めんどくさいバイト
学生やフリーターの皆さんは、めんどくさいバイトに遭遇したことはあるでしょうか。人間関係が複雑だったり、業務が煩雑だったり、上司がめんどくさい人だったり、いろいろな理由はありますが、めんどくさいバイトと言うものは確実に存在します。慣れている人だったら良いのですが、初バイトだったり、初めての業種だったりして慣れていないと、どうしていいかわからないことが多いと思います。ここではそんな方に向けて、もしめんどくさいバイトに遭遇してしまったとき、もしくは遭遇しないための方法についてお話します。
まずは、どういうバイトがめんどうくさいバイトなのか、それを理解することで、めんどくさいバイトに当たらないための知識をつけていきましょう。
めんどくさいバイトの条件
一概にめんどくさい、とは言いますが、個人によってめんどくさいと思う条件は異なります。ですので、ここでは特に、一般にめんどくさいとされやすい=悩みのタネになりやすいバイトの条件をあげていきます。
人数が多すぎる
バイトの人数が多い、具体的には100人規模のバイトは絶対にめんどくさいです。何故なら、人数が多いということはそれだけ人間関係が多く存在し、それらが全て干渉しあっているため、派閥争いや横恋慕、男女間の溝やいじめなどが存在する確率がそれだけ高いからです。また、バイト内コミュニティが乱立していると、それだけ自分も身の振り方をかんがえなくてはいけませんし、八方美人でいるとそれはそれで全てのコミュニティから独立してしまうため良好な関係を築けないなど八方塞がりな状況に追い込まれます。
それにバイト先でのあっさりとした人間関係や静かなSNS環境を望んでいる人にとっては、大量の人数から頻繁に来る複数の飲み会や合コンの誘いが煩わしくて仕方ありません。またバイトを始めるときや辞めるときにたくさんの人に挨拶をしなくてはいけませんし、旅行などに行くとそれだけおみやげ代も嵩みます。バイトの年齢層がばらばらだったりすると目も当てられません。
人数が少なすぎる
逆に、人数が少なすぎてもめんどくさい傾向が強いです。先輩が親切な人であれば問題ありませんが、すでに完成した小規模コミュニティに新規に参入するのはなかなかのコミュニケーション能力を要しますし、またもし自分とそのバイトが合わなかった場合には同じ人にずっと申し訳ない思いをし続けることになります。バイトを辞めるときにも言い出し辛いことが多いですし、よくわからない不文律がすでに完成していてそれを教えてもらえない、なんてこともざらにあり、めんどくさい職場であることが非常に多いです。
有名チェーン店である
有名チェーン店でのバイトはめんどくさいです。何故なら有名チェーン店は店舗ごとにサービスや商品の質を変化させないように対策を取っており、それを外れて業務をすることが出来ず、その対策が如何に非効率的なものであったとしても、それに従わなくてはならないからです。暇な店舗ならまだしも、繁華街のど真ん中にあったりするとどんなに忙しくても楽が出来ず、理不尽な思いをして仕事をしなくてはなりません。
マニュアルどおりに作業することが苦痛ではない人は大丈夫かもしれませんが、なるべく楽をしたいという人や、作業の効率化を図りたい人にとってはかなりめんどくさいです。また、元締めが大手なので店舗単位の意見が通り辛く、どんなに文句を言っても環境が変わらないのも辛いところです。加えて、下記の「雇われ店長」が店の有数であったりすると、状況の改善は最早望めないものになるでしょう。
雇われ店長の店である
店長が雇われ店長である場所でのバイトはめんどくさい確率が高いです。店長が雇われ店長だと、店長に権限がないことが殆どで、業務において改善すべき点があって、それがどんなに合理的であったとしても、現場への反映には時間がかかります(そもそも改善の意見が受け入れられないこともあります)。また、しきりに正社員がバイトの業務視察に来たり、本社からのむちゃくちゃな企画やイベントなども受け入れざるを得ず、結果バイトが振り回される、という事態がざらにあるのもめんどくさいところです。要するに現場と上の連携が取れていないことが多く、そのあおりを食らうのは概ねバイトなので、総じてめんどくさいバイトである可能性が高いのです。
「お局」的な立ち位置の人がいる
「お局」、つまりベテランの中高年女性パートなどが現場にいると絶対にめんどくさいです。勿論良い人もいるでしょうが、お局は自分の好みの人員を露骨に贔屓しますし、嫌味も言います。それでいて店長や正社員には愛想よく接し、バイト中は取り巻きと駄弁ってばかりで自分は仕事をしない……ということが非常に多いです。自分はお局に対して何も思わなくても周囲が反発して派閥争いの原因になるなどトラブルも予想されます。中途半端にお局に発言力があったりすると最悪です。
客層が悪い
