「お気をつけて」の例文・敬語・言い換え・返事の仕方|挨拶

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「お気をつけて」の意味は?

「お気をつけて」の意味をご紹介します。

意味

「お気をつけて」の意味は、「注意してね」です。注意には気を配る・忠告などの意味もありますが、「お気をつけて」における注意は「用心」を表しています。つまり、「お気をつけて」は「用心してね(万が一に備えて注意してね)」の意味を持っているということです。

お+気をつけて

「お気をつけて」の原形は「気をつけて」であり、その「気をつけて」の「気」に「お」を付けて完成するのが「お気をつけて」です。接頭辞「お」は、付く語に尊敬の意を込めたり、丁寧な言葉遣いにするために使用されます。そのため「お気をつけて」は、敬語の種類において丁寧語に分類されると考えられます。

使い方

多く、今から出かける相手を送り出す際に使用されます。「行ってきます」「お気をつけて」といった会話の流れで用いられ、この時は挨拶の類になります。しかし、他にも使用される時はあります。

たとえば、相手の心身を気にかける際です。好ましくない状態であることを示す相手に対して、別れ際に「お気をつけて」を使うこともあります。また、別れ際ではなく、会話の途中で「お気をつけてくださいよ」などの文で用いられることも少なくありません。

「お気をつけて」は敬語なのか?

「お気をつけて」と敬語の関係性について確認しておきましょう。

敬語?

先程もお伝えしましたが、「お気をつけて」は「お」+「気をつけて」で完成しています。この「お」は語を丁寧にするために付ける接頭辞ですので、「お」が付いた「気をつけて」である「お気をつけて」は敬語になると言えます。敬語になるとすれば「お」=語を丁寧にする接頭辞ですので、種類は丁寧語になります。

敬語表現としては不足している?

「お気をつけて」には語を丁寧にする役割がある接頭辞「お」が付いているので、敬語の1つ丁寧語に属すると考えられますが、敬語表現としては不足している部分も見受けられます。「お気を」までは丁寧語表現ですが、気になるのは「つけて」のところです。

「つけて」のように「〜て」という表現は、敬語ではなく通常語です。たとえば、「言って・食べて・拾って」などが表現の形としては同じ類になります。特に失礼な言葉遣いというわけではありませんが、敬語としては不足した表現であり、敬語を要するシーンでは少々ぶっきら棒に受け取られる可能性が高い表現です。

「お気をつけて」全体を敬語表現にすると?

「お気をつけて」は丁寧語表現とも言えますが、それは「お気を」の部分だけであり、「つけて」の部分は敬語としては不足した表現であるとお伝えしました。では、「お気をつけて」という表現を全体的に敬語にするとどのような形になるのでしょうか。

一般的な敬語表現としては、「お気をつけください・お気をつけなさいませ・お気をつけて行ってらっしゃいませ」などがあります。それぞれが持つ「お気をつけて」の敬語表現としての意味、そして使い方をご紹介していきます。

お気をつけください

「お気をつけください」は、「お気をつけて」の語尾「て」を「ください」にした表現になります。「ください」には命令形の意味もありますが、「お気をつけください」の表現で用いる際には「相手に動作を請い求める」の意味を持ちます。

つまり、「お気をつけください」が表すのは「相手に用心する意識を要求する」です。「要求」と聞くと押しの強い表現に感じられますが、「ください」には多少そういった意味合いが含まれます。しかし、強制的な意味合いではなく、「しっかりと聞き受けてほしい」意味です。

「お気をつけて」は相手に何か起きないように使う挨拶の表現であり、また相手の心身状態を気にかける際の表現でもあります。いずれにしても「相手を気遣う」表現なので、「何かあったらいけないので用心して」を丁寧に表したのが「お気をつけください」です。

お気をつけなさいませ

「お気をつけなさいませ」は、「つけて」の「て」部分を「なさい」+「ませ」にした表現です。「気をつけなさい」という強めの表現がありますが、これを尊敬語表現にしたものが「お気をつけなさいませ」です。語尾「ませ」の部分が、尊敬語表現に当たります。

