退職時の引き継ぎ義務・引き継ぎメールの書き方と例文

ビジネスマナー

「引き継ぎ」業務とは?

「引き継ぎ」を辞書で調べてみると、「他の者が処理していた作業などを代わりに行うこと。」と記載されていました。退職するための「退職引き継ぎ」を実施することは、「自身が処理していた作業などを他の者に代わりに行うこと。」になります。

例えば、退職引き継ぎと人事異動などで実施する引き継ぎは同様に取り扱いします。その方法は、業務や処理の引き継ぎを行うため、相手方に自分の行っている業務や仕事の内容を詳細に渡り説明します。

詳細に説明した後から、業務や仕事が滞るケースが多くみられるようです。結局「全く意図が伝わっていなかった」ことを経験したことがある方々は少なくないことでしょう。「退職引き継ぎ」「人事異動による業務引き継ぎ」を実施してくれた担当者が退職されてしまった時や人事異動等で現場に居ない時に生じる事象のようです。

「退職引き継ぎ」「異動引き継ぎ」の失敗例

退職引き継ぎ」「人事異動等による引き継ぎ」がどうして、上手く伝わらないのでしょうか?

「退職引き継ぎ」「人事異動等による引き継ぎ」が上手くいかない原因は、伝える側、受ける側の両方にあると言われています。伝える側は、「伝えること」に集中してしまいます。特に「退職引き継ぎ」であれば、早く退職したいので熱心に業務の内容を説明することに専念します。伝える側の一方通行的になるケースが多くみられます。相対する立場の受ける側の理解度まで意識が至らないのです。

受ける側は、立場的に受動的になります。不明瞭な事があっても質問しそびれるか、実際に業務や仕事が始まってから不明点を聞けば済むことだと安易に姿勢で「引き継ぎ」を終えてしまうケースがあるようです。「人事異動等による引き継ぎ」では、異動先に伝える側の担当者が居ますので確認が可能です。

しかし「退職引き継ぎ」では伝える側が辞めてしまいます。伝える側の担当者が居ないので業務や仕事は停滞し混乱することは当然のように発生します。これ以降は「退職引き継ぎ」を中心に説明をしていきます。

「退職引き継ぎ」は経験が影響する

「退職引き継ぎ」はある程度の社会人としての経験がある時や、業務・職種についての知識や認識があれば、自身の過去の経験やスキルとマッチングさせて「退職引き継ぎ」内容を想像することがあります。

伝える側は、業務についての慣れや知識があるため、説明のスピードが早くなるケースがあります。早く片付けてしまうという意識もあります。その結果、説明を大まかにするケースがみられます。

受ける側は、過去の経験や知識をもとに業務を受ける側の勝手で想像するため、情報が正確に伝わらないケースがあります。別の言い方をすれば先入観が邪魔をするのです。伝える側も受ける側も先入観を捨てて「退職引き継ぎ」に臨むことが大切です。

「退職引き継ぎ」は組織またはローカルルールが影響する

「退職引き継ぎ」を実施する歳は、大きな会社や組織内では、独自の取り決め方法があるケースがみられます。それは会社や組織内の文化や業務をスムーズに行うためにできた取り決め方法があるのです。

同一の会社や組織でも地域性や部門の慣習などによって、取引企業との関係などで独自のルールを有していることもあります。会社や組織内で一元化するにあたっては、これらルールがあるとの認識しておくことが大切です。認識することを怠ると、取り返しがつかないケースに至る可能性があるので、慎重に対応しましょう。

「退職引き継ぎ」は独自の言い回しが影響する

「退職引き継ぎ」にはその会社またはその業界で通用する、略語や特殊な表現方法を使用しながら実施するケースがあります。その業務を行う人たちだけで通じる言葉です。

例えば、FBはファームバンキング(現在ではフェイスブックもFBです)・AMはアミューズメント・CMは顧客管理(カスタマーマネジメント)など多々あるようです。このような独自の表現方法を使用して「退職引き継ぎ」の説明する時は、専門用語集などを用意しておくことが大切です。

「退職引き継ぎ」は先回りが影響する

「退職引き継ぎ」では事前に引き継ぎ資料を準備しておき、事前に対象者に配布しておいた時に先回り作用が影響するケースがあります。

先回りとは、相手の言葉を聞く、あるいは事前に資料を見て、想像を勝手に広げてしまうことです。受け取り側に先回りをされていまい、勝手なことを語られてしまうことです。都合のよい解釈を先回りしてしまうこともあり、後々苦労したという場合もあります。「退職引き継ぎ」を実施する際は、先入観を捨てて、伝える側の業務内容説明に横槍を入れないことを事前に釘をさしておくことが大切になります。

「退職引き継ぎ」とは義務なのか?

