「どういたしまして」の敬語・類語・方言・ビジネスでの使い方

ビジネススキル

覚えておきたい!「どういたしまして」の使い方

誰かにお礼を言われたり感謝をされたりした際に、「どういたしまして」という言葉で返事をすることは、多いと考えられます。「どういたしまして」という言葉は、比較的身近な言葉でもあり、普段は何気なく使っているという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ビジネスシーンや公の場を中心に、目上の人などに使用する際、どのように使えば良いのか疑問に感じている方もいらっしゃると考えらえます。また、同じような意味を持つ言い換え表現を知っておきたいという方も、いらっしゃるでしょう。

そこで今回は、「どういたしまして」をテーマにして、敬語での使い方や類語、方言やビジネスシーンでの使い方などについて、考察・ご紹介していきます。

「どういたしまして」の意味・使い方

まずは、「どういたしまして」の基本的な意味や使い方について、確認していきます。

冒頭でもご紹介したように、「どういたしまして」という言葉は、大変身近な言葉の1つとなっており、普段からよく使っているという方も、少なくないでしょう。しかしだからこそ、普段は深く考える機会が少ない、「どういたしまして」という言葉の意味や使い方について、この機会に見直しておくことをおすすめします。

「どういたしまして」の意味

早速、「どういたしまして」という言葉の基本的な意味について、確認していきます。「どういたしまして」という言葉の意味について、「goo辞書」では以下の引用のように解説しています。

引用の内容から、「どういたしまして」という言葉には、2種類の意味があると考えられます。1つ目の「どういたしまして」の意味は、相手へのお礼やお詫びなどを、丁寧に打ち消して返事をする、挨拶の1種としての意味です。2つ目の意味は、事実と異なることを相手が考えていたり言ったりした際に使用するものだとされています。

日常会話で使用することが多いのは、お礼などの返事として使用する、1つ目の意味の「どういたしまして」だと言えるでしょう。

1 相手の礼・わび・称賛などの言葉に対して、丁寧に打ち消しながら返すあいさつの言葉。2 相手の思っていることが事実とまったく反するときに用いる言葉。

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/154927/meaning/m0u/

「どういたしまして」の使い方

上記で考察した「どういたしまして」の意味から、続いては基本的な使い方について考察していきます。

「どういたしまして」には2つの意味がありますが、日常的に使用されることが多いのは、感謝などを述べられた時の返事としての意味です。

具体的なシチュエーションとしては、他人から「有難う」「申し訳ございません」といった、お礼の言葉やお詫びの言葉を言われた時の返事として、「どういたしまして」を使用することが多いと考えられます。

「どういたしまして」の漢字表記

「どういたしまして」という言葉を、漢字で表記したい場合、どのように表記すれば良いのかも、知っておきたいところです。

上記で、「どういたしまして」の意味を確認する際に用いた「goo辞書」の解説には、「如何致しまして」という表記で掲載されていました。

しかし、日常生活において、文章などで「どういたしまして」を使用する場合は、上記でご紹介した漢字表記よりも、ひらがなで表記する方が多いと考えられます。

「どういたしまして」の敬語

ビジネスシーンや公の場では、敬語でやり取りするのが、一般的だと言われています。特に、上司などの目上の人とコミュニケーションを取る場合は、敬語でないと失礼な印象を与えてしまう危険性があります。

そこで続いては、「どういたしまして」を目上の人に対して使う場合、どのような敬語や言い方で使用すれば良いのか、考察していきます。

目上の人への使い方

「どういたしまして」という言葉は、お礼の言葉への正式な返事の1つと言えるでしょう。しかし、世間一般では、目上の人などの「どういたしまして」を使用することに違和感を感じたり、「上から目線」という印象を持ったりする方もいらっしゃると言われています。

そのため、目上の人からお礼などを言われた際の返事としては、「どういたしまして」よりも別の言葉へと言い換えた方が最適だという見解も存在しています。

「どういたしまして」の丁寧な言い換え表現

上記でもご紹介したとおり、「どういたしまして」は敬語としては、微妙だと感じる方も少なくありません。「どういたしまして」という言葉自体、丁寧な言葉だとは言われているものの、目上の人に対して使うのには、少々偉そうだと感じている方も、多いと言われています。

