「ご参考ください」の類語・使い方・誤りなのか|敬語/メール

ビジネススキル

日本語を覚えるための秘訣

日本語を覚えるときに注意する点ですが、日本語には品詞の結び付きや形容表現のあり方、また敬語表現をすることによって「使ってよい表現と使わない方がよい表現」などといろいろな区分があるため、まずその言葉の成り立ちや語源を覚えることが大切です。

そのためにどんな言葉を覚える場合でもまず「その言葉の関連語を一緒に覚えること」を心がけておき、1つの言葉を多角的に把握することが大切になるでしょう。「自分の言葉」として1つずつの言葉を覚え、いざ使う際にはさまざまな場面でその言葉を使えるように、前もってその言葉の例文などを学習しておきましょう。

関連語を学習することが大切

先述でもご紹介しましたように、1つの言葉を覚える際には「その覚えるべき言葉を多角的に学習すること」が大切です。そうすることによってその「覚えるべき言葉」をいろいろな場面で使うことができるようになり、さらにその言葉の根本的な成り立ちや用法が理解できるようになります。

「ご参考ください」の意味や用法

「ご参考ください」という言葉は基本的に「特定のテーマについて考慮・考察する際に、そのテーマを考えるための手掛かりや支援になる材料として認められる題材」を提供する際に使用されます。

特に論文やレポートなどでは「参考文献」の活用が認められ、その参考文献によって述べるべきテーマの内容をさらに充実したものに変えて(整えて)いきます。

・この問題について考える際には、ぜひこちらの資料をご参考ください。
・テレビ番組について討論する際には、それまでのラジオ番組をご参考ください。
・ポエムを理解する際には、まず言葉の成り立ちをご参考ください。

このように、何らかのテーマや対象を理解しようとする場合・論じようとする場合に、その課題を果たすための素材・題材になるものを当たる場合に「ご参考ください」という言葉が使用されます。

「ご参考ください」の類義語

「ご参考ください」の類義語についてですが、「ご参考ください」というのは1つの文章として認められるため、この場合は「参考」についての類義語を調べることになります。

参照/レファレンス/題材/支援/素材/データ/記録/基礎/援助/文献/引き合い/目安/起点/基準/引用/引照/基点/材料/教科書/テキスト/レジュメ/既往歴

これらの言葉が並びますが、どの言葉にしてもその根本的な意味合いには「特定のテーマについて考慮する際に必要となる題材の提供」が含まれます。

「ご参照ください」

「ご参考ください」と言う代わりの言葉としてよく「ご参照ください」という言葉が使われます。先述の「ご参考ください」の類義語としてもご紹介しましたが、「参考」と「参照」という言葉は、似ているようでいて実は根本的な意味合いは違います。

「参照」という言葉の意味は基本的に「物と物とを照らし合わせる」という意味合いがあり、「参考」という言葉の意味には「ある特定のテーマに関連する資料などをそろえ、それを上手く活用してデータにする(支援される材料とする)」というように、「そのまま照らし合わせることができるもの」と「ある程度の思考が必要になるもの」との違いがあります。

「参考」と「引用」の違い

「参考」と「引用」の違いについてですが、まず「引用」という言葉の意味は「特定の思考・論を述べる際に、その論述に必要な箇所を他文献などから抜粋すること」を言うため、何かのデータを参照し、そのデータ(記録)を元にしてある程度の思考をもって活用するという「参考」の意味合いとは大きく違ってきます。

特に論文作成やレポートを構成する場合などにこの「参考文献」と「引用文献」との違いについて学びますが、まず両者の言葉が持つ意味合いの違いを明確にしておき、引用文献の書き方についてはしっかり学んでおくことが必要となるでしょう。

「ご参考ください」の例文

日本語をはじめ各国の言葉を覚える際には、その覚えるべき言葉を実際に使って学習する方法が最もベターになるでしょう。実際に使って覚えるという「実践的な学習の仕方」をぜひ覚えておきましょう。