「退職引き継ぎ」を行わず退職した社員に対して損害賠償請求をされたケースがあります。入社直後の突然の退職による損害賠償を一部認めたとされる「ケイズインターナショナル事件」東京地判平成4年9月30日労判616号10頁があります。

「退職引き継ぎ」未了と損害との間の因果関係については、使用者(会社側)が立証する必要があります。、それには困難が伴います。さらに、損害額の算定や立証も難しく、会社が希望する金額を全額請求するというのは現実的には厳しくなります。「退職引き継ぎ」は常識の範囲内で実施すれば、訴訟などに至ることはありません。

「退職引き継ぎ」のメールの書き方と例文は?

「退職」をメールで報告するなんて失礼になるのでしょうか?

今やビジネスの重要なツールとなっています。メールを使って退職の挨拶をすることは珍しいことではなくなりました。もちろん、お世話になった社内の人や顔を合わせる機会が多い人にはできるだけ口頭で挨拶するべきですが、会えない人にはメールでも大丈夫です。

今までのお礼と別れの挨拶をちゃんと伝えることは、社会人としてのマナーです。今後またどこかで一緒に仕事をするときがあるかもしれないので、一筆残すことで良い印象を残こすことが必要です。しなしながら、「退職」の挨拶・メールを送らずに辞めて行く方々も多いようです。書き方の例文はビジネスマナー辞典やインターネットで検索が参考されることをお薦めします。

「退職引き継ぎ」書の作リ方

今まで業務に携わりが無い新しい担当に対して、スムーズでミスが少なく業務や仕事・作業を実施してもらうため、前任担当者が作成するドキュメントのことです。新任担当者にとっては「教科書」です。

「退職引き継ぎ」書を作成するためには、対象となる業務・作業を詳細に把握して、ポイントをおさえ、説明可能である状態で作成します。「退職引き継ぎ」書を作成する時に迷うということがあれば、作成者側も十分理解していないケースがあるようです。

また、前任者の説明を聞きながら新任担当者が「退職引き継ぎ」書を作成するケースもよくみられます。新任担当者自身が作成するので、聞いた説明と文書作成で解りやすい「退職引き継ぎ」書が作成できる面も持ち合わせています。

「退職引き継ぎ」の挨拶マナー

「退職」が決まったら、お世話になった方々に挨拶状を送付しましょう。葉書で作成して一言添えるというのが理想です。「退職引き継ぎ」等で、忙しくて葉書を用意することが困難な時は、メールでも大丈夫です。しかし、決まり文句をコピーペーストしただけでは、心情的には良いと言えません。メール文に前任の仕事での成功例や失敗談などを添えると印象が好意になるので、お薦めします。

「退職引き継ぎ」の一般的な引き継ぎ期間

労働基準法では退職の表明をしてから、1ヶ月後に退職日を迎える、逆に退職する日から1ヶ月前に表明するとなっており、どちらも1ヶ月が相場になっています。

会社側で「認めない」とはなりません。労働基準法が退職する方々を守ってくれます。地元の労働基準監督署(職業安定所(ハローワーク))の建物に同居しているか、近所に必ずあります。)に連絡すれば、公的機関が退職希望者を大切に扱ってくれます。

もしも「退職引き継ぎ」が100%実施出来なくても、問題ありません。「退職引き継ぎ」上手く出来ない時は、引き継ぎを確実に実施する環境を用意しない会社に責任があることになります。また、必ず1ヶ月が限度ではなく、1ヶ月よりも短い時や長い時があります。「退職引き継ぎ」をしっかり終えて、新任担当者も納得の上で辞めることが気持ちよくありませんか?

お互いに気持ちよく退職日を迎えよう

「退職引き継ぎ」では作成した引き継ぎドキュメントを基に、前任者から新任担当者へ引き継ぎがされます。多くは前任者が説明して新任担当者が聞く側になります。当然説明中で質問対応がありますので、安心して実施して下さい。

前任者も新任担当者も通常業務や通常仕事を担当していますので、週1回から2回や、一日1時間「退職引き継ぎ」をするなど計画的に実行することが大切です。また、説明が終わったらその業務や仕事を実際に操作してみると「退職引き継ぎ」効果が大きくなります。「百聞は一見に如かず」の諺がありますが、実際に操作すると新たな疑問が生じるケースがあります。聞くだけでは無く実際に操作をしてみることが重要になります。

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