「参ります」の意味と使い方・敬語表現・「伺います」との違い

ビジネススキル

「参ります」の意味と使い方

主にビジネスの場や日常生活において使われている「参ります」という言葉ですが、何気なく使っているけれども、本当の意味を知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は「参ります」の意味や例文、使い方などについてご紹介いたします。まずは、「参ります」という言葉の意味についてみていきましょう。また、「参ります」の使い方の例もご紹介します。

「参ります」の意味は状況によってさまざま

「参ります」は、もともと「参る」という謙譲語に丁寧語である「ます」がついて「参ります」といった言葉となっています。「参ります」は3種類の意味で使われることが多く「行く」「来る」「●●していく」などの意味で使われます。

「行く」としての意味

一番多い「参ります」の意味として使われるのが「行く」という意味での使われ方です。「参ります」の「行く」としての意味は、自分が目上の方に対して行きますという意味合いが含まれています。

そのため目上の人に対する「わたしが行きます」と伝えたい場合は「わたしが参ります」と表現するのが一般的です。もちろん「わたしが行きます」という表現でもいいですが、くだけた言い方になってしまいます。自分より目上の人には「参ります」という言葉を使ったほうがいいでしょう。

「来る」としての意味

よく「ただいま係の者が参ります」というように自分以外の社員や店員が「来る」場合にも「参ります」という意味で用いられます。「来る」の「参ります」の意味合いとしては「行く」と意味が近いのがポイントです。

また、「来る」を謙譲語で表した場合「参ります」という意味にもなります。例えば「バスが参りました」であれば「バスが来ました」という意味になります。さきほどの「係の者が参ります」という表現も「係の人が来ます」といった意味になります。

「来る」としての意味での「参ります」は、相手が目上の立場であれば「お迎えの車が参りました」「バスが参りました」など気遣いの意味で使いましょう。

「弱っている」としての意味

自らが病気や疲れで弱っているという時にも「参ってます」という表現を使うことがあります。この「弱っている」意味の「参ります」は、「参ります」の対象となる相手がいないので、今の自分の「弱っている」状態を表現する意味で「参ってます」と使いましょう。

例えば「最近は仕事が多くて参っています」や「風邪で参ってしまう」などの使い方をします。また、「弱っている」意味での「参ります」の使い方は立場が関係なく、目上の人や同僚、友人、家族全員に使えますので、相手を上に立てる必要はありません。

「降参」としての意味

勝負事や相手に負けたことを意思表示する時にも「参りました」と使うことがあります。「降参」の意味としての「参りました」は「来る」や「行く」という意味とは違い「自分は弱っている」での意味が近い言葉となります。

相手に自分はもう勝てる術がなくて「負ける」ことや、相手の熱意には敵わない意味としても「参りました」を用いることが多いでしょう。「降参」の意味での「参りました」は、日常生活では使うことはあまりなく、勝負事などで使う機会が多いのが特徴です。

「継続する」としての意味

一般的に「参ります」は「行く」「来る」での意味で使われることが多いです。しかし、目上の人方や尊敬する相手に対して「●●する」「●●していく」と伝えたい場合は「●●して参ります」と使います。例えば「頑張っていきます」と伝えたい場合は「努力して参ります」や「継続して参ります」と伝えるといいでしょう。

「参ります」の使い方例

続いては「参ります」の使い方をさまざまな例でご紹介いたします。どの「参ります」も異なる意味での表現ですので、意味も注目しながらみていきましょう。

「ただいま参ります」

「ただいま」には「今」という意味があります。通常の言葉で表現するのであれば「今行きます」という言葉となります。「ただいま参ります」の使い方としては「自分から行きます」と伝えたい場合に使うといいでしょう。

「担当の者が参ります」

先ほどの「ただいま参ります」は、自分から行くことを表現していましたが、これに「係の者が」や「担当の者が」付くと自分ではなく「他人が来る」ことを表現する意味となります。また、接客などで「担当の者が参ります」とお客さんに「担当の人が来る」ことを伝えたい時に使いましょう。

