「ご都合」の意味と使い方
仕事を行っていたり礼儀を必要とする場面では敬語を使用しなければいけませんが、敬語というのは普段の日常会話ではあまり使わないために日本人でも慣れていない人が多く、間違った使い方をしたり意味を履き違えたりします。
しかし一定の年齢に達したなら間違いでは済まないため、マナーの一環で覚えておかなければいけません。
「ご都合」というのは相手の状態を知るためによく使われる言葉なので、その意味や使い方をしっかりと理解して下さい。
「ご都合」の意味
「ご都合」とは相手の予定を知る場面に使われる「都合」の丁寧語であり、敬語なので日常会話ではあまり使われていません。
相手に対して時間をおいて用件がある時、こちらが指定している時間に相手が何かの予定を入れていたら相手が困るため、その場合には発信する側が配慮したりします。
どうしてもその時間をずらせないのであれば相手に無理を聞いてもらわなければいけないため、強くいわずに相手を最優先にしているので敬語が使われています。
「ご都合」の使い方
「ご都合」というのはすぐではなく、ある程度の時間をおいた将来的な用件で相手が対応できるかを尋ねているので、すぐに用件を実行して欲しいのであれば「お時間」という言い方が使われます。
他には相手側が立場的に上の人で、その人に時間を作って欲しい場合に使ったりします。
「都合」というのは相手に対しては自分のために時間を作って欲しい場合に使われる言葉なので、相手に無理を頼むために丁寧語である「ご」を付けて「ご都合」と言うのが一般的になっています。
「ご都合」の例文
その意味がわかっていても普段は使わない言葉というのは実践すると使い方がわからないことがあり、無理に使っておかしな言い回しになったのでは意味がありません。
敬語は正しく使ってこそ美しいのであり、使い方を間違えては見苦しくなるだけです。
言葉というのは意味を知るよりは実例を挙げて教本にしてもらう方がわかりやすく理解できて使えるので、どのように使えばいいのか例文を紹介しましょう。
よろしい
「ご都合」というのが丁寧語になっているので、以後の言葉が敬語になっていないのは変であり、「ご都合いいですか」という使い方は意味が通っていても間違った使い方になっています。
このような場合には「ご都合よろしいでしょうか」と使うのが正解であり、あくまでも相手を立ててその人の意向に従うという姿勢が重要になります。
お願いをする人が相手に横柄な対応をするのは無礼に該当してしまうので、相手にお願いしているというのを忘れてはいけません。
いかがでしょうか
「ご都合はいかがでしょうか」という使い方は正しく、「いかがでしょうか」というのが相手に選択権を委ねているので、お願いをする立場での礼儀になります。
「ご都合のほど、いかがでしょうか」という使い方をしてもよく、低姿勢に相手のお願いふるという立場を忘れてはいけません。
「いかがでしょうか」は「どうですか」の敬語になるので、文としても「都合」を丁寧語にしていて、聞いていても素直に聞けます。
悪い
こちらの意向を伝えて相手に対してお願いしたとしても、どうしても予定が崩せないなどの理由で受けられない場合があって受け入れられないケースが出てきます。
そのような時には「ご都合がお悪いのでしょうか」というように「悪い」という部分も丁寧語にして、「ご都合が悪いのですか」というような相手に威圧感を与えるような言い方をしてはいけません。
敬語というのはどんな立場であっても相手を敬うために使われている言葉なので、敬語と強めの言葉を使うのはおかしくなっています。
伺い
「ご都合伺い」というのは相手の予定を確認すると共にこちらの要望も提示している表記になり、相手に優先権を与えてはいますがこちらの意向も考えて欲しい場合に使われます。
多い例は複数の日にちや時間を相手に提示し、てきればその中から選択して欲しいという意味を相手に求めているので、大抵はその提示された中でできる限り自分の予定を合わすようにしています。
これは相手の都合に全て合わすと支障が出るケースでよく行われていて、仕事のように当事者だけで物事を進めていない場合には比較的多く発生します。
良いときに
これは「ご都合の良いときに」と使われていて、圧倒的に相手の意向を最優先にしています。
相手から提示された日にちや時間でこちら側は折衝するというのを相手に知らせているため、相手は自分が思うような日にちや時間を相手に求めることができます。
ただしビジネスの場合では礼節が大切になってくるので、あまり無茶な要求はせずに相手にも配慮した返答をしなければいけません。
合わせの上
「ご都合合わせの上」というのは敬語ですが、相手に対してこちらの都合にも合わせて欲しいという要求であり、言い方は敬語になっていますが自分の願いをつきつけたきつい言葉になっています。
そのため、このような言い方をされたら相手側の都合をこちらから尋ねてみて、そこからお互いの妥協点を見つけるといいでしょう。
仕事の世界では一方の意見だけを聞いてそれに合わせるというのは難しく、両方の意見を聞いてそれを擦り合わせていくというのはよくある事例です。
参加
「ご都合」と「参加」を組み合わせると「都合をつけて参加して欲しい」という意味になり、ほとんど相手からの要求になってしまいます。
敬語で表現する例文では「ご都合をつけて、ご参加いただくことをお願いいたします」となり、敬語ですがかなりの強制力を持った言葉になってしまいます。
日本語で通じますし特におかしな部分もありませんが、敬語表現で相手に負担を求めるのはその主旨からしてもおかしく、敬語が相手を敬って使われていることを考えて、自分の要望を相手に求める敬語は使わない方がいいでしょう。
ご都合伺いのメールの書き方
「ご都合伺い」とは相手の都合を聞くというような意味に捉えられますが、実際は少しその意味が違ってきます。
この「ご都合伺い」も仕事を行っていると起きやすい事案ですが、その使い方を謝ると相手に不快感を与えてしまうので、メールであっても正しい使い方をマスターするようにして下さい。
またメールというのは相手が削除しなければいつまでも残ってしまうので、以後に恥ずかしい目に遭わないためにも、確実に使えるように日頃からその意味を知るのが大切です。
メールで「ご都合伺い」をする場合の例文
メールを使って「ご都合伺い」をするのであれば、最初に相手に対するお礼を書いて、次にこちらからの意向を伝えるといいでしょう。
例文としては「(相手の名前) いつもお世話になっております。先日にお問い合わせになられた(用件)ですが、以下の期日において打ち合わせを行いたいと考えております。(相手の名前)のご都合はいかがでしょうか」となります。
その後でこちらの希望する期日を書いて選んでもらうと共に、その期日では不都合があれば別の日に振り替えるために連絡が欲しい旨を一文で加えておけばいいでしょう。
敬語での「ご都合」の伺い方
相手の都合を聞く場合にはこちらから相手に質問しているので、仕事などの場合には敬語表記で行わなければいけません。
使い方としては最初に「つきましては」や「お手数ながら」などの言葉を前置きして、そこから「ご都合の良いお日にちやお時間がございましたら、お知らせいただけたら幸いです」というのがあります。
他にも「(こちらが指定した日にちと時間)に打ち合わせをいたしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか」という使い方をします。
敬語は相手を最大限に尊重することが大切
海外でも敬語は使われていますが日本のようにその数が多くはなく、しかも使い方がとてもシンプルで日本のような複雑な使い方はされていません。
「ご都合」というのは相手の予定という個人情報を聞くのと同じであり、他の質問以上に相手に敬意を払う必要があるため、正しい敬語を使って対応することが必要になります。
礼節を欠くと相手との関係が悪くなるだけでなく以後においても悪影響を及ぼしかねないので、その使い方には十分な配慮が大切になるのは当然です。