ビジネスでの手紙の書き方|お礼や挨拶を書くには

ビジネスマナー

ビジネスにおける手紙の書き方

ビジネスのおける手紙の基本構成について

ビジネスにおける手紙には一定の型があります。手紙の基本構成は「頭語」「前文」「主文」「末文」「結語」の5つのブロックから成り立っています。

頭語とは

「拝啓」や「謹啓」「前略」などが挙げられます。

前文とは

季節を伝える時候の挨拶、その後に相手を気遣う言葉、平素の厚情へのお礼の文章のことです。例として「新春の候、ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。平素はなみなみならぬお引きたてを心より感謝申し上げます」といった文章が「前文」です。ただし、お詫びやお見舞いの手紙では時候の挨拶「新春の候」は省略します。

主文とは

主文とは手紙の目的や用件のことです。「このたび」「さて」「さっそくですが」などの起語から書き始めると文章の流れがスムーズになります。

末文とは

今後の厚情や指導を願う言葉、用件を総括する言葉などの結びの挨拶のことです。例として「貴社よりご用命をいただいた仕事に専念いたします。これからも何卒よろしくお願いいたします。略儀ながら、お手紙にて失礼申し上げます」といった文章が「末文」です。

結語とは

「敬具」「謹言」「草々」などが挙げられます。尚、頭語と結語にはそれぞれ決まった組み合わせがあります。「拝啓」であれば「敬具」「謹啓」では「謹言」「前略」では「草々」になります。

ビジネスの手紙における気をつけるべきマナー

「縦書き」と「横書き」を使い分ける

現在ではパソコンで横書きが通例ですが、便箋に手書きにする場合や、目上の方への手紙はお詫び状なっど改まった用件の場合には縦書きが適しています。簡単なお礼状などは横書きでも構いません。

お礼状や暑中お見舞い、寒中見舞いなどの出す時期を知っておく

お礼状はお世話になった当日、遅くとも2日から3日中には出しましょう。季節の挨拶を出す時期については、年賀状は元旦から松の内(7日)までに到着するようにします。寒中見舞いは、8日から立春(2月4日頃)の間に送ります。相手や自分が喪中の場合も同様です。

暑中見舞いは、梅雨明けから立秋(8月8日頃)に送ります。地域によって梅雨明けが大きく異なるため、迷ったときは小暑(7月7日頃)後に送るのが無難でしょう。残暑見舞いは、立秋から8月末頃までに送ります。

字を間違えてしまった場合

手書きの場合、修正液や二重線などで修正跡を残すことはマナー違反です。間違ってしまった場合は新しく書き直しましょう。

ビジネスにおける手紙の書き出しについて

ビジネスにおける手紙の書き出しの言葉の例文

「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

「皆様におかれましては益々のご清祥のことっとお慶び申し上げます」

「○○様には、ますますご健勝にてご活躍のことと存じます」

「天候不順のみぎり、お元気でご活躍のことと存じます」

「すっかりご無沙汰いたしまして申し訳ございません。その後、お元気でしょうか」

送る相手によっては、「おかげさまで、私どもも一同無事に暮らしております」などと、自分の現況を知らせる言葉を添えます。

「横書き」「縦書き」のマナー

横書きのマナー

横書きの手紙はカジュアルなものなので、友人や親しい間柄の人に適しています。肩の凝らない手紙にしたい場合は、頭語や結語を省き、簡略化したスタイルでも構いません。親しみのある素直な言葉を心がけましょう。

横書きでは相手の名前から書き始めます。フルネームで書くのが基本です。頭語は省いても構いませんが、時候の挨拶も「~の侯」ではなく、馴染みやすい表現で構いません。お詫びの手紙では、申し訳ないという気持ちを伝えることが最大の目的なので時候の挨拶は書かずに、単刀直入に本題に入ります。

また、お見舞いの手紙では相手の体調を気遣う気持ちを伝えることも大切です。「さて」「ところで」「実は」などの起語を使って、手紙の目的や用件を簡潔に述べます。大事な内容が伝わりにくくなってしまうので、一通の手紙に用件を2つ以上入れないように気をつけます。用件を述べたら、相手の健康や無事を願う言葉や用件を総括する言葉といった結びの挨拶を述べます。

頭語を略した場合、女性は「かしこ」や「またお手紙書きます」などカジュアルな表現で締めると良いです。書いた日付と、差出人、宛名の3つを最後に書きます。日付は、正式には年月日を書きますが、月日だけでも構いません。また、お祝い事に関するものは「○年○月吉日」と書いても良いです。

縦書きのマナー

目上の方や改まった手紙は縦書きにします。前文に「拝啓」などはじめの挨拶にあたる頭語、目上の人や改まった手紙には「謹啓」を選びます。今の季節感を伝える時候の挨拶、相手を気遣う言葉(お世話になったときはお礼を、ご無沙汰してるときはお詫びなど)という3つの要素を書きます。

お詫びの手紙では、申し訳ないという気持ちを伝えることが最大の目的です。時候の挨拶は書かずに、単刀直入に本題に入ります。また、お見舞いの手紙では相手の体調を気遣う気持ちを伝えることが大切です。

