「ご都合はいかがでしょうか」の使い方って?
「その日のご都合はいかがでしょうか」という表現で、相手や先方の予定を伺うことがあります。「ご都合はいかがでしょうか」とは、どのような場面でどのように用いればよいのでしょうか。こちらでは「ご都合はいかがでしょうか」という表現と敬語表現などを見ていきましょう。
「ご都合はいかがでしょうか」とはどのような場面で用いられる表現で、どのようにして使うのがもっとも適した言い回しに当たるのでしょうか。日本語の敬語表現や「ご都合はいかがでしょうか」は敬語に当たるのかなどをみながら、また、「ご都合はいかがでしょうか」と尋ねられた際の返事などについても触れていきましょう。
ご都合はいかがでしょうかを使う場面?
前述したとおりに、「ご都合はいかがでしょうか」とは、相手の予定や都合を尋ねる場面で用いられる表現と言えるでしょう。「ご都合はいかがでしょうか」と予定を合わせたい、例えば打ち合わせを入れたい場合などに用いられることも多いのではないでしょうか。
また、何かの用事をお願いしたい場合などや相手の予定や都合を尋ねたい場面で、「ご都合はいかがでしょうか」と使われます。「某月某日の午後から打ち合わせをできればと考えていますが、ご都合はいかがでしょうか」などでも構いません。
「ご用件がありましてお電話させて頂きました、今、ご都合はいかがでしたでしょうか」、「こちらの案件を急ぎでお願いしたく思うのですがご都合はいかがでしょうか」などと用いられるのを聞くのではないでしょうか。
メールで?
メールで「ご都合はいかがでしょうか」と尋ねたい場合はどのように用いればいいでしょうか。「火急の件がありまして失礼ながらメールにてご連絡申し上げました。先日の一件ですが、ご都合のほどはいかがでしたでしょうか」などと用いることができます。
「ご都合については先日に打合せ頂きましたとおりで進めましてもよろしかったでしょうか」など、メールという文書に相応しい筆記体での少し固めの文章を心がけて用いればよいかと存じます。
ビジネスで?
ビジネスシーンでの「ご都合はいかがでしょうか」なら、どう対応すればいいでしょうか。前述しましたように、「ご都合はいかがでしょうか」とは、相手の予定や都合を尋ねる表現、言葉になりますので、「ご予定はよろしかったでしょうか」や、「ご都合のほどはよろしいでしょうか」などと用いることができます。
また、「ご都合がよろしい日をご教示頂ければ幸いです」や、「先日の日程で、ご都合のほどはよろしかったでしょうか」などとも用いることができます。「ご都合はいかがでしたでしょうか」と用いるのもいいでしょう。
「ご都合はいかがでしょうか」は丁寧な表現ではありますが、ビジネスの場面ではもう少し工夫して、前後の文脈や言い回し、差し替え表現などを用いて敬語表現にしましょう。
「ご都合はいかがでしょうか」の敬語表現?
では、「ご都合はいかがでしょうか」はそもそも敬語表現として用いても問題のない表現だったのでしょうか。
現在では一般的に使用されている言葉ですが、敬語表現としては不適切な表現となります。
敬語で「ご都合はいかがでしょうか」と尋ねるなら?
敬語で「ご都合はいかがでしょうか」と用いたい場合にはいくつかのパターンが考えられます。まず、敬語表現についておさらいしながら、「ご都合はいかがでしょうか」の正しい使い方について、見ていきましょう。
日本語の敬語表現とマナー、ルールについて見ながら、「ご都合はいかがでしょうか」のどこに問題が起きていたのかを見ていくことにしましょう。
日本語の敬語表現とは?
日本語の敬語表現についてこちらでは少し触れてみます。「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」から成り立つ敬語の種類とそれぞれの用い方についてです。
尊敬語?
