「謹んでお受けいたします」の意味と使い方・類語・敬語|内定/辞令

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「謹んでお受けいたします」の意味と使い方

「謹んでお受けいたします」という表現は、何かを引き受ける時によく使われる言葉です。謹むという言葉は、「畏まる/畏れる」という意味で、尊敬できる相手に対し敬意を表し礼儀を失わないようにするという意味合いがあります。

つまり「謹んでお受けいたします」は、相手の人や会社に対して敬意を払い礼儀を弁えて引き受けるという意味になりますよって主にビジネスシーンで使われる言葉ですが、日常で使われることももちろんあります。

では、どういう場面、どういう相手に対して「謹んでお受けします」という言葉は使われるのでしょうか。順番に説明していきます。

内定時の「謹んでお受けいたします」の使い方

長い就職活動を経て、遂に念願の内定を貰うことができたら、嬉しいです。最近では、メールで内定の案内を出す企業も多くなっています。しかし、そのメールにどう返信してよいのか意外と悩んでしまいます。

そのメールに返信をする時には、「謹んでお受けいたします」を使って返事をしましょう。一例としては、「この度は御社の内定の通知を頂き、ありがとうございます。謹んでお受けいたします。今後ともっよろしくお願いいたします」という感じで返事をする形になります。

「わかりました」や「承知しました」は使わない

この際に、「わかりました」や「承知しました」という表現は使わないようにしましょう。一般的には、何かを了承する時によく使われる言葉ですが、内定を受ける場合に適切な表現とは言えません。

多くの志願者の中から自分を採用してもらったのですから、より敬意と感謝を伝える意味も込めて「謹んでお受けいたします」と返事をしましょう。

辞令を受けた時の使い方

辞令とは、昇進や転勤、配置転換などによって異動を命じられることです。一般的には掲示や通達などによって発令されます。事前に直属上司から本人に内々に伝えらることも多く、これを内示と言います。

内示は口頭で伝えられることが多いですが、正式な辞令の段階になると掲示、通達という形で全社に公開されます。内示が正式な辞令よりどれくらい前に通達されるかは企業によって異なります。

この辞令の発令に対し、特に辞令書が手渡しで渡される場合や異動先の上司、場合によっては社長から直々に辞令を言い渡された時は「謹んでお受けいたします」を使うべきです。相手を敬いながら正式に辞令を引き受けることで、お互いが不快にななることなく辞令を受け入れることができます。

面接時の使い方

就職活動を行う時に、企業とメールでやり取りをすることも多くなっています。選考の案内や面接日程の通知などもメールで送信してくる企業も多数あります。

「次回面接日程のご案内」「第○次面接日程について」といった題名で面接日程が案内されてきますが、その際に承諾の意思を示すために返信する時に「謹んでお受けいたします」を使って返信しましょう。

返信を送らないという人もいますが、案内に対して返信をしないというのは、礼儀として失礼に当たります。「この案内通知に対する返信は不要です」というような記載が無い場合は、必ず返信をするようにしましょう。

一例としては、「お世話になります。この度は面接日程をご連絡頂きありがとうございます。ご案内頂いた日程で問題ありませんので、謹んでお受けいたします。当日もよろしくお願いいたします。」という感じになります。この方が、当日の面接も良い気分で臨むことができます。

受賞した場合の使い方

ビジネスでもプライベートでも、何かの賞を受賞することがあります。自分の努力によって賞を貰えたのは確かです。しかし、受賞時においても「謹んでお受けいたします」という表現をした方が良いです。

この場合の「謹んでお受けいたします」は、賞を創ってくれた人への敬意、受賞するまでに支え、教え、協力してくれた人達への敬意と感謝を表しています。自分の努力の成果もあるでしょう。しかし、何かの賞を得るということは決して自分だけの成果ではありません。

受賞の場で「謹んでお受けいたします」と言葉にすることで、支えてくれた人達に敬意とか感謝を伝え、この賞に恥じないようにこれからも頑張るという意思を新たにすることができます。

