「感銘を受ける」の意味と使い方は?
「感銘を受ける」という言葉は、日常生活やビジネスシーンなどでしばしば使用されます。「感銘を受ける」の意味や使い方を知っておくと、いろいろな場面で役立てることができます。以下、「感銘を受ける」の意味や使い方を詳しく見ていきましょう。
「感銘を受ける」の意味は?
「感銘を受ける」は、「感銘」と「受ける」の2つの言葉に分けて考えることができます。それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
「感銘」とは?
「感銘」とは、「心に刻みつけて忘れないこと」「忘れられないほど深く感動すること」という意味があります。そして、「感銘」の代表的な使い方として、「感銘を受ける」という表現があります。
「感銘を受ける」が持つ意味は?
「感銘を受ける」は、「忘れられないほど深く感動する」という意味があります。
「感銘」の意味が「心に刻みつけて忘れないこと」「忘れられないほど深く感動すること」となりますが、「感銘を受ける」は「忘れられないほど深く感動する」のように、「感動する」という意味に特徴があります。また、ただ「感動する」だけでなく、心に刻みつけて忘れないことについて感動する、つまり「忘れられないほど深く感動する」を意味します。
「感銘を受ける」は、文字通り「感銘」というものについて「受ける」と表現しています。「忘れないこと」「深く感動すること」という意味の「感銘」を「受ける」ので、「忘れない」「深く感動する」という動作を表し、正確には「忘れられないほど深く感動する」という意味があります。
「感銘を受ける」の使い方は?
「感銘を受ける」の使い方は、「感銘を受ける」のほかにも「感銘を受けた言葉」「感銘を受けました」のように使用する例が見られます。例えば、「〇〇という言葉に感銘を受けました」のような使い方があります。
また、「感銘を受ける」は、自分の考え方に影響するほど深く感動する場合に使用されます。ただ感動する場合に使用されるわけではありません。「感銘を受ける」を使用するには、自分にとって心に刻まれるほど深い感動があることが必要です。
例えば、「〇〇という言葉に感銘を受けました」であれば、〇〇という言葉によって自分の考え方に影響があり、新しいことに気づかされた、といった状態で使用されます。
志望動機における「感銘を受ける」の使い方は?
「感銘を受ける」は志望動機で使用されることもありますが、使う場合には注意が必要です。以下、詳しく整理してみましょう。
まず、面接などで志望動機を述べるとき、「感銘を受ける」を多用することは好ましくありません。例えば「〜という企業理念に感銘を受けました」「〜という御社のビジョンに感銘を受けました」といったように、何度も「感銘を受ける」を続けて使用すると、くどい印象があります。また、このような「感銘を受ける」の使い方は漠然とした印象があります。
志望動機で「感銘を受ける」を使用する際には、なぜ深く感動したのかを合わせて説明しなくてはなりません。ただ「感銘を受ける」だけでは説得力に欠け、ありきたりな表現として捉えられてしまうからです。きちんと具体的に説明し、漠然とした印象をなくすようにしましょう。
履歴書での「感銘を受ける」の使い方は?
履歴書で「感銘を受ける」を使用する場合にも、志望動機での使用と同じように注意点があります。「感銘を受ける」を使いすぎることのないように、注意しなくてはなりません。また、なぜ感銘を受けたのかという部分を詳しく示す必要があります。
また、履歴書では、志望動機以外の部分でも「感銘を受ける」を使用する場合があります。そのため、使いすぎには特に注意しましょう。
「感銘を受ける」は、自分の考え方に影響があるほど深く感動する場合に使用されます。通常の感動とは異なるので、人生の中でそう頻繁に起こるものとは言えません。つまり、何度も「感銘を受ける」を使用することは、逆に説得力を失うことになります。「この人は本当に何度も深く感動しているのか」と疑われるきっかけになってしまいます。
「感銘を受ける」を何度も使用することは避け、本当に深く感動した部分のみに「感銘を受ける」を使用することが大切です。
「感銘を受ける」の敬語は?
「感銘を受ける」は、「感銘を受けました」のように敬語で使用されるケースも多いです。例えば面接で志望動機を述べる際に、面接官に対して「感銘を受ける」を使用するのであれば、基本的には「感銘を受けました」と表現します。「感銘を受ける」の敬語表現について、詳しく見ていきましょう。
敬語とは何か?
