ビジネスにおける「お電話」の例文・敬語・対応方法|差し上げる

ビジネススキル

ビジネスでの電話応対の仕方とは?

電話応対や電話の引き継ぎなどは入社して最初に教えられ、まかされる仕事の一つです。とはいえ、学校生活ではなかなかなじみのなかった電話応対、ましてや最近はLINEなどのツールが主流となっており、友達とも電話では話さないという方も多いでしょう。電話応対は簡単そうに見えて、実はとっさの判断や言葉づかいがとても大切なため、ちょっとしたコツが必要です。

今回はそんな電話応対の方法や正しい言葉づかいについて例文をもとにご紹介します。

「お電話」って正しい敬語?

結論から述べると「お電話」という言い方は正しい敬語です。しかしメールの文章や書類、または相手とのやり取りの中で、何度も「お電話」という言葉を繰り返すのはあまりスマートではありません。そんな時は「ご連絡」や「電話にてご連絡」など少し違う言い回しも覚えておくと良いでしょう。

同じ意味でも違う言い回しや言い方を覚えておくことは、ビジネスシーンではとても役立ちます。

電話中のスマートな対応方法って?

電話中のスマートな対応方法とはスムーズに言葉が出てくることでしょう。目の前のメモを読んでいるわけではない、自分自身から出てくる言葉というのは相手への伝わり方も違ってきます。そのためにはたくさんの言い方や例文を知っているのも重要なポイントです。普段から頭の中でシミュレーションしてみたり、言葉に出してみたりすることで自然と身についていきます。

電話の応対に自信がないと、自然と声も小さくこもったようになってしまいがちです。そうなると相手は聞き取れずに何度も聞き直してきますし、聞こえないとご指摘いただくことも考えられます。まずははっきりと大きな声で、丁寧に話すことが大事です。

電話応対中にメモは必須!

電話をとる前には必ずメモを手元に置きましょう。相手の会社名、名前は必ずメモをとってください。会社名と名前くらい覚えていられると思うでしょうが、実際には間違えて覚えてしまったり、結局忘れてしまったりするケースが目立ちます。あとから担当者へ引き継ぎをする場合に「誰だか分かりませんけどお電話です」などと言うのはビジネスシーンではご法度です。

伝言を頼まれたり大事な用件を伝えられたりした際に、前もって手元にメモを用意しておけば、電話相手を待たせずにメモをとることができます。相手からの伝言や用件を間違えてはビジネスマンとして失格です。きちんとメモをとって伝えるべき相手に伝えましょう。

また自分が必ず伝えなければいけない用件も、あらかじめ箇条書きにして手元に置いておくと良いでしょう。伝えた分は抹消線を引いて、1つずつ確認していけば連絡ミスも少なくなります。

例文からコツをつかもう!

それでは実際に例文を使って良く使うフレーズを見ていきましょう。AさんとBさん、そしてC課長の電話中の会話です。自分だったらどう話すか、想像しながら読んでみてください。「お電話」というキーワードからつながる文章は頻繁に使われるフレーズなのでぜひ覚えてください。

例文

A「はい、○○会社です。」
B「お世話になっております。先日○○の件でお電話いたしました××会社の△と申します。」
A「△様、いつもお世話になっております。」
B「こちらこそお世話になっております。恐れ入りますが□課長はいらっしゃいますでしょうか?」
A「はい。少々お待ち下さい。」
C「お電話かわりました。課長の□です。」
B「お世話になっております。△です。」
C「いつもお世話になっております。わざわざお電話いただきありがとうございます。」
中略
C「ではその件は改めて担当者から連絡させていただきます。」
B「ありがとうございます。それではお電話お待ちしております。」

クッション言葉とは?

良く使うフレーズを紹介する前にもう一つのポイントをお伝えします。これは電話中に限らず必要なテクニックで、クッション言葉と言います。ストレートに言うと少しきつくなってしまう時や決めつけたくない時、あるいは相手をねぎらいたい時など、さまざまな場面で使えるでしょう。この例文で言えば『恐れ入りますが』がクッション言葉になります。

他にも『お手数をおかけいたしますが、』や『差し支えなければ』なども、クッション言葉として良く使われます。

「お電話いたしました」の使い方

自分や自社が電話をした場合に使います。「○○の件でお電話いたしました。」や「先日、担当者の○○からご連絡いたしましたが」というように使います。また過去の内容についてだけではなく、「お電話いたします」と先の予定について使う事もできます。

「お電話かわりました」の使い方

電話を別の人から引き継いだ時に使う言葉です。この言葉は形がほぼ決まっているので、電話を引き継いだ時には必ずと言っていいほど使える言葉でしょう。「お電話かわりました。」の後に自分の名前を伝えるだけですので非常にシンプルで使いやすいフレーズです。

「お電話ありがとうございます」の使い方

ビジネスシーンで感謝の言葉は非常に大事です。その一言がつくだけでも相手の印象も良くなるのはみなさんも十分承知の事でしょう。感謝していますというような言葉もいいですが、ここは素直に「お電話ありがとうございます」という表現が分かりやすく、なおかつ相手に感情をこめて伝えられるのでオススメです。