・その項目について考慮する場合、ぜひこちらの資料をご参考ください。
・彼らの宗教観を理解しようとする場合には、その彼らが住む国の文化をぜひ先にご参考ください。
・携帯電話について論文を書く場合には、先にパソコンについての歴史をご参考ください。

ご参考くださいますよう

「ご参考くださいますよう」という言い方は実に多くの場面で使われているため、多くの人も一度は聞いたことがある表現となるでしょうか。

・動物園に入園される際には、どうぞこちらのパンフレットをご参考くださいますようお願いします。
・早稲田大学の受験に臨む際には、こちらの受験規則をご参考くださいますようよろしくお願いします。
・当銀行をご利用の際には、先にこちらの利用規則をご参考くださいますようお願い申し上げます。

ご検討くださいますよう

「ご参考くださいますよう」という表現によく似た言い方ですが、「ご検討くださいますよう」という表現もよく使われています。

・ぜひ今回のご参加をご検討くださいますよう、心よりお願い申し上げます。
・こちらの企業につきまして、ぜひご検討くださいますようよろしくお願いいたします。
・こちらのプランもぜひ、ご検討くださいますようお願いします。

「ご検討くださいますよう」と言う場合は、「そのことについて考えてください」という主意が先に伝えられるため、さらに「ご参考くださいますよう」と言う場合よりも勧める度合いが強くなります。

ご参照ください

「ご参照ください」と言う表現についてですが、これは先述しましたように「何かと何かを照らし合わせることによって、何らかの新しい意見を創案する」などといった場合の、「対照しながら検討すること」をメインにした表現となります。この「対照させられる物」のうちには「写真」、「画像」、「資料」、「事物」などの目視可能な対象があげられます。

・このAとBの2つの資料をご参照いただきながら、Cについてどうぞご検討ください。
・A動物園とB動物園で守られている運営のあり方をご参照いただきながら、C動物園の創設に当たってください。
・A記事とB記事をご参照いただき、どちらの記事からも魅力的な箇所をC記事に記入してください。

「ご参考ください」の敬語での使い方

「ご参考ください」の敬語での使い方についてですが、これは「ご参考ください」というそのままの表現でも一向にかまいません。その言葉・文章の前後でさらに敬語として見合う言葉を補足しておき、どんな場面・状況でも認められる敬語表現にしていきます。

・Aプランをご懸案の際にはぜひこちらの資料をご参考ください。
・こちらの会社の起業につきましては、ぜひ本社で打ち出させていただいている就業規則をご覧になってください。
・必要書類を作成される折りには、ぜひこちらのサイトをお使いください。

このように、「ご覧になってください」や「お使いになってください」などが「ご参考ください」の代わりに使われる言葉として認められます。

丁寧語

丁寧語というのは一般的に「です・ます口調によって、当たり障りのない表現をもってその主旨が相手に伝えられる際に使用する言葉・表現法」として認められ、敬語表現のうちでは非常に多く使われている最もポピュラーな敬語として認められるでしょう。

・ご参照ください。
・ご覧になってください。
・ご参考ください。
・お使いください。
・ご案内いたします。
・ご検討ください。

上記のように、丁寧語で表現される場合は主に「です・ます口調」によって相手に主張が伝えられるため、先述しました「ご参考ください」の代わりに使われる言葉を使用する際でもその語尾に「です・ます」が付いてあればそれで表現としてはOKとなります。

相手別「ご参考ください」の使い方

相手別「ご参考ください」の使い方についてですが、「ご参考ください」と言う場合でもその訴える相手によっていろいろと表現が変わることがあります。しかしたいていの場合は多くのビジネスシーンでも「ご参考ください」とそのまま使用される場合があるため、それほど言い換えに固執する必要はありません。

