土日休みで残業なしの仕事一覧|残業なし求人を出す企業の本音

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残業ありと残業なしの企業と会社

規定の勤務時間の後、さらに残って仕事をすること。皆さんも知っての通り、これを「残業」と言います。
文字通りの居残りの仕事は、ストレスや疲れが溜まって辛く苦しいというデメリットが付き物ですが、その分の手当や報酬が出るというメリットもあります。そんな中、その残業を労働者に与える会社や企業で、二つに大きく分類され、それぞれ「ブラック企業」「ホワイト企業」呼ばれています。

違法スレスレの残業ありの会社:ブラック企業

労働基準法によって定められた残業の基準時間を守らず、80〜100時間近い残業を労働者に強いることを常態化させた会社、それがブラック企業です。

狭義には新興産業において若者を大量に採用し、残業が当たり前、泊まりがけはほぼ毎日といった過重・違法労働による残業システムで使いつぶし、次々と離職に追い込む成長企業を指しています。

建築・不動産、飲食、アパレルなど、長時間労働とそれによる労働者の過労死や自殺が問題視されている業界が多い点もまた特徴となっています。そして、厚生労働省が、このように労働者を酷使したり使い捨てしたりしているブラック企業の労働実態を調査したり、その情報をもとにランキング付けした「ブラック企業大賞」というものもあります。就職活動をする際には、こうした情報もしっかりキャッチすることも大事です。

社員の入れ替わりが激しかったり、パワハラ・モラハラなどの職場いじめが日常茶飯化していたりと社内環境も悪く、往々にして残業代も出ないことが多いです。そして、常に無茶なノルマを足りない人員で必死に回しており、「目標必達!」などと、社員を鼓舞するために心地よいスローガンを掲げてもいます。

さらに、外部には「社員同士の仲の良い、アットホームな職場です」とアピールする傾向も強いのが特徴ともなっており、求人サイトなどに社員同士が仲良く写った写真が掲載されている企業が当てはまることがあります。

違法も問題点も残業なしの会社:ホワイト企業

福利厚生の充実、離職率の低さ、そして残業もなしと言っていいほど少ないという環境の良さ。そうしたもので世間から高い評価を受けている会社、それがホワイト企業です。

まず、基本的にノルマをないということが第一の特徴です。ノルマをなくし、代わりに個人の達成度に委ねるなどという方針を立てる。そうして労働者が働きやすい環境整備にすることを、ホワイト企業は主としているのです。

第二に、残業が少なく、社員はほぼ定時退社を遵守させる。こうして残業を減らして、さらに労働者が働きやすい環境作りを目指しているなど、離職率を減らすための働きをしています。

第三に、残業をしたらしっかりと手当てを出す。そのため、社員が残業したとしても手当が出るため、モチベーションの引き上げにも貢献しているのです。

このように、労働者にとって充実した三つの特徴から、ホワイト企業では新卒者や転職活動者が殺到しており、ブラック企業とは天と地の差と言っていいほどの違いがあるのがわかります。
そして、ホワイト企業のように残業なしの会社で働くとするならば、その仕事は、そして収入は一体どういったものになるのか。今回は、そこを中心に分析・解説していきます。

土日休みで残業なしの仕事

ホワイト企業のように「どうしても残業をなくして、そして土日に休んで効率の良い仕事がしたい」と考えている方もいれば、定期的な土日休みに飽きてしまい「残業なしで平日休みの仕事がしたい」という方もいるのではないでしょうか。

そこで、日本においてどれくらいの職業があるかというと、目安として200〜500種類の仕事があることが判明しています。いろいろな職業があるなか、残業の有無はともかく、どんな仕事が土日休みで平日休みなのか、まずは以下の通りにまとめてみました。

1.土日休みの仕事

・公務員
・営業
・企画
・事務
・経理
・物流
・設計
・研究
・インターネット
・IT
・出版
・広告

土日が休みの職種や仕事としては、営業・企画などの会社に付随するもの、またはIT関係やインターネット企業など仕事の多くが土日休みとなっています。

営業といっても不動産やカーディーラーなどの職種では平日休みとなっています。そして、これらの職種では残業はあれど、残業の割合も比較的少ない方になっています。ITや出版や広告はこれらの中でも残業が比較的多い職種です。

2.平日休みの仕事

・アパレル
・飲食店
・ウエディング
・旅行業界
・営業(不動産・車)
・看護師(病棟勤務)
・介護
・警備
・配送
・小売業
・コールセンター
・美容師
・エステ
・宿泊・ホテル
・塾
・その他販売関係

これらの職種では、平日休みとなっています。そして、最初にも取り上げた通り、ブラック企業についてもこれらの職種が該当しており、残業の割合も多めとなっています。

3.日曜休み、日曜+その他休みの仕事

・教育
・看護師・薬剤師・病院関係
・施工
・建設や電気工事などの工事関係
・トラック運転手

以上が「日曜休み」、または「日曜日とその他」で休みとなっている職種の仕事です。例えば建設や工事関係は、基本的に日曜休みとなり、また病院などは日曜が休みでクリニックであれば水曜なども休みになります。

また、これらの職種でも残業というものはありますが、多いところもあれば、少ないところ、そしてなしのところもある。つまりは多いか少ないかの割合につきましては、「どちらでもない」ということが考えられます。

残業なしで「年収500万円」が実現できる職業

現代の日本では、仕事や職種によっても年収に違いがあり、残業ありは勿論、残業なしでも容易に高額年収を稼ぐことができる職業があります。そこで、残業なしでも「年収500万円」を実現できる職業の例をあげていきます。

