疲れさせないように気遣うことは大事ですが、器用にお話をする必要はありません。自分の嫌いな同僚に対する不器用な気持ちをいっそ、そのまま、口にしましょう。その方がかえって人の心を掴みます。

口下手というのは長所です。純朴で真面目な印象を相手に与えるのに、うってつけです。人は口のうまい人間を腹の底では信用しません。その食事の会計は全て自腹が相手に対するマナーです。嫌いな同僚との対処法の「必要経費」と思えば安いです。

相手と距離を置きたくなった時

嫌いな同僚が、相変わらず態度を変えないままだと、うんざりします。あなたのことを嫌いでないから、あなたの辟易した気持ちに気付かずに接してきます。相手と離れたい気持ちになっても、それは自然なことです。ただ、嫌いな同僚とは言っても職場のため挨拶や職務上の会話は必要です。嫌いな同僚とどのように距離をとったらよいのでしょうか。

嫌いな同僚には敬語が有効です。

同期との会話に敬語を使う必要はないのですが、嫌いな同僚の場合「敬語」が効果的です。一定の距離を置いて付き合いたいが、お仕事上の最低限のマナーはお互い守りましょうという壁を嫌いな同僚に対して作ることができます。

嫌いな同僚も初めはあなたの敬語使いに戸惑うでしょう。しかし、そうすることであなたの気持ちが伝わります。例えば、妙に馴れ馴れしくされて、仕事を押し付けられることも減ります。上手くいけば、嫌いな同僚があなたに対する態度を180度変えることも見込めます。

無視されてしまった時

嫌いな同僚があなたを無視して仕事にならない酷いことが発生したとします。ご自身は我慢して大人の対応を心掛け仕事をしてきたのに、嫌いな同僚からそのような辱めを受けてしまった方、たくさんいるのではないでしょうか。仕事上に障りがあるだけでなく気分も害してしまい、とても職場に通い続けるのはお辛いことと察します。

これは勇気を出して、先輩や上司に報告です。それしか道はありません。例え先輩・上司が嫌いな同僚の味方をしていようとも、それでもぶつからねばなりません。直接上司に話しづらい場合はメールにしましょう。メールで相談することを上司に叱責されても、黙っているよりずっとよいです。黙っていると嫌いな同僚は調子に乗って、もっと酷いことをあなたにしてきます。嫌いな同僚の専横を食い止めてください。

「嫌い」ではなく、「怖い」のではないでしょうか

嫌いな同僚と表現していますが、この「嫌い」というのがちょっと曲者です。嫌いなだけならば、堂々と対応できるのですが、嫌いな同僚に遠慮してしまったり、意見を伝えられない、というのは相手が「嫌い」なだけでなく、「怖い」のです。
 
嫌いな同僚はあなたの深層心理に気付いています。自分に絶対歯向かってこない自信があり、動物的なカンや嗅覚と言えます。故に嫌いな同僚はあなたに対して一方的に主張をします。まずは「怖い」から「嫌い」になりましょう。

まずはあなたを癒してください。

嫌いな同僚ならぬ、怖い同僚にさんざん嫌がらせを受けた方は、相当心身ともに疲弊しています。そんな中で相手に反撃などできないでしょう。まずは嫌いな同僚や怖い同僚から物理的に離れてください。好きな食べ物を食べ、ゆっくり湯船につかり、自身を取り戻してください。

怖い同僚でなく、嫌いな同僚と思わなければ反撃もままなりません。相手と戦う練習としてイメージトレーニングがおすすめです。自宅で嫌いな同僚を想像して、「あなたの行為に傷ついているし怒っています」と何度も声に出して練習しましょう。

ひょっとすると、始めは声も出ないかもしれません。でも、これは与えられた人生の試練として考えましょう。頑張って、嫌いな同僚を想像して自宅でトレーニングしてください。

見た目も大事です

あなたを攻撃してくる嫌いな同僚、見た目どうですか?生まれ持った容姿の話ではありません。髪、皮膚など健康的なこと多くありませんか?元気な人は弱弱しく見える人を攻撃することがあります

あなたの嫌いな同僚、これに該当してませんか?嫌いな同僚は、エネルギッシュではありませんか?自身ではそのつもりがなくても、足元を見られがちな人は、髪型が多少だらしなかったり、ファッションも変わっていたり、もしくは無頓着だったりします。

服装や髪型を今風に変えるだけでずいぶん周りの反応は変わります。嫌いな同僚からの無用の嫉妬を避けるために派手なものはいけませんが、清潔感を主とし侮られない見た目を心掛けてください。

そして何よりも姿勢です。背筋をぴんと伸ばしていると自然と嫌いな同僚から、なめられることが減ります。

嫌いな同僚の結婚式について

こちらは苦手なのに嫌いな同僚は、いつも飲み会に誘ってきた場合、うまく噓をついて断わることができても、「結婚式のおよばれ」はそれが難しいです。

嫌いな同僚相手に休日を奪われ、ご祝儀も用意するなんて頭を抱えてしまいます。嫌いな同僚の笑顔を見るのも正直面白くない方もいます。ただ、これもまた宮仕えにおける「よくある悩み」です。さて、嫌いな同僚の結婚式に出席しますか?嫌いな同僚だから欠席しますか?