「あなたには参りました」

相手の意見に異論がないことや敵わないと感じた時に使いましょう。降参の意味としても使われる「参りました」ですが「あなたには参りました」の意味は相手の意見に納得した意味でも使いますので、負けを認めているわけではありません。

「参ります」の敬語表現

ビジネスや日常生活において「参ります」の敬語表現を使い分けなければならないところが、敬語の難しいところです。「参ります」の敬語表現には意外と間違えやすいところがありますので、「参ります」にはどんな表現があるのか1つ1つみていきましょう。

丁寧語

丁寧語としての「参ります」は主に「行く」と「来る」と伝えたい場合に使われます。上司や目上の人に対して「バス・タクシーが参りました」「●●から参りました田中です」などがあげられます。丁寧語の「参ります」は、車やバスがこちらに向かってきたことや自分がどこから来たのかを相手にへりくだって伝えたい時に使います。

尊敬語

尊敬語での「参ります」は相手に使うことはNGとなります。尊敬語は目上の人を敬う意味で使われる敬語ですので、相手に対して「先生が参ります」と使うのは失礼にあたります。尊敬語として「参ります」を伝えたいのであれば「先生がおいでなります」「先生がいらっしゃいます」と相手を立てるのが一般的です。

謙譲語

謙譲語は相手を上に立てて自分のことをへりくだった言い方をする敬語です。謙譲語も丁寧語と同じく自分を下にして伝えたい場合に「参ります」と使います。また、謙譲語では「参ります」の同義語として「伺います」という言葉もあります。

「参ります」と「伺います」の違いは?

謙譲語の1つとして「参ります」と同じように使われるのが「伺います」という言葉です。「参ります」と「伺います」の具体的な違いや使い方の違いはあるのでしょうか。この項目では「参ります」と「伺います」の違いや使い方についてご紹介いたします。

自分の立場と相手によって使い方が違う

謙譲語の「参ります」と「伺います」は自分の立場や相手の立場によってどちらを使うのかが違ってきます。また、どちらも「自分から行く」意味としては同じと思われますが「伺います」には「人と会う・訪問」の意味もあります。

上司や目上の人など敬意を払う相手には「参ります」

上司や敬意を払う相手が対象であった場合は「参ります」を使いましょう。同じ意味の「伺います」でも良いのではないかと考える方もいます。しかし、「参ります」は、目上の人に対して自分を下にして表現した謙譲語ですので、自分がどこかへ行くことを目上の方に伝えたい時は「●●へ参ります」と表現するのが一般的です。

例としては「●●時から●●様の元へ参ります」と上司に伝える時や「営業へ行って参ります」などがあげられます。

顧客の元や場所へ向かう時は「伺います」

顧客やビジネスの商談のアポイントを取る時には「伺います」を使うのが一般的です。「伺います」は「行く」以外にも「訪問する」や「人の様子を見る・尋ねる」という意味もあります。例として「●●時から伺います」「この話は先生に●●と伺いました」と使いましょう。

「参ります」の例文

日常生活における「参ります」の例文についてご紹介いたします。「参ります」にもさまざまな言い回しや表現の仕方がありますので、状況に応じて使ってみましょう。

気をつけて参ります

・「●●のことに関しましては、誠に申し訳ございません。以後気をつけて参ります」
・「ご指摘ありがとうございました。以後気をつけて参ります。」

謝罪の一文として使われることが多いのが「以後気をつけて参ります」という表現の仕方です。「気をつけて参ります」は「~する」「~していく」の謙譲語になりますので「気をつけて参ります」の表現としては敬語として間違ってはいません。

また、通常の言葉にすると「今後は同じことがないように努力します」という意味として伝わりますので、問題はありません。しかし、人によっては「気をつけて参ります」は『心がこもっていない』などの印象を受ける方もいますので、その場合は「大変申し訳ございませんでした、肝に銘じておきます」と付け加えるとより誠意が表れた表現になるでしょう。