1.公務員

言わずとしていた超安定職のひとつで、国家、或いは自治体に直接雇用されるため、いわゆる「倒産」というものがありません。

それに加えて、基本給だけでなく様々な「お手当て」と呼ばれる各種手当てが加算されることで、残業なしでも莫大な給与へと発展する可能性を秘めた職業なのです。いわゆる事務職よりも、制服職や技術職と呼ばれる公務員のほうが年収が高い傾向があります。

2.薬剤師

医師や看護師と同様に、国家資格となる難関試験を合格することで就くことができる職業です。
最近では、調剤薬局などが増加していることもあり、人手不足が問題視されることが多く、求人案件も増加してきている存在となっています。

薬剤師に関しても、平均時給が2000円から3000円となっており、職場環境や待遇、勤続年数によっては、残業無しのフルタイム労働で月額50万円弱の稼ぎも十分に可能な職業です。

3.管理栄養士

給食センターや各種食材を製造する工場など、働く場所が非常に多く設けられている職業のひとつであり、求人の多さからも給与が比較的高い人気職のひとつでもあります。

務める環境によって違いや差はありますが、大手食品会社の専属管理栄養士であったり、公務員待遇として給食センター勤務に就いたりすると、給与アップで、かつ残業なしの高月収が見込める可能性もあります。

4.サラリーマン(一部上場・大手企業)

男性の定職No. 1のサラリーマンは、残業ありでもなしでも年収500万円は十分達成可能な職業です。ただし、大手企業や一部上場企業など、黒字経営が当たり前の企業に勤めるサラリーマンに限定されてしまいます。

大手企業であれば、一般会社員でも残業なしのボーナス込みで年収700万円程度は十分に達成可能です。さらに、自動的に厚生年金で加入することもできる点も旨味となっています。

「残業なし」だからと言って安易な信用は要注意

「求人広告に『残業なし』とあったから応募して、採用されて働き始めたら、実際は違って残業があった」という体験をされた方は少なくないはずです。そしてその他にも「新しい会社で働き始めたら、就業前に聞いていた給料や休日が実際と違った」という方もいるかと思われます。

こんなことがあるように、会社や企業は求人広告に情報を記入する際、残業時間や給与について実情と異なる内容を書くことがあります。「残業なし」という記載はまさにその一例でしょう。

その大きな理由としては、イメージの問題を会社や企業が気にしているということにあります。ブラック企業という言葉が出てきて、労働問題による自殺者がニュースで大きく取り扱われ、イメージを気にする会社や企業が多くなってきているのです。

そして、もうひとつの理由であり、問題となっているのが、労働基準法です。ブラック企業は労働基準法に違反している会社が多く、違反の内容を形として残る求人の紙媒体やインターネットに残したくないというのが本音となっているのです。

そんな事実や現状を隠蔽する会社や企業に応募して、就業前に聞いていた労働条件と、実際の労働条件が異なっていた場合、どうすればいいのか。その対応方法は次の3つに考えられるとされます。

1.我慢する

3つのうち、これが一番よく考えられ、そして実行し易い方法です。
会社の雰囲気がよく、その人に働く意思がある場合、労働条件の相違が些細なことであれば、『最初からそういう労働条件だったのだ』と、自分の中で割り切ってしまうのもひとつの考え方です。

2.会社と交渉する

相違の内容が自分の中で割り切れず、消化できないほど大きなものであれば、勇気を出して会社と交渉して改善するしかありません。

しかし、その際にはなるべく感情的にならず、労働条件通知書とシフト表や給与明細書など自分の現状と環境を説明する材料として用意し、突きあわせ、どこがおかしいのかを冷静に指摘して交渉しましょう。

自分だけの交渉が難しそうな場合は、労働基準監督署や弁護士・社会保険労務士のサポートを受けるのを考えるのも手です。労働基準監督署は行政の立場から会社を指導し、弁護士・社会保険労務士は依頼者と二人三脚で会社との交渉に当たってくれる、心強い存在となってくれます。

3.退職して他の就業先に移る

以上二つの方法でも改善されない場合は、思い切って見切りをつけ、就職活動をやり直すしかありません。

明らかに聞く耳を持たないワンマン社長の会社とか、どんなにこれ以上頑張っても労働条件が改善される見込みがなさそうだと思ったら、もう割り切って退職してしまった方が時間的にも精神的にも効率的だというケースもあります。

もし退職届の受理を拒否されたとしても、民法第627条(注1)の要件を満たせば退職の自由が保障されていますし、明らかに労働条件が採用時のものと異なっていれば、労働基準法第15条2項に基づいて即時退職も可能です。

https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第627条

このように、採用前と就業後の労働条件が食い違っていた時の対応方法を3つ紹介してみましたが、それ以前に残業などの労働条件のすり合わせをすれば、トラブルを事前に回避することはできます。

会社が、採用前にきちんと残業などの労働条件の提示をしなかった場合、当然会社の責任になりますが、求職者側もそれを受け入れてしまっているのがトラブルを引き起こす理由となり、現実にもなっているようです。
雰囲気に流されずに、採用が確定する前に労働条件をきちんとすり合わせることが、就業後のトラブルを事前に回避するためにも大切なのです。

「残業なし」という言葉には様々な意味や形がある

「残業なし」。つまりは規定の労働時間で終わることができ、仕事と生活の両立、ワークライフバランスを実現できるということは、皆さんにとって理想とする形の仕事であり、望ましいものだろうと思えるでしょう。そして、職種とそのランクにもよりますが、公務員やサラリーマンといった、残業なしで年収500万を実現できる仕事もいくつか存在します。

しかし一方で、「残業なし」という求人広告でありながら、実際は残業がある仕事だったという嘘の広告があったりと、「残業なし」は良い意味や美味しい意味ばかりではないことがわかります。その「残業なし」という求人広告が、ブラック企業の職場への入口だったりすることもあるのです。

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