使い方に関してですが、「お気をつけなさいませ」は尊敬語の分類になることから、目上の人・お客様など立てるべき立場にある相手に用います。また、心身を気にかけるというよりは、送り出す際の挨拶として使用した方が自然です。

お気をつけて行ってらっしゃいませ

「お気をつけて行ってらっしゃいませ」は、「お気をつけて」に「行ってらっしゃい」+「ませ」を付けた表現になります。「行ってらっしゃいませ」が付いていることから、「お気をつけて」がそのままの形で用いられていたとしても、敬語の分類としては尊敬語表現になります。

「お気をつけなさいませ」でもお伝えした通り、「ませ」が含まれる「お気をつけて行ってらっしゃいませ」は尊敬語として目上の相手や立てるべき相手に使用することが基本です。また、使い方に関しては、「行ってらっしゃい」という送り出す時の表現が含まれていることから、今から出かける相手に対する挨拶として用います。

「お気をつけて」の例文!

「お気をつけて」を使用した例文をご紹介します。

お越しください

「お越しください」の意味は、「来てください」です。「ください」が付いているので扱いは敬語であり、種類は丁寧語になります。「お気をつけて」と組み合わせると「お気をつけてお越しください」になりますが、「お」続きで気になる方も居るでしょう。

しかし、表現としては特に問題ありません。はじめの「お」は「気」のためにあるものであり、次の「お」は「越し」のためにあるからです。異様に多用すれば違和感となりますが、この表現は文としても成り立っているので、「お」続きでも大きな問題はありません。

例文としては「当日は雨が降るとの予報が出ておりますので、お気をつけてお越しください。」などがあります。送り出す挨拶としての使い方ではなく、相手が来る事前に伝える気遣いの言葉として用いることが多いです。

お帰りください

「お帰りください」は、「帰って」の丁寧語表現です。しかし、基本的に「帰って」よりは強い言い方にはなりません。言い方にもよりますが、基本は丁寧語として優しく使用されます。ここに「お気をつけて」を組み合わせると「お気をつけてお帰りください」になりますが、「お越しください」と同じく「お」続きです。

例文としては、「雲行きが怪しくなっておりますので、お気をつけてお帰りください。」などがあります。「お気をつけて」だけの使い方と同様に、今からどこかへ行く相手を送り出す時の挨拶として用います。場合によっては「あなたに用はありませんので早くお帰りください。」など、キツい表現で用いられることもあります。

いらしてください

「いらしてください」の意味は「来てください」であり、表す内容は「お越しください」と同じです。しかし、「いらしてください」の方が丁寧度であり、敬語分類では尊敬語に当たります。「いらして」は「いらっしゃる」と似た扱いであり、「居る」を「いら」に変えて「して」を付けた表現です。

上品な言葉遣いですが、言い方によっては堅物に聞こえます。例文としては「どうぞ、いらしてください。」などがあります。「お越しください」よりも「来て」の意味合いが強く、相手側が来る態度を示している時・来る気がある様子の時に使用した方が良いでしょう。

また、目上の人に対しては「いらしてください」でも「お越しください」でもどちらでも良いのですが、「お越しください」の方が文面でも口頭でも使用できる上、丁寧語として使用相手の立場を問わないところが万能かつ無難と言えます。

お身体

「お身体」でも「お体」でも構いませんが、身体=心身・体=身体という説もあります。「お気をつけて」と組み合わせると「お身体(に)お気をつけて」になりますが、これは相手の心身状態を気遣う時に使う表現です。場合により、「つけて」の部分を「つけてください」や「つけなさいませ」に変えましよう。

例文としては、「雨が続き湿度が増しておりますので、体調を崩されないようお身体にお気をつけてください。」などがあります。「お気をつけなさいませ」なら、「どうか無理をさならぬよう、お身体お気をつけなさいませ。」などになります。

「お身体」と「お気をつけて」の間に「に」を入れるかどうかについては、入れないことも多いようですが、入れた方が文のまとまりは良くなることもあります。状況により、文の構成および「に」の使い方を考えると良いでしょう。

「お気をつけて」の返事はどうする?