参りますゆえ

・「東京で商談をしてから参りますゆえ、少々遅れます。」
・「昼食をとってから参りますゆえ、時間どおりには到着できません。」

「参ります」という言葉に「ゆえ」が付くと「●●なので」「●●だから」といったその後に続く原因や理由を付け足す場合に使います。上記の例文では「東京で商談を済ませてから行くので、少し遅れます」と「お昼ご飯を食べてから行くので、時間どおりには着けない」という意味になります。

また、他の意味として「●●だと思うので」という使い方もありますが、「参りますゆえ」は「●●してから行きます」という意味で使いましょう。

参りまする

・「ただいま、参りまする」
・「行って参りまする」

「参りまする」は「ます」のと同じ意味で、「ます」を丁寧に表現した古い敬語の1つです。現在では「●●まする」という言葉は時代劇や忍者、侍など、上に仕える者が使っていることから『昔の言い回し』の印象が強いでしょう。

「参りまする」の意味としては「参ります」と同じ意味で使い方も間違ってはいませんが、現在ではビジネスの場や目上の方に使う言葉としてはふさわしくはありません。また、語尾がかわいらしい印象を受けることから若者の間で使われることが多いのもこの「参りまする」の特徴といえるでしょう。友人や家族の間でふざけてみたい時などに使うと盛り上がれるます。

参りますか

・「食事に参りますか」
・「●●へ参りますか」

よく上司の方に対して食事に誘いたい場合やどこかへ誘いたい時に「食事に参りますか」「●●へ参りますか」と使う方がいます。実はこの「参りますか」は敬語としては間違った使い方です。そもそも「参ります」は自分を下にした表現ですので、相手に使う表現ではないのがポイントです。

もし、目上の方を敬意を払う相手に対して、食事やイベントに誘いたい時は「行かれますか」と伝えるのがいいでしょう。

「参ります」の類語・言い換え方

「参ります」の類義語や言い換え方はあるのでしょうか。この項目では「参ります」の類語にあたる言葉や「参ります」の別の言い方についてご紹介いたします。

お目にかかる

「お目にかかる」という言葉は、『目上の人に会う』と同じ意味を持ちますので、「参ります」の類語になります。また、「お目にかかる」も目上の人に対して使うのではなく、「先生にお目にかかるのを楽しみにしております」や「●●さんにお目にかかりたいのですが」と自分をへりくだった表現にする場合に使います。

見参する

「見参する」は「参ります」の類語の1つであり、言い換え方の1つでもあります。この「見参する」の意味は『目上の人に会うこと』を意味しています。また、「見参する」も「お目にかかる」と同じく、目上の人に対して使うのではなく「●●はただいま見参しました」といった使い方をします。

また、日本では近代的な文化が入る前に使われていた言い方だったため「見参しました」は古い言い方ともいえます。特に現在ではあまり使う機会はほとんどないといっていいでしょう。しかし、敬語としては間違ってはいませんので、日常生活で使う分には問題はありません。

参上する

「参上する」は「見参する」と同じ意味を持つ「参ります」の類語・言い換え方です。よく時代劇などで忍者や侍が自分の登場の時に「●●、参上した」というセリフで有名です。「見参する」という言葉は『身分の低い人が身分の高い人のところを訪問する』という意味も持ちますので、「参上する」も「●●先生が参上しました」とは使いませんので、注意しましょう。

また、「見参する」訪問する意味もありますが「伺います」とはまた違い「目上の人に会う」ことを意味していますので、「伺います」とは、発言する対象が異なります。

「参ります」を正しい使い方で使おう

いかがでしたでしょうか。今回は「参ります」の使い方や意味などについてご紹介してきましたが、同じ「参ります」という言葉でも相手によって意味が異なります。普段何気なく使っている言葉ではありますが、意外にも「参ります」の意味を理解せずに使っている方が多くいます。

日常生活やビジネスの場で使う「参ります」のそれぞれの意味を知っておけば、どういう時に使えば良いのかを把握することができるようになります。新社会人や敬語を覚えたての方にとっては、難しい言葉ではありますが、正しい「参ります」の使い方をマスターしてキレイな敬語を使ってみてはいかがでしょうか。

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