「先約」の意味と使い方は?
普段の生活の中や、ビジネスシーンなど、色々な場面でよく耳にする「先約」という言葉ですが、どのような意味があり、どう使われるのでしょうか。「先約」の意味や使い方についてご紹介します。
「先約」の意味は?
「先約」の意味は、前からしていた約束や、先にした約束、つまり、前約のことを言います。日常生活のシーンでも仕事のシーンでも、先約があるのに、そちらを蹴って、他の約束をしてしまったとき、それが相手にバレてしまっては信頼関係は崩れてしまいます。
「先約」は人からの誘いが断りずらい時に、断るための口実として使うこともあります。この場合は、相手に不快な思いをさせないための社交辞令のような意味で使われます。
「先約」の使い方は?
「先約」は日常生活やビジネスシーンなど、さまざまな場面で使われる言葉です。日常生活でも、誰かと約束をしたとき、もし、他の人にも同じ日に誘われた場合、先にした約束を優先し、「先約があるからごめんなさい」と、後からの誘いは断ります。
ビジネスでも、何か事情がない限りは先約を優先します。先約を優先しないと、相手からの信頼を失ってしまったり、相手を怒らせてしまう場合があります。やむを得ない事情で先約を断る場合は相手に事情を話して丁寧に謝罪をします。相手もその日は約束のために空けてくれているため、断る場合は相手の迷惑にならないように早めの対応が必要です。
先約は、断りずらい誘いを断る口実としても使われることがあります。「先約があるので、申し訳ございません」と言われれば、よほど図々しい人でない限りはあきらめてくれます。しかし、万が一バレてしまったときは、相手に不快な思いをさせてしまうことになります。
「先約」の例文
「先約」は以前からの約束という意味や、社交辞令で使われることがあるということが分かりました。では、「先約」は実際にはどのように使われるのでしょうか。「先約」を使った例文をご紹介します。
先約がある
「先約がある」という表現はよく使われます。例えば、「その日は先約があるので断った」「先約があるからと断られた」「先約があるなら仕方がない」という使われ方をします。丁寧な言い方では、「申し訳ございません、先約があるためその日は都合がつきません」「せっかくのお誘いですが、先約があるため参加できません」と表現できます。
先約あり
「先約あり」は日常会話のなかではあまり使われることがありません。サービス業など、相手に伝えたいけれど、伝える相手が多すぎて、1人1人に伝えるのは手間だし、時間がかかってしまうときに、「先約あり」と掲示するだけで、対応の手間が省けます。
例えば、旅館やタクシーなど、掲示板やホームページなどで、予約ができるか確認したいときに、先約で埋まってしまっている日に「先約あり」や「先約ありのためご利用できません」と表示することで、見た人は一目で、この日は利用できないということが分かります。
先約を断る
先約を断ることはできる限り避けたいのですが、どうしても断らなければいけない場面が出てきます。例えば冠婚葬祭の場合は「仕方がない、先約を断るしかない」となります。相手も、冠婚葬祭ならば仕方がないとあきらめてくれる場合が多いです。
しかし、もし、先約に気が乗らず、後からの約束を優先してしまい、先約を断ってしまった場合は、それがバレてしまったとき、相手は不快な思いをして、信頼関係が崩れてしまいます。こういう行動はどこで誰に知られてしまうか分かりません。最悪の場合は、先約の相手だけでなく、その周りの人の信頼も失ってしまう可能性があるので注意が必要です。
先約が入っており
「先約が入っており」という表現は、相手からの誘いを断るときによく使われます。例えば、「申し訳ございません、その日は先約が入っておりますので、他の日にしていただけないでしょうか」「その日は先約が入っており、都合をつけることができません」という使い方をします。
先約のため
「先約のため」という表現も、相手からの誘いを断るときに使われることが多い表現です。例えば、「今回は先約のため欠席させていただきます」「先約のため、他の日にしていただけませんか」と使うことができます。
「先約」の類語は何?