まず、敬語とは何かについて整理しましょう。敬語には、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つがあります。「感銘を受けました」の場合は、「ます」という丁寧語が使用されています。
尊敬語とは、動作をする人を敬います。例えば「おっしゃる」は「言う」の尊敬語ですが、「部長がおっしゃる」であれば、「言う」という動作をする部長に対して敬意を示します。
一方で、謙譲語とは動作の対象を敬う敬語です。例えば「申し上げる」は「言う」の謙譲語ですが、「私が申し上げる」であれば、「言う」という動作をする私ではなく、その対象、つまり言われる側の人を敬います。
「感銘を受ける」の敬語表現の場合、尊敬語や謙譲語ではなく、基本的には丁寧語での使用となります。丁寧語は話の相手を敬う敬語で、「です」や「ます」があります。「感銘を受けました」という表現でも、「ました」の部分で丁寧語の「ます」が使用されています。
丁寧語が持つ意味は?
丁寧語は話の相手を敬いますが、このことについて詳しく整理しておきましょう。丁寧語は日常生活でもビジネスシーンでも頻繁に使用されますが、その意味を一度きちんとおさえておくことが大切です。
丁寧語が話の相手を敬うというのは、会話であれば会話の相手、電話であれば電話の相手、メールであればメールの相手に対する敬意を意味します。会話や電話、メールを、「です・ます」調で行うことをイメージしてみましょう。こうすると相手に対して丁寧な印象を与えることができます。これは「です」や「ます」という丁寧語を使用しているからです。
「です・ます」調は、ビジネスシーンのほとんどの場面で使用されています。これは「感銘を受ける」も例外ではなく、「感銘を受けました」のように使用し、丁寧語として相手に対する敬意を示すことができます。「感銘を受けた」と「感銘を受けました」を比較すると、どちらが丁寧か容易にイメージが浮かぶでしょう。
尊敬語はあるか?
「感銘を受ける」は、自分の動作として表現することが多いため、一般的には尊敬語にはしません。尊敬語は動作をする人を敬いますが、自分の動作としての「感銘を受ける」を尊敬語にすると、自分で自分を尊敬することになり、不適切だからです。「感銘を受ける」の敬語表現は、丁寧語として「感銘を受けました」などの表現になることをおさえておきましょう。
「感銘を受ける」の類語・言い換え表現は?
「感銘を受ける」を使用する際には、類語や言い換え表現を知っておくと便利です。以下、「感銘を受ける」の類語・言い換え表現について整理してみましょう。
「感銘を受ける」の類語の例は?
「感銘を受ける」の類語としては、「感動する」「感心する」「深く感動する」「印象に残る」「強く印象に残る」「胸に響く」「胸を打たれる」「心打たれる」「心に響く」などの言葉があります。
「感銘を受ける」の意味となる「忘れられないほど深く感動する」には、「感動する」「深く感動する」という言葉が含まれていますが、これらは言葉としては「感銘を受ける」の類語として挙げられます。
「感銘を受ける」の言い換え表現は?
「感銘を受ける」の言い換え表現としては、「強く印象に残る」「胸に響く」「胸を打たれる」「心打たれる」「心に響く」などがあります。いずれも、強く感動したり印象に残ったりする状態を表しているので、「忘れられないほど深く感動する」を意味する「感銘を受ける」の言い換え表現として使用できます。
一方で、ビジネスシーンでは「感銘を受ける」の使用が好ましいと言えます。例えば「心に響く」などの表現は、日常的にもさまざまな場面で使用されるため、場合によってはフランクな印象を与えることもあります。改まった印象を与えたい場合には、「感銘を受ける」を使用すると効果的です。
「感銘を受ける」と「感心する」の違いは?
「感心する」は「感銘を受ける」と似た意味がありますが、「感銘を受ける」と「感心する」はニュアンスが異なります。以下、「感心する」の意味や「感銘を受ける」との違いについて、詳しく見ていきましょう。
「感心する」の意味は?
「感心する」とは、「深く心に感じる」「心を動かされる」という意味があります。「感心する」の「感心」には「深く心に感じること」「心を動かされること」という意味があるので、これを「感心する」という動作にすると、「深く心に感じる」「心を動かされる」となります。
深く心に残るというニュアンスで考えると、「感銘を受ける」と似た意味があります。一方で、「感銘を受ける」と「感心する」は、使用される場面やニュアンスに違いがあります。
「感銘を受ける」と「感心する」の意味の違いは?
