「お手間を取らせてしまい」のビジネスでの使い方・目上の人への敬語

ビジネススキル

わかると便利!「お手間を取らせてしまい」の使い方

ビジネスシーンにおけるコミュニケーションは、丁寧かつ正確な言葉を使って行うことが大切です。言葉の丁寧さだけでなく、内容の丁寧さなども求められることが多く、相手への気遣いや心配りも重要です。

特に、相手に何かを依頼したり、謝罪したりする際は、より丁寧な表現や気遣いをすることが大切です。ちょっとした一言や一文があるだけでも、相手への印象が変わることもあるため、気遣いや丁寧さを表現するフレーズのバリエーションは、たくさん知っていた方が良いでしょう。

今回は、気遣いや丁寧さを表現するフレーズの1つである「お手間を取らせてしまい」といいう言い回しをテーマにして、意味や使い方を考察・ご紹介していきます。

「お手間を取らせてしまい」の意味

まずは、「お手間を取らせてしまい」というフレーズの意味について考えていきます。「お手間を取らせてしまい」という言葉の意味について考える際、解釈に迷いやすいのが、「手間」という言葉だと考えられます。そこでまずは、「手間」という言葉の意味について考えていきましょう。

「手間」について、「goo辞書」では以下の引用のように解説されています。引用の内容によると、「手間」という言葉には、大きくわけて3種類の意味があるとされています。

「手間」の1つ目の意味や、物事などを行う際に必要となる時間や労力のことだとされています。2つ目は、「手間賃」という言葉を略したものとしての意味です。そして3つ目は手間賃を取って行う仕事や、それらの仕事を行う人のことだと言われています。

1 そのことをするのに費やされる時間や労力。2「手間賃」の略。3 手間賃を取ってする仕事。手間仕事。また、その仕事をする人。

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/152394/meaning/m0u/

「お手間を取らせてしまい」の意味

上記で考察した、「手間」という言葉の意味をもとにして、「お手間をとらせてしまい」というフレーズの意味やニュアンスについても、考察していきましょう。

上記では、「手間」という言葉には、3つの意味があることをご紹介しました。3つの意味のうち、「お手間を取らせてしまい」というフレーズに使用されている「手間」は、上記に引用した解説の中の1番目の意味で使われている「手間」だと言えそうです。

ですから、「お手間を取らせてしまい」という言い回しには、「時間を取らせてしまい」「お手数をおかけしてしまい」といった意味やニュアンスが含まれていると考えられます。

「お手間を取らせてしまい」のビジネスでの使い方

「お手間を取らせてしまい」という言い回しの意味を理解したところで、続いては使い方について考えていきましょう。

「お手間を取らせてしまい」というフレーズは、特にビジネスシーンで使用されることが多い言い回しです。そのため今回は、特にビジネスシーンでの使い方に注目して、使用方法について考えていきます。

メール

最近は、仕事の相談や交渉なども、メールでやり取りするケースが多いと言われています。そこでまずは、ビジネスメールにおける「お手間を取らせてしまい」というフレーズの使い方について考察していきます。

メールにおいて、「お手間を取らせてしまい」を使用する場合は、依頼や謝罪をする際に使用されるケースが多いと考えられます。メールで相手に、仕事に関する依頼をする際は、「お忙しいところ、お手間を取らせてしまい申し訳ございませんが、○○の以来の件については、よろしくお願いいたします」といった形で使用することが多いと予想できます。

また、相手に何らかの迷惑をかけてしまった場合に、「この度は、お手間を取らせてしまい申し訳ございせんでした」といった言い回しで謝罪の文章を記入すると、より丁寧な謝罪をすることが可能になります。

会話

ビジネスシーンにおける会話でも、「お手間を取らせてしまい」という言い回しを使用することは可能です。

会話で「お手間を取らせてしまい」を使用する際も、上記でご紹介したメールの場合と同様に、依頼や謝罪をする際に使用されることが多いと考えられます。

しかし、会話の場合は、状況や内容、相手との関係性次第では、メールで使用する場合よりも、やや崩した言い回しを使用した方が良いケースもあります。丁寧な表現にしすぎて、回りくどくなったり長くなったりすると、聞き取りづらいためです。

