「手を煩わせる」の意味と使い方・敬語表現|ビジネスメールでの例文

ビジネスマナー

『手を煩わせる』は、使いやすい敬語。

ビジネスで比較的よく使われる敬語の手を煩わせる。今の時期、新入社員であれば先輩社員に手伝ってもらったり、いろんなことを教えてもらったりする場面も多々あります。そんな場面で『先輩の手を煩わせちゃった・・・』という想いから、素直に『お手を煩わせてすみません。』という言葉を使っています。

『手を煩わせる』の本来の意味とは。

http://www.weblio.jp/content/手を煩わせる

『お手を煩わせて』という言葉自体が、日本人らしく相手を敬い使われる言葉なのです。そのため、対面した場合でもビジネス商談の場面でも、用いられます。

手紙にもよく使われる『手を煩わせる』

ビジネスシーンにおいて、取引先へのお詫びの文面や連絡の際によく使われる言葉で、日本の社会生活を潤滑に営むうえで必要不可欠な言葉のひとつでもあります。相手がいてこそのビジネス、相手の気持ちをおもんばかっての言葉があるのと無いのでは、相手側の印象にも差が表れます。

正しい『手を煩わせる』はどのような使い方があるのか。

日本人らしい心配りの言葉の『手を煩わせる』をただ使えばいいというわけでもありません。必要な時に的確に使っていかなければいけません。それは、目上の上司の人に対しても使っていくことで、上司との関係性も潤滑にいきより良い新生活をおくれます。

世界的な企業に勤めているのであれば、当然のように英語圏の人など日本人以外の人とも交渉だけでなく日常会話も発生します。新入社員であれば、先輩に連れられて相手方の交渉担当者と出会い、いずれは交渉が任される場面が訪れます。それは、一定のスキルを上司が認めてくれたおかげでもあります。であれば、正しく相手を思いやる言葉を使いたいものです。

『手を煩わせる』は、英語でも通じるの?

国際化が進み街中を歩くと必ずと言っていいほどの外国人を見かけます。観光だけでなく『和食』が文化遺産に登録されて以降、イタリアやフランスでも日本食が見られます。そこでは、当然のように英語やフランス語での会話となり日本人との交渉ともなるとやはり相手を思いやる『手を煩わせる』という言葉もメール内には必要となってきます。

実際に『お手を煩わせて・・・』をメールのシーンで使って、こちらの意図が相手に伝わるのでしょうか。

結論から言うと、『お手を煩わせて』という単語はあります。ただ、そのまま使てしまっては、文法の体を成しません。であれば、どのような文法になるのかと英語圏の文法の認識の違いなどを見ていきましょう。

『手を煩わせる』=『Bothering me』

英語では、このように表記しますが、反対にgoogle翻訳すると『悩ます』になってしまい、こちらの意図が相手に伝わっていません。そのまま翻訳を続けると、『To bother 』=『気にする』になり『気にする』を翻訳すると『I be concerned』となり『私は心配しています』でこちらの想いと正反対になってしまいます。であれば、文脈自体をgoogle翻訳してみましょう。

『お手を煩わせて恐縮ですが・・・』=『I am sorry to bother you but …』

文章自体を翻訳するとこのようになりますが、反対に『I am sorry to bother you but …』を日本語に翻訳すると『お手数をかけてすみません』となり、元のお手を煩わせて恐縮ですがという文章になりません。意味合いとしては、間違いではないのでしょうが正しく伝わっているのかは疑問点が残ります。

『手を煩わせる』は、どんな風な使い方がいいの?

前項目に述べた通り、お手を煩わせて恐縮ですがという言葉を直接google翻訳しても相手に正確に伝わっているのか微妙な状態です。英語圏の会話では、遠回しとなってしまうこの言い回しは常用ではないと思われます。

相手が日本語をある程度理解しているのであれば、この使いまわしでも通用するのかもしれませんが、効率重視の英語の文法の中で使うと微妙な可能性が残ってしまいます。であれば、『お手を煩わせて』という言葉以外にどんな言葉を使えば、相手にこちらの意図を伝えることができるのでしょうか。

『お手を煩わせる』はどんな言葉で言い換えればいい?

