「差し出がましい」の例文って?
「差し出がましいようですが」という表現を聞いたことはないでしょうか。誰かの意見に対して異論を唱える場面などで使われる言葉として用いられることが多い表現です。では、差し出がましいようですがの例文とは何でしょうか。また、この言葉の意味や正しい表現方法、用途に合わせた言い換え文など、「差し出がましい」という表現についてこちらではご説明していきます。
「差し出がましい」の正しい表現方法をきちんと使いこなせているかどうか、例文や言い換え表現などを見ながら順に説明していきますので、どうぞご参考になさってください。
差し出がましいをどんな場面で使っていますか?
突然ですが、「差し出がましい」をあなたはどのような場面で用いられていますか。冒頭でご説明したように誰かの意見や論述が用いられた際に、異論を唱える言葉として使われる場合が多いのではないでしょうか。また、論議の場などで自分の意見を申し出る場面などでも使われる表現ではないでしょうか。
では、「差し出がましい」とはそもそもどのような場面で用いる表現で、どのように使えば正しい表現であるのか、「差し出がましい」を用いた例文や表現を見ながら確認していきましょう。「差し出がましいようですが」はどのような場面で用いるべき表現でしょうか。
差し出がましいようですが
「差し出がましいようですが、わたくしの方からも意見を申し上げますと」という表現方法で見ていきましょう。「差し出がましいようですが」を用いた表現の一場面です。述べられた意見や論述に対して、自らに異論がある場合や意見を申し出たい場面などで用いることが多い表現ではないでしょうか。
「差し出がましい」とは「厚かましい」や「おこがましい」といった意味合いを持ちますので、自分がこのように申し上げるのはとても失礼だとは思うのですがといった意味で、「差し出がましいようですが」と前置きして、自らの意見や異論を唱えるなどして用いることが多いでしょう。
「差し出がましいようですが」という言葉や表現はこのようにして用いられます。
差し出がましいこととは存じますが
「差し出がましいこととは存じますが」という表現はどうでしょうか。「差し出がましいようですが」を少し言い回しを替えて、最後に敬語表現を用いています。意味合いとしては同じく「厚かましいこととは思いますが」や、「おこがましいとは解っていますが」の表現ですので、「差し出がましいようですが」と同じ意味の言葉になります。
では、例文としてはどのようにして用いればよいでしょうか。「このようなことを申し上げるのは大変に差し出がましいこととは存じますが」ではいかがでしょうか。出された意見に対して本来なら自分が意見を申し上げるのは厚かましい、おこがましいとは思うのですがと前置きしての一文ですので、問題はなく成り立っています。
「差し出がましいようですが」よりもより丁寧な印象を与える言葉遣いでもありますので、とてもきちんとした日本語でもあると言えるでしょう。
「差し出がましい」の類語表現!
では、そもそも「差し出がましい」という言葉や表現はどういった意味合いの言葉で、代用される類義語はと探しますとどうなるでしょうか。こちらでは「差し出がましい」の類義語表現を見ていきましょう。
差し出がましいの類語表現?
前述してきましたように、「差し出がましい」とは、「厚かましい」や「おこがましい」といった表現、また、「恐縮ですが」や「僭越ながら」といった表現に置き換えることができます。類語表現としてもっとも適しているのは、「おこがましい」という表現になるといってもいいでしょう。
同じ意味になる言い回しは?
では、「差し出がましい」と同じ意味合いになる言い回しとしてはどのようなものを用いればよいでしょうか。類語表現として挙げたものを置き換えてみます。
「わたくしがこのようなことを申し上げるのは大変差し出がましいですが」
「わたくしがこのようなことを申し上げるのは大変厚かましいと思いますが」
「わたくしがこのようなことを申し上げるのは大変恐縮ですが」
「わたくしがこのようなことを申し上げるのは大変おこがましいですが」
「わたくしがこのようなことを申し上げるのは大変僭越ではありますが」
など、同じ意味を持たせた表現方法のパターンとしては幾通りか存在します。ここで、僭越ではありますがという表現を見ていきましょう。
言い換え表現「僭越ながら」
「僭越ながら」、「僭越ではありますが」という表現を見ていきます。「僭越」とは「差し出がましい」と同じ意味合いで、「おこがましい」や「身の程を弁えない」という意味の言葉になります。「僭越ながら」に差し替えた表現方法を見ていきましょう。
「差し出がましいようですがわたくしの意見を申し上げますと」を、「僭越ながらわたくしの意見を申し上げますと」と置き換えました。どちらを使っても構わないのですが、僭越という表現はそれ自体におこがましい、身の程を弁えないとい意味を持つ言葉ですので、より、丁寧にこのようなことを申し上げるのはという意味合いを含ませた表現になります。
「差し出がましい」の使い方は?