客層が悪い地域のバイトはめんどくさいです。客層が悪いと、自分は何も悪くないのに理不尽に叱られたり、謝罪をしなければならなくなります。また客が乱暴なので気持ちよく仕事が出来ない、怒鳴り散らかしてくる客の対応をしなければならないなど精神面にもこたえます。特に近所に中学、高校などがあると最悪で、素行の悪いヤンキーを相手にしなくてはいけなかったり、たまり場にされてまともに営業が出来ない、万引きや食い逃げが多発するなどして対応に迫られるなどやらなくてはならないことが格段に増え、本来の業務以上のことまでやらなくてはならなくなります。
労基法が守られていない
労働基準法が守られていないバイトはめんどくさいです。めんどくさいというよりは自分がしなくてもいいことまでやらされる、というのが適切でしょうか。おおむね休みの要求が通らず、サービス残業は当たりまえ、給料の支払いが滞ったり、マニュアルが存在しない、ワンオペをやらされるなど、そもそも労働の場として適切ではありません。また、そういった場所の有数は往々にして横暴だったり威圧的だったりするので、びくびくしながら仕事をしなくてはいけません。バイトだけの話ではないですが、まず働く場所として論外です。
酔っ払いが多い
接客業に限りますが、酔っ払いと応対しなくてはいけないバイトはめんどくさいです。言動が支離滅裂ですし、まずこちらの話を聞いてもくれないことが殆どです。吐かれたりすれば仕事が増えますし、暴力沙汰にでもなれば業務外でやらなければいけないことが出てきます。場所によっては、金曜の夜が最早見るに耐えない惨状になっていることが多々あります。また下品な要求や発言をされることもあり、心理的なストレスも重なります。飲食店などだと食べ物や飲み物をこぼされることもあるため、いいことが1つもありません。
子連れが多い
客に子連れが多いバイトはめんどくさいことが多いです。まず子どもがうるさいですし、好き勝手に動き回って色々と面倒を起こすこと可能性があります。また繁忙期にも関わらず要求や注文を二転三転させて現場を混乱させたり、何かとトラブルの原因になります。またレジ業務などだったりすると、中途半端に意識の高い教育ママが注文や支払いを子どもにさせて後が詰まったり、些細なことで文句を言ってきてめんどくさい事態を引き起こすことも多いです。子どもが好きで子どものやることには寛容な人でもその親の行動にはストレスを感じることもあり、総合的に見てもめんどくさいバイトの条件の1つだと言えるでしょう。
めんどくさいバイトの具体例
では、このような条件を満たしたバイトとは具体的にどういうものが該当するのでしょうか。ここで具体例を挙げて解説していきます。
大手飲食店
有名チェーンで、雇われの店長が多く、子連れも多い可能性が高くめんどくさいバイトの代表的存在です。基本的に忙しいので精神的に余裕もなく、給料も特別高いこともないのであまりメリットのないバイトです。また健康基準に厳しく、ちょっとしたことでバイトが出来なくなるのも、バリバリ働きたい人にはストレスかもしれません。加えて店舗によっては検便などを行わなければならないのも面倒くさいところです。店舗が小規模だったりすると予算削減のために極端な少人数でまわしていることもあり、そういう場合は人間関係もめんどくさくなりがちです。重ねて労基法の遵守もあやしくなるので、小規模店舗の大手飲食店は最もめんどくさい可能性のあるバイトと言っても過言ではないでしょう。
映画館(シネコン)
人気のあるバイト筆頭である映画館でのバイトですが、人数が多く、系列の企業の映画館であり複数のシアターを抱えるシネコンはめんどくさいバイトです。また店長とバイトという関係ではなく少人数のマネージャーと大量のバイト、というかたちになっており、現場とマネージャーの連携が取れていないことも多々あります。大規模であれば大規模であるほどこの傾向は強くなっていき、それだけめんどくさいバイトになります。またレイトショーなどを実施している映画館は終電を逃した酔っ払いが寝るために利用することが多く、その応対が面倒です。また、長期休みには親子連れが殺到します。これらのことから鑑みて、シネコンでのバイトはめんどくさいバイトと言えるでしょう。
ただし、単一のシアターでまわしている単館映画館、あるいはミニシアターはここまでではなく、むしろ優良なバイトである確率が高いです。
住宅街付近のスーパー、コンビニ
住宅街付近のスーパー、コンビニはめんどくさい確率が高いです。ベテランの主婦お局が確実にいるほか、子連れが多く、店長が雇われである可能性もあります。また、地元で近所のスーパーだと小中学生のときの友達の母親がパートリーダーだったりすることもあり、やり辛いこと必至です。またコンビニもスーパーも場所によっては客層が悪く万引きが多いほか、学校が近いと学生が煩くストレスであることも多いです。
リサイクルショップ
