「お伺いを立てる」の意味と使い方・例文・熟語・類語・敬語

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「お伺いを立てる」の意味と使い方

「お伺いを立てる」という言葉を聞いたことがありますか。ビジネスシーンなどではたびたび使われる言葉ですが、この言葉の意味とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、「お伺いを立てる」の意味と実際に使う場合の使い方についてみていきます

「お伺いを立てる」の意味

「お伺いを立てる」の意味とは、「あることについてその内容が合っているか、問題がないかなどを目上の人に確かめること。または、それを伺う行為。」を意味します。また、取引先や顧客など目上の人に訪問する場合などにも「お伺いを立てる」と表現する場合があります。

「伺う」とは、「聞く」「尋ねる」「訪れる」「確認する」の謙譲語です。その「伺う」の頭に接頭語の「お」をつけてさらに丁寧に表現しています。本来は二重敬語となるため「お伺いを立てる」は、「伺いを立てる」で良いのですが、現在ではよく使われる言葉として定着しているため、「お伺いを立てる」を使っても問題はありません。

メール

メールで「お伺いを立てる」という表現を使う場合ですが、このフレーズはメールにおいても特に問題なく使うことができる表現です。メールで相手にこの表現を使うということは、相手に尋ねる、訪問するというような場合です。そのため、いそいでいて時間に余裕のない場合に使う表現ではありません。

このような表現を使うからには、相手への配慮をしっかりしているシーンにおいて使用しましょう。

「お伺いを立てる」の例文

「お伺いを立てる」という表現はビジネスシーンにおいてよく使われます。ではどういったかたちで使われるのでしょうか。ここでは、「お伺いを立てる」の例文についてみていきます

1.上司

自分より目上の人である、上司に向けて使う例文になります。

(例文)「○○の件につきまして問題がないか、課長にお伺いを立てるようお願いします。」

この場合の「お伺いを立てる」は、「お聞きする」「確認する」という言葉で言い換えることができます

2.質問する

上司や目上の方に質問するという意味で使う「お伺いを立てる」の例文になります

(例文)「〇月〇日に予定している会議日程についてお伺いを立てさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。」

これは予定している会議日程について聞きたいことがあるのですがいいですかという意味の言葉を、丁寧に敬語で表現した文になります。

3.問い合わせする

ビジネスシーンにおいて取引先などに問い合わせをするという表現で使う「お伺いを立てる」です

(例文)「○○の件につきまして、○○社のご担当の○○氏にお伺いをたてております」

こういった使い方は年上であったり目上の人相手に使うほかにビジネスシーンの取引先などにも使います。仕事上の取引先については丁寧な表現が適切ですので、もし会議などで「○○の件についてはどうなの?」のように聞かれた場合に、上記のようなこたえをしても良いでしょう。

4.承諾をとる

「お伺いを立てる」という表現は、上司や上役に承諾を貰うという意味で使うことがあります。例えば以下のようになります。

(例文)「その件については、今後のことも考慮して○○部長にお伺いを立てた方がよいのではないでしょうか。」

「お伺いを立てる」という表現には「承諾をとる」という意味もあります。そのため、仕事上の承諾を得てから先に進めた方が良いという場合にこういった使い方をすることがあります。

「お伺いを立てる」の熟語

「お伺いを立てる」という表現は一つの意味だけを表すものではありません。前述しましたように、「伺う」には「聞く」「尋ねる」「問い合わせる」「承諾をもらう」「訪問する」などの意味があります。

そのため、「お伺いを立てる」の熟語は、「訪問」「質問」「承諾」などがあてはまります。ただし、「お伺い」という言葉には謙譲語があり相手への敬いの気持ちがありますので、上記の熟語に尊敬の表現があるといえます。

「お伺いを立てる」の類語・言い換え表現

「お伺いを立てる」の「お」をとって「伺いを立てる」と言い換えても、意味は同じです。もともと「伺い」という言葉がそれだけで「聞く」「尋ねる」「問いかける」「訪問する」などの謙譲語ですので、それにさらに「お」という接頭語をつけて丁寧にした表現です。また、「お伺いを立てる」の類語については、以下のようになります。

1.尋ねる
2.質問する
3.問う

4.訪問する
5.伺う
6.聞く

お伺いを立てる言葉の例

「お伺いを立てる」という言葉の意味や使い方についてみてきましたが、では実際に「お伺いを立てる」言葉というのはどういったものでしょうか。

例えば「○○さん、取引先の○○商事に打ち合わせの日程の件でお伺いを立てておいてね」と言ったとします。この場合の「お伺いを立てる」は打ち合わせの日程調整の件を言っていますので、お伺いを立てるとは「○○の打ち合わせの件ですが現在のところ、打ち合わせの日程は〇月〇日○○時より予定しておりますがご都合の方はよろしいでしょうか。

もしご予定がある場合など〇月〇日担当○○までご連絡ください。連絡先は以下になります。何卒よろしくお願い申し上げます」という問い合わせメールがお伺いを立てる言葉になります。「お伺いを立てる」という表現は、その他にも「尋ねる」「承諾を貰う」「聞く」といろいろ意味がありますので、使い方により「お伺いを立てる」言葉は違ってきます

「お伺いを立てる」の敬語

「お伺いを立てる」の敬語ですが、「お伺いを立てる」は、この言葉で敬語表現となっています。まず「伺い」という言葉が、「聞く」「尋ねる」「訪問する」「承諾を貰う」などの謙譲語で敬語となります。

さらに「伺う」の前に接頭語の「お」がついていますので、より丁寧な表現であるといえます。「お伺いを立てる」は、そのままで十分に敬語表現ですので上司や取引先、顧客など目上の人にそのまま使っても失礼にはなりません。

「お伺いを立てる」の英語表現

「お伺いを立てる」の英語表現ですが、この表現は前述しましたように、一つだけの意味ではなく「尋ねる」「聞く」「訪問する」「確認する」といった複数の意味を持つため、さまざまな英語表現ができます。以下が「お伺いを立てる」の英語表現の一部になります

1.(神仏などに)お伺いを立てる:「consult an oracle」
2.(上司などに)お伺いを立てる:「Would you do me a favor and find out what the president wants to do about this matter?」(この問題について、社長にお伺いを立ててもらえませんか?)

「お伺いを立てる」の間違った使い方

「お伺いを立てる」という表現は、目下のものが目上の人に使う言葉です。例えば、上司や顧客や取引先相手に使います。しかし、例えば同僚や部下などには使いません。間違って、部下に「お伺いを立てる」と使ってしまうと、相手も変に恐縮しますし、また自分の知識のなさを表明してしまうことになります

「お伺いを立てる」という表現は、自分と相手の立場をよく考えた上で使用するように気を付けましょう。

「お伺いを立てる」の意味と使い方を覚えましょう

いかがでしたか。「お伺いを立てる」という表現は、ビジネスシーンにおいてよく使われる言葉で、意味としては「聞く」「尋ねる」「訪問する」「承諾をもらう」などいろいろな意味を持つことがわかりました。また、このフレーズは敬語表現であるため、自分よりも目上の人に使う言葉であるということもわかっていただけたでしょう。

「お伺いを立てる」は使い方によって意味が異なる表現ですので、その表現が合っているのかよく考えて使わなければならない言葉です。ビジネスシーンで使う言葉ですし、間違った使い方をして相手に不快におもわれないように気を付けましょう。

また、それぞれで似たような言葉(「お聞きする」「お尋ねする」など)もありますので、使い分けていくようにしましょう。

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