順を追って「差し出がましい」という表現について見てきましたが、では、そもそも「差し出がましい」とはどのような場面に用いべき表現なのかについて、ここまでにご説明してきました。
「差し出がましい」とは、「厚かましい」や「恐縮ですが」や「おこがましい」という意味合いの言葉で、「僭越」と同じく「身の程を弁えない」や「失礼ながら」といった意味合いを持ちます。
差し出がましいの正しい使い道と表現!
次ぎに「差し出がましい」の正しい使い道と表現についてもう少し見ていきましょう。
前述しましたように、「差し出がましい」とは、「厚かましい」や「おこがましい」、「失礼ながら」や恐縮ですが」の意味合いを持つ表現です。ですから、使い方としては「このようなことを自分が申し上げても良いのか」などの意味合いを持たせたい場面で、「差し出がましいようですが」と使用するのが最も適したものになるでしょう。
差し出がましいをどう使いますか?
では、具体的にはどのような例文を用いることができるでしょうか。「差し出がましいようですが」を用いた一文を見ていきましょう。
「はい、ご意見は承知致しました。差し出がましいようですが、わたくしの方からも意見を申し上げてもよろしいでしょうか」と作りました。いかがでしょうか。ここまでご説明してきました「差し出がましい」の意味を踏まえた上で、きちんと成り立っている一文です。
「差し出がましいようですが」を「差し出がましいとは存じますが」や、「わたくしがこのようなことを申し上げるのは恐縮ですが」、「僭越ながら、わたくしの方からも意見を」と置き換えても使用できますし、一文としてもきちんと成り立ちます。
敬語で使いたい場合の表現
「差し出がましい」という表現を敬語で使いたい場合、どのように用いればよいでしょうか。ここまで見てきた「差し出がましい」の意味合いと置き換え表現などを使いながら、例文を幾つか用いてみましょう。まずは「差し出がましい」を用いた表現です。
「ご意見は承知致しました。差し出がましいこととは存じますが、わたくしの方からも意見を申し上げてもよろしいでしょうか」と、「存じますが」という言葉を用いて敬語表現に差し替えました。次に、別の表現例でも見ていきましょう。「恐縮ですが」を用います。
「ご意見は承知致しました。恐縮ではありますが、わたくしの方からも意見を申し上げてもよろしいでしょうか」となりました。では、「おこがましい」と「僭越」を用いた場合はどうでしょうか。「差し出がましい」と同じ意味合いを持つ言葉の丁寧な言い回しとして、敬語表現として成り立ちます。
ビジネスで?