「さて」「ところで」「実は」などの起語を用いて、手紙の目的や用件を簡潔に述べます。
大事な内容が伝わりづらくなってしまいますので、1通の手紙に用件を2つ以上入れないようにします。用件を述べたら、相手の健康や無事を願う言葉や用件を総括する言葉などの結びの挨拶を述べ、頭語に呼応する結語を添えます。

「拝啓」だったら「敬具」といった頭語と結語は関連性があります。最後に、書いた日付、差出人、宛名の3つを書きます。日付は正式には年月日を書きますが、月日だけでも構いません。また、お祝い事に関することは「○年○月吉日」と書きます。

縦書きと横書きで共通のマナー

文字は楷書で書き、相手の名前が行下にならないように、自分の名前や「わたし」が行頭にこないように書き、2枚目に書いた日付、差出人、宛名だけを書かないようにします。

結びで使える文章

相手の健康や幸せを祈る挨拶

「時節くれぐれもご自愛くださいませ」

「ご自愛のほどお祈りいたしております」

「お体をお大事になさってください」

「お風邪など引かれませんように」

「ご多幸をお祈り申し上げます」

「お健やかにお過ごしくださいませ」

「実り多き一年になりますようにお祈りいたしております」

相手の繁栄や活躍を祈る挨拶

「末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます」

「一層のご活躍を祈念いたしております」

「ますますのご発展をお祈り申し上げます」

「どうぞお元気でご活躍されますように」

今後につなげる挨拶

「またお会いできる日を楽しみにしています」

「近いうちにまたご連絡いたします」

「今後ともよろしくお願いいたします」

用件を結ぶ挨拶

「まずは書中にてご挨拶申し上げます」

「略儀ながら書中をもちましてお礼とさせていただきます」

「用件のみにて失礼いたします」

「以上、どうぞよろしくお願いいたします」

伝言を頼む挨拶

「お手数ですが、○○様にもよろしくお伝え願います」

「末筆ながら、○○様にもくれぐれもよろしくお伝えください」

返信を求める挨拶

「ご返事お待ち申し上げております」

「恐れ入りますが、ご返事をいただければ幸いに存じます」

「ご多用中恐縮ではございますが、折り返しご返事くださいますようお願い申し上げます」

「お手数をおかけいたしますが、ご返書くださいますようよろしくお願いいたします」

御礼を伝えたい場合

ビジネスにおける面で、何かしらプレゼントをもらったとき、借りたものを返すとき、仕事を手伝ってもらったとき、仕事のお客様に対する御礼、結婚、退院、退職など人生の節目にあたる特別な場面においてそれまでお世話になったことに対する御礼といった様々な場面がビジネスにおいては存在します。

御礼のフレーズ

これはビジネスにおける手紙以外にも使える言葉ですが、「ありがとうございます」といった一般的に使えるフレーズの他に「いつも感謝しています」「ありがたい限りです」「感謝の気持ちでいっぱいです」「重ねて御礼申し上げます」「感謝申し上げます」「御礼の申しようもありません」「お気遣いいただきありがとうございます」「お心配り、感謝いたします」

このようなフレーズはビジネス面でも、使うといいでしょう。

御礼を伝えるときのポイント

面と向かって話すときには親近感を覚える人でも、手紙に書くと途端にかしこまった印象になる場合もあります。ビジネスにおける面で御礼を伝える場合は、自分らしい等身大の言葉でしたためるのが一番です。具体的には、目上の人には敬語で、友人や同僚には日ごろの話し言葉と同じ具合で御礼の言葉をしたためるのが良いでしょう。

宛名のマナー

縦書き封筒の場合

ビジネスの手紙は、日本語の文字が美しく見え、礼儀正しい印象を与える縦書きで書くのがマナーです。切手を左上に貼り、住所、会社名、所属部署名、(肩書き)相手の名前の順に書きます。住所の書き方は、郵便番号枠の右側のラインに揃え、上から一文字下げたところから書き始めます。

番地などの数字は漢数字で書くのがマナーです。ビル名や階数を省略せずに書きます。所属部署名は会社名の下に一文字下げて書くか行を変えて書き、役職名は4文字までは名前の上に書きますが、5文字以上のときは名前の右に小さめの文字で書きます。

敬称の付け方

ビジネスの場合は、敬称の付け方にも注意が必要です。営業部課長宛の場合は「営業部課長」「営業部○○○○課長」とします。課長といった肩書きには「様」はつけません。

ビジネスにおける手紙は、友人や知人に手紙を書くのとは違ったルールやマナーが沢山ありますがルールやマナーを守りながら、気持ちを伝えることが一番であると言えます。

手紙を書いてみよう

いかがでしたか?ビジネスにおける手紙の書き方は理解していただけたでしょうか。ビジネスの中で手紙を書くシーンが訪れた時には是非、相手に何を伝えたいのかを明確にし、ルールやマナーに注意して手紙を書いてみてください。

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