・ご覧になってください。
・どうぞご賢覧ください。
・ぜひご参照ください。
・ぜひこちらをお使いください。
・ご案内させていただきます。

上記の表現でもビジネス上でのやり取りとしては普通にOKで、特にその前後に付属する敬語表現によって相手への敬意がそのまま示されることになるでしょう。

目上

先述に引き続き、相手別「ご参考ください」の使い方についてですが、特にこの場合は「目上の人・上司に対して使い分ける際の表現方法」がメインとしてあげられるでしょう。この場合でも先述のように「ご覧になってください」や「ご参照ください」、「ご案内させていただきます」などの表現法でも特に失礼に当たるということはありません。

・こちらの企業プランをぜひご参照ください。
・こちらの資料をご参考にされるとよいかと存じます。
・ビジネスプランにつきましてはぜひご案内いたしますので、どうぞご懸案ください。

基本的に「ご参考ください」と言う場合には「相手にとって必ずメリットがある資料提供」がメインとなるため、どの参考資料を提供するかということについてしっかり注目しておきましょう。

「ご参考ください」は誤りなのか

「ご参考ください」という表現は根本的に言えば「文法上では正しくない表現」となります。その理由にあげられるのは、まず「動詞がないこと」であり、「参考する」や「参考して」などという名詞の後に付くべきそれらの動詞を省略している表現となる点です。

「参考」という言葉は基本的に「参考する」、「参考にする」、「参考して」などと、必ず「参考」の後に動詞を伴って相手に伝えられます。「ご参考ください」という表現では「ください」という話者側の主張を示す動詞がそのままきているため、「参考」に付随するべき動詞が欠如していることになります。

そのため「ご参考ください」という表現を正確な文法によって伝える際には、「ご参考にされてください」や「ご参考にしてください」などと、名詞と助詞と動詞の正確な使い方が求められます。

「ご参考ください」の使い方

先述で「ご参考ください」という表現法の正しい言い方・伝え方についてご紹介しましたが、それでも世間で普通に交わされている表現では「ご参考ください」という言い方がもっぱら多く見受けられます。

これは「ご参考ください」という表現によって「何を言いたいか」ということがあらかじめ明確であり、ある程度の誤った表現を用いても、その連絡交換には特に支障をきたすことがないためです。

しかし、それでもきちんとした文法によって「ご参考ください」という言葉を相手に伝えたいという場合は、先述のように「ご参考にされてください」や「ご参考にしてください」などの文法上でも正確な表現をもって伝えるとよいでしょう。

メール

ビジネスシーンでは多くの連絡のやり取りが電子メール上で交わされるため、その場合でも「ご参考ください」という表現をする以上は「正確な表現方法」と「参考にしてもらう資料の的確さ」が求められることになるでしょう。

・この度のご企画に際しまして、必要と想定される資料をご用意いたしましたのでぜひご参考にされてください。
・来年度のビジネスプランにつきまして、こちらの資料をご参考にされていただくと幸いです。
・ご預金に関しまして、必要なプランのご案内をさせていただきます。

ビジネス

多くのビジネスシーンで使用されている「ご参考ください」という表現では、「ご参考ください」という表現そのままで相手に伝えられる場合も非常に散見されます。

しかしビジネスシーンで交わされる連絡のやり取りでは「確実な敬語表現」を心がける必要があるため、「ご参考ください」という言い方に少しでも違和感がある場合は場面ごとに適した敬語表現を使用することがベターでしょう。

・ご参考にされてください
・ご参考にされますと幸いです
・ご案内いたします
・ご案内させていただきます

これらの表現では「ご参考ください」という表現よりもさらに文法上で正確な表現となっているため、どのビジネスシーンでも通用する敬語表現として認められるでしょう。

論文で使用される参考文献

論文やレポート作成を行なう場合、必ずその論文(本文)を作成するために必要とする「参考文献」の存在が認められます。すべての論文というのは説明文であるため、特定のテーマについて論じる場合でも必ず「その持論を展開するために必要なデータ」の採取が必要です。

この「必要なデータ」がここで言う参考文献から得られる特定の情報となるため、論文作成において参考文献を使用することは「その論文の説得力アップ」のために必要で、さらにその論文の価値そのものを向上させる場合に必須のアイテムとなります。