無理にとは言いませんが、基本は嫌いな同僚の結婚式の御呼ばれと言っても自分の他に職場の皆さまも出席なさるのなら、なおさら出席しなければなりません。嫌いな同僚の結婚式なんぞ、休日出勤するような鬱陶しい気持ちでしょうが、公的なお誘いですので飲み会を断るのとはわけが違います。

そして出席したからには嫌いな同僚であっても、満面の笑顔で祝福します。これはあなたが祝福する笑顔を職場の皆さんが見て、あなたに高評価を下すことを狙うためです。周りの人は「普段は職場で色々あるのに、列席者として結婚式の幸せな雰囲気を壊さないばかりか、このように人の幸せを我がことのように喜ぶとは、なんと清々しいものか」となります。 

反対に仏頂面を一瞬でもしようものなら、あなたの良識を疑われます。下手をすると、嫌いな同僚の披露宴終了後から職場でのあなたの信頼は失墜します。嫌いな同僚に同情が寄せられてしまいます。

参列を見送る場合

事と次第によっては、嫌いな同僚の結婚式には嘘をついて上手に欠席することも「あり」でしょう。欠席するにしても「礼儀」を欠かなければ大丈夫です。

嫌いな同僚の披露宴を欠席する代わりに、お祝いの贈り物をする場合は、商品券などの「消えもの」を贈ることをおすすめします。今後も嫌いな同僚と上手に距離を取るためにも、あなたの個性が見えにくい、嫌いな同僚の記憶に残りにくい贈り物がいいでしょう。

自分が挙式する際の嫌いな同僚への対応

嫌いな同僚からの結婚式の御呼ばれの悩みは、本当は出欠うんぬんではありません。ご招待を受けたら、例えあなたが参列しようとしまいと、将来あなたは嫌いな同僚に自身の結婚式のご招待をする必要があります。

愛する人との門出に嫌いな同僚がいるだなんて、華やかな気持ちに大きなシミがぼったり落ちる気持ちです。

でも、無理をすることはありません。解決策として、そもそも職場の人を呼ばない小さな結婚式をプランする方法があります。そうすれば嫌いな同僚の参列を阻止できます。今は近親者のみの結婚式が当たり前のようにあるので、何も不自然でありません。

「身内のみの小宴をささやかに行います。今後ともよろしくお願いします。」という旨のお知らせをすれば、マナー違反ではありません。嫌いな同僚からお祝いの贈り物が届いたら、きちんとお礼のマナーをすれば、もうそれでスッキリ解決します。

結婚式はあなたと配偶者様との大事な記念日です。お二人が健やかに過ごせるようにプランしてください。誰に気兼ねすることがありましょうか。挙式当日くらい、嫌いな同僚のことは忘れてください。

嫌いな同僚の送別会

嫌いな同僚が転勤、退職となり職場で送別会を開くことになった場合、「大人の対応」で笑顔で出席はするものの、皆の前で挨拶を求められた時は困りものですが丁寧にゆっくりとスピーチをすることで、声色から負の感情が取り除けます。

「〇〇さんと一緒に働いたことで学べることがたくさんありました。新しい地でのご活躍を期待しています」という文言が当たり障りないです。余談ですが、嫌いな同僚だったのに、一緒に働かなくなった途端に嫌いな感情が一瞬にして霧消したり、それどころか仲良くなった方も実際この目で見てきました。

嫌い続けるのも、辛いです。

毎日、頭の中が嫌いな同僚の不満だらけだと、相当なストレスになります。あなた自身は悪くなくてもいつもため息、不満げな表情をしていたら、周りの方にもそれは伝わります。

職場環境が悪化することは避けたいです。ご自身と嫌いな同僚だけの問題でなくなります。上司も先輩も取引先の人も笑顔の人とお話をしたいです。嫌いな同僚が退職してくれれば、嫌いな同僚が転勤してくれればと何度願い、でもその日はいつ訪れるのか知れたものでなく、ストレスとの闘いとなるのは心身ともに相当負担になります。

いっそこの気持ちがなくなれば、と自分の気持ちの持ちようを見直すことも一つの手でしょう。それにはいったん、嫌いな同僚のことを頭から出して、「自分は嫌いではないけれど、職場には自分を嫌いな同僚がいるかもしれない」という別の視点をもつことです。
 
ひょっとしたら自分は誰かにとっては嫌いな同僚かもしれないと思うと、不思議なことに冷静な気持ちになれます。

嫌いな同僚との仕事が自己の研鑽になります。

嫌いな同僚とは厄介なものですが、そのような人と折り合いをつけて仕事をした時期が人生であるというのは、相当な自己の研鑽です。時に自分を抑え、時に自分の意思を冷静に伝える努力をし、周りとの調和をはかることは大切なことです。人はこうして本当の意味で大人になっていきます。

嫌いな同僚がいても、歯を食いしばってお仕事をしている方を私は本当に尊敬します。嫌いな同僚といつか何かのきっかけで和解できるようになりましょう。

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