前述してきましたように、敬語表現として文脈を整え、「差し出がましい」を用いても構わないのですが、もう少し丁寧で同じ意味合いを持たせた表現方法として、「おこがましいようですが」や、「恐縮ではありますが」を用います。
また、「僭越ながら」を用いた表現もビジネスの場面では相応しいと言えるでしょう。用途と場面に合わせて言葉を選びたいところです。
言い換え表現を用いて
では、具体的には「差し出がましい」を言い換えた表現とはどのようになるのでしょうか。繰り返しにはなりますが、ここまで用いてきた表現を見ながら例文を考えていきましょう。
僭越ながら
「差し出がましいこととは存じますが」を「僭越ながら」を用いた表現に置き換えます。「承知致しました。差し出がましいこととは存じますが、わたくしの方からも意見を申し上げさせて頂いてもよろしいでしょうか」を「承知致しました。僭越ながら、わたくしの方からも意見を申し上げてもよろしいでしょうか」となります。
注意したいのは、僭越ながらという表現を用いる場合には、「僭越とは存じますが」と使ってしまわないようにしたいところです。この表現は却って先方に対して不遜な言動となりかねませんので、「僭越ながら」もしくは、「僭越ではありますが」と用いましょう。
恐縮ですが
同じく、「恐縮ですが」という表現を用いた例文を見ていきましょう。「承知致しました。差し出がましいこととは存じますが、わたくしの方からも意見を申し上げてもよろしいでしょうか」を、「承知致しました。誠に恐縮ですが、わたくしの方からも意見を申し上げてもよろしいでしょうか」となります。
「恐縮」というのは「大変、恐れ多いのですが」という意味合いの表現ですので、「差し出がましい」と使いたい場合にこちらの表現を用いても不自然ではありません。「大変恐れ多いのですが」と「恐縮ではありますが」を用いて「差し出がましい」に置き換えられます。
おこがましいとは存じますが
「おこがましいとは存じますが」の表現もまた然りです。
「おこがましい」とは「厚かましい」などの意味合いを用いますので、このようなことを申し上げても構わないのかとは思うのですがと前置きしたい「差し出がましいとは存じますが」に代えて、「承知致しました。おこがましいとは存じますが、わたくしの方からも意見を申し上げてもよろしいでしょうか」と置き換えることができます。
失礼ながら
こちらの表現はもう少し砕けた言い回しに当たるでしょう。率直に、このようなことを申し上げるのはどうかと思うのですがという意味合いが伝わります。「承知致しました。大変失礼ながら、わたくしの方からも意見を申し上げましてもよろしいでしょうか」と、とてもストレートに伝わる表現でもあります。
「差し出がましい」の言い換え表現
「僭越ながら」、「恐縮ですが」、「おこがましいとは存じますが」、「失礼ながら」と「差し出がましい」の言い換え表現を見てきました。「差し出がましい」という言葉の持つ意味や使用用途、場面によって、どの表現でも置き換えて用いることができます。
手紙では?
言い換え表現や「差し出がましい」について見てきましたが、手紙でこの表現を用いたい場合にはどのようなものが挙げられるでしょうか。
手紙とは口語体ではなく筆記体という少し固めの言葉回しが用いられるシーンです。ですので、「先日の件はありがとうございました。また、ご意見についても有難く拝聴致します。僭越ではありますが」と用いるか、おなじく用いて、「恐縮ではありますが」と使うのが正しい表現となるでしょう。
お詫びの場面
では、お詫びや非礼を伝える場面ではどうでしょうか。
「失礼ながら、大変差し出がましいことを申し上げました」ではいかがでしょうか。この場合には僭越や恐縮ではなく、「差し出がましい」を用いた方がよりお詫びと非礼を伝えたいのだという意図が伝わりやすいかと感じますので、「差し出がましことを申し上げました」とそのまま使うのがよいと思われます。
「差し出がましい」の語源!
ここまで順を追って「差し出がましい」について見てきましたが、では、「差し出がましい」とはそもそもどこから出た言葉で、どんな語源を持つのでしょうか。
差し出がましいの語源とは何でしょう
「差し出がましい」とは、「人を差し置いて出る」から出た表現であり、生意気なこと、出しゃばったことをするという意味の言動を差す言葉から出たというのが語源になります。
「人を差し置く」、「差し置いて出る」の意味で、「差し出る」から「差し出がましい」という表現が使われるようになりました。語源を辿るとどのような場面で使われる言葉であるのかがとてもよくわかるかと思われます。
差し出がましいとは何処から出たの?
「差し出がましい」はどこから出たのでしょうか。こちらに関しては前述したとおりになります。「人を差し置く」や「差し置いて出る」という意味や言動から、「差し出がましい」という表現ができ上がりました。
何方かを差し置いて出しゃばるようですが、などの意味合いを持つ表現として「差し出がましいようですが」という意味合いとなります。
「差し出がましい」の意味合いを上手に活用しよう
「差し出がましい」の用い方や言い換え表現、用途や場面に応じた「恐縮ですが」や「おこがましい」、「僭越ながら」の言い換え表現と、差し出がましいの語源などについてご説明してきました。
この記事をご参考に用途や場面に合わせた「差し出がましい」の意味合いを上手に活用してください。