依頼を引き受ける時の使い方

誰かに何かを頼まれた時や正式な依頼を引き受ける時が、「謹んでお受けいたします」の最もポピュラーな使い方です。単なる知人や友達であればあまり使わないですが、ビジネスシーンでは上司から仕事を引き受ける時や、取引先からの依頼を引き受ける時によく使われます。

この場合の「謹んでお受けいたします」は、敬意というよりも誠意を表しています。引き受けた内容に対して必ずやり遂げること、期限は絶対に守ることなどを「謹んでお受けいたします」という言葉に込めています。

礼儀作法の1つとして、特に社外の人からの依頼を引き受ける時には「謹んでお受けいたします」といって引き受けましょう。

結婚に関する時の使い方

結婚に関して「謹んでお受けいたします」という表現が使われるのは、結納の時が多いです。結納は、結婚を控えた男女の家族が参加する大切な行事です。お互いの家族が参加するので、マナーや言葉の表現も注意しなければなりません。

男性側は挨拶で結納の品を持参したことに言及します。それに対し女性側は結納の品にに感謝の気持ちを表します。その感謝の気持ちを表現する言葉として「謹んでお受けいたします」と言いましょう。お互いを尊重する気持ちが大切です。

昇進時のいた使い方

昇進がどのように伝えらるのかは会社によって色々ですが、上司から直接昇進を言い渡されることも少なくありません。これまでの自分の働きぶりや努力が認められたのですから、誇らしく感じる方も多いでしょう。

その昇進を受け入れることを伝える時に、「はい、わかりました」というよりも「謹んでお受けいたします」と言うことができます。こちらの方がしっかりとしていて誠実な受け答えになります。これなら上司も安心して新たなポジションを任せることがことができます。

「謹んでお受けいたします」の類語とは

ここまで「謹んでお受けいたします」について解説しましたが、似た意味を持つ言葉もいくつかあります。ビジネスシーンでは「謹んでお受けいたします」が最も使用される頻度は高いですが、他にはどのような表現があるのでしょうか。

「謹んで」の類語

「謹んで」の意味は相手に敬意や感謝、畏怖を示したり、自分の誠意を示すことです。「謹んで」に似た意味の言葉には、「恐れながら」や「謙虚に」があります。いずれも相手への敬意や自分自身の誠実さを表現しています。

「お受けいたします」の類語

「お受けいたします」の意味は引き受ける、理解するということです。「お受けいたします」に類似した言葉には、「承知しました」「承ります」「かしこまりました」などがあります。特に「承知しました」は「お受けいたします」同じような場面で使われる言葉です。

「謹んでお受けいたします」の類語の例

よって「謹んで」と「お受けいたします」の類語から考えると、「謹んでお受けいたします」の類語は、例えば「謹んで承ります」や「恐れながらお引き受けいたします」といった表現になります。

「謹んでお受けいたします」の敬語表現

「謹んでお受けいたします」はこのまま使っても敬語としてとして成り立ちます。「受ける」の前に「お」がつくことによって敬語表現となります。「謹んでお受けいたします」を敬語表現することは、さらに丁寧な言い方をすることになります。

例えば「謹んでお受けしたいと存じます」や「謹んでお受けさせて頂きます」といった表現がこれにあたります。「存じます」「させて頂きます」という言葉がぜひしたいという意思や誠意を示し、その思いをより強調する表現となるからです。

「謹んでお受けいたします」は敬意や感謝を示すもの

ここまで見てきたように、「謹んでお受けいたします」という表現は色々な場面で活用することができます。基本はビジネスシーンですが、非常に応用ができる言葉と言えるでしょう。

この言葉の本質は敬意と感謝、誠意を示すことにあります。もし「謹んでお受けいたします」と言うべきか迷った時は、このことを思い出していう言うべきかを判断しましょう。きっと、心から自然に「謹んでお受けいたします」と言うことができるでしょう。

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