リサイクルショップは概ね客層が悪く、基本的に店舗が大きくそれに従ってバイトの数も多いためめんどくさい可能性が高いです。値段のつかないがらくたを本当は名のあるものだからと言って高額買取を要求する人や、買い取り価格に文句を言う人などがいるとそれだけでバイトをめんどくさく感じます。大きい町のリサイクルショップであれば客層はまだマシですが、その分バイトが多く、郊外であればバイトの数は然程でもありませんが、代わりに客層が悪い可能性が高く、どうしようもありません。
オフィス街付近の飲み屋
酔っ払い客が多く、また労基法が守られないところが多いのでめんどくさいことが多いです。かつ有名チェーンだったり雇われ店長だったりすると最悪で、飲食店のめんどくささに加えて確実に酔っ払いの応対をさせられますし、それでいて業務は非効率的だと最もめんどくさいバイトの1つになります。強いて言うならバイト人数があまり多いことはないことと、お局の存在率が低めなのが救いでしょうか。学生であれば近い年代の人が多いのも悪くない点ではありますが、それを差し引いてもめんどくさい点が多いです。
めんどくさいときの対処法
では、例に挙げたようなめんどくさいバイトにあたってしまったときはどうすればいいのでしょうか。実はこれにはいくつかの対策法があります。
辞める
これが1番簡単です。辞めて新しくめんどくさくないバイトを探しましょう。めんどくさいことが理由でバイトを辞めるときについては後述します。
改善の努力をする
これは雇われ店長や有名チェーンなどの業務改善要求が通り辛いにあたってしまった人が取れる手段です。いくら上の頭が硬い組織だったとしても、何度も根気強く、合理的な理由をもって訴えれば検討くらいはしてくれます。同僚や先輩を巻き込んでバイト全体がそういう雰囲気になればより可能性はあります。最終的に要求が通らない可能性は高いですが、別のなんらかの形での配慮がなされたりすることはありえます。
ただし、人間関係の改善については例外です。これも後述します。
先輩の教えを乞う
子連れや酔っ払いが多かったり、客層が悪いバイトにあたってしまった人が取れる手段です。実はこの手のバイトはそういった面倒な客や業務に対する明文化されていない対策法が現場の智恵として用意されていることがあり、先輩バイトなどがそれを熟知していて、それを知ってさえいればなんとかなる、ということが稀にあります。なので、ダメでもともとの精神で、まずは先輩に聞いてみるのがいいでしょう。
バイトの人間関係がめんどくさいとき
先ほど後回しにした人間関係の改善についてお話します。立地や客層はどうしようもないにしても、人間関係は自分の努力で解決できるかもしれないと思う人は多いでしょう。確かに、他の要素は自分1人の力ではどうしようもないですが、人間関係だけは個人の努力で改善出来る可能性があります。
しかし、結論から言うとそれは不可能です。1度決定した人間関係はなかなか覆しづらく、そもそもそれを覆せる人は人間関係で悩んだりしません。嫌な人を気にしないようにする、周りに上手く適応出来るようになる方法は存在はするでしょうが、どれも根本的解決にはつながりません。そういうときはなるべく遺恨なくやめる方法を模索して、そのバイトの反省を活かして新しいバイトでより良い人間関係の構築を目指したほうが建設的でしょう。
めんどくさいが理由でバイトを辞めたいとき
先ほど後回しにした「めんどくさい」が理由でバイトをやめたいときはどうすればいいか、ということについてお話します。学生であれば、学業を理由にやめることが出来ます。「成績が悪くなったから」「勉強に集中したいから」という理由をつけて人事担当に辞めたいということを申し出れば大丈夫です。
フリーターの方は、就職が決まった、または実家を継ぐ事にした、などのそれらしい理由をつけて辞めることを申し出れば良いでしょう。いずれにせよ、バイトが辞める旨を伝えれば雇用主側はそれを断る事は出来ません。催促で辞めることを伝えた日から2週間後に辞めることが出来ますが、基本的には1ヶ月前に伝えておくとシフトの調整もしやすく親切です。もし引き止められてもこちらに残る義務はありませんし、辞めることを拒否されればそれは労基法違反になりますので、確かに言い出し辛いことではありますが、あまり恐れる必要はありません。
どんなバイトもめんどくさくないことはない
ここまでめんどくさいバイトについて語ってきましたが、ここまでで言った「めんどくさい」はあくまで「比較的」なものに過ぎません。労働というものは常にめんどくさい要素を孕むものです。ですので、どんなにめんどくさくないバイトでも、必ずどこかでめんどくさいと思ってしまう瞬間は存在しますし、それは働く上で仕方のないことです。では、最終的にはどういうバイトを選ぶのが正解なのでしょうか?
結局は自分に合うバイトが1番
結局大事なのはめんどくささより自分との相性。自分自身が何をいいと感じるかをよく把握し、自分にとって最もめんどくさくないバイトを探しましょう。快適な環境でストレスなく働くことが出来ることに勝る喜びはそうありません。皆さんも是非自分に合ったバイトを探して、より良いバイト生活を送ってください。