「お気をつけて」と言われた時の返事として適切な言葉をご紹介します。

挨拶

挨拶として「お気をつけて」と言われ時、どのように返事をしたら良いのでしょうか。挨拶としての「お気をつけて」は「用心してね」の意味でしたので、「ありがとうございます」「分かりました」「心得ております」などの言葉で返事をすると良いでしょう。

「ありがとうございます」は、「心配してくれたことに対する感謝の意」です。「分かりました」は、「用心してという要求を理解した・承諾した」意味を含みます。「心得ております」は、ざっくり言えば「言われなくても分かっている」といった意味があります。

「お気をつけて」と送り出す挨拶として言われた時の状況・相手の立場・自分の気持ちに合った表現を返事として用いましょう。

心身を気にかける

心身を気にかける意味で「お気をつけて」と言われた場合も、返事は「ありがとうございます・分かりました・心得ております」などで問題ありません。間違えても「うるさい分かっている」とか「お前に言われなくても」など、ぶっきら棒な返事をしてはいけません。もちろん、相手の立場を問わず、誰に対してもです。

痛みがあるとイライラして、防衛本能が異様な働きを見せることもあります。また、何度も心配された場合にはうざったいこともあるでしょう。しかし、自分の身を案じてくれる人がいるのは有難いことです。そのため、出来る限り雑に扱わず、言葉や行動など出来る範囲で感謝を示すようにしましょう。

「お気をつけて」の言い換え方法!

「お気をつけて」の言い換えになる言葉をご紹介します。

行ってらっしゃい

これまでにも登場していますが、挨拶として「お気をつけて」を使用する際は「行ってらっしゃい」を言い換えに使うこともできます。「お気をつけて行ってらっしゃい」というか表現もありますが、単に「行ってらっしゃい・行ってらっしゃいませ」だけでも送り出す挨拶としては問題ありません。

ご自愛ください

相手の心身を気にかける意味で「お気をつけて」を使う場合は、「ご自愛ください」が言い換えとして使えます。ただ、「ご自愛ください」は文面向きの表現であり、口頭で使う言葉としては向いていません。そのため、文面では「ご自愛」口頭では「お気をつけて」といった使い分けをすると良いでしょう。

注意してください

「注意してください」は、「注意」+「して」に「ください」を付けた表現です。 「お気をつけて」が持つ意味をそのまま表現として用いる言い換えであり、基本的には「◯◯に注意してください」の形で使うことが多いです。

たとえば、「雨に注意してください」などがあります。敬語としては、「ご注意ください」という形にすることもできます。その場合の例文には、「雨により道が滑りやすくなっておりますので、ご注意ください」などがあります。

「お気をつけて」は言い方により優しく聞こえますが、「注意」の言葉は口調が優しくても意味として強めにな表現になります。そのため、「気をつけて」の意味を強く示したい時には「注意」の言葉を使うと良いでしょう。

用心してください

「用心してください」は、「用心」+「して」に「ください」を付けた表現です。「注意してください」と同様に、「お気をつけて」の意味をそのまま表現として用いた言い換えになります。

「◯◯に用心してください」といった使い方もありますが、単に「用心してくださいね」などと言うこともあります。「ご用心ください」という言い方もできますが、「用心」に「お」を付けない「用心してください」の方が言いやすい・使いやすいでしょう。

「用心」の言葉は「注意」と同様に「気をつけて」の意味が強い方ですが、「注意」よりは優しい表現になります。「お気をつけて」と「注意・用心」は、時と場合に合わせて使い分けると良いでしょう。

「お気をつけて」は使用状況に応じた使い方を!

「お気をつけて」は「相手を送り出す際に用心してねということを伝えるための挨拶」であり、また「相手の心身を気にかける」意味でも使用されます。

敬語表現としては「お気をつけください・お気をつけなさいませ・お気をつけて行ってらっしゃいませ」などのように、「つけて」の部分を変えましょう。時には「行ってらっしゃい・ご自愛ください・注意してください・用心してください」などの言葉に言い換えると良いでしょう。

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