そのため、目上の人に「どういたしまして」を使う場合は、丁寧な敬語で、「どういたしまして」と同じような意味を持つ言い回しへと言い換えた方が良いと考えられます。

一例としては、「お役に立てたようで大変嬉しく思います」「とんでもございません」といった言い回しが考えられます。

「どういたしまして」の類語

上記でもご紹介したように、目上の人からのお礼の言葉に対する返事としては、「どういたしまして」は偉そうだという見解も多数存在しています。そのため、目上の人からのお礼などに返事をしたい場合は、「どういたしまして」と似たような意味を持っている、類語や言い換え表現へと言い換えた方が、無難だと言えるでしょう。

そこで続いては、「どういたしまして」の類語や言い換え表現をご紹介していきます。この機会に類語や言い換え表現を覚えておき、「どういたしまして」の言い換え表現にバリエーションを増やしておきましょう。

お気になさらずに

「どういたしまして」と並んで、お礼を言われた時の返事などとしてよく使われるのが、「お気になさらずに」という言い回しです。

「どういたしまして」という表現は、相手のお礼の言葉を丸々受け取っているように感じられるという方もおり、もう少し謙遜のようなニュアンスが含まれた返事をしたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合には、「お気になさらないで下さいませ」といった形で、「お気になさらずに」という言葉が使用されると考えられます。

とんでもない

相手からお礼を言われた時の返事として、「とんでもない」という言い回しも挙げられます。「とんでもない」という言い回しには、相手のお礼の言葉などに対する、謙遜のようなニュアンスが含まれていると考えられそうです。そのため、「どういたしまして」よりも使いやすいという方もいらっしゃいます。

目上の人などに使用する場合は、「とんでもないことでございます」などの丁寧な言い回しにして使うのが一般的です。

お役に立てたなら~

目上の人など、敬うべき相手からお礼を言われた場合は、「お役に立てたなら~」といった言い回しで返事をすることもあります。「お役に立てたなら~」という言い回しは、その後に続く言葉の候補がいくつかあるため、さまざまな言い回しができると考えられそうです。

一例としては、「お役に立てたなら幸いです」「お役に立てて嬉しいです」といった言い回しができると考えられます。

光栄です

目上の人にお礼などを言われた際、感謝の気持ちを伝えてもらえたことを、「嬉しい」という感情で表現して返事をすることも可能です。

上記のような返事の仕方の一例として、「光栄です」という返し方ができると考えられます。「光栄です」を使用した返事の返し方としては、「そのようにおっしゃって頂けて光栄です」「役に立てたとのことで光栄です」といった言い回しができると言えそうです。

恐縮です

目上の人からお礼を言われた場合、「恐縮です」と返事をする方法もあります。「恐縮」という言葉は、ビジネスシーンなどで度々使用される言葉ですが、以下の引用のような意味があると言われています。

以下に引用した「goo辞書」の説明から、「恐縮」とは恐れて身がすくむことや、相手の厚意などに対して、恐れ多く感じることを意味する言葉だと、読み取ることができます。

1 おそれて身がすくむこと。2 相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと。おそれいること。また、そのさま。

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/56391/meaning/m0u/

他にも~

敬語を使うべき相手からお礼を言われた時、お礼の言葉に対して、「他にも何かございましたらおっしゃって下さい」「他にもお手伝いできることはありますでしょうか」といった返し方をすることも、可能だとされています。

相手のお礼を否定することなく受け取りつつ、上から目線や偉そうな印象になりにくい言い回しでもあるため、目上の人との会話では使いやすい言い回しだと言えるでしょう。

方言での「どういたしまして」

続いては、方言で「どういたしまして」を言った場合、どのような表現や言い方になるのか、考えていきます。

出張などで全国各地へ行くことがある方や、遠い地方へと引っ越す予定がある方は、各方言での「どういたしまして」を覚えておくと、役立つ可能性もあるでしょう。

沖縄

沖縄に住んでいない方からすると、沖縄の方言は変わった音の響きを持つもののように感じることもあるでしょう。「どういたしまして」という言葉も、沖縄では別の言葉に変わるため、沖縄に行く予定がある方は、覚えておいた方が良いでしょう。

