正しく使いたい!「差し出がましい」の意味・使い方
日々の生活の中で、いろいろな立場や関係性の人と話していると、さまざまな言葉に触れる機会があります。日常の会話で使い慣れている言葉もあれば、ビジネスシーンなどでしか使用しない聞き慣れない言葉などもあり、意味を知らない言葉と出会うと戸惑うこともあるでしょう。
意味や使い方に自信がない言葉に触れた場合は、その場では難しくても、なるべく早い段階で正しい意味や使い方を確認することをおすすめします。わからない言葉について確認することで、語彙力やボキャブラリーの向上に繋がるでしょう。
今回は、「差し出がましい」という言葉をテーマにして、意味や使い方、例文や敬語表現などについて、考察・ご紹介していきます。「差し出がましい」の意味などに自信がない方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
「差し出がましい」の意味・使い方
最初に、「差し出がましい」とはどのような言葉なのか、基本的な意味や使い方を確認しながら見ていきます。
「差し出がましい」という言葉は、日常生活における家族や友人との会話では、あまり使用しない言葉だと考えられあす。そのため、「差し出がましい」という言葉の意味や使い方に自信がないという方も、少なくないでしょう。
この機会にぜひ、「差し出がましい」という言葉と向き合ってみて下さい。
「差し出がましい」の意味
まずは、「差し出がましい」とはどのような意味を持つ言葉なのか、基本的な意味について考察していきます。
「差し出がましい」という言葉の意味について、「weblio辞書」では以下の引用のように解説しています。引用の内容から、「差し出がましい」という言葉には、「しゃしゃり出る」といった意味が含まれていると考えられます。また、出しゃばったり、余計なことをしたりする感じや雰囲気を表現する言葉でもあります。
出しゃばるような感じを与える。よけいなことをするような感じがする。
「差し出がましい」の使い方
続いては、「差し出がましい」という言葉の基本的な使い方について、考えていきます。
上記でもご紹介したように、「差し出がましい」という言葉には、しゃしゃり出たり余計なことをしたりといった意味・ニュアンスが含まれています。ですから、余計なことをしている感じがするときや、しゃしゃり出るような雰囲気になりそうな時に、使用されることが多い言葉だと考えられます。
後述で、「差し出がましい」を使用した例文をご紹介していきますが、具体的な使い方としては、「差し出がましいようですが」「差し出がましいことと存じますが」といった言い回しで使用されるケースが多いと言われています。
「差し出がましい」の類語
続いては、「差し出がましい」という言葉と似ている意味を持つ、類語や同義語と言われる言葉をご紹介していきます。類語や同義語に、どのような言葉があるのかチェックしてみることで、「差し出がましい」という言葉への理解が深まる可能性もあります。
この機会に、「差し出がましい」の類語や同義語についても、覚えておきましょう。
お節介
「差し出がましい」という言葉と似ている意味を持つ言葉の1つに、「お節介」が挙げられます。「お節介」という言葉については、聞き慣れているという方も多いと予想できますが、正しい意味について、確認していきましょう。
「お節介」の意味について、「コトバンク」では以下の引用のように解説しています。引用の内容から、「お節介」という言葉には、出しゃばる様子やいらぬ世話を焼くことを表現する意味が含まれているとされてます。また、上記のような言動を取る人のことを指すケースもあります。
出しゃばって、いらぬ世話をやくこと。また、そういう人や、そのさま。
僭越
「僭越」という言葉もまた、「差し出がましい」という言葉と似た意味を持つ言葉の1つだと言えるでしょう。
「weblio辞書」に掲載されている解説を参考にしてみたところ、「僭越」の意味について、以下の引用のように掲載していました。引用の内容から、「僭越」とは自分の立場や権利、身分などを越えて、余計なことを言ったりお節介な言動を取ったりすることだと、読み取ることができます。
身分や権限などを越えて、差し出がましいことをする・こと(さま)。
分を弁えない
「分を弁えない」という表現も、「差し出がましい」という言葉と、似たような意味を持っていると言えるでしょう。
「分を弁える」という言葉の意味についえは、「weblio辞書」にて、以下の引用のように解説されています。引用の内容から、「分を弁える」という言葉の意味は、立場や身分を理解して、控えめで自分の身の丈にあった言動を取ることだと読み取れます。
「分を弁えない」という表現は、上記でご紹介した「分を弁える」の反対語だと言えるでしょう。ですから、立場や身分を考えずに出しゃばるといった意味になると予想できます。
自分の身の程や分際を承知して、出過ぎたまねをしない。でしゃばった行動を控える。多くは「分をわきまえたまえ」のように相手に呼びかける形(命令形)で用いられる。
出しゃばる
「出しゃばる」という言葉も、「差し出がましい」とは似ている意味を持つ言葉の1つです。
「出しゃばる」の意味については、「weblio辞書」にて、以下の引用のように掲載されています。引用の内容から、「出しゃばる」には、求められていないことをやったり、関係がないのに口出ししたりすることを表現する意味が込められていると言えそうです。
関係のないことや,求められてもいないことに,口を出したり,手を出したりする。
「差し出がましい」の例文
続いては、「差し出がましい」という言葉を実際に使用した、例文をご紹介していきます。「差し出がましい」という言葉の基本的な意味や使い方はわかっていても、実際の会話や文章ではどのように使用すれば良いのか、よくわからないと感じている方もいらっしゃるでしょう。
例文を通して、より実践的な使い方や言い回しについて、見ていきましょう。
差し出がましいようですが
「差し出がましい」という言葉を使用した言い回しの1つとして、「差し出がましいようですが」という言い回しが挙げられます。「差し出がましいようですが」という言い回しは、「差し出がましい」という言葉を使用した言い回しの中でも、特によく使われるメジャーな言い回しだと言えます。
「差し出がましいようですが」を使用した例文としては、以下のような使い方をしたものが挙げられます。
・差し出がましいようですが、私としては赤よりも白の方がお似合いだと思います。
・差し出がましいようですが、会議は14時ではなく15時開始ではないでしょうか?