「お手間を取らせてしまい、申し訳ありません」「お手間を取らせてしまいすみません」といった表現でも、問題ないケースもあります。

手紙

最近のビジネスシーンにおける連絡手段としては、メールや電話などが主流になりつつありますが、正式なやり取りや重要な内容についてやり取りしたい場合は、手紙で連絡を取るケースもあります。

手紙の場合も、「お手間を取らせてしまい」という言い回しは、使用できると考えられます。相手に何か迷惑をかけた場合や、謝罪したい場合は、「先日は、○○の件でお手間を取らせてしまい、誠に申し訳ございませんでした」などと使用することができると予想できます。

「お手間を取らせてしまい」の例文

上記では、ビジネスにおける「お手間を取らせてしまい」の使い方について考察しました。

しかし、理論上での使い方は理解できても、実践的な使い方がよくわからず、文章や会話で「お手間を取らせてしまい」を使用することを戸惑ってしまうという方もいらっしゃるでしょう。

そこで続いては、「お手間を取らせてしまい」という言い回しを使用した例文をご紹介していきます。例文を通して、「お手間を取らせてしまい」の実践的な使い方について考えてみましょう。

申し訳ございません

先述で何度かご紹介しましたが、「お手間を取らせてしまい」という言い回しとともによく使用される言葉の1つが、「申し訳ございません」という言葉です。

「お手間を取らせてしまい」というフレーズは、相手が労力や時間をかけたことに対して使われる言葉です。そのため、「労力や時間をかけさせてしまい、申し訳ありません」といった意味で使用されることが多いのです。

・この度は、お手間を取らせてしまい申し訳ございません。
・先日は、お手間を取らせてしまい、申し訳ございませんでした。
・無理なお願いをしてお手間を取らせてしまい、大変申し訳ございません。

ありがとうございます

「ありがとうございます」もまた、「お手間を取らせてしまい」とともに使用されることが多い言葉の1つです。「ありがとうございました」とともに使用する場合は、「労力や時間を割いて頂き、ありがとうございました」といった意味を持つ、感謝を表現する言い回しとなります。

・先日はお手間を取らせてしまいましたが、迅速にご対応頂きありがとうございました。
・急にお願いをしてお手間を取らせてしまいましたが、ご対応下さりありがとうございます。
・お手間を取らせてしまったのにもかかわらず、あたたかいご対応、ありがとうございます。

お手間を取らせてしまいます

上記では、「お手間を取らせてしまい」というフレーズの前後に並べて使用する言葉や、それらを使用した例文をご紹介しました。しかし、「お手間を取らせてしまい」というフレーズは、「お手間を取らせてしまいます」といった言い回しで使用するケースもあります。そこで続いては、「お手間を取らせてしまいます」というフレーズを使った例文を見ていきましょう。

・期日に遅れた場合は、さらに手続きが必要となるため、お手間を取らせてしまいます。
・お手間を取らせてしまいますが、よろしいでしょうか?
・お手間を取らせてしまいますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

「お手間を取らせてしまい」の目上の人への使い方

ビジネスシーンでは、さまざまな年齢や立場、地位の人と接することになります。特に、取り引き先の相手や上司など、目上の立場の人とコミュニケーションを取る機会は、大変多くなると考えられます。

そこで続いては、「お手間を取らせてしまい」という言い回しを、目上の人に対して使用する場合、どのように使えば良いのか、考察していきます。

敬語

目上の人と接する際は、敬語を使用するのがマナーだと言われています。ですから、「お手間を取らせてしまい」を使用する場合も、敬語や丁寧な言い回しで使用する必要があると言えそうです。

「お手間を取らせてしまい」という言い回しは、そのままでも丁寧な言い回しだと考えられます。「お手間」という言葉は、「手間」に丁寧さを表現する「お」が付いた形となっています。ですから、敬語として使用しても問題ないと言えるでしょう。

しかし、「お手間を取らせてしまい」の前後に使用する言葉には、注意する必要があります。

「お手間を取らせてしまい」の後を敬語にする

上記では、「お手間を取らせてしまい」という言い回し自体は、敬語としても使用できる丁寧なものであるものの、前後の言葉には注意する必要がある旨をご紹介しました。続いては、「お手間を取らせてしまい」を目上の人に対して使用する場合、後に続く言葉にはどのような言葉を選べば良いのか、考察していきます。