インターネットで検索した結果、沖縄では「どういたしまして」のことを、「ぐぶりーさびたん」と表現することもあるとされています。とはいえ、「ぐぶりーさびたん」には、「失礼しました」といった意味も含まれているという見解があるため、「どういたしまして」以外の意味としても使われる可能性があると言えそうです。

関西弁

続いては、関西弁の場合は、「どういたしまして」をどのように表現するのか、考察していきます。

結論から言うと、「どういたしまして」を関西弁に言い換えた言葉などは、存在しないと言われています。インターネットで検索した限りでは、該当する単語は見当たりませんでした。

しかし、関西弁の場合は、「どういたしまして」ではなく、似たようなニュアンスを含む表現で返すことが多いと言われています。一例としては、「気にせんといて」「かまへん」「ええから」といった返し方もあると考えられます。

ビジネスの時の「どういたしまして」の言い方

ビジネスシーンでは、「どういたしまして」という言葉を、相手のお礼の言葉に対して使うことは、あまりありません。上記でも述べたとおり、「どういたしまして」は偉そうな印象や上から目線の印象を相手に与えてしまいがちなためだと考えられます。

そのため、ビジネスシーンでは、上記で類語や言い換え表現としてご紹介した言い回しで返事をすることが多いと考えられますが、どのように使えば良いのか、気になるところです。そこで続いては、ビジネスシーンにおける、「どういたしまして」やその言い換え表現の使い方などについて、考察していきます。

「どういたしまして」は目上の人には使わない

「どういたしまして」という言葉は、丁寧なイメージがある言葉ですが、やはり目上の人に対して使う言葉としては、違和感や疑問を感じる方が多いと言われています。そのため、言われる立場である目上の人の中にも、違和感を持っている方がいる可能性もあるでしょう。

上記のような背景から、目上の人からお礼を言われた場合の返事としては、「どういたしまして」は使用しない方が無難だと考えられます。後述でご紹介していく、言い換え表現を使用しましょう。

「どういたしまして」の言い換え表現の例文

何度かご紹介したとおり、「どういたしまして」は目上の立場の人に対して使用する言葉としては、不適切だとする見解も存在しています。

そこで続いては、「どういたしまして」の代わりに使える、目上の人にお礼を言われた時の返事について、例文をご紹介していきます。

謙遜・打ち消し

相手から言われたお礼を、素直に受け入れることは、何となく違和感を感じるという方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、謙遜したり丁寧に打ち消したりする返事を使用すると、違和感なくお礼への返事ができると考えられます。

・とんでもないことでございます、他にも何かございましたら、仰って下さい。
・そのように仰って頂き、大変恐縮です。
・そこまで仰って頂くと、恐縮でございます。

丁寧に喜びを表現する

目上の人へのお礼への返事としては、相手からお礼を言われたり喜ばれたりしたことを、素直に受け入れて喜ぶ返事の仕方も挙げられます。相手のお礼に対して喜びを表現する場合も、相手は目上の立場の人なので、丁寧な表現をすることが大切です。

・お役に立てたようで、大変嬉しく思っております。
・そのように仰って頂けて、大変嬉しいです。
・お力になれて幸いです。

その他

目上の人からお礼を言われた時の返事のパターンとしては、上記でご紹介した2つのパターンの他に、積極的な返事をしたり、自分からも感謝の言葉を返したりといったパターンがあると考えられます。

・私としても良い経験になりました。有難うございます。
・また何かございましたら、お申し付け下さいませ。
・他にもお手伝いできることがございましたら、仰って下さいませ。

目上の人には言い換え表現を使おう

いかがでしたでしょうか。今回は、「どういたしまして」という言葉をテーマにして、意味や使い方、目上の人への使い方や言い換え表現、方言での表現方法などについて、考察・ご紹介しました。

「どういたしまして」は丁寧な言葉だと言われていますが、人によっては「目上の人に対して使うのは違和感がある」という方もいると言われています。ですから、目上の人にお礼を言われた時は、似ている意味を持つ別の表現や言い回しで返事をした方が、無難だと言えるでしょう。

この機会に、「どういたしまして」と似ている意味を持つ言葉や言い回しをたくさん覚えておくことをおすすめします。

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