電話をもらった事に対しての感謝の言葉は何かと良く使いますので、とっさに出てくるように練習しておきましょう。

「お電話させていただきます」の使い方

こちらから電話をするときに使う表現で、とてもよく使う言葉の一つです。「お電話いたします」とも同じように使えますが「お電話させていただきます」の方がより丁寧な言葉になりますので、併用して使えると良いでしょう。

「お電話差し上げる」の使い方

こちらも自分から電話をするときに使える表現の一つです。する、与えるという言葉の謙譲語で、差し上げるという表現です。使い方としてはさきほどの「お電話させていただく」と同じ意味となります。とてもシンプルな表現なので、覚えておいて損はないでしょう。

しかし「お電話差し上げる」という表現は少し上からの目線だと感じる人もいるのが現状です。謙譲語としては正確なものですし、使って間違いのある文章ではありませんが、気になるようでしたら「お電話させていただきます」を使うといいでしょう。

「お電話ください」の使い方

相手からの電話が欲しい時に使う表現です。日時や期限を添えて「お忙しいところ恐れ入りますが、○月○日までにお電話ください」といったような使い方ができます。敬語として間違いではありませんが、少しカジュアルな感じがするようであれば「ご連絡ください」や「お電話くださいますようお願いいたします」と言い換えると良いでしょう。

相手の声が聞こえない!そんな時の伝え方

電話で話していて、時に聞こえづらい時もあるでしょう。電波障害的なものなのか、もしくは相手ののどの調子が悪かったのか、なににせよ大事な電話中に相手の声が聞こえず内容が把握できないままやり取りを進めるのは非常に危険です。

電話の声が聞きとりづらい時は、聞こえないという事を正直に相手へ伝えましょう。

とはいってもストレートに「お電話の声が聞こえないです」というのはあまりスマートではありません。相手の声が聞こえにくい時、聞き取りにくい時に「お電話が遠い」「お声が遠い」という表現を使います。このように相手の言葉を聞きなおす事は間違った行為ではありませんので、正直にお願いするという姿勢で伝えましょう。

もしこれでも聞き取れないようであれば電波障害や電話機の不具合なども考えられます。その場合は何度も聞き返すのではなく、一度電話を切って再度かけなおす事を提案してみましょう。

例文

「恐れいります。お電話が少し遠いようですがもう一度よろしいでしょうか?」
「失礼ですが、お声が遠いようです。」

忘れちゃいけない電話応対の大事なポイント

ここまで電話中に使えるフレーズを例文でご紹介してきました。電話応対におけるもう一つの大事なポイントは復唱することです。電話でのやり取りの場合、聞き間違いによるトラブルが少なくありません。言った言わないの問題もありますし、伝えた場所や時間、電話番号などでも起こりえます。必ず相手の言った言葉を繰り返す癖をつけましょう。

例文

「お電話番号くりかえさせていただきます。」
「○○という事ですね。了解いたしました。」
「○○会社の△様ですね。いつもお世話になっております。」

時間の確認にはちょっとしたテクニックを

先ほど復唱が大事だとお伝えしましたが、時間の確認にはもう一つポイントがあります。時間を伝えられた場合は、相手が24時間表記を使ったのであれば、12時間表記で言い直して復唱するということです。

日本語の発音には似たような響きのものがあります。たとえば『いち』と『しち』。相手が17時と言ったつもりでも、11時と聞き間違えてしまう事があります。こんな時のためにあえて別表記の言い方をして行き違いのミスをなくすテクニックです。

例文

A「それでは17時に改めてお電話いたします。」
B「午後5時ですね。了解いたしました。担当者にそのように伝えます。」

ワンランク上の応対をめざそう!

ここまでのポイントをつかんでいれば、電話応対としては十分と思われるでしょう。そこでここまでをマスターできた方にはもう一歩上のポイントをご紹介しましょう。それは相手の先を読んで提案する事です。

例文

A「いつもお世話になっております。○○会社の×です。」
B「お世話になっております。」
A「○○様はいらっしゃいますか?」
B「あいにくただいま電話中です。」
A「そうですか。」
B「はい。」

実はこの例文のような電話のやり取りが非常に多いのが現状です。相手の電話がいつ終わるのかAには分かりません。こんな時は『終わりましたらこちらから電話させます』という一言をつけると、ビジネスマナーとしてかなりポイントが高いです。

こちらからの提案があることで相手に余計な時間を使わせない事ができますし、電話相手の名前とともに担当者にその旨を伝えれば電話をかける際に必要な書類や情報を元に電話をかける事ができます。

もちろん相手がこのあと手があかないようであれば「また改めて電話します」という言葉が返ってくることもあります。その時は『恐れ入ります。それではお電話があった事を担当者にお伝えいたします』と伝えましょう。

シミュレーションで電話応対マスター!

いかがでしたでしょうか。例文やポイントを元に電話応対のノウハウをお伝えしてきました。正直難しそう、できればやりたくないと思った方も多いのではないでしょうか。たしかにちょっとコツのいる電話応対ですが、なれると自然と言葉が出てくるようになります。

まずは自分で復唱してみたり、同僚と一緒にシミュレーションしてみたりして、楽しんでトライしてみればいつのまにか電話応対マスターになっているでしょう。

今回ご紹介した『お電話』を使った例文を元にぜひチャレンジしてみてください。

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