『お手を煩わせる』は、相手を敬うための敬語で世界で最も難しいといわれる日本語の中で、お手を煩わせるのほかの言い回しを日本人は普通に使い分けています。であれば、その日本語を英語圏の人にも同様の言い回しが伝わるのかを見てみましょう。

相手の面倒を推し量って『手を煩わせる』を利用する場合の言い換え。

相手がこちらの都合で面倒をこうむってしまった場合、申し訳なさでいっぱいな状態での相手への文面を考えなければいけません。

しかも、それが外国企業との取引の場合は尚更なこと。であれば、そのまま『I am sorry to bother you but …』のまま使うのは、正しく伝わらない可能性も秘めています。取引内容によっては、今後の取引の課題にもなりかねません。であれば、このような言い換えがあります。

『お手数をお掛けしますが』=『I am sorry for troubling you.』

この文面では、『sorry』の後に『trobling』があるので、後に来る文面の差し替えを依頼する場合などに使えそうです。反対に『I am sorry for troubling you』を翻訳しても『あなたを困らせて申し訳ありません』となるので、こちらの意思が遠からず伝わっています。

『ご面倒をおかけしますが』=『Thank you for your help』

この文面だと、先ほどまでの『sorry』はなく『Thank』の感謝の気持ちが先に来ることで、後に来る文面を完全にサポートできそうです。前項目同様にしてみると、協力ありがとうございましたとなり、こちらの感謝の気持ちが文面に含まれていることがわかります。

『手を煩わせる』事が起き手間をかけてしまう時

こちらの不手際で送ってしまった書類や荷物などに、補足や不足の状態が発生した時というのは、”やってしまった”という想いや”どうしよう”など前項目にもあるような、どうしたらいいのか一時、戸惑ってしまう場面でもあります。

このような時、先方が日本の企業であればこのまま使っても問題ないかもしれません。しかし、世界的企業ともなると英語での説明も必要となっていきます。日本語であれば、『煩わせてしまって』や『ご迷惑をかけてしまって』、『手こずらせてしまって』などいろいろな言葉がありますが、英語や相手方の役職によっても使い分けなければいけません。

『お手間を取らせます。』=『I will take time and effort.』

相手の時間をこちらの不手際で一定時間占有してしまうという面では、この言葉は当てはまるのではないのでしょうか。しかし、この文面を日本語にした場合に『私は時間と労力を要するだろう』となり、日本語独特の丁寧語として使う”お”などが逆効果となり、正しく伝わらず、『will』の前に”You”や”I”を取るといったひと手間が必要になってきます。

『ご負担をかけます』=『I will bear the burden』

こちらも、相手方に負担をかけてしまって申し訳ないという想いで使います。『bear the burden』自体、『負担を負う』という言葉なので、こちらの意思を的確に相手に伝えることが可能です。

しかし、こちらも前項目同様に”I”を外したりなどひと手間が必要になってきます。

『ご厄介をおかけします』=『We are sorry for the inconvenience』

手を煩わせてという意味合いでしっくりくるのはこの言葉ではないでしょうか。厄介という意味の『Trouble』がこの文法には含まれていて、こちらの意図として使われる手を煩わせてを相手方に伝えることができます。そして、『We are sorry for the inconvenience』を日本語にすると『ご迷惑をおかけして申し訳ありません』となり、こちらの意図を伝えることができそうです。

『骨を折らせてしまって』=『I broke my bones』

よく使いがちになる言葉ですが、日本語の比喩として『骨を・・・』という言葉なのですが、これを英語にすると骨折でもしたの?と相手方に心配されかねません。ビジネスシーンや英語圏の人との日常会話でもこの言葉を使うと、日本人らしい比喩表現が伝わらない事態が発生します。それに、日本語にしたときに『私の骨を破った』となりわけのわからないことになってしまいます。

ビジネスシーンで使われる『手を煩わせる』の使いこなし。

ここまで、つらつらと書いてきましたが相手を思いやって使った言葉が、意図せず異なった意味で伝わってしまうことが多々あります。日本人らしい言い回しが、目上の人や英語圏などの人となると正しく伝わらなかったり、反対にけなしてしまう方向に行きかねません。これからの時期は新卒・新入社の時期に入ります。それは、新しい会社で新しい環境と上司に正しい敬語としての『手を煩わせる』を日本人の大人として使っていきましょう。

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