論文で活用される引用文献の違い

論文で使用される参考文献についてですが、この参考文献と引用文献の違いをよく理解していない学生がときどき散見されます。参考文献というのは先述のとおり、「特定のテーマについて考える際、そのテーマの題材となる資料を自分の都合によって選び出し、その資料をどのように扱ってもかまわない」というあらかじめ決められたルールがあります。

しかし「引用文献」を扱う際には、「他人が書いた文章をそのまま抜粋して論文の構成要素とする」といった「組み込み式の参考資料の用法」となるため、自分の考えや都合によってその元データ(他人が書いた記事)を勝手に変更してはいけません。

「ご参考ください」の英語表記と意味

「ご参考ください」という言葉を英語に直す場合、それぞれの言葉の意味合いや用法に配慮する上で以下のようにピックアップされます。

・reference(参考、参照)
・consultation(参考、基準、参照)
・deal(引き合い、参考、扱う)
・comparison(照らし合わせる、引照、参考)
・witness(引き合い、参考)
・enquiry(照会、参考、参照)
・citation(引用、参考)
・inquiry(照会、参考、参照)
・refer to(参考にする)
・check(確認する、参考にする)
・mention(言及する、参考にする)
・submit(付託する、参考にする)
・look up(引照する、参考にする)
・please refer to(ご参考ください)

「ご参考ください」の英語表現と意味(1)

先でご紹介しました「ご参考ください」の英語表記を参考にして、「ご参考ください」の意味合いを含めた英語の例文をいくつかご紹介します。

・Please refer to this document when you carry out the business plan.
「そのビジネスプランを遂行する際には、ぜひこちらの資料をご参考ください。」
・If you are considering using a personal computer, please check this instruction manual.
「パソコンの使用を検討する場合は、どうぞこちらの説明書をご参考ください。」
・Please compare this text when you study.
「勉強の際には、このテキストをご参考ください。」

「ご参考ください」の英語表現と意味(2)

先述しました「ご参考ください」の英語表現に引き続き、さらに具体的な「ご参考ください」の例文をご紹介します。

・If you would like to save the national budget further wealthy, please refer to each item on the proposed revised program.
「国家予算をさらに裕福に貯蓄する場合には、これまでの修正プログラム案についての各項目をぜひご参考ください。」
・If you want to grasp the animation in Japan, please refer to the interestingness of the illustrations prevalent in the modern era first.
「日本のアニメを把握したい場合には、近現代に流行した挿絵の面白さを先にご参考ください。」

「ご参考ください」の英語表現と意味(3)

先述の具体的な「ご参考ください」の例文に引き続き、今度はいろいろな場面で扱われる「ご参考ください」の例文についてご紹介します。

・The word “reference” is somewhat different from the meaning of “check” and includes the action “process data by subjectivity”.
「「参考」という言葉は「参照」の意味合いとは少し違い、「主観によってデータを処理する」という行動が含まれます。」
・The phrase “Please refer to” means that the phrase “please be referred to” is accurate in grammar.
「「ご参考ください」という表現は「ご参考にされてください」という言い方が文法上では正確です。」

「ご参考ください」の正確な用法を把握しましょう

いかがでしたか。今回は「ご参考ください」の類語・使い方・誤りなのか|敬語/メールと題して、「ご参考ください」の正確な意味合いや用法のご紹介をはじめ、さまざまな場面で使われる「ご参考ください」の類語や使い方などについてご紹介しました。

「ご参考ください」という言葉は正確には「ご参考にしてください」や「ご参考にされてください」などの表現法に置き換えられます。しかし、多くのビジネスシーンでは「ご参考ください」という表現がそのまま使われている場合が多く、これはそのままの表現でも話者の意図がすんなり伝わることに起因します。

それでも文法上でも正確に「ご参考ください」という表現方法を覚えたい場合には、日頃から日本語文法を念頭に置いて1つ1つの言葉を把握していき、それらの言葉を実践的に学習していくという姿勢が必要になるでしょう。

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