「感心する」の「感心」は、「深く心に感じること」「心を動かされること」以外の意味として、「あきれること」というマイナスの意味もあります。「感銘を受ける」は「忘れられないほど深く感動する」というプラスの意味がありますが、「感心する」の「感心」はマイナスの意味で使用されることもあり、この点が大きな違いです。
「感心」を「あきれること」の意味で使用する例としては、「彼のわがままには感心する」といった使い方があります。この場合、ひどい状態に対してあきれることを意味していますが、このような使い方は「感銘を受ける」にはありません。この点は、「感銘を受ける」と「感心する」の大きな違いとして注意しておきましょう。
「感銘を受ける」と「感心する」の使い分けは?
「感心する」を「深く心に感じる」「心を動かされる」の意味で使用する場合、「感銘を受ける」との使い分けに注意する必要があります。
志望動機や履歴書などでは、「感銘を受ける」を使用することはあっても、「感心する」の使用はあまり見られません。また、「感銘を受けました」を「感心しました」に言い換えることは避けましょう。例えば「企業理念に感銘を受けました」という表現で、「感心しました」を使用することは好ましくありません。
「感銘を受ける」は、目上の人に使用する例が多いです。一方で、「感心する」は幅広い使い方ができるので、目下の人にも使用できます。そのため、「感心する」を使用すると、場合によっては上から目線になることがあります。特に「企業理念に感銘を受けました」などの表現で「感心しました」を使用すると、面接官や企業に対して上から目線となり、適切ではありません。
「感銘を受ける」の例文は?
それでは、「感銘を受ける」の例文を詳しく見ていきましょう。「感銘を受けました」「感銘を受けた本」などの表現をもとに考えると、「感銘を受ける」の例文を整理しやすくなります。
「感銘を受ける」の基本的な例文は?
「感銘を受ける」の基本的な例文としては、以下のような例があります。
・社長の言葉に感銘を受けた。
・彼の仕事に対する姿勢に、感銘を受けた。
・質の高いサービスに感銘を受ける。
・この言葉には、誰もが感銘を受けるだろう。
「感銘を受ける」は、そのまま「感銘を受ける」「感銘を受けた」のように使用する例も多いです。「感銘を受けました」などの表現と合わせ、おさえておきましょう。
「感銘を受けた○○」の例文は?
「感銘を受ける」は、「感銘を受けた言葉」「感銘を受けた本」などの使い方があります。このような「感銘を受けた○○」の例文は、以下の通りです。
・これらは、私が学生時代に感銘を受けた言葉だ。
・私が感銘を受けた本は、○○です。
・私が感銘を受けた本を、ぜひあなたに紹介したい。
「感銘を受けました」の例文は?
「感銘を受けました」は、ビジネスシーンでもしばしば使用される表現です。「感銘を受けました」の例文には、次のようなものがあります。
・○○社の企業理念に感銘を受けました。
・積極的に新規事業に参入していくという姿勢に、感銘を受けました。
その他の「感銘を受ける」の例文は?
「感銘を受ける」は、「感銘を受けている」などの表現で使用される場合や、文中で使用される例もあります。例えば、次のような例文があります。
・彼の言葉に感銘を受け、転職を決意した。
・彼らの前向きな姿勢に感銘を受け、自分を深く見つめ直した。
・○○社の企業理念には、いつも深い感銘を受けている。
具体的な使い方をおさえて活用してみよう
今回は、「感銘を受ける」の意味や使い方、類語や言い換え表現、例文などをご紹介しました。「感銘を受ける」は「忘れられないほど深く感動する」という意味があり、自分の考え方に影響するなど、深く感動する場合に使用されます。「感銘を受けました」や「感銘を受けた言葉」といった表現を例に考えると、イメージが浮かびやすいのではないでしょうか。
「感銘を受ける」の具体的な使い方や例文をおさえておくと、ビジネスシーンでも活用することができます。また、「感心する」といった類語との違いも重要です。類語との使い分けをきちんと行うためにも、「感銘を受ける」の意味は正確におさえておきましょう。「感銘を受ける」の意味や使い方を知り、ぜひ活かしてみてください。