「先約」の類語はどのような言葉なのでしょうか。類語を知っておくと、言葉の選択肢が広がります。ここでは「先約」の類語をご紹介します。ぜひご覧ください。
前約
「前約」は「先約」の意味でもある言葉です。普段はあまり聞きなれない言葉です。「前約」は「ぜんやく」と読みます。意味は「先約」とほとんど同じで、以前に結んだ約束という意味です。
予約
「予約」には、前もって約束することという意味があります。そのため、「先約」と類語です。「予約」は法令用語としても使われ、その場合は少し意味が変わってくるので注意が必要です。
予約と聞くと、ホテルの予約やレストランの予約、美容院の予約など色々と思い浮かびます。予約を利用することで、お店側は段取りなど計画が立てやすくなり、客側は、待ち時間を気にしなくて済みます。
アポイントメント
「アポイントメント」は面会の約束や、予約のことを言います。ビジネスシーンでよく聞かれる言葉です。「アポイントメント」は省略されて「アポ」と使われることが多いです。よく「アポをとっておいてください」「先方にアポとっておきました」というような使われ方をします。
「先約」の敬語
敬語は上司など、目上の人に対して敬意を込めて使う表現方法です。そのため、相手に失礼にならないように注意が必要です。「先約」を使う場合、相手からの誘いを断るために使うことが多いので、敬語では慎重に言葉を選ぶ必要があります。「先約」に「あいにく」をつけて「あいにく先約があり」と使うと相手に丁寧な印象を与えることができます。
上司の場合は正直に理由を話すこともおすすめです。「先約」と聞くと不快に感じる人もいますが、正直に理由を話すことで、馬鹿正直という印象を与えたり、仕方ないとい雰囲気になります。「先約」と曖昧な表現より正直に理由を言われたほうが、誠意を感じることができます。
先約は優先するべきか
特に予定もなかったので、約束をしてしまったけど、後から違う人から誘われてしまい、そちらに行きたい場合、先約を断るか悩んでしまうことがあります。もし、気が乗らないような場合でも、先約は優先するべきなのでしょうか。
先約は優先するべき
先約は基本は優先するべきです。もし、自分が先約だったのに、断られる側の立場ならばどんな気持ちになるでしょうか。もし、嘘をついて先約を断ったとしても、その嘘がバレないという保証はありません。信頼関係が壊れてしまう可能性もあり、仕事の場合は致命的となってしまいます。
それでも、どうしても先約を断りたい場合には、嘘ではなく正直に話したほうが誠意があります。事情によっては相手が納得してくれることもあります。相手にも都合があるため、断る場合は早めに連絡をするべきです。
もし、自分が断られる側ならば、腹が立ってしまうこともありますが、そういう考えの人だと思って、落ち着いて受け入れるようにしましょう。
先約を優先できないときもある
先約は優先するべきですが、場合によっては優先できないときもあります。先約を優先できない状況とはどういったことがあるのでしょうか。先約を優先できない状況とは、冠婚葬祭や、体調不良、事故など挙げることができます。
冠婚葬祭は仕事でも有休を使うことができます。例え先約が入っていたとしても、急な葬儀や結婚式などを理由に断る場合、相手も納得せざるを得ません。また、体調が悪い相手に対しても、「先約の方が優先」というような人はあまりいません。事故で入院となれば先約どころではありません。
もし、自分が断られる側でも、こういった理由では「ダメ」とは言えません。このような断り方をされたときには、相手のことを思いやって、「こちらのことはお気になさらないでください」「またの機会にしましょう」と快く受け入れるように心がけましょう。
先約を理由に断りをする方法
仕事関係のことや飲み会の誘いなど、先約を理由に断ることがあります。しかし、断るときはこちらもあまり良い気はしません。断り方によっては相手を怒らせてしまったり、不快感を与えてしまう場合があります。断り方には注意が必要です。
ビジネスメール
直接断りを入れずらい場合はメールで送る方法があります。しかし、仕事関係の断りでは、相手に失礼がないように気をつける必要があります。メールは顔が見えないため、感情が伝わりにくいです。しかし、文章の書き直しはいくらでもできるので、じっくり考えてメールを作成することができます。
文章の構成は、まず誘ってもらって嬉しい気持ちを書きます。次に、先約が入ってしまっているため申し訳ない気持ちを書きます。例えば、「せっかくのお誘いですが、あいにく先約があるため、心苦しい限りではございますが、今回は遠慮させていただきます」という文面になります。
直接伝える
相手に直接「先約」を理由に断りを入れる方法もあります。メールや電話で伝えるよりも誠意を感じることができます。また、表情も見えるため、申し訳なく思っている気持ちも伝わりやすいです。直接相手に伝える場合は例えば、「申し訳ございませんが、先約があるため参加できません」と言うことができます。
本当に先約があり、誘いを断る場合は、先約という言葉を使わずに、断る理由をそのまま伝えることもできます。先約と聞くと、「もしかしたら誘われるのが嫌で、先約を理由に断っているのかも」と考える人もいますが、断る理由を正直に話すことで、先約があるなら仕方がないと、相手も納得してくれます。
「先約」は大事にしよう
先約は日常生活や、ビジネスシーンなど、さまざまな場面で使われる言葉です。もし、先約がある場合は、その後に他の誘いがあったとしても、よほどの事情がない限りは先約を優先するべきです。先約を断る場合は信用を失ってしまう場合もあります。
レジに並ぶときなど、順番を守ります。先約を優先すると言うことは、それと似ています。後からの誘いは別の日を提案すればいいだけのことです。日常生活でもビジネスでも、先約を大事にして、良い人間関係を築いていきましょう。