どのような意味や内容で「お手間を取らせてしまい」を使用するかにもよりますが、例えば謝罪をしたい場合、「お手間を取らせてしまい申し訳ございません」は、敬語だと言えるでしょう。

また、「誠に」「大変」などの言葉を付け加えることで、さらに丁寧な表現になると考えられます。

「すみません」は丁寧さに欠ける

上記では、「お手間を取らせてしまい」という言葉を敬語として使うには、前後の言葉の選び方に気を付けることが大切だと考察しました。また、その一例として「申し訳ございません」などの言葉を選ぶことで、目上の人にも使用できる言い回しになることをご紹介しました。

反対に、目上の人に対して使用するのに丁寧さに欠ける言葉としては、「すみません」などが挙げられます。「すみません」という言葉は、決して汚い言葉というわけではありません。しかし、「申し訳ございません」と比較すると、相手への敬意の度合いは低い言葉だと考えられます。

そのため、同じ「お手間を取らせてしまい」を使った言葉であっても、「お手間を取らせてしまいすみません」は、上司などに使うのには微妙な言葉だと言えそうです。

会話の場合はややフランクでもOK

会話で「お手間を取らせてしまい」を使用する場合は、文章などで使用するときよりも、崩した言い回しをした方が良いケースもあります。

会話で使う場合は、あまりにも長い言葉や回りくどい表現を使用すると、相手が聞き逃したり、聞き取りづらかったりする可能性があります。

ですから、会話で「お手間を取らせてしまい」を使用する場合、前後の言葉は、ある程度丁寧で聞き取やすい言葉を選んだ方が良いと考えられます。

「お手間を取らせてしまい」の類語・言い換え表現

「お手間を取らせてしまい」という言い回しは、ビジネスで依頼や謝罪をする際に使用できる、便利なフレーズです。

しかし、「お手間を取らせてしまい」という言い回しばかり、メールや会話で使用していると
ワンパターンな印象を相手に与えてしまう危険性があります。

そこで続いては、「お手間を取らせてしまい」というフレーズと似た意味を持つ言葉や言い回しをご紹介していきます。

お手数をおかけしてしまい

「お手数をおかけしてしまい」というフレーズもまた、「お手間を取らせてしまい」というフレーズと並んで、ビジネスシーンで頻繁に使われる言い回しの1つです。

「手数」という言葉の意味について、「goo辞書」では以下の引用のように解説しています。引用の内容から、「手数」には2つの意味があると読み取れます。1つ目の意味はある物事などをするのに必要な動作などを指すものとなっています。そして2つ目の意味は、他人のためにかける手間だとされています。

上記のような意味から、「お手数をおかけしてしまい」というフレーズには、「お手間を取らせてしまい」と同じような意味があると考えられそうです。

1 それをするのに要する動作・作業などの数。てかず。2 他人のためにことさらにかける手間。てかず。

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/151505/meaning/m0u/

お手を煩わせてしまい

「お手間を取らせてしまい」と似ている意味を持つフレーズとして、「お手を煩わせてしまい」という言い回しも挙げられます。

「手を煩わせる」という言葉の意味については、「weblio辞書」にて、以下の引用のように解説しています。引用の内容から、「手を煩わせる」とは、相手に面倒をかけてしまうことを意味する言葉だと読み取れます。

上記のような意味を持つ「手を煩わせる」に、丁寧な意味を持つ「お」などを付け加えた言葉が、「お手を煩わせてしまい」という言い回しだと考えられます。

物事を依頼した場面において、相手に面倒をかけることを強調した、しへりくだった表現。手紙文などで多く用いられ、「お手を煩わせ恐縮ではございますが・・・」などのように使う。直接相手に言う場面だけでなく、「他人の手を煩わせる」などのようにも用いる。

https://www.weblio.jp/content/%E6%89%8B%E3%82%92%E7%85%A9…

「お手間を取らせてしまい」は便利なフレーズ

いかがでしたでしょうか?今回は、「お手間を取らせてしまい」という言い回しをテーマにして、意味や使い方、例文や目上の人に使う際のポイント、類語などを考察・ご紹介しました。

「お手間を取らせてしまい」というフレーズは、相手に何かを依頼したいときや、謝罪したいときに使用できる、丁寧な言い回しです。ビジネスでは頻繁に使用されるフレーズでもあるので、この機会にぜひ意味や使い方を覚えておきましょう。

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