相手の仕草や言動、相手に対して敬った物言いをすることで相手に対して敬意を示すのが尊敬語での敬語表現となります。一例を挙げてみましょう。「この記事をご覧頂きました方に対して」と例文を作ってみます。これをそのままの言葉にしますと、「この記事を見ている人に対して」となります。
「ご覧いただく」という表現を用いたこと、「いただきました方」という言い回しに置き換えたことで、尊敬語での表現となりました。では次に、「謙譲語」です。
謙譲語?
相手に対して自らの言葉や仕草を下に出して表現することで敬意を表す敬語表現が謙譲語です。一例を挙げてみましょう。せっかくですのでこの一文を用いて例文にしていきましょう。
「一例を申し上げさせていただきますと」となります。「申し上げさせていただく」と自らの言葉を下に出して表現しました。こちらが謙譲語での表現の例文となります。
丁寧語?
丁寧語とは言葉のとおり、丁寧な言葉づかいで相手に対して敬意を示す表現で、「です。ます」調で表される文章や、「でした、ました」で表現される文章になります。つまり、この記事に使われています文章も丁寧語での表現ということになります。
ではこれらを用いて?
では、これらを踏まえた上で、本題である「ご都合はいかがでしょうか」について戻ってみましょう。「ご都合」という部分には丁寧語が用いられています、「いかがでしょうか」もお伺いを立てる文章としては相手に対して敬いを見せた文章です。
少し異議を唱えるとすれば、敬語での正しい表現とするには「ご都合のほどはいかがでしたでしょうか」や、「ご都合のほどはよろしいでしょうか」など、「ご都合」という表現の後にちょっとした助動詞の工夫を加えたいところです。
日本語の敬語表現やマナーというのは前置き文一つ、助動詞一つで意味合いや響きが変わってきますので、きちんとした敬語表現として用いたい場合には注意したい場所です。
目上の人に?
では、目上の方に対して「ご都合はいかがでしょうか」を用いたい場合にどのように差し替えることができるでしょうか。一例を挙げてみます。目上の方に対しては、「先日お伺いしました件ですが、ご都合のほどはいかがでしたでしょうか」という表現になります。
また、「先日にお伺いしました件ですが、ご都合のほどはよろしかったでしょうか」でも成り立ちます。
丁寧な表現で?
では、丁寧な表現で「ご都合はいかがでしょうか」と用いたい場合はどうでしょうか。「ご都合はいかがでしたでしょうか」や、「ご都合のほどはよろしかったでしょうか」などと、助動詞を加えてあげることで、「ご都合はいかがでしょうか」と同じ意味合いのまま、少し丁寧な印象を与える一文となります。
「ご都合はいかがでしょうか」の返事の仕方は?
「ご都合はいかがでしょうか」と尋ねられた際の返事としてはどのように返せばいいでしょうか。尋ねられた日程や予定、用件などに差し障りがない場合と変更を申し出たい場合の二通りで見ていくことにしましょう。まずは問題がなく構いませんという意味合いでの返事になります。
この場合の返事としては、「特に問題や異論ございませんのでそのまま進めて頂きますように」となります。用件、日程調節、予定について尋ねられたものに対して、特に問題や差し障りはありませんと答えたものになりますが、きちんと文章としても返事としても成り立っています。
では、相手に変更を伝えたい、申し出たい場合の文章ならどうでしょうか。「申し訳ありません、その日程ですと少々わたくしの方に」や、「申し訳ありません、その件ですが」などと、前置きにまず謝罪を入れ、尋ねられていた件への回答と代替え案を出しましょう。
用途に沿って使っていこう!
ここまでご覧頂きましたが、「ご都合はいかがでしょうか」の使い道や敬語表現に置き換えたい場合、丁寧な言い回しでの表現など、ご納得頂けるものはありましたでしょうか。「ご都合はいかがでしょうか」とは、先方や相手の都合や予定を尋ねて使う思いやりの表現ですので、場面に応じた表現で上手に使っていきましょう。