・差し出がましいようですが、私も発言させて頂きます。
差し出がましいこととは存じますが
上記でご紹介した、「差し出がましいようですが」という言い回しを、より丁寧な言葉で表現したものとして、「差し出がましいこととは存じますが」という言い回しが挙げられます。
「存じます」という言葉は、「思う」「知る」といった言葉の謙譲語です。ですから、「お節介なことかと思いますが」といった意味の言い回しを、丁寧に表現したものが、「差し出がましいこととは存じますが」という言い回しだと言えるでしょう。
・差し出がましいこととは存じますが、本日は黒ではなく、赤いドレスにされてはいかがでしょうか。
・差し出がましいこととは存じますが、私も発言させて頂けますでしょうか。
「差し出がましい」の敬語
続いては、「差し出がましい」という言葉を、敬語へと言い換えたい場合、どのように言い換えれば良いのか、考察していきます。
ビジネスシーンなどでは、敬語でやり取りすることがマナーとなっています。ですから、「差し出がましい」を使用する場合も、敬語に言い換えた方が良いと予想できます。
丁寧語
敬語には、いくつか種類があります。その中でも、特にメジャーな分類が、「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の3種類に分類する分け方です。まずは、3種類の敬語のうち、「丁寧語」
へと言い換える方法について、考察していきます。
丁寧語とは、綺麗な言葉や丁寧な言葉を使うことで、相手に対する敬意や気遣いを見せる表現方法です。「差し出がましい」という言葉を丁寧語へと言い換える場合は、前後で使用する言葉を丁寧語へと言い換える必要があると考えられます。
「差し出がましい」という言葉の前後の言葉を丁寧語へと言い換えた例としては、「差し出がましいのですが」「差し出がましいこととは思いますが」といった言い回しが該当すると考えられます。
尊敬語
続いて、3種類の敬語の中でも、特に相手の言動に敬意を払って表現するタイプの、「尊敬語」をピックアップして、差し出がましいの言い換え表現について考察していきます。
上記でもご紹介したように「差し出がましい」という言葉は、お節介であることやしゃしゃり出た感じになることを表現する言葉です。一方で、尊敬語は、目上の人などの言動を奉って、敬意を払うタイプの敬語となっています。
目上の人の言動に対して、お節介や余計なお世話といった意味・ニュアンスを持つ「差し出がましい」という言葉を使用するのは、失礼だと考えられます。
上記のような背景から、目上の人の言動を「差し出がましい」と表現するケースはほとんどないと考えられるため、尊敬語へと言い換えて使用することも、滅多にないと考えられます。
謙譲語
最後に、自分の言動を謙って表現することで相手へ敬意を払う、「謙譲語」へと「差し出がましい」を言い換える方法について、考察してきます。
「差し出がましい」という言葉は、目上の人などに対する自分の言動を「お節介」「余計なお世話」などと表現する際に使用されるケースが多いため、謙譲語へ言い換えて使用する機会は、多いと予想できます。「差し出がましい」を謙譲語へと言い換える場合は、前後の言葉を謙譲語へ言い換えるケースが多いと言われています。
謙譲語への言い換えの一例として、「差し出がましいこととは存じますが」といった表現が挙げられます。「存じます」は、「思う」「知る」などの謙譲語と言われています。ですから、「差し出がましいことと思いますが」を謙譲語へと言い換えると、「差し出がましいこととは存じますが」という言い回しになると考えられます。
「差し出がましい」のビジネスでの表現・意味
続いては、「差し出がましい」をビジネスシーンで使う場合、具体的にどのような使い方ができるのか、考察していきます。
「差し出がましい」という言葉自体、日常の会話ではあまり使われず、ビジネスシーンなどで使われることが多い言葉です。そのため、「差し出がましい」という言葉とセットで、ビジネスシーンにおける活用方法も覚えておくと、何かと便利です。
メール
まずは、ビジネスメールにおける「差し出がましい」の使い方について、考察していきます。
何度かご紹介しているとおり、「差し出がましい」はしゃしゃり出る感じになる際や、余計なお世話になりそうな場合に使用する言葉です。ですから、メールにおいて相手について何か指摘したり、アドバイスをしたりする際に、使われるケースが多いと予想できます。
特に、メールの相手が他社の人であったり上司であったりと、敬意を払うべき相手だった場合は、「差し出がましいこととは存じますが」などのより丁寧な表現で使うことをおすすめします。
会話
続いては、ビジネスにおける会話での「差し出がましい」の使い方について、考えていきます。
ビジネスシーンにおける会話では、上司などの目上の人や、取り引き先などの他社の人、お客様などに対して、敬意を払う必要があります。そのような敬意を払うべき人物と会話をしていて、意見を言ったり指摘をしたりする際に、「差し出がましい」という言葉を入れ、失礼な印象にならないようにするケースは、非常に多いと考えられます。
「差し出がましい」は「出しゃばる」という意味
いかがでしたでしょうか?今回は、「差し出がましい」という言葉をテーマにして、意味や使い方、類語や例文、敬語への言い換えなどについて、考察・ご紹介しました。
「差し出がましい」という言葉には、「出しゃばる」「余計なお世話」といった意味・ニュアンスが含まれています。ビジネスシーンでは、目上の人などに意見を言ったり、目上の人などに向けた自分の発言を余計なものとして謙遜したりするニュアンスで、使用されることが多いと予想できます。
「差し出がましい」の意味や使い方をこの機会に覚えて、